チートスキル『学習(ラーニング)』で異世界最強 ~Malice・Awaking~

さぼてん

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18 眠れぬ夜に

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「うぅん……」

低い唸り声と共に、目を覚ます。
あの後、タダシさんの厚意からレイヴンズ本部の部屋を一つ貸してもらいそこで寝泊まりをしていた俺だったが、なんとも言えない寝苦しさを感じ、起きてしまっていた。
スマホを見ると、時刻は2時を示している。
なんだか妙に目が冴えてしまった俺は、夜風を浴びようとこっそり外を出た。
あまり良くないとは思うけれど……



「ったく、親父は何考えてんだか」
深夜。昼間の出来事が忘れられずにいた俺は、むしゃくしゃして目を覚ましてしまった。
それはそれとしてついでに手洗いへ行くべく外へ出、帰って来たその時。

「ん?」
いそいそと出入口を目指す、アイツの姿が見えた。
こんな時間に何してやがるんだ?どうしても気になり、俺はその後を追うことにしたーー



「お、満月……」
外へ出た俺は、明るく光る月を見て、呟く。
山頂ということもあってか、ここは空気が澄んでいる。
排気ガスにまみれた現代では見られない見事な満月の輝きに、暫し目を奪われる俺。
そんな俺へ、マリスが言った。

『月が綺麗ですね、マスター』

その言葉に、ギョッとする。
確か、どこかで聞いたことがある。そのセリフに込められた意味はーー

『心拍数の上昇を確認。ふふ、ドキリとしましたね?』
「なっ……もしかしてからかったのか!?」
『ええ。どうでしょうか』

顔を赤くしてドギマギする俺に、いたずらっぽい声色で言うマリス。
まさか人工知能である彼女が、冗談を言うなんて。
2重の意味で驚きを受けた俺だったが、何だか思わず笑ってしまった。

「ありがとう。おかげで少し、緊張がほぐれた」
『そうですか。それは何よりです』

そんな会話をしていた、その時。

「あれ?」
『どうかしましたか、マスター』
「今、人影が見えたような……」
『生体反応を探ってみます。……検出しました。前方5メートル先、茂みの中を走る者がいます』
「近づいてきてるのか?」
『いえ、こちらから遠ざかっています。走行スピードから推測するに、60代後半の男性の可能性大。追いますか?』

俺は少し悩んだ。不用意に首を突っ込めば、また何か引き起こしてしまうかもしれない。
けど、こんなところにお爺さんがいるというのも変だーーもし何かあったら、俺は見捨ててしまった形になる。
それも嫌だ。故にーー

「案内してくれ、尾行する」
『かしこまりました。ナビを起動します』

遠ざかっていく反応を、俺は追い始めた。
たとえこの先に何があろうとも、今投げ出して後悔したくない。
そんな思いを胸に、俺は駆けたーー



「こちらが只今の進捗率となります」
「うむ……」

同時刻、本部内。薄暗い研究室のような部屋で、一組の男女が会話を交わしていた。
それはレイヴンズ長官、カイセ・タダシとその秘書であった。

彼らの前に設置された大型の液晶パネルには、30%と書かれた設計図のようなものが映し出されている。
左右に出っ張った肩パッド状のアーマーに、足元まで伸びるローブ。どこか聖職者を思わせるそのフォルムのそれは、《レイヴンテクター》の発展系のようにも見える。
右下には、その名前らしきものも記載されていた。

「《ジャスティマギア》……いい響きじゃないか。まさに《正義》を体現するに相応しい名前だ」

その名を絶賛しつつ、手を叩くタダシ。
彼はひとしきり眺めると、秘書へ言う。

「では、明日の朝手筈通りに」
「承知しました」

そんな会話を交わした後、すぐに彼女は去っていった。
それを見届け、タダシもまた歩き出す。
エレベーターのパネルを操作し、地下へと行き先を決める。
ゴンドラが動き、降下していく。
そしてそのわずか数秒後、音声アナウンスと共に地下へと到着。
開いたドアから出ると、その眼前にはーー牢屋が広がっていた。

「さて……」
彼は迷うことなく歩みを進め、ある牢の前で立ち止まった。
その中に閉じ込められた1人の男が反応し、気怠げに振り向く。

「アンタは……!」
タダシの姿を見た途端、血相を変えて駆け寄る男。
「おい、話が違うじゃねぇか!俺たちはーー」
何やら語気を強めてタダシへ言う男。
しかしそんなものは意に介さず、タダシは静かに彼を諭すように返す。

「落ち着きたまえ。私は君と、《話》がしたい……」










「《ガットネロ》の構成員くん?」
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