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第二章 人として生きる
1 成人 4
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乙羽は、俺と同じくらいの大きさで、柔らかくて、あったかくて、いい匂いがする。ぱたぱた、ぱたぱた、と動き回っているのが可愛くて、ベッドからじーっと見てる。
楽しい。
「なる」
乙羽は、俺のこと、なるって呼ぶ。
「そろそろ、水飲もうか」
乙羽が近くに来てくれるのが嬉しくて、うんうん頷いた。
起こしてくれて、ストローを口につけてくれる。ストローって便利。好きな分だけ飲めるから。
でも、ちょっと前までは吸い込む力もなくて、緋色の口から俺の口に入れてくれてた。あれも、美味しくていい。
今、俺は左手が無いだけじゃなくて、右手も骨が折れてて使えない。人の顔を殴ったからだよねー、多分。身に覚えはある。力加減がうまくいかなかったんだなあ。必死だったし。
目が覚めて、右手が痛くて動かせないし、持ってた筈の飴がなくて、悲しかったなあ。
泣くよね。
もう、大泣きした。
生まれて初めて、あんなに泣いた。
心配した緋色が、いっぱい抱っこしてくれたけど、なかなか止まらなかった。
そのまま寝たのは、気持ち良かった。
乙羽は、水を飲ませてくれた後で金平糖を口に入れてくれた。背中にクッションを置いて、もたれさせてくれる。
「食べ終えたら、呼んでね。寝た姿勢で食べて、喉に詰まったら大変だから」
うんうん。
金平糖は、飴と同じくらい美味しい。この世のあらゆる美味しいものをすべて集めて、飴より小さく固めたんだな。とげとげが食べにくいけど、そーっと舐める。
この前、かじってもいいよって乙羽が言うから、かじったら、あっという間に無くなって、泣きそうになった。
もう一個くれたけど、もう二度とかじらないと心に固く誓った。
飴は、まだもらえない。自分で長い時間座れるようになってからじゃないと、喉に詰まったら大変だから、だって。
飴が食べれないと落ち込んでたら、乙羽が金平糖をくれた。飴と同じくらい美味しいものがこの世にあったとは!
「乙羽」
金平糖が無くなって、座ってるのが辛くなってきたから、呼んでみた。掠れた変な声だけど、ちゃんと聞こえたみたいで、乙羽がぱたぱた、と来てくれる。
嬉しくて、右手を伸ばしたらぎゅって抱っこしてくれた。
乙羽は、柔らかくて、あったかくて、いい匂いがする。
ここは、天国なんだろう。
突然、べりっと引き離された。眉間に皺を寄せた常陸丸が乙羽を後ろから抱き込んでいる。緋色がひょい、と俺を抱き上げた。
しがみつけないけど、もたれ掛かってみる。乙羽より硬いけど、緋色の抱っこの方が好き。
「乙羽、成人は一応、男なんだが?」
常陸丸の低い声がして。
「知ってるけど?」
って乙羽が答えてた。
楽しい。
「なる」
乙羽は、俺のこと、なるって呼ぶ。
「そろそろ、水飲もうか」
乙羽が近くに来てくれるのが嬉しくて、うんうん頷いた。
起こしてくれて、ストローを口につけてくれる。ストローって便利。好きな分だけ飲めるから。
でも、ちょっと前までは吸い込む力もなくて、緋色の口から俺の口に入れてくれてた。あれも、美味しくていい。
今、俺は左手が無いだけじゃなくて、右手も骨が折れてて使えない。人の顔を殴ったからだよねー、多分。身に覚えはある。力加減がうまくいかなかったんだなあ。必死だったし。
目が覚めて、右手が痛くて動かせないし、持ってた筈の飴がなくて、悲しかったなあ。
泣くよね。
もう、大泣きした。
生まれて初めて、あんなに泣いた。
心配した緋色が、いっぱい抱っこしてくれたけど、なかなか止まらなかった。
そのまま寝たのは、気持ち良かった。
乙羽は、水を飲ませてくれた後で金平糖を口に入れてくれた。背中にクッションを置いて、もたれさせてくれる。
「食べ終えたら、呼んでね。寝た姿勢で食べて、喉に詰まったら大変だから」
うんうん。
金平糖は、飴と同じくらい美味しい。この世のあらゆる美味しいものをすべて集めて、飴より小さく固めたんだな。とげとげが食べにくいけど、そーっと舐める。
この前、かじってもいいよって乙羽が言うから、かじったら、あっという間に無くなって、泣きそうになった。
もう一個くれたけど、もう二度とかじらないと心に固く誓った。
飴は、まだもらえない。自分で長い時間座れるようになってからじゃないと、喉に詰まったら大変だから、だって。
飴が食べれないと落ち込んでたら、乙羽が金平糖をくれた。飴と同じくらい美味しいものがこの世にあったとは!
「乙羽」
金平糖が無くなって、座ってるのが辛くなってきたから、呼んでみた。掠れた変な声だけど、ちゃんと聞こえたみたいで、乙羽がぱたぱた、と来てくれる。
嬉しくて、右手を伸ばしたらぎゅって抱っこしてくれた。
乙羽は、柔らかくて、あったかくて、いい匂いがする。
ここは、天国なんだろう。
突然、べりっと引き離された。眉間に皺を寄せた常陸丸が乙羽を後ろから抱き込んでいる。緋色がひょい、と俺を抱き上げた。
しがみつけないけど、もたれ掛かってみる。乙羽より硬いけど、緋色の抱っこの方が好き。
「乙羽、成人は一応、男なんだが?」
常陸丸の低い声がして。
「知ってるけど?」
って乙羽が答えてた。
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