146 / 1,202
第三章 幸せの行方
47 成人 58 *
しおりを挟む
緋色のアレが大きくなって、お尻に当たっていた。
「気持ちいいの、する?」
緋色に耳打ちすると、もっと大きくなった。
分かる。これを擦るとすごく気持ちいい。たまに、俺のを緋色が擦ってくれるのが、すごい好き。気持ちいいのが好き。
俺も緋色のを擦ってあげようと右手を下ろして、ふと思い出した。
口に入れると気持ちいいのかな?
これを、無理やり突っ込まれてた。口にも、お尻の穴にも。あの時は、痛いやら苦しいやら気持ち悪いやらで、行為の意味を尋ねることもできず、ただただ早く終わってくれないかとだけ願っていた。苦しめるための嫌がらせなのか、要らなくなって壊してしまいたいからやっているのかと思っていた。他の布団に呼ばれていた仲間も、訓練より辛いと言っていた。薬物実験とどちらか選べと言われたら悩む。どちらも命懸けなことは変わらない。出荷前に、この行為で壊れた子はいなかったけど、出荷後にはいたかもしれない。戦場では、より無茶苦茶だった。興奮して、無茶苦茶に……。
ふる、と震えたのが緋色に伝わったのだろう。
「どうした?」
と優しい声がする。
「……口に入れると気持ちいいの?」
緋色になら聞ける。ちょっと息を飲む様子が伝わってきた。
「お尻の穴に入れるのも?気持ちいい?」
ぎゅっと抱き締めてくれて、肩に顔を埋めている。答えにくいことを聞いてしまったのだろうか。
「ごめん。」
申し訳なくて、小さな声で謝った。
「……気持ちいい。とんでもなく、気持ちいいよ。」
緋色の声も小さかったけど、ちゃんと聞こえた。
そうか。入れる方は気持ちいいのか。だから、口やお尻の穴に突っ込むのか。
「入れるのは、気持ちいいんだねえ。」
「……入れられる方も、気持ちいいものなんだ。」
俺は首を傾げる。何をどうしたら、あんなものが気持ちよくなるのやら。
「あれは、好きな者同士ですることだから。気持ちいいことを二人でする行為だから、二人とも気持ちいいんだ。」
「緋色がしたいなら、入れていいよ。」
「お前もしたいなら、入れたい。結婚した二人は、するものだから。」
「じゃあ、する。」
緋色は、ざばと俺を抱いたまま立ち上がった。
大急ぎで風呂から出ようとするので、首を傾げてたら、布団に行くと言う。
体が勝手に震え出した。布団で。布団……。
緋色が丁寧に体を拭いてくれる間も、震えは止まらなかった。気付いているだろうに、緋色は知らん顔をして、俺に寝間着を着せていく。自分も拭いて寝間着を着込むと、震えて、ただ突っ立っていた俺を抱き上げた。ぎゅう、と強く抱き締めてくれると、少し震えがおさまる。
「成人。俺が、お前に痛いことすると思うか?」
震えたまましがみついて、首を横に振る。
しない。緋色は、痛いことも苦しいことも気持ち悪いこともしない。
頭では分かってるのに、からだの震えは止まらなかった。
「気持ちいいの、する?」
緋色に耳打ちすると、もっと大きくなった。
分かる。これを擦るとすごく気持ちいい。たまに、俺のを緋色が擦ってくれるのが、すごい好き。気持ちいいのが好き。
俺も緋色のを擦ってあげようと右手を下ろして、ふと思い出した。
口に入れると気持ちいいのかな?
これを、無理やり突っ込まれてた。口にも、お尻の穴にも。あの時は、痛いやら苦しいやら気持ち悪いやらで、行為の意味を尋ねることもできず、ただただ早く終わってくれないかとだけ願っていた。苦しめるための嫌がらせなのか、要らなくなって壊してしまいたいからやっているのかと思っていた。他の布団に呼ばれていた仲間も、訓練より辛いと言っていた。薬物実験とどちらか選べと言われたら悩む。どちらも命懸けなことは変わらない。出荷前に、この行為で壊れた子はいなかったけど、出荷後にはいたかもしれない。戦場では、より無茶苦茶だった。興奮して、無茶苦茶に……。
ふる、と震えたのが緋色に伝わったのだろう。
「どうした?」
と優しい声がする。
「……口に入れると気持ちいいの?」
緋色になら聞ける。ちょっと息を飲む様子が伝わってきた。
「お尻の穴に入れるのも?気持ちいい?」
ぎゅっと抱き締めてくれて、肩に顔を埋めている。答えにくいことを聞いてしまったのだろうか。
「ごめん。」
申し訳なくて、小さな声で謝った。
「……気持ちいい。とんでもなく、気持ちいいよ。」
緋色の声も小さかったけど、ちゃんと聞こえた。
そうか。入れる方は気持ちいいのか。だから、口やお尻の穴に突っ込むのか。
「入れるのは、気持ちいいんだねえ。」
「……入れられる方も、気持ちいいものなんだ。」
俺は首を傾げる。何をどうしたら、あんなものが気持ちよくなるのやら。
「あれは、好きな者同士ですることだから。気持ちいいことを二人でする行為だから、二人とも気持ちいいんだ。」
「緋色がしたいなら、入れていいよ。」
「お前もしたいなら、入れたい。結婚した二人は、するものだから。」
「じゃあ、する。」
緋色は、ざばと俺を抱いたまま立ち上がった。
大急ぎで風呂から出ようとするので、首を傾げてたら、布団に行くと言う。
体が勝手に震え出した。布団で。布団……。
緋色が丁寧に体を拭いてくれる間も、震えは止まらなかった。気付いているだろうに、緋色は知らん顔をして、俺に寝間着を着せていく。自分も拭いて寝間着を着込むと、震えて、ただ突っ立っていた俺を抱き上げた。ぎゅう、と強く抱き締めてくれると、少し震えがおさまる。
「成人。俺が、お前に痛いことすると思うか?」
震えたまましがみついて、首を横に振る。
しない。緋色は、痛いことも苦しいことも気持ち悪いこともしない。
頭では分かってるのに、からだの震えは止まらなかった。
応援ありがとうございます!
123
お気に入りに追加
4,349
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる