【本編完結】人形と皇子

かずえ

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第五章 それは日々の話

27 幸せな夜  緋色 *

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 成人なるひとが決まった時間に昼寝をするようになると何が良いかと言うと、夜に何かをしている途中で寝落ちしないことが良い。
 食べている途中で眠くなって残すことがないから、体重は少しずつ増えている。風呂の途中で寝ることもないから、機嫌良く温まることができる。風呂を上がってから、布団の上で髪の毛に美容液を馴染ませたり、動かしにくい左の上腕のマッサージをしたりしてやることができる。
 のんびりと二人で本を読んだり、俺が本を読んでいる腕の中でただくっついているときもある。
 そうして、おやすみ、と言って寝る生活はとてもとても体に良いようだ。
 髪に美容液を馴染ませてやると、その匂いに誘われて気持ちいいことをしたくなるのもいい。調子が良いと、健康な男ならではの反応を見せる陰茎に、気持ちいいことしよ、と言ってキスをしてくるのを俺は待っている。
 自分で擦っても気持ちよくなれる、と教えていないから、定期的にお誘いがくるのは嬉しい限り。おねだりして俺の体に、立ち上がりかけたものを擦り付けてきてくれるから分かりやすい。我慢させる気はこれっぽっちも無いので、成人なるひとの控えめな大きさの陰茎を、俺のとまとめて右手に包み込み、ゆっくりと擦る。

「あ……きもちい……」

 少し掠れた高めの声が甘さを含んでうっとりと言う。左手でそっと乳首も撫でてみれば、ぷくっと少し硬くなった。真似するように、成人なるひとの右手も俺の乳首を触る。少し硬くなるにつれて、くすぐったさが快感に変わっていく。成る程……。これはなかなか気持ちいい……。
 キスをして、ぺろりと唇をなめれば、少し口を開いて俺の舌を迎え入れる。そのままちゅうちゅうと俺の舌を吸って、気持ち良さそうに体を震わせた。

「ん、んんぅ……」 

 そっと擦っていても、あっという間に達したらしい。成人なるひとからほんの少しの白濁が出たのを、置いていたタオルで拭う。くたりと力の抜けた体を支えて、香油を手に取る。ゆっくりと小さな尻に塗り込んでいけば、

「い、におい……」

 と甘い声が呟いた。
 髪の美容液の店でついでに仕入れた香油は、今までのものより格段に伸びが良く、匂いも甘すぎず、流石の品質だった。俺の伴侶が男と聞いた店主が、こちらも専門です、と胸を張って出してきただけのことはある。同性の閨事を、戦場での特殊なもの、と捕らえがちな我が国より、それもあり、とする大らかなお国柄のようだ。
 成人なるひとの、軟らかい孔によく馴染む。指でゆっくりと広げれば、

「あ……ああ……ん」

 甘い声が聞こえた。

「気持ちいいな、成人なるひと
「うん……」
「入るぞ」
「うん……」

 ゴムを付けて、体を抱えて少しずつ中に入り込む。のし掛かって潰さないように慎重に。性急に動いて気持ち良すぎると成人なるひとが意識を飛ばしてしまうから、ゆっくりゆっくり。
 その甘い声を聞きたいから。
 それでも、俺がのぼりつめる頃にはもう、声もほとんど出ていない。朦朧としながら、緋色ひいろ好き、と囁かれると幸せな気分で絶頂する。
 はじめの頃は、体の負担を考えてすぐに抜いていたが、もうちょっといて、としがみつかれてから、成人なるひとが満足するまで成人なるひとの中で余韻を楽しむことにした。力の抜けた状態でくっつきあっているのも悪くない。
 幸せそうな顔。気持ちいいまま寝られるなんて最高だな。
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