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第十章 されど幸せな日々
64 うちの人 成人
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おーちゃん達は、動き始めると早かった。あっという間に、うちの人たちから仕事を引き継いでいく。
おーちゃん達は、俺たちにはよく分かっていなかった西国の決まり、みたいなものが分かっているから、調べたり確認したりする手間が省けて仕事が早い。そして、竹光や鶴丸たちとの話が早い。当たり前だけど、早い。
鶴丸たちの「うちの人」なんだなーって、見ていたらすごく分かった。俺の家族たちが頑張って手伝っていても、やっぱりそれは手伝いなんだ。手伝いではない本当の仲間たちとのやり取りは、見ていて気持ちが良かった。そう、気持ちいい。いいなあ、って思いながら見て、それから、俺と俺の家族たちもそんな風に見えているんだろうか、と考えるとによによした。によによ。
「締まりのない顔してんなあ」
「ん?」
「何考えてる顔だ、これは?」
緋色も何だかのんびりしている。鶴丸たち、もう大丈夫そうだね。それなら俺たちは、いったん戻る準備をしなくちゃいけない。ここは居心地がいいけれど、俺たちのおうちじゃないもんね。
「緋色、おうちの仕事忙しい?」
「あん?」
緋色が、すっと目を細めた。
「楽しいこと考えてるんじゃなかったのか」
「楽しいこと考えてた」
「ちっとも楽しくないぞ」
「ええっと。ここが、鶴丸たちのおうちになってきて良かったな、って」
「ん? ああ」
緋色は、俺と城の中を歩きながら、周りを見渡した。近くにいた使用人が立ち止まり、頭を下げて俺たちが通り過ぎるのを待っている。そんなことしなくていいよ、といくら言ってもそれは無しにはならなかった。亀吉と散歩していてもそんな感じ。こういうものだと思うしかない。すっかり慣れてきたけれど、落ち着かない気持ちにはなる。
時々混じっている、西賀国の着物の人。緋色の目は、その人たちを見ていた。
この城の使用人用の着物は少々動きにくい、と、おーちゃん達は西賀国の使用人用の着物のままで仕事をしている。色んな所に散って動き回っているのが分かりやすくていい。安心するね。そのうち、この着物の人や、新しく作るかもしれない新しい西中国の使用人用の服の人だらけになるといい。
「俺たちもおうちに帰らなくちゃ」
「まあな」
俺たちにも過ごしやすいおうちがあるんだからさ。
あ、でも、俺たちの家族皆をいっぺんに連れて帰ると鶴丸が困るかも。少しずつ、行ったり来たりしよう? こっちにも過ごしやすいおうちはあるし、西賀国の安さんのお風呂屋さんにはまた行きたいし。
「またすぐ戻ってきて、お風呂屋さんに行きたい」
「そうしよう」
緋色の返事は早かった。
やっぱり俺たち、気が合うね。
おーちゃん達は、俺たちにはよく分かっていなかった西国の決まり、みたいなものが分かっているから、調べたり確認したりする手間が省けて仕事が早い。そして、竹光や鶴丸たちとの話が早い。当たり前だけど、早い。
鶴丸たちの「うちの人」なんだなーって、見ていたらすごく分かった。俺の家族たちが頑張って手伝っていても、やっぱりそれは手伝いなんだ。手伝いではない本当の仲間たちとのやり取りは、見ていて気持ちが良かった。そう、気持ちいい。いいなあ、って思いながら見て、それから、俺と俺の家族たちもそんな風に見えているんだろうか、と考えるとによによした。によによ。
「締まりのない顔してんなあ」
「ん?」
「何考えてる顔だ、これは?」
緋色も何だかのんびりしている。鶴丸たち、もう大丈夫そうだね。それなら俺たちは、いったん戻る準備をしなくちゃいけない。ここは居心地がいいけれど、俺たちのおうちじゃないもんね。
「緋色、おうちの仕事忙しい?」
「あん?」
緋色が、すっと目を細めた。
「楽しいこと考えてるんじゃなかったのか」
「楽しいこと考えてた」
「ちっとも楽しくないぞ」
「ええっと。ここが、鶴丸たちのおうちになってきて良かったな、って」
「ん? ああ」
緋色は、俺と城の中を歩きながら、周りを見渡した。近くにいた使用人が立ち止まり、頭を下げて俺たちが通り過ぎるのを待っている。そんなことしなくていいよ、といくら言ってもそれは無しにはならなかった。亀吉と散歩していてもそんな感じ。こういうものだと思うしかない。すっかり慣れてきたけれど、落ち着かない気持ちにはなる。
時々混じっている、西賀国の着物の人。緋色の目は、その人たちを見ていた。
この城の使用人用の着物は少々動きにくい、と、おーちゃん達は西賀国の使用人用の着物のままで仕事をしている。色んな所に散って動き回っているのが分かりやすくていい。安心するね。そのうち、この着物の人や、新しく作るかもしれない新しい西中国の使用人用の服の人だらけになるといい。
「俺たちもおうちに帰らなくちゃ」
「まあな」
俺たちにも過ごしやすいおうちがあるんだからさ。
あ、でも、俺たちの家族皆をいっぺんに連れて帰ると鶴丸が困るかも。少しずつ、行ったり来たりしよう? こっちにも過ごしやすいおうちはあるし、西賀国の安さんのお風呂屋さんにはまた行きたいし。
「またすぐ戻ってきて、お風呂屋さんに行きたい」
「そうしよう」
緋色の返事は早かった。
やっぱり俺たち、気が合うね。
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