「男の奴隷は必要ない」と捨てられた俺が、伝説の勇者になった件 ~俺たちの名は、エヴォリュート・ソル~

さぼてん

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ソル奮戦

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「タァッ!」
掛け声とともに炎を纏うソルの足が、ブラードの鎌を横から蹴りつける。その威力の大きさにぐらつき、倒れるブラード。

「何……あれ」
間一髪のところで危機を脱したミズキは、突如現れたもう一つの異形に困惑する。

「タッ!」
ソルはしゃがみ込む彼女を守るように立ちふさがり、構えを取る。夜風が吹き、砂埃を散らした。

「!」
一瞬の静寂が終わると、事態は動いた。倒れ込んだブラードの上半身が伸び、地を這って襲い掛かってきたのだ。
《おおっと!》
それを真正面から受け止め、吐き出す溶解毒を喰らわないようその顔を捻り、横に向ける。

「タアァーーッ!」
彼が渾身の力を振り絞ると、全高60メートルはあろう巨体が宙に持ち上がる!
「ギエェェッ!」
ブラードは大地に勢いよく叩きつけられ、悶え苦しんだ。

(《プロミネンス……ストライク!》)
「トアァァーッ!」
そして間髪入れずにプロミネンスストライクを発射!直撃した光線は大爆発を起こし、
「やったの……?」
魔獣を粉砕した――かに思えた。

《何……!?》
なんと爆炎の中から、その体が少し傷ついただけのブラードの体が姿を現したのだ。
必殺の光線が通じないその様子に驚くソル。

(なるほど、高熱に耐性をつけてきたか)
それを観察していたルナは、心の中でつぶやいた。
彼の予想は的中していた。ブラードが強化されたのは戦闘能力だけではない。敗因となった超高熱による切断――それに対抗できるだけの耐熱性を付与されていたのだ。

「!」
直後、ソルは再び驚愕した。
ブラードの上半身から先が、地面に穴をあけ入り込んでいたのだ。
背後や足元からの攻撃に警戒し、辺りを見回す。
しかし――

ボゴッ!ボゴボゴッ!

「な、何!?何ですか!?」
その攻撃の矛先が向いたのはソルではなかった。岩陰に隠れていたユウキの真下の地面が、音を立てて盛り上がる。

「うわぁーっ!」
直後、地面が勢い良く吹き飛ぶ。岩盤と共に宙へ打ち上げられてしまうユウキ。
「シャアアア……!」
そんな彼を喰らうべく、魔獣の牙が迫る。
「ママァーーっ!」
ユウキの悲鳴が轟いた。もうだめだ、彼はぎゅっと目をつぶる。
(やばいっ!)
すぐさま飛び立ち、助けに入ろうとするソル。だが、遠すぎる。
間に合わない――だれもがそう確信した時。

「ルナ―――ッ!」
今まで静寂を保ち続けていた彼が、ついに動いた。
懐から短剣のような道具を取り出した彼はそれを掲げ、叫ぶ。
すると青い光が彼を包み、光の玉となって飛翔。

ガキン!
ブラードの顎が閉じる音だけが響き渡る。

「……はっ!」
光の玉はゆっくりと地面に着地。
ユウキが閉じていた目を開くと、そこには――

「……」
沈黙とともに立つ、青き勇者が立っていた。
彼は獲物を取り逃し口惜しそうに引き下がってゆくブラードの上半身を見つめていた。

《すまない、ルナ!》
「ふん」
駆け付けたソルは彼の横に並び、感謝の意を伝える。それを鼻で笑うように返すと、彼は言った。
「来るぞ」
彼が指さしたその方向には、上半身を元に戻し、地響きを立てて迫りくるブラードの姿。

《ルナ!》
「……ああ」
彼らは互いに視線をかわした後、魔獣を迎え撃つべく構えを取る。
今ここに、二人の勇者の共闘が始まろうとしていた――!
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