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こぼれ話
新婚旅行のすすめ 成人
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次の日の朝、斑鹿乃が末良を連れて離宮に来てくれた。少し前に離宮を出て、違う家で暮らし始めたから、たまにしか会えなくなって寂しい。
俺の部屋の絨毯の上に案内して、ぞうのぬいぐるみを渡す。末良は上手にお座りして、両手で受け取った。
やっぱり。末良の小さな手でもしっかり持てた!
末良は、ぞうをぶんぶん振っている。あ、音は鳴らないからつまらないかな?しばらく振った後、じっくりと見て、ぞうの長い鼻をぱくりと口に入れる。
にひゃ、と笑った。
気に入ってくれたのかな?
「成人さん、ありがとう。」
斑鹿乃が、上手に末良の口からぞうを離しながら言う。
「末良、喜んでる?」
「とても気に入ったみたい。ほら、離さない。」
口から咥えていたぞうの鼻を出されて、末良はぞうをぎゅっと両手で持って、いやいやと首を振った。斑鹿乃に取られると思ったのかな。
はいはいで移動するときも、口にぞうの鼻を咥えて行こうとしてたから、ものすごく気に入ってくれたみたい。良かった。
「斑鹿乃は行った?」
「動物園ですか?遠足で行きました。」
「んーん。新婚旅行。」
「新婚旅行。ああ、それは行けていないですねえ。」
「行った方がいいよ!」
「新婚旅行ですか。そうですね。楽しそう。」
「温泉に入って、動物園に行くんだよ。」
俺は、一生懸命説明した。斑鹿乃はくすくす笑う。
「それなら、末良も喜ぶかもしれませんね。」
「喜ぶよ。ぞうがいるからね。」
「そうですね。皆で旅行、いいですね。考えてみます。」
それから末良が眠くなるまで遊んで、吉野と斑鹿乃の分のまんじゅうを渡した。末良は、ぞうをぎゅっと握って寝てて、可愛かった。
新婚旅行、行ってきてね。楽しいからね。
そうだ、もう一人にも教えてあげなくちゃ。
俺は、昼ごはんの時に緋椀を捕まえる。
「新婚旅行、いいよ。」
「え?」
「温泉入って、動物園行くの。」
「あ、うん。楽しかったか。良かったな。」
「うん。だからね。緋椀も行った方がいいよ。」
「は?」
「新婚旅行。行った方がいいよ!」
「成人、俺は結婚してないけど……。」
「え?」
「え?」
あれ?三雲と結婚したんじゃないの?
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