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第一章 大領地の守り子
20わたくし先立つものが全然ないのです
しおりを挟むある日ふとわたくしは思い立ちました。
わたくしには自由に使える手持ちのお金がないと。これはこれから自立していこうと思っているわたくしにとっては由々しき自体です。
一応、わたくしはオルブライト伯爵家の令嬢としてお金には不自由なく育てられています。オルブライト家は領地経営にそこまで苦しんでいません。土地も肥沃で集められる税収が多いのです。
しかし、その財源はあくまでもオルブライト家のもの。当たり前ですがわたくしのものではありません。
わたくしは騎士騒動が起こるまで、伯爵家の令嬢らしく、貞淑に育てられていましたから、勝手に家から出ることは許されず、必要もなかったのでお小遣いなどもいただいていませんでした。そんなわけでわたくしは一ラピも手持ちがないのです。
今はこれでいいかもしれませんが、今後もしオルブライト家をなんらかの理由で出なければいけなくなった時、手持ちがないのはあまりにも不安すぎます。何かあった時のために手持ちは多いに越したことはないでしょう。
ただ……。この世界でどうやってお金を稼いだらいいのかもわからないのですよね。
いくらわたくしに前世の記憶があるからと言っても、それは前世の産物。あまり役には立ちません。
この世界は、前の世界には存在しなかった、魔術がある世界です。この世界ではなにも持っていれば優位なのかが、イマイチわたくしにはまだわかっていないのですよね……。
わたくしの知識は全く通用しないのです。
「先生、お金を稼ぐってどうしたらいいですか」
行き詰まってしまったわたくしは、とりあえず身近な大人、かつオルブライト家の人間ではない、先生に相談してみることにしました。
いつもの魔法陣教室で、そんなことを急に切り出したわたくしに先生はちょっとびっくりした表情を浮かべています。
「いきなりだね。どうしてそんなこと思ったの?」
わたくしは今のわたくしが置かれている状況を説明します。
「今後家のものにわたくしの夢を反対された時に家を出されるかもしれないでしょう?
わたくしはその可能性も考えながら行動したいのです」
先生は、君はしっかりしてるね……とのんびりと呟きます。わたくしものんびり、なにも考えずに生きていたかったのですけどもね。
しっかりせねばいけない状況なので仕方がないのです。他人に自分の人生を任せるなんて、今世では絶対にごめん被りたいです。
「ちなみに先生は、どうやってお金を稼いでいるのですか?」
気になっていたことを聞いてみることにしました。先生は働いている様子がないのです。
よく先生は暇だからね、と言いますが、本当に暇なようなのです。わたくしが来ない日はひたすら魔法陣の研究をしているそうで、時間が有り余っているとおっしゃっていました。
果たして、その生活費はどこから出ているのでしょうか……。それがずっと気になっていたのです。不躾な質問かもしれませんが、もしお金に困ることがあれば、わたくしは魔術を教えていただいている立場ですから、月謝をお支払いした方がいいのかもしれません。
あ、けれども、以前ヨーナスお兄様が先生はとってもお金持ちだっておっしゃってました。
果たしてどんな手法でお金を稼いでいるのか……、ちょっとワクワクした顔で先生を見ます。
先生は、ああと短く相槌を打った後、なんともなさそうにことのあらましを教えてくださいました。
「僕は大きな魔法陣を国に奪われているからね。
手切金をもらったから、それで暮らしてはいけるんだ」
先生がおっしゃるには、時間をかけて、丹念に作り上げた渾身の防衛の魔法陣を王族に奪われたらしいのです。それが今ではこの国の防衛を支える柱となっているそうですが、取り上げられてしまった先生としては釈然としない部分があるらしいです。
「きちんと依頼を受けたら仕事として引き受けたのに、取り上げるなんて王族って野蛮だよね」
先生ははあ、とふあいため息をつき、切ない顔をしています。……あら。なんだか切ない理由でした。
先生は王族が嫌いとは聞いていましたがそんな理由があったなんて。
自分が時間をかけて作ったものを意中ではない人に取り上げられるのは、さぞかし辛かったでしょう。
わたくしも表情が移ってしまい、切ない顔で先生を見つめます。
「でもその王族には二度とそういうことができないように、きついお灸を添えておいたから問題ないよ」
あ、先生は強い人でした……。何をしたのでしょうか……。それは聞くのがなんとなく怖いような気がいたします。
「他には自分の魔法陣の権利を販売したりしてお金をもらっているよ」
「権利の販売! それならいつかわたくしにもできそうです!
でもわたくしにはまだ独自で魔法陣を練ることができるほどの腕はないのですよね……」
まだわたくしは先生の魔法陣を写すことだけで精一杯で、自分で魔法陣を創作するなんて、まだ夢の話でしかありません。
もう少し魔法陣を描けるようになればできるかもしれませんが……。
「何も魔法陣じゃなくてもいいじゃないか。
売れるものは他にもあるよ。
……例えば君のお茶とかね」
お茶? 思っても見なかった返答になんだかびっくりしてしまいます。確かにわたくしは鍛錬の合間にお茶の取集なんかもしていますが、それがお金と結びつくというのでしょう?
「君がお土産で毎回持ってきてくれるお茶はこの国のどこにも販売されていないものだと思うよ。
この国のお茶の主流は茶の木から作られる紅茶だからね。少し違う風味をもったお茶を飲みたい、っていう潜在的ニーズはあるんじゃないかな?
君は作り方の製造方法を販売したらいいじゃないか」
そうだったのですね! わたくしは家からあまり出ないこともあって、外の流行り物や常識を知らないところがあります。ハーブティーくらいどこのご家庭でも召し上がっているものかと思っていたので、珍しいものだとは思っても見ませんでした。
残念ながら、わたくしは世間知らずの箱入り娘なのですよねえ。
こういう時にそのことを深く痛感させられます。
「もし権利を売りたいのであれば、僕が紹介するよ?」
「先生には何か伝があるのですか?」
基本的にはこの家に引きこもっているとおっしゃっていた先生にお茶の取引に使えるような伝があるとは思ってもみませんでした。
「あるよ。この街には、とっておきのお店がある」
こんな田舎町のミームに?
とても信じられないですが、きっと先生がある、というのですからあるのでしょう。
次の週は見本になるような、茶葉を持っておいで、と先生に促されます。そんなこんなでわたくしたちは茶葉を売りに行くことになったのです。
次の週、わたくしはいつものように魔法陣で先生のもとへ向かいます。いつもよりも一時間ほど短い時間で魔法陣の授業を切り上げたあと、茶葉生産の権利を売りに向かいました。
位置関係からいうと大した距離の移動ではないのですが、先生は惜しげもなく転移陣を使って移動します。聞くといつもこのように移動するので、相手方のお店の従業員も特に驚かないようです。
先生の転移陣に驚かない相手ってどんな人たちなんだろう……とちょっと考えてしまいます。
先生の転移陣は血をつけなくても発動する、便利なものでした。わたくしは先生が主導する転移に付随するような形で、件のお店に移動します。ミームの市街地から少し森に近くなったところにその建物はありました。
見たところあまり大きくないそこは、お店には見えず、ただの民家のように見えてしまいます。
本当にここであっているのか、聴きたくなってしまいますが、考えてみれば先生の家も商店に見えるのに自宅、という見た目と違う中身をしていました。このお店もそう言った類まやかしの魔法陣が仕掛けられているのかもしれません。
先生は素朴な扉に手をかざして鍵の開錠をします。
ガチャリと音を立ててあいた扉の先にわたくしは目を丸くします。そこには想像できないくらいのきらびやかな空間が広がっていたのです。
玄関ホールだと思われる空間には惜しげもなく高級そうな赤い薔薇模様の絨毯が敷かれていて、天井には大きな、煌めき方が見たこともない次元のシャンデリアがかけられています。正面には大きな大階段が続いており、ここが片田舎のミームであったことを忘れさせてしまう様な見た見た目をしていました。
「ここは一体なんのお店でしょうか」
慄いて目を見開いたまま、先生の方をむいて答えを聞き出そうとすると前方から、よく通る男性の声が聞こえてきました。
「ようこそ、シュナイザー百貨店本社、シュナイザー商会へ」
「シュナイザー百貨店!?」
見開いた目がもっと大きく開いてしまいそうでした。シュナイザー百貨店は王都に本店を持つ一流百貨店です。
世間に疎いわたくしでさえ知っている、レベルの百貨店の本社がこんな片田舎のミームに?
なぜ? と思ってしまう気持ちを抑えながら声をかけた男性の方を見ます。
「私がリジェット様を担当させていただく、クリストフでございます。
以後お見知り置きを」
クリストフ、と名乗った男性はラマと同じくらい黒に近い灰色の髪色と赤紫色の瞳を持っていました。
一瞬若そうに見えましたが、笑い方に貫禄が見え隠れしているので実際は思っているより年嵩の方かもしれません。
クリストフの顔をみた先生が一瞬で顔色を変えました。その表情にはどこか警戒心が滲んでいるように見えます。
「君がリジェットの担当なのかい? 君は宝飾部門の統括だろう」
「ええ左様でございます。だから私が担当なのですよ」
宝飾担当だから? 意味ありげに話すクリストフを覗き込むようにみます。
わたくしには何がなんだかわからない会話でしたが、先生とクリストフはわかりあっているようです。
鋭い視線を交わし合い、無言で会話を繰り広げているように見えました。
「君はどこまで知っているのかな?」
そう言った先生の表情は柔らかいままですが口調は驚くほど鋭く感じられます。この担当さんは何かしら知り得ないことを知っているのでしょうか?
空気が冷ややかに感じられます。
こういう空気の時わたくしはどうしていればいいのかわからず、とりあえず笑顔でいたら問題ないでしょうか。冷や汗を背中に流しながら、無理やり口角を上げました。
「さあ、どこまでと言われましても。クゥール様が何をさしていらっしゃるのか私には残念ながら見当もつきません。
それよりもお隣にいらっしゃる、リジェット様が困ったお顔をしていらっしゃいますよ。まずは応接間に参りましょう。お話はそれからでもいいでしょう」
さあこちらに、とサラリと言葉を交わしたクリストフという男性は応接間があるであろう方向にわたくし達を案内しようと手をそちらの方向へ向けて見せます。
「それも……そうかな。その話は今じゃなくてもいいからね。今日は全くの別件の話だからね。でも君がこの子をその販路として利用しようとしたら、僕はただじゃおかないよ」
先生はいつもと様子が違う、鋭い視線でクリストフを見つめていました。
「おお、怖い怖い。どうして尊い領主一族であるオルブライト家のお嬢様を一商人にすぎないわたくしたちが利用できると思っているのですか」
「どうかな。君たちの商魂は僕が思う以上に苛烈だからね。……置いてきぼりにしてごめんね。じゃあ行こうリジェット」
先生に背中に手を添えるようにして、移動を促されます。そのままクリストフについていくと応接間に通されました。
応接間は恐ろしいほどに煌びやかな空間でした。どう見ても一級品のビロード生地が張られたソファ、繊細な彫刻が施されたテーブル、壁にかけられている花の絵画。そのすべてが高そうでオルブライト家にある品を超えています。
その素晴らしさからここは本当にシュナイザー百貨店の関連店なのだ、といやでも理解させられてしまいます。
「ささ、おかけになってください。お茶も用意させますから」
そういったクリストフは部下らしい男に声をかけます。わたくしは促されるがままにソファに腰をかけました。
「ふぁ!?」
「ん? リジェット、どうかした?」
「な、なんでもないです……」
ソファがびっくりするほどふかふかで気持ちがよかったことに驚いて、つい声が出てしまっただけです…‥。
うう…‥。わたくし領主の娘なのにこんなところで驚いていてはいけません。緩んだ顔をビシッと引き締めて、前を向き直します。
テーブルに香り高い紅茶が用意されたので、それを飲んで一息つきます。落ち着いたところを見計らったように、クリストフが口を開きました。
「我らが領主、セラージュ様には大変お世話になっております。
御息女であられる、リジェット様ともお会いできて大変光栄です」
その口ぶりから、お父様はミームにシュナイザー商会があるということを知っているということがわかります。淑女教育にはあんなに口煩く言ってくるのに、自領の情報を教えてくださらないなんて、こういう時に本当に困るのでやめていただきたいです。
「シュナイザーは販売部門の百貨店と流通を担当する商社に分かれて経営をしておりまして、商社の方が本社という扱いになっております。以前は王都に商会の方も王都にあったのですが、先の対戦でなかなか大きい被害を被りましてね。
王都に両方の部門を置いておくとこれから何かがあった時、立て直しが容易でないということで他の地に本社を移そうということになったのですよ。
そんな時、セラージュ様が声をかけてくださいましてね。こちらに移らさせていただきました」
「まあ、そんな経緯があったのですね」
知らなかった事実にただただ驚いてしまいます。先生といい、シュナイザー商会といい、ミームという土地には様々な人たちが根付いているのかもしれません。
先生は補足するように言い足します。
「ミームはいろいろ訳ありの人間たちが、オルブライトの庇護を受けて集まる土地柄だからね。
表向きには何もない片田舎だけども、実はいろんな種類の人間が隠れていて、とっても面白いよ」
「そ、そうなのですか……。わたくし何も存じ上げませんでした……」
「セラージュ様は情報を秘匿されますからね」
クリストフの少し歪んだ笑顔から女子であるわたくしには情報を隠すだろう、ということが暗に語られているのを感じ、少しだけ気分が悪くなります。わたくしはそれを悟られぬよう、笑顔に力を入れます。
「本題に入ってもよろしいかしら」
舐められないようにキリッとした表情でクリストフに視線を送ると、クリストフも同じ種類の視線を送り返してくれます。
「ええ、今日は商談にきてくださったのですよね」
「はい。こちらのお茶なのですが……」
わたくしは持参したハーブティーをクリストフに見せます。
「ほう、こちらは見たことのないお茶ですね」
「ええ。わたくしが個人で楽しむために作っていたお茶なのです。わたくしはこちらのことをハーブティーと呼んでいまして、紅茶とはまた違う、草花の葉や花を乾燥させて作っているのですよ」
「どんなお味なのかが気になります。今飲んでも構いませんか?」
「ええ、ぜひ。お試しください」
そういうとクリストフは下がっていた部下らしき男性に声をかけ、ティーセットを用意させました。
「熱々のお湯の中に入れて、少し香りがついたくらいで引き上げるのが美味しくのむ秘訣です。あまり長い時間置いておくとえぐみが出てしまいますから」
丁寧に入れられた、ハーブティーを飲んだクリストフは目を見開きます。
「! これは美味しいですね。風味が変わっていて……、しかし他の食べ物の味を邪魔するほどではない」
「まあ、気に入っていただけてよかったです」
「リジェット様、どういった経緯でこちらのものを作られたのですか?」
「以前の家庭教師の方で、植物がお好きな方がいたのです。その方は家にある植物を使って、化粧品を作っていたのですが、わたくしはそちらの方面にあまり詳しくなくて……。化粧品としての香り付けとして使えるのならば、飲み物にしても美味しいのではないかと思いまして、お茶にしてみたんです」
「リジェットは食いしん坊だからなあ……」
「先生! 余計なことは言わないでいただけますか?」
先生の言葉を聞いたクリストフはクスクスと笑っています。
「リジェット様はお可愛らしい方ですね」
「もう! 先生のせいで変なイメージがついちゃったじゃないですか!」
「いいえ、趣向に合うものを作り出すのは一種の能力ですから……。その情熱は素晴らしいと思いますよ。その結果、こうやって商談ができているのですから。
……リジェット様、わたくしどもはぜひこちらの商品を購入させていただきたいです」
「本当ですか!」
「はい、こちらのものは上級階級の方に好まれそうですから。シュナイザーの顧客の中には新しいものをこのむ好奇心旺盛な方も多数いらっしゃいます。そんな方々に受け入れられそうな商品ですね。」
先生の言った通りです。
「気に入っていただけてよかったです。では次回、もう少し多く持ってきますね。新しいものを好む方が多いということでしたら、こちらのものも高値がつくかもしれませんね!」
なんでも売れる、と先生に聞いていたので、わたくしはもう一つ売りたいものを持ってきていたのです。
わたくしは持ってきた鞄から、手帳を取り出し、後ろの方のページをペラペラとめくります。
そこには植物の押し花を保存していたのです。
「え……? これって……」
「先生はご存知ですか? こちらはオルブライト家の森の中に生えている、ブランジュウムという毒性のある植物なんです!」
前の記憶でいうところのトリカブトのようなものでしょう。青々とした鈴のような形状をした花が特徴で、オルブライト家の屋敷敷地内の森にしか生育していない植物だそうです。
「どうしてそんな物騒なものを手帳に挟んでいるんだ!」
「え? だってそこに生えていたら採るでしょう?」
実はおばあさまが亡くなったあと、別邸の書籍を調べたところ、おばあさまの残した調査書類がたくさん出てきたのです。
おばあさまはまだ調子が良かった頃はノアを従えて別邸の周りを散策することも多く、そこで見つけた植物を調査していたようです。
わたくしも後からその事実を知って、驚いてしまったのですが。
その記載の中に、オルブライト家の屋敷内にのみ植生が見られる植物も多くあることがわかり、毒性がある植物も記載されていました。
残念ながら、貴族は毒殺に遭うことも多く、よく暗殺の手段として利用されています。
まだ市場に出回っていない毒は高値で売れる、という確信があったわたくしはそれを剣のお稽古などで外に出る機会を見計らって密かに集めていたのです。
「こちらは! 絶対に私どもに売っていただきたい‼︎」
クリストフは前のめりになりながらわたくしの手を握っていました。その目はキラキラ……。いやギラギラと輝いています。
「毒を売るって……。ほんっと手段選ばないよね」
「ええ。手っ取り早くていいでしょう」
先生の顔は引きつっていましたが、わたくしはツン、と済ました顔でクリストフを見ます。
「いやあ……、わたくしもこちらのものは初めてみました。いやあ、思わぬ収穫ですよ。……ハーブティーなどより幾分も」
「え?」
「なんでもございません。いやあオルブライト家には珍しいものがあったのですね~。わたくしども屋敷の中に何があるのか気になってはいましたが、領主一族でもないわたくしどもが入ることは許されませんからね」
「オルブライト家の敷地って森も含めると結構広いので、貴重な植物が見つかったりするんですよね!」
「なんと……。興味深い。面白いものが見つかりそうじゃないですか」
「僕も今度オルブライト邸に行く時は森を散策してみようかな……」
なんだか先生も興味深そうな顔をしています。
「ぜひ! ご案内しますわ!」
おばあさまの書き残しがこんなに役に立つとは思っても見ませんでした。ちなみにその毒性植物は目を向くほどの高値で売れたため、わたくしは思わぬ収入を得ることができたのです。
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