【完結】勇者パーティーを追放された聖女の私。その日の夜に変態共に来られ面倒見る羽目になったので、退職金代わりにこいつらを引き取ってもらいたい

某棒人間

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嬉しい再会……の、はずが

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「やばい……精神的な疲労が凄い……特にメーブ……」

 ところ変わって、ある村の喫茶店。
 取り敢えず宿を決めて「今日は自由行動で明日また勇者一行を追いかけよう」となり、情報収集を兼ねて村の喫茶店にして夜は酒場となるお店に来てお茶を頼んで一息吐いた所……なのだが。

「なんでだろう……人間よりも人外のはずの魔王が一番常識人っておかしくない……? いや常識〝人〟ではないんだけども……」

 魔王なのに一番人間社会に順応しているの、おかしくない? まあザザンは環境が普通じゃないから仕方ないとしても……。

「なーにが悲しくて幼馴染が一番胃痛の種になっているんだか……」

 幼馴染だからと押しかけられた己が運命を呪うぞ……!
 はあ、と深い溜息を再び吐き出す。と、

「? もしかして、リラ?」
「え……!」

 聞き知った、声がした。驚いて振り返ると、

「る、ルース……!」

 元いた勇者パーティの剣士、爽やかな茶髪の好青年、軽装の剣士ルースが喫茶店のドアを開けて呆然と此方に視線を送っているのが見えた。

「ひ……さしぶり。驚いた……」
「え、あ……うん。こっち、こそ……」

 しどろもどろになる私達。こ、心の準備が……⁉
 ドア付近まで駆け寄り、しかしその後会話が出来ず床に視線を向ける私達。

「……あ、の……すまなかった」
「へ?」
「いや、あの……あいつが勝手に新しい神官を連れて来て、パーティに入れるとか言って来て、おまけに事後承諾で……知らされたのは君が離脱した後で……」
「あ……あ……そ、そっか」

 し、心配してくれたのか……ちょ、ちょっと嬉しいかも///////
 赤面する私。いいでしょ、最近あっぱらぱーな三人組としか喋れていなかったんだから。たまには乙女なムードになっても(自己弁護)。
 暫く沈黙が私達の間に舞い降り、意を決して私が口を開く。

「た、立ち話もなんだし、座ろっか? 話したいこともあるし……」

 が、

「っ何……?」
「村……の入り口の方かな?」

 人が集まり何かを遠巻きにしている様子が遠目からも分かった。
 ……どうしよう。

「い、嫌な予感が……!」
「行ってみよう!」

 取り敢えずお茶代をレジに置くと、私とルースはダッシュで人だかりの中へと向かったのだった。
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