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第三章 幸せの行方
62 成人 67
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何だか皆が、しんとしているから困ってしまう。俺は、なるべく小さい声でしゃべっているのに、俺の声だけ聞こえているし。
「緋色とお話あるの?早く終わってね。」
「あ、ああ。」
力丸が、変な顔で頷いた。
「緋色、お話あるなら、早く。」
緋色の服を掴んで揺する。何故か緋色が、深呼吸した。
「……お前から触れるのは禁止。」
「あ、あ、え?」
「百人組手三日間。以上だ。」
周りの人が、急にまた普通に話し始めた。
「私、小さい方が食べやすいわ。」
「ああ。なる坊のは、水の代わりに豆腐で捏ねてるんですよ。ほどよいもちもち感になるでしょ。もう少し噛めるようになったら、豆腐の分量を減らしてやろうと思ってるんですけどね。」
乙羽と広末の明るい声が聞こえる。
「う、承りました。」
力丸が震える声で答えて、頭を下げた。
「殿下。」
常陸丸が深く頭を下げた。
「常陸丸、少し付き合え。成人、いっぱい食えよ。」
緋色は、俺にそう言って常陸丸を連れて部屋を出ていった。常陸丸は、団子を食べなくていいのかな?ま、仕方ない。
「力丸。食べよ。」
俺は、力丸の手を引いて机の横に座った。ミックスジュースをじゅるっと飲む。小鉢をどれか、食べてみようかなあ。
力丸は、ごしごしと乱暴に目元をこすった。泣いてるの?
「怪我したの、痛い?どうしたの?」
「何でもない。」
「そう?」
「そう。お前さ、これ好きだと思うよ。フルーツ白玉。とろっとして甘いし。」
力丸は、誰も食べていなかった透明な液体にフルーツと団子が浮いてるやつを渡してくる。スプーンで少し、液体をすくってみた。ぺろ、と舐める。
「美味しい。」
「だろ?これ、みかんだよ。」
「みかん。」
団子とみかんと汁をスプーンに乗せて口に入れた。
おおっ。
団子がとろっとしてる。
「にやにやして食ってるとよだれが垂れるぞ。」
「力丸も食べる?」
「食べる。全部の味見する。」
力丸が、やっと笑った。
ふふ。良かった。
俺も、全部の味見をしてみたけど、お汁粉はちょっと甘過ぎた。きな粉は、けほけほとむせて上手く食べられなかった。みたらし団子は美味しい。でも、一番好きなのはフルーツ白玉だった。
力丸の言ったとおり!
「緋色とお話あるの?早く終わってね。」
「あ、ああ。」
力丸が、変な顔で頷いた。
「緋色、お話あるなら、早く。」
緋色の服を掴んで揺する。何故か緋色が、深呼吸した。
「……お前から触れるのは禁止。」
「あ、あ、え?」
「百人組手三日間。以上だ。」
周りの人が、急にまた普通に話し始めた。
「私、小さい方が食べやすいわ。」
「ああ。なる坊のは、水の代わりに豆腐で捏ねてるんですよ。ほどよいもちもち感になるでしょ。もう少し噛めるようになったら、豆腐の分量を減らしてやろうと思ってるんですけどね。」
乙羽と広末の明るい声が聞こえる。
「う、承りました。」
力丸が震える声で答えて、頭を下げた。
「殿下。」
常陸丸が深く頭を下げた。
「常陸丸、少し付き合え。成人、いっぱい食えよ。」
緋色は、俺にそう言って常陸丸を連れて部屋を出ていった。常陸丸は、団子を食べなくていいのかな?ま、仕方ない。
「力丸。食べよ。」
俺は、力丸の手を引いて机の横に座った。ミックスジュースをじゅるっと飲む。小鉢をどれか、食べてみようかなあ。
力丸は、ごしごしと乱暴に目元をこすった。泣いてるの?
「怪我したの、痛い?どうしたの?」
「何でもない。」
「そう?」
「そう。お前さ、これ好きだと思うよ。フルーツ白玉。とろっとして甘いし。」
力丸は、誰も食べていなかった透明な液体にフルーツと団子が浮いてるやつを渡してくる。スプーンで少し、液体をすくってみた。ぺろ、と舐める。
「美味しい。」
「だろ?これ、みかんだよ。」
「みかん。」
団子とみかんと汁をスプーンに乗せて口に入れた。
おおっ。
団子がとろっとしてる。
「にやにやして食ってるとよだれが垂れるぞ。」
「力丸も食べる?」
「食べる。全部の味見する。」
力丸が、やっと笑った。
ふふ。良かった。
俺も、全部の味見をしてみたけど、お汁粉はちょっと甘過ぎた。きな粉は、けほけほとむせて上手く食べられなかった。みたらし団子は美味しい。でも、一番好きなのはフルーツ白玉だった。
力丸の言ったとおり!
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