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第1章 真実
第11話 問われる覚悟
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★◇◆◇◆◇◆◇
ターメリックの質問に、カメリアはキョトンとして瞬きを繰り返していたが、
「ああ、知らないんだったね……そうなんだよ、真実の剣に選ばれた者が、同じ伝説の剣に選ばれた者たちのリーダーになるんだ」
「……」
ぼくが、リーダー?
なぁんにも知らないで生きてきたクリスタン教信者とは名ばかりの、このぼくが!?
「……おやおや、随分と思い詰めた顔をしているね。まあ、無理もないか。伝説の剣に選ばれたことも信じられないだろうに、リーダーになりなさいなんて言われちゃ、ねぇ」
「か、カメリアさん……」
「大丈夫、大丈夫。そんなに心配することはないよ。だって、君はひとりじゃないからね」
ひとりじゃ、ない……?
首を傾げるターメリックに、カメリアはあらたまって小さく咳払いをすると、
「君が真実の剣に選ばれたように、この世界には伝説の剣に選ばれた者たちが、あと6人いる。だから、君はひとりじゃないんだ。もしかすると……君と同じように、剣に選ばれて途方に暮れている仲間もいるかもしれないね」
そうか……
ひとりじゃないって、そういうことか。
ターメリックは、カメリアの言葉に安堵して……すぐに「違う」と思い直した。
ひとりじゃないことは、嬉しいことだけど……
でも、ぼくは……
「君は真実の剣を持つ者、つまりリーダーとして6人の仲間を集め、彼らとともに竜の王イゾリータを封印しなければならない」
「……」
「ターメリック・ジュスト君。君に、その覚悟はあるかな?」
カメリアの口調は穏やかなままだったが、その表情からは、いつの間にか朗らかな笑顔はすっかり消えていた。
覚悟……
そんなもの、生きている中で持っていたことなんてない。
そして、ここでターメリックがどう答えようと、何かが大きく変わるわけではない。
スパイス帝国の世界征服も、竜の王イゾリータの復活も……
伝説の剣が持ち主を選び始めたことも、ターメリックが仲間のリーダーの持つ「真実の剣」に選ばれたことも……
すべては、決定事項である。
……それでも。
「少し……ひとりにしてもらえますか」
身の回りに起こったことを、自分なりに整理しようと思ったターメリックが小さな声で頼むと、カメリアは黙って頷いて退室してくれた。
さて……
いろいろあったけれど、最初から「おさらい」してみよう。
クリスタン教信者に伝わるクリスタン神話は、すべて史実……
つまり、この世界の歴史そのものである。
母国スパイス帝国で起こった、皇帝の殺害と世界征服宣言……
これにより、孤独を司る竜の王イゾリータの復活が間近となった。
そこで、各地に眠っていた伝説の剣は、イゾリータに立ち向かうべき「自らの持ち主」を探し始めた。
そのうちの一振りである「真実の剣」に選ばれたのが、ターメリック・ジュスト……ぼくだ。
夕日の浜辺では、危機一髪のところをクリスタン神に助けられ……
そこから、モンド大陸の東端にあるクリスタン教信者の聖地、クリスタニアまで飛ばされた。
そして、神の使いカメリア・ジョアンさんから、剣に選ばれし者の使命を果たす覚悟はあるか、と問われている。
「……」
ターメリックは目を閉じ、大きく深呼吸をした。
今までのことを思い出していたせいか、今まで出会った人たちの姿までもが脳裏に浮かんでくる。
物知りな信者の友人。
処刑されてしまったノワール先生。
そして、囚われの身の父……
クリスタン教にはこれまでも、これからも縁がないと思っていた。
でも、自分の周りには、こんなにもクリスタン神を崇拝している敬虔なクリスタン教信者たちがいたのだ。
……ふと、ノワール先生の言葉を思い出す。
『……大丈夫、君には仲間がいる。今はひとりでも、必ず仲間が……友達が見つかるんだ。まずは自分が動く。そうすれば、きっと見つかるはずだよ』
自分が動けば、仲間が……
友達が、見つかる……
「……」
ぼくは、今までずっとひとりだった。
仲間なんて、友だちなんて、ぼくにはできないと思っていた。
そんなぼくが、仲間を集めてリーダーにならなければいけないなんて。
……神様の思し召しって、こういうのを言うのかもしれないな。
それなら、ぼくは……
ぼくは……
「……」
これから立派なクリスタン教信者になって、この世界を救おう。
こんなぼくでも、伝説の剣に選ばれた者として、精一杯できることをしなくちゃ。
「……よし!」
ターメリックは、両手で自分の頬を打った。
ぴしゃっという良い音がして、少しの痛みとともに気合いが入っていくのがわかる。
決意はできたし、やる気もみなぎってきた。
「……」
ふと視線を感じて、ターメリックは部屋の入口に視線を向けた。
扉に、腕組みをした少年が寄りかかっている。
先ほど、絶叫を残して駆け出した少年だ。
ぼくより5つは歳下かな、とターメリックは少年をさりげなく観察した。
……そういえば、この建物からは人の気配が感じられないな。
住んでいるのは、この子とカメリアさんのふたりだけなのかもしれない。
と、いうことは……
この子が、カメリアさんの話に出てきた「甥っ子」君に違いない。
「……叔父さん、呼んでこようか」
少年は、いかにも不機嫌そうな顔つきで、ぶっきらぼうに言い放った。
まるで、言葉の端々に鋭い棘がついているような喋り方である。
あれ……
何か、怒らせちゃったかな……
身に覚えはないんだけど……
ターメリックが小さくなって「お、お願いします……」と言うと、少年は小さく鼻で息をつき、扉の向こうへ消えてしまった。
え、面倒だった……?
自分で行けよ、的な……?
でも、それなら最初から聞かなくてもいいじゃないか。
「……」
まあ、いいか……
ぼくは、もうすぐここを出発するわけだし、あの子と無理に仲良くなる必要はないよね。
というか、あんなに不機嫌そうにしている人と仲良くするなんて、友達のいないぼくには難しすぎて絶対できないだろうなぁ。
ターメリックが寝台の上で黙々と考え込んでいると、当の不機嫌そうな少年がカメリアとともに部屋へと戻ってきた。
「さて、ターメリック君……決意はできたかな?」
カメリアが枕元の丸椅子に腰かけながら尋ねた。
その柔和な顔付きに促され、ターメリックは大きく頷いてみせた。
「伝説の剣……真実の剣に選ばれた者として、これから仲間を集めて、その使命を果たします」
……なんだろう、この不思議な気持ちは。
ターメリックは胸に手を当てた。
自信はないのに、口にしてみると自分にも何か成し遂げられそうな、そんな気がしてくる。
これが言霊ってやつなのかな。
「素晴らしい! さすがは剣に選ばれし者だ!」
カメリアはというと、ターメリックの言葉に小さく万歳をしていた。
よほど心配されていたらしい。
ターメリックがそのことに気がついたとき、
「別に、この人が何を言おうと何も変わらないよね。そんなに喜ぶ必要ってあるの」
不機嫌そうな少年の声が鋭く響き渡った。
やっぱり、ちょっと怒ってる……?
心配するターメリックだったが、カメリアは慣れているのか頭をポリポリと掻きながら答えた。
「そう言われてもなぁ。こういうのは、本人のやる気が大切だろう? それで、覚悟はあるかと聞いただけだよ」
少年は、返事の代わりに鼻息を漏らした。
カメリアは、ターメリックにすまなそうな顔を向けて、ため息を漏らした。
「すまないねぇ、ターメリック君。甥のクラン・レオは愛想もなくて、礼儀知らずでね……」
カメリアが自分の話をしているというのに、クラン・レオという名の少年は、ターメリックのほうを見向きもしなかった。
つづく
ターメリックの質問に、カメリアはキョトンとして瞬きを繰り返していたが、
「ああ、知らないんだったね……そうなんだよ、真実の剣に選ばれた者が、同じ伝説の剣に選ばれた者たちのリーダーになるんだ」
「……」
ぼくが、リーダー?
なぁんにも知らないで生きてきたクリスタン教信者とは名ばかりの、このぼくが!?
「……おやおや、随分と思い詰めた顔をしているね。まあ、無理もないか。伝説の剣に選ばれたことも信じられないだろうに、リーダーになりなさいなんて言われちゃ、ねぇ」
「か、カメリアさん……」
「大丈夫、大丈夫。そんなに心配することはないよ。だって、君はひとりじゃないからね」
ひとりじゃ、ない……?
首を傾げるターメリックに、カメリアはあらたまって小さく咳払いをすると、
「君が真実の剣に選ばれたように、この世界には伝説の剣に選ばれた者たちが、あと6人いる。だから、君はひとりじゃないんだ。もしかすると……君と同じように、剣に選ばれて途方に暮れている仲間もいるかもしれないね」
そうか……
ひとりじゃないって、そういうことか。
ターメリックは、カメリアの言葉に安堵して……すぐに「違う」と思い直した。
ひとりじゃないことは、嬉しいことだけど……
でも、ぼくは……
「君は真実の剣を持つ者、つまりリーダーとして6人の仲間を集め、彼らとともに竜の王イゾリータを封印しなければならない」
「……」
「ターメリック・ジュスト君。君に、その覚悟はあるかな?」
カメリアの口調は穏やかなままだったが、その表情からは、いつの間にか朗らかな笑顔はすっかり消えていた。
覚悟……
そんなもの、生きている中で持っていたことなんてない。
そして、ここでターメリックがどう答えようと、何かが大きく変わるわけではない。
スパイス帝国の世界征服も、竜の王イゾリータの復活も……
伝説の剣が持ち主を選び始めたことも、ターメリックが仲間のリーダーの持つ「真実の剣」に選ばれたことも……
すべては、決定事項である。
……それでも。
「少し……ひとりにしてもらえますか」
身の回りに起こったことを、自分なりに整理しようと思ったターメリックが小さな声で頼むと、カメリアは黙って頷いて退室してくれた。
さて……
いろいろあったけれど、最初から「おさらい」してみよう。
クリスタン教信者に伝わるクリスタン神話は、すべて史実……
つまり、この世界の歴史そのものである。
母国スパイス帝国で起こった、皇帝の殺害と世界征服宣言……
これにより、孤独を司る竜の王イゾリータの復活が間近となった。
そこで、各地に眠っていた伝説の剣は、イゾリータに立ち向かうべき「自らの持ち主」を探し始めた。
そのうちの一振りである「真実の剣」に選ばれたのが、ターメリック・ジュスト……ぼくだ。
夕日の浜辺では、危機一髪のところをクリスタン神に助けられ……
そこから、モンド大陸の東端にあるクリスタン教信者の聖地、クリスタニアまで飛ばされた。
そして、神の使いカメリア・ジョアンさんから、剣に選ばれし者の使命を果たす覚悟はあるか、と問われている。
「……」
ターメリックは目を閉じ、大きく深呼吸をした。
今までのことを思い出していたせいか、今まで出会った人たちの姿までもが脳裏に浮かんでくる。
物知りな信者の友人。
処刑されてしまったノワール先生。
そして、囚われの身の父……
クリスタン教にはこれまでも、これからも縁がないと思っていた。
でも、自分の周りには、こんなにもクリスタン神を崇拝している敬虔なクリスタン教信者たちがいたのだ。
……ふと、ノワール先生の言葉を思い出す。
『……大丈夫、君には仲間がいる。今はひとりでも、必ず仲間が……友達が見つかるんだ。まずは自分が動く。そうすれば、きっと見つかるはずだよ』
自分が動けば、仲間が……
友達が、見つかる……
「……」
ぼくは、今までずっとひとりだった。
仲間なんて、友だちなんて、ぼくにはできないと思っていた。
そんなぼくが、仲間を集めてリーダーにならなければいけないなんて。
……神様の思し召しって、こういうのを言うのかもしれないな。
それなら、ぼくは……
ぼくは……
「……」
これから立派なクリスタン教信者になって、この世界を救おう。
こんなぼくでも、伝説の剣に選ばれた者として、精一杯できることをしなくちゃ。
「……よし!」
ターメリックは、両手で自分の頬を打った。
ぴしゃっという良い音がして、少しの痛みとともに気合いが入っていくのがわかる。
決意はできたし、やる気もみなぎってきた。
「……」
ふと視線を感じて、ターメリックは部屋の入口に視線を向けた。
扉に、腕組みをした少年が寄りかかっている。
先ほど、絶叫を残して駆け出した少年だ。
ぼくより5つは歳下かな、とターメリックは少年をさりげなく観察した。
……そういえば、この建物からは人の気配が感じられないな。
住んでいるのは、この子とカメリアさんのふたりだけなのかもしれない。
と、いうことは……
この子が、カメリアさんの話に出てきた「甥っ子」君に違いない。
「……叔父さん、呼んでこようか」
少年は、いかにも不機嫌そうな顔つきで、ぶっきらぼうに言い放った。
まるで、言葉の端々に鋭い棘がついているような喋り方である。
あれ……
何か、怒らせちゃったかな……
身に覚えはないんだけど……
ターメリックが小さくなって「お、お願いします……」と言うと、少年は小さく鼻で息をつき、扉の向こうへ消えてしまった。
え、面倒だった……?
自分で行けよ、的な……?
でも、それなら最初から聞かなくてもいいじゃないか。
「……」
まあ、いいか……
ぼくは、もうすぐここを出発するわけだし、あの子と無理に仲良くなる必要はないよね。
というか、あんなに不機嫌そうにしている人と仲良くするなんて、友達のいないぼくには難しすぎて絶対できないだろうなぁ。
ターメリックが寝台の上で黙々と考え込んでいると、当の不機嫌そうな少年がカメリアとともに部屋へと戻ってきた。
「さて、ターメリック君……決意はできたかな?」
カメリアが枕元の丸椅子に腰かけながら尋ねた。
その柔和な顔付きに促され、ターメリックは大きく頷いてみせた。
「伝説の剣……真実の剣に選ばれた者として、これから仲間を集めて、その使命を果たします」
……なんだろう、この不思議な気持ちは。
ターメリックは胸に手を当てた。
自信はないのに、口にしてみると自分にも何か成し遂げられそうな、そんな気がしてくる。
これが言霊ってやつなのかな。
「素晴らしい! さすがは剣に選ばれし者だ!」
カメリアはというと、ターメリックの言葉に小さく万歳をしていた。
よほど心配されていたらしい。
ターメリックがそのことに気がついたとき、
「別に、この人が何を言おうと何も変わらないよね。そんなに喜ぶ必要ってあるの」
不機嫌そうな少年の声が鋭く響き渡った。
やっぱり、ちょっと怒ってる……?
心配するターメリックだったが、カメリアは慣れているのか頭をポリポリと掻きながら答えた。
「そう言われてもなぁ。こういうのは、本人のやる気が大切だろう? それで、覚悟はあるかと聞いただけだよ」
少年は、返事の代わりに鼻息を漏らした。
カメリアは、ターメリックにすまなそうな顔を向けて、ため息を漏らした。
「すまないねぇ、ターメリック君。甥のクラン・レオは愛想もなくて、礼儀知らずでね……」
カメリアが自分の話をしているというのに、クラン・レオという名の少年は、ターメリックのほうを見向きもしなかった。
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