【本編完結】人形と皇子

かずえ

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こぼれ話

お土産を買う  成人

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 幸せいっぱいで目を覚ましたら、もう日は高く昇っていて、俺は大慌てで起き上がった。
 緋色ひいろが横にいなくて、余計に不安になってしまう。

緋色ひいろ?」
「お風呂に入っておられます。」

 不安で呟いたら、いつの間にか布団の横に座っていたじいやがそっと教えてくれた。

「急がないと、かばが寝ちゃう。」
「大丈夫ですよ。今日も寝ていたら、明日見ればいいんです。」
「明日?」
「はい。今日の夜もこちらで泊まりますので、明日は早起きしましょう。」

 ほっとして、また布団に寝転がる。良かった。かばをちゃんと見れないまま帰ることになったら、昨日、気持ちいいことしたくなった俺を怒りたい気分だった。

「お風呂に入りますか?」

 うん、と頷くとじいやが優しく抱き上げてくれる。

「俺、重くなった?」
「まだまだですな。」

 じいやに支えてもらったり、抱いてもらうのは好きだ。俺の動きを邪魔しないようにしてくれるから。
 浴衣を脱がせてもらって、緋色ひいろとお風呂に入った。いつでも入れるなんて、温泉ってすごい!

 お昼ご飯を食べてから、また動物園に出かけた。乙羽おとわも遅くまで寝てたんだって。
 かばはやっぱり寝ていて、動物園の奥の方にいるらくだを見に行った。まつげが長くて、面白い顔だった。近くで見ることができたので、見つめあってしまったよ。
 今日は、緋色ひいろに抱いてもらって移動してたので、らくだと見つめあってたら、次はどこだ?と離されちゃった。
 ぞう、と言おうとしたら、土産を見に行くか、と勝手に歩き出す。あれ?
 お土産屋さんは、雑貨屋さんと似ているけど、食べ物も売ってて何でも屋さんみたいだった。
 ぞうのぬいぐるみ、片手で持てる大きさのがある。あれなら末良すえよしも持てるんじゃない?可愛い。緋色ひいろの腕から下りて、ぬいぐるみを見に行く。いくらかな?三千円も持ってきたから、買えるかな?
 ぞうのぬいぐるみは八百円だった。ちょっと高い。でも末良すえよしにあげたいなあ。お土産をあげたい人を数えてみる。お家の人と、お城の雫石しずくさんや父さまにもあげたい。大変だ。二十でも足りるか分からない。十個入って八百円のお饅頭を二箱買ってみようかな。
 ぞうのキーホルダーがある。三百円。欲しい。力丸りきまると一緒に付けよう。村次むらつぐも。三つ手に取ったけど、もしかして、お金が足りない?一生懸命計算して、しぶしぶ一つ戻した。

「何で三ついるんだ?」
力丸りきまる村次むらつぐと俺の。でも、お金足りない。」

 緋色ひいろが、ちょっと嫌そうな顔をした。あ、あのね、緋色ひいろとのお揃いはとっくに持ってるから。
 俺は右手の薬指の指輪を緋色ひいろの左手の薬指の指輪にくっつける。そのままきゅっと手を握った。

緋色ひいろとは、いつも一緒。」

 ふふん、と緋色ひいろが笑う。

「当たり前だ。」

 俺は、ぴったり三千円のお土産を持ってレジに行った。これください、はどこでも一緒なんだね。

「プレゼント用に。」

 と緋色ひいろが言うと、綺麗な包装紙に一つ一つ包んでくれる。渡すのが楽しみ!
 ぞうのキーホルダー、俺の分は緋色ひいろが買ってくれた。ありがとう。
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