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13話

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家に着き、お風呂とご飯を済ませるとスマホに何件か通知が溜まっていることに気づき確認をする。

中谷朝日 明日は日曜日で練習休みなので行けますよー!

真白雪  私も本を読むだけなので大丈夫です…!

漆原夏海 私もー!もちろん参加でー!

高円寺楓 それではみんな参加でいいわね。それと、お昼は抜いて来てね。

漆原夏海 了解でーす!

中谷朝日 わかりましたー!

真白雪  はい…!

そこで終わっていたので私も了解の返事と、なにをするんだろうと思い質問をした。

すると先輩から返事がすぐに返ってくる。

高円寺楓 それは明日のお楽しみよ。

お楽しみ…なんだろ…と、さらに気になったが明日になればわかるかと思い、今日は休むことにした。


次の日、朝日もちょうど家を出るところだったので一緒に駅前へ向かう。

駅前に約束の10分前に着き、みんなを待っていると、最初に漆原さんが歩いて、そして次に真白さんが駅の改札口から出てきた。

みんなでなにがあるんだろーね、と話しているといつものリムジンに乗り先輩が到着する。

「時間通りね。それじゃあ、みんな乗ってちょうだい」

そう言われリムジンに乗る。

中は広く豪華なソファーとテーブル、上にはフルーツなどが並べられていた。

すごい…。あまりにも、すごすぎてそれしか感想が出ないでいた。

他の三人も同じみたいで驚いてはすごい…と言っていた。
そんな私達を見て先輩は言う。

「ふふ…驚くのはまだ早いわよ。もう少しとっておいてね」

どうやら、先輩はまだ教えてくれる気はないようで、なにがあるかわかるのはもう少し先みたい。



それからリムジンを発進させるとなぜか私の攻略報告会が始まりそうになる。

嘘でしょ!?やめてやめて!!?

私が必死に止めようとしたけどみんなが、情報の共有は大事。私たちは仲間。と言い、止めることが出来なかった。

「はい!それじゃあ、第一回かずきを攻略する会、報告会を始めます!」

それじゃあ私からするねー!と漆原さんが言う。

「私は授業中かずっちと、クラスのみんなにバレないように、くっついたり、手を握ったり、あとはノートで内緒話したよー!あとは昨日、うちの妹にも優しくしてくれてね!かずっちほんと優しかったんだからー!」

「えー!いいなぁ!私もかずきと同じクラスだったら、いろいろしたいのにー!」

「王子様…やっぱり優しくて素敵です…」

「上田一樹と同じ学年…それだけで羨ましいわ…」

みんなが漆原さんの報告を聞いて、それぞれ感想を言う。

やめてぇ…。恥ずかしくて死んじゃうよぉ…。


次はー、と朝日が言うと先輩が手を上げた。

「わたくしはまだ特になにかをした訳ではないのだけど…そうね…生徒会の仕事中、眠そうにしてたから膝枕をしてあげたわ。あとは寝起きに胸も触られたわね。それからもわたくしの胸をじーっと見てたわ」

「かずき!?膝枕はまだしも、先輩の胸を触ったってどういうこと!?私だってまだ触ってもらったことないのに!」

「かずっち!?これはいったいどういうことなのかな!?」

「王子様…えっちなのはだめだと思います…」

先輩の話を聞き、みんなに怒られる私。

違うの…事故なの…。でも見てたのは事実です…。

理由を説明し、なんとかその場を収めたけど、この報告会、恥ずかしさと、びっくりで心臓に悪いよ…。


そして、まだまだ報告会は続く。

次は真白さんの番。

「わ、私はずっと本の中の王子様と先輩を重ねてたので、お話に出てくるシーンを再現してもらいました…。後ろから優しく抱きしめてもらったり、優しく頭を撫でてもらったり…すっごくドキドキしちゃいました…!」

「か、かずき…やけに抱きしめ慣れてると思ったら…!」

「かずっち!私も抱きしめてほしいんだけど!」

「上田一樹。わたくしには甘えたのに、そんな一面もあったのね…わたくしも甘えてみようかしら…」

うぅ…思い出すと恥ずかしいよぉ…。
それに抱き慣れてないよぉ…。
毎回ドキドキだよぉ…。


最後に朝日が報告を始める。

ここが一番まずい気がするのは気のせいかな…。

「私はね、金曜日にかずきの家に泊まったんだー!」

この時点ですでにざわついていた。

「それでね、かずきのお母さんから応援されてね」

お母さん公認ですって!?
どこかから聞こえる…。

「かずきと一緒にお風呂に入って、洗いっこしてー!」

王子様…やっぱりえっちです…。
またどこかから聞こえた…。

「かずきに私の手料理…ソースはお母さん直伝だけど、食べてもらってー」

かずっち…そこまで進んでるなんて…。
どことは言わないけど聞こえた。

「かずきのベッドで一緒に寝てー」

………。
みんな唖然として、もはやだれもなにも言ってくれない…。

「ベットの上で抱きしめてもらって、ほっぺにキスしてもらったんだ…えへへ」

視線を感じるけど、私は下を向いているので、なにも見えない。
なにも見ない。

こうして全員の報告が終わると、朝日が断トツに進んでいると決まり、それから私は目的地に着くまで、全員から問いただされ続けたのだった。


みんなの話聞かされて、思い出しては恥ずかしかったのに理不尽だよぉ…。えーん…。
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