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22 残酷なる真実
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「あんな小せぇ小屋の下に、こんなもんがあるとはな……爺さん、アンタいったい何モンだ?」
階段を下りた先に広がっていたのは、体育館ほどはある地下室だった。
部屋の中は、様々な機械やモニター、資料で埋め尽くされている。
「ここへ」
老人がそう言うと、床から椅子とテーブルがせり上がってきた。俺たちは言葉通り、そこへ腰かける。
そしてしばしの沈黙の後――老人が口を開いた。
「私の名はシラベ・サクヤ。そこの彼と同じく、《転生者》だ」
「《転生者》だと?それにシラベ、って……アンタまさか」
《転生者》――その単語を聞いてアロガのことを思い出したのか、眉をしかめるスクトさん。
しかしそれよりも、その後に出たシラベ、という名に食いついていた。
一体、何故――?俺の疑問はすぐに解決することとなる。
「昔いなくなったっつー、キュリオの爺さんか?」
「……!」
キュリオさんの名前を聞き、驚くサクヤさん。どうやら、そのようだ。
しかしキュリオさんの祖父が本当に《転生者》だっただなんて。けど、それならあの技術力にも合点がいく。
「ああ。何故、君がその名前を?」
「何故って……同じトコで働いてるからな」
「……何て事だ。あの子は昔から好奇心の強い子だったが、レイヴンズに入る道を選ぶとは……」
「おい爺さん。勝手に一人で落ち込まれても困るんだ。早いとこ話を進めてくれねぇか?」
「うむ……そうだな」
そう言ってサクヤさんは咳払いをし、何やらキーボードを操作し始めた。
すると俺たちが座っている前にあったガラス張りの円卓に、ビジョンが投影される。
「これあやつが……カイセ・タダシが裏で関わってきた事件の数々だ」
「何!?」
スクトさんが身を乗り出す。俺もそれを見てみると、そこには――
《エンデ・ルーインズ嬢襲撃事件》
《住民総暴徒化事件》
俺が知っている事件の名前もあった。
「奴は裏でガットネロへ情報と兵器のデータを流し、数々の事件を引き起こしてきた。そしてその度による鎮圧を行い、そこから得たデータによってレイヴンズの装備を改良させる、という事を繰り返していたのだ」
「そしてキュリオは自身が興味を持ったことには真っ直ぐに突き進む癖がある……そんなあの子に付け込んで、私が伝えた知識から兵器開発をさせていたのだ」
「そんな……」
俺がその非道な行いに驚いていると、隣で画面を切り替えていたスクトさんがわなわなと震えだした。
そして、呟く。
「おい……何だよコレ」
俺が視点を戻し、のぞき込むとそこには――
《ガットネロによるカイセ一家襲撃殺人事件》
スクトさんが母親を失った、あの事件が書かれていた――!
「っざけんな!冗談じゃねぇ!親父が……親父がおふくろをわざと死なせたって言いたいのか!?あ゛ぁ!?」
あまりの怒りに机を叩き、液晶画面を叩き割るスクトさん。その眼からは、大粒の涙がこぼれ落ちている。
「……認めたくない気持ちはわかる。しかし、目を背けてはいけない」
「黙れぇっ!認めねぇ、俺は認めねぇぞ!親父が……男手一つで俺を育ててくれた親父が!そんなこと、するはずがねぇ……」
ついに膝から崩れ落ち、俯くスクトさん。俺はもう見ていられなくなり、何か言葉をかけようとしたその時だった。
「その男の言っていることは……紛れもない事実だ」
そう言いながら、地下室の階段を誰かが下りてきた。
俺がその方向を見ると、そこには――
「そう。15年前起きたあの事件。あれを仕組んだのは――他でもない私だ。スクトよ」
張り付いたような笑みを浮かべている、タダシさん――いや、タダシの姿があった。
階段を下りた先に広がっていたのは、体育館ほどはある地下室だった。
部屋の中は、様々な機械やモニター、資料で埋め尽くされている。
「ここへ」
老人がそう言うと、床から椅子とテーブルがせり上がってきた。俺たちは言葉通り、そこへ腰かける。
そしてしばしの沈黙の後――老人が口を開いた。
「私の名はシラベ・サクヤ。そこの彼と同じく、《転生者》だ」
「《転生者》だと?それにシラベ、って……アンタまさか」
《転生者》――その単語を聞いてアロガのことを思い出したのか、眉をしかめるスクトさん。
しかしそれよりも、その後に出たシラベ、という名に食いついていた。
一体、何故――?俺の疑問はすぐに解決することとなる。
「昔いなくなったっつー、キュリオの爺さんか?」
「……!」
キュリオさんの名前を聞き、驚くサクヤさん。どうやら、そのようだ。
しかしキュリオさんの祖父が本当に《転生者》だっただなんて。けど、それならあの技術力にも合点がいく。
「ああ。何故、君がその名前を?」
「何故って……同じトコで働いてるからな」
「……何て事だ。あの子は昔から好奇心の強い子だったが、レイヴンズに入る道を選ぶとは……」
「おい爺さん。勝手に一人で落ち込まれても困るんだ。早いとこ話を進めてくれねぇか?」
「うむ……そうだな」
そう言ってサクヤさんは咳払いをし、何やらキーボードを操作し始めた。
すると俺たちが座っている前にあったガラス張りの円卓に、ビジョンが投影される。
「これあやつが……カイセ・タダシが裏で関わってきた事件の数々だ」
「何!?」
スクトさんが身を乗り出す。俺もそれを見てみると、そこには――
《エンデ・ルーインズ嬢襲撃事件》
《住民総暴徒化事件》
俺が知っている事件の名前もあった。
「奴は裏でガットネロへ情報と兵器のデータを流し、数々の事件を引き起こしてきた。そしてその度による鎮圧を行い、そこから得たデータによってレイヴンズの装備を改良させる、という事を繰り返していたのだ」
「そしてキュリオは自身が興味を持ったことには真っ直ぐに突き進む癖がある……そんなあの子に付け込んで、私が伝えた知識から兵器開発をさせていたのだ」
「そんな……」
俺がその非道な行いに驚いていると、隣で画面を切り替えていたスクトさんがわなわなと震えだした。
そして、呟く。
「おい……何だよコレ」
俺が視点を戻し、のぞき込むとそこには――
《ガットネロによるカイセ一家襲撃殺人事件》
スクトさんが母親を失った、あの事件が書かれていた――!
「っざけんな!冗談じゃねぇ!親父が……親父がおふくろをわざと死なせたって言いたいのか!?あ゛ぁ!?」
あまりの怒りに机を叩き、液晶画面を叩き割るスクトさん。その眼からは、大粒の涙がこぼれ落ちている。
「……認めたくない気持ちはわかる。しかし、目を背けてはいけない」
「黙れぇっ!認めねぇ、俺は認めねぇぞ!親父が……男手一つで俺を育ててくれた親父が!そんなこと、するはずがねぇ……」
ついに膝から崩れ落ち、俯くスクトさん。俺はもう見ていられなくなり、何か言葉をかけようとしたその時だった。
「その男の言っていることは……紛れもない事実だ」
そう言いながら、地下室の階段を誰かが下りてきた。
俺がその方向を見ると、そこには――
「そう。15年前起きたあの事件。あれを仕組んだのは――他でもない私だ。スクトよ」
張り付いたような笑みを浮かべている、タダシさん――いや、タダシの姿があった。
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