3 / 7
3
しおりを挟む
「ちょっとは落ち着いたかよ。」
発情期4日目の朝、ベッドでだらしなく伸びている俺に苛立ちを隠しもせずに聞いてくる。
「うん、ちょっとはっきりしてきた。…あうっ。気持ちいい。」
身体を起こそうとすると後孔からリアンの放ったものが溢れ出てきて、それが気持ちよくて悶えてしまう。
「本当かよ。ほら、こっち向いて、避妊薬飲め。口開けろ。」
悶えてベッドに疼くまる俺を抱え起こして、口の中に避妊薬を放り込んでくる。口移しで冷たい水を流し込まれれば飲み込むしかない。冷たい水をもっとと強張れば大きなコップを口につけ傾けてくれる。
「発情期中のお前に毎日避妊薬飲ませるの大変だったんだからな。」
よく覚えてないがきっと発情期中もちゃんと避妊薬を飲ませてくれたのだろう。怒っている様子で言うが、いつもそうしてくれるリアンに愛されていることを感じて安心する。
「リアン、優しい。そういうところ、好き。ありがとう。」
「お前、まだだいぶ頭ぼんやりしてるだろ。」
素直に感謝を伝えたのに、素直すぎる俺に悪態をついてくる。失礼な奴だな。
冷たい水を欲しいだけ飲み、またベッドに突っ伏す。リアンの言う通り、まだ発情期の影響が残っているのだろう。気怠いながらももそもそと自分の後孔に指を入れ無意識に自慰を始めているのがその証拠だ。頭ではわかっているのにやめられない。
「んんっ。リアン、続きしよ~。」
もはや初めての発情期からの付き合いのあるリアンに自慰を見られることなんて恥ずかしくもなんともない。いくらか治ってはいるがそれでも気持ち良くなりたい俺は休憩もそこそこにリアンを誘う。
「やめとけバカ。ちょっとは休憩して飯を食え。ほとんど食ってないだろ。俺は腹が減った。」
後孔に入れていた指を無理やり抜かれる。「いけず~」と不満げな態度でリアンに文句を言おうとすると甘いパンを口の中に押し込められた。
「んぐっ!…………。もうっ!強引だなぁっ!」
「強引にしないとムギは飯食わないだろ。」
自分と俺の口に交互に千切ったパンを押し込みながらリアンが呆れた様に言う。気怠い身体に甘いパンが染みる。文句を言うが俺の身体は食事を欲していたようで、大人しくモグモグと口を動かす俺にリアンが笑う。
「ははっ!腹減ってたんじゃねーか。リスみたいになってるぞ。」
笑いながら俺の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜる。た、食べにくい。
「誰がリスみたいにしてるんだよ。口に入れてくるのが早すぎる。……むぐっ!」
文句を言うを俺をからかうようにどんどん口に食べ物を楽しそうに入れてくる。
「腹がいっぱいになったら一回風呂に入ってから続きするぞ。」
「え、やだー。お風呂はいらないよ。どうせ汚れるじゃん!リアン明日は仕事行っちゃうんでしょ?その前にいっぱいやろーよ。リアンが仕事行ってる間にお風呂入るよ。」
ご飯を食べた後は気持ち良くしてくれると思っていた俺からしたら不満しかない提案に抗議する。
「そんなこと言って、どうせ風呂入らずに寝て待つだけになるだろ。ムギは発情期の時、衣食住に無頓着になりすぎ。」
「だってー・・・。気持ち良くなってないとキツいんだもん。」
「…はぁ。抑制剤、ほんと効かねー体質だな。そんなんで他の男との時はどうしてるの?ちゃんと避妊できてるの?」
ちゃんと答えろと急にアルファの威嚇するような香りが漂いはじめる。フェロモンに抗うことは難しい。特に発情期中は。さっきまで甘々だったリアンが急に怖くなり、小さくなって下を向くと顎を持ち上げられ目線を合わされる。
「ムギ、俺以外の奴と子供なんか作ってみろ。産ませないし、相手もどうなるかわかんねーぞ。」
俺の顎を持つ手に力が入れられる。
「わ、わかってるよ。ちゃんと、他の人とする時は避妊薬も飲んでるし、相手にも避妊してもらってるよ。」
怖いけど威嚇のフェロモンで視線はそらせない。こういう時は正直に応えることしかできない。
…だいたいリアン以外とのセックスじゃあそこまで乱れないし、安心できないよと思ったことは内緒だ。
「どーだか。ムギは可愛いし、素直だし大好きだけど淫乱だからな。……俺とは番になりたくないみたいだし。」
「い、淫乱って、そんな言い方。」
セックスは好きだけど、そんなにはっきり言われるとショックだ。若干、自覚しているだけにショックだ。
威嚇のフェロモンは治ったが、リアンは怒っている。
「そうだろ。今回だって俺がいなかったら別の知らない誰かに抱かれてたんでしょ。」
リアンはそういって頬っぺたをつねってくる。
発情期4日目の朝、ベッドでだらしなく伸びている俺に苛立ちを隠しもせずに聞いてくる。
「うん、ちょっとはっきりしてきた。…あうっ。気持ちいい。」
身体を起こそうとすると後孔からリアンの放ったものが溢れ出てきて、それが気持ちよくて悶えてしまう。
「本当かよ。ほら、こっち向いて、避妊薬飲め。口開けろ。」
悶えてベッドに疼くまる俺を抱え起こして、口の中に避妊薬を放り込んでくる。口移しで冷たい水を流し込まれれば飲み込むしかない。冷たい水をもっとと強張れば大きなコップを口につけ傾けてくれる。
「発情期中のお前に毎日避妊薬飲ませるの大変だったんだからな。」
よく覚えてないがきっと発情期中もちゃんと避妊薬を飲ませてくれたのだろう。怒っている様子で言うが、いつもそうしてくれるリアンに愛されていることを感じて安心する。
「リアン、優しい。そういうところ、好き。ありがとう。」
「お前、まだだいぶ頭ぼんやりしてるだろ。」
素直に感謝を伝えたのに、素直すぎる俺に悪態をついてくる。失礼な奴だな。
冷たい水を欲しいだけ飲み、またベッドに突っ伏す。リアンの言う通り、まだ発情期の影響が残っているのだろう。気怠いながらももそもそと自分の後孔に指を入れ無意識に自慰を始めているのがその証拠だ。頭ではわかっているのにやめられない。
「んんっ。リアン、続きしよ~。」
もはや初めての発情期からの付き合いのあるリアンに自慰を見られることなんて恥ずかしくもなんともない。いくらか治ってはいるがそれでも気持ち良くなりたい俺は休憩もそこそこにリアンを誘う。
「やめとけバカ。ちょっとは休憩して飯を食え。ほとんど食ってないだろ。俺は腹が減った。」
後孔に入れていた指を無理やり抜かれる。「いけず~」と不満げな態度でリアンに文句を言おうとすると甘いパンを口の中に押し込められた。
「んぐっ!…………。もうっ!強引だなぁっ!」
「強引にしないとムギは飯食わないだろ。」
自分と俺の口に交互に千切ったパンを押し込みながらリアンが呆れた様に言う。気怠い身体に甘いパンが染みる。文句を言うが俺の身体は食事を欲していたようで、大人しくモグモグと口を動かす俺にリアンが笑う。
「ははっ!腹減ってたんじゃねーか。リスみたいになってるぞ。」
笑いながら俺の髪の毛をぐしゃぐしゃとかき混ぜる。た、食べにくい。
「誰がリスみたいにしてるんだよ。口に入れてくるのが早すぎる。……むぐっ!」
文句を言うを俺をからかうようにどんどん口に食べ物を楽しそうに入れてくる。
「腹がいっぱいになったら一回風呂に入ってから続きするぞ。」
「え、やだー。お風呂はいらないよ。どうせ汚れるじゃん!リアン明日は仕事行っちゃうんでしょ?その前にいっぱいやろーよ。リアンが仕事行ってる間にお風呂入るよ。」
ご飯を食べた後は気持ち良くしてくれると思っていた俺からしたら不満しかない提案に抗議する。
「そんなこと言って、どうせ風呂入らずに寝て待つだけになるだろ。ムギは発情期の時、衣食住に無頓着になりすぎ。」
「だってー・・・。気持ち良くなってないとキツいんだもん。」
「…はぁ。抑制剤、ほんと効かねー体質だな。そんなんで他の男との時はどうしてるの?ちゃんと避妊できてるの?」
ちゃんと答えろと急にアルファの威嚇するような香りが漂いはじめる。フェロモンに抗うことは難しい。特に発情期中は。さっきまで甘々だったリアンが急に怖くなり、小さくなって下を向くと顎を持ち上げられ目線を合わされる。
「ムギ、俺以外の奴と子供なんか作ってみろ。産ませないし、相手もどうなるかわかんねーぞ。」
俺の顎を持つ手に力が入れられる。
「わ、わかってるよ。ちゃんと、他の人とする時は避妊薬も飲んでるし、相手にも避妊してもらってるよ。」
怖いけど威嚇のフェロモンで視線はそらせない。こういう時は正直に応えることしかできない。
…だいたいリアン以外とのセックスじゃあそこまで乱れないし、安心できないよと思ったことは内緒だ。
「どーだか。ムギは可愛いし、素直だし大好きだけど淫乱だからな。……俺とは番になりたくないみたいだし。」
「い、淫乱って、そんな言い方。」
セックスは好きだけど、そんなにはっきり言われるとショックだ。若干、自覚しているだけにショックだ。
威嚇のフェロモンは治ったが、リアンは怒っている。
「そうだろ。今回だって俺がいなかったら別の知らない誰かに抱かれてたんでしょ。」
リアンはそういって頬っぺたをつねってくる。
11
あなたにおすすめの小説
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる