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第七章 冠婚葬祭
133 たくさんのありがとう 成人
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「うちのために、着物やない礼服を工夫してくださって、ありがとうございます」
壱臣と半助が一緒に頭を下げた。おお、ぴったり。仲良し。
「いいえ、壱臣さま。わたくしは常々、男性の礼服がどうにも落ち着きすぎていて気に入りませんでしたの。黒っぽいものばかりですし、少しでも兵役に就いたことのある方は軍服で済まされますし」
涼乃絵の言葉に、祈里や衣装部の他の三人も、ぶんぶんと首を縦に振っている。すごく賛成なんだな……。
「あれでは、どう工夫しても、なかなかに納得のゆく結果は得られませんでしたわ。着物でもそうです。模様を入れるにしても、黒が下地ではなかなか思い切ったことはできませず、そればかりか思い切ったことをすれば、そんなものはいらぬと仰られてしまったり。よく目立つようにと白を入れればまるで……あ、いえ。申し訳ありません。つい余計なことを申しましたわ」
ぐ、と細くて綺麗な手を握ってたくさんお話ししてた涼乃絵が、急にお話をやめて頬に手を当てた。ちょっと顔が赤い。
「くくく。まだまだこれからも頼むぞ、涼乃絵」
「殿下、お恥ずかしい……。壱臣さまもごめんなさいね」
お恥ずかしい……?あ、照れてるんだ。ふふふ。涼乃絵、衣装の話してる時は格好良いこと多いのに、今は可愛い。不思議。
「ふふ。ふふふ。涼乃絵さま。ありがとう」
壱臣がにこにこ笑うと、皆もにこにこしちゃうのは何でだろう。あ、半助が壱臣の腰に手を回した。壱臣、あんまり気付いてないねえ。半助はちょっと笑ってる。
「そうだわ。皆、こちらへ」
涼乃絵が振り返って、端っこに立っていた使用人を呼んだ。お城の使用人服を着た三人と坂寄だ。
「臨時の手伝いの者たちです」
四人が揃って頭を下げる。
「皆、ご苦労だった。頭を上げてくれ」
皆、にこにこだ。坂寄以外。
「ありがとう」
俺も、ご挨拶。本当にありがとね。緋色が汗だくになる前に結婚式ができるよ。
「お世話になりました」
「ありがとう」
「感謝します」
色んな言葉が掛けられる。全部、ありがとうの気持ち。
「まことに、もったいなく……」
誰が言ったのか。にこにこの三人が、目に涙をためてまた頭を下げちゃった。
「あらあら。まあ」
衣装部の人たちはにこにこ笑ってるから、嬉しいの涙かな。誰かのありがとうが、泣くくらい嬉しい時もあるんだなあ。いい仕事だなあ。
坂寄も、にこにこじゃないまま深く頭を下げた。坂寄のは、何の涙……?
壱臣と半助が一緒に頭を下げた。おお、ぴったり。仲良し。
「いいえ、壱臣さま。わたくしは常々、男性の礼服がどうにも落ち着きすぎていて気に入りませんでしたの。黒っぽいものばかりですし、少しでも兵役に就いたことのある方は軍服で済まされますし」
涼乃絵の言葉に、祈里や衣装部の他の三人も、ぶんぶんと首を縦に振っている。すごく賛成なんだな……。
「あれでは、どう工夫しても、なかなかに納得のゆく結果は得られませんでしたわ。着物でもそうです。模様を入れるにしても、黒が下地ではなかなか思い切ったことはできませず、そればかりか思い切ったことをすれば、そんなものはいらぬと仰られてしまったり。よく目立つようにと白を入れればまるで……あ、いえ。申し訳ありません。つい余計なことを申しましたわ」
ぐ、と細くて綺麗な手を握ってたくさんお話ししてた涼乃絵が、急にお話をやめて頬に手を当てた。ちょっと顔が赤い。
「くくく。まだまだこれからも頼むぞ、涼乃絵」
「殿下、お恥ずかしい……。壱臣さまもごめんなさいね」
お恥ずかしい……?あ、照れてるんだ。ふふふ。涼乃絵、衣装の話してる時は格好良いこと多いのに、今は可愛い。不思議。
「ふふ。ふふふ。涼乃絵さま。ありがとう」
壱臣がにこにこ笑うと、皆もにこにこしちゃうのは何でだろう。あ、半助が壱臣の腰に手を回した。壱臣、あんまり気付いてないねえ。半助はちょっと笑ってる。
「そうだわ。皆、こちらへ」
涼乃絵が振り返って、端っこに立っていた使用人を呼んだ。お城の使用人服を着た三人と坂寄だ。
「臨時の手伝いの者たちです」
四人が揃って頭を下げる。
「皆、ご苦労だった。頭を上げてくれ」
皆、にこにこだ。坂寄以外。
「ありがとう」
俺も、ご挨拶。本当にありがとね。緋色が汗だくになる前に結婚式ができるよ。
「お世話になりました」
「ありがとう」
「感謝します」
色んな言葉が掛けられる。全部、ありがとうの気持ち。
「まことに、もったいなく……」
誰が言ったのか。にこにこの三人が、目に涙をためてまた頭を下げちゃった。
「あらあら。まあ」
衣装部の人たちはにこにこ笑ってるから、嬉しいの涙かな。誰かのありがとうが、泣くくらい嬉しい時もあるんだなあ。いい仕事だなあ。
坂寄も、にこにこじゃないまま深く頭を下げた。坂寄のは、何の涙……?
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