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第1章 真実
第13話 光のない世界
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★◇◆◇◆◇◆◇
宝石から発している光は、赤・橙・黄・黄緑・緑・水・紫の7色……
すべて、北から東にかけてを指している。
クリスタニアの西から南は大海原なので、これはターメリックを含む伝説の剣に選ばれた7人全員がモンド大陸にいる、という意味である。
それにしても、キレイだなぁ……
ターメリックが羅針盤からの光に見惚れていた、そのときだった。
突然、黄色の光がユラユラと動き出した。
「えっ……?」
ターメリックが見つめる中、黄色い光は他の光をまたぐように北から東へ行ったり来たりを繰り返し、また同じ位置を指し始めた。
しかも、他の光よりも色が濃い。
……ターメリックを指す赤い光と同じくらいに。
何事……?
そのとき、ふと気配を感じて顔を上げると、テーブルについたクランが自分の紅茶を注いでいるところだった。
「ふたりが飲んでいるの見ていたら、僕も飲みたくなって、ちょっと台所に行ってきた。焼きたてクッキー、食べてもいいよ」
クランは、かなり凝った模様の手作りクッキーを、テーブルに無造作に押しやった。
そんな仏頂面のクランを、羅針盤から伸びた黄色い光が一直線に指している。
ま……
まさか……!
ターメリックは、黄色い光を覗き込んだ。
光の中に浮かび上がった文字は、
『光 レオ』
である。
い、いやいやいや!
ちょっと待ってよ!
この子が、仲間ってこと……!?
「おお! やはり私の睨んだとおりだったか!」
動揺するターメリックとは対照的に、カメリアは椅子から飛び上がると、
「ちょっと地下倉庫に行ってくるよー!」
子どものような軽い身のこなしで、そのまま部屋から出て行ってしまった。
その間にも、黄色い光はぶれることなく、正面に座る童顔の少年を指している。
ターメリックは、まじまじと羅針盤を見つめた。
……ほんとに?
ほんとの、ほんとに??
もう関わることもないと思っていたのに、まさか同じ使命を託された仲間だったなんて……!
「き、君が光の剣に選ばれし者だったんだね!」
「……」
「これから、よ、よろしくね!」
「……」
何を話したらいいのかわからないターメリックが話しかけても、クランはその努力を無下にするかのように黙ったまま紅茶を飲んでいた。
虚無感を具現化したかのような、生気のない瑠璃色の瞳。
しかし……
その不満げな表情には、なぜか一抹の寂しさが感じられた。
クラン、君……?
君は、いったい……?
ターメリックが疑問に思った、そのとき。
地下のほうから、何かがひっくり返る凄まじい音と、盛大に咳き込む声が聞こえてきた。
今度は、カメリアが探し物をしているらしい。
「て、手伝ってこようかな……」
ターメリックが腰を浮かせると、今まで黙っていたクランが口を開いた。
「やめたほうがいいよ。素人が入ると死ぬから」
「……」
その淡々とした物言いに、ターメリックは「あ、う、うん……」とモゴモゴ言いながら座りなおした。
入ったら死ぬって……
そんなにヒドイ部屋なの!?
ターメリックの心の疑問を知る由もなく、クランはまるで小動物のように、クッキーを両手で持って食べていた。
静寂の中、クッキーの咀嚼音を聞いていると、
「おおーい! ふたりともー!」
ワタボコリまみれになったカメリアが、意気揚々と戻ってきた。
腕には、一振りの剣を抱えている。
「見つけたよ! まさか、伝説の剣が扉の下に転がっていたなんてねぇ……知らずに思いっきり蹴飛ばして、古い寝台に挟まって取れなくなってしまってね。それで少し時間がかかってしまった」
「……え?」
「やっとのことで引き抜いてきたが……神殿に行ったら、クリスタン神様に謝らなければなぁ」
カメリアは苦笑いを浮かべて、テーブルに抱えていた剣を置いた。
ターメリックは、またしても理解が追いつかず、若干混乱気味である。
伝説の剣……?
今カメリアさん、確かに「伝説の剣」って言ったよね……?
テーブルの上に置かれているのは、ターメリックの「真実の剣」よりも一回りほど小振りな剣である。
鞘には茨と王冠の銀細工。
柄には輝く黄色の宝石。
確かに……
これは「光の剣」だ……!
ターメリックは息をのみ、同時に先ほどのカメリアの言葉を思い出して仰天した。
「伝説の剣が地下倉庫の扉の下に転がっていたなんて……しかも、それを思いっきり蹴飛ばすなんて、そんなんで大丈夫なんですか!?」
ターメリックは、今まで何も知らなかった自分を棚に上げて、椅子から立ち上がりそうな勢いで言い立てた。
しかし、カメリアは「大丈夫、大丈夫」と笑って、
「それほど気にすることでもないよ。君の真実の剣だって、砂浜に埋もれていただろう? 伝説の剣は、意外な場所から出てくるようになっているらしいんだよ」
「……」
「まぁ……光の剣を蹴飛ばしてしまったのは、私だけれどもね」
傷は無さそうで良かったよと、カメリアは安堵のため息をついた。
神の使いの言葉は綿毛のように軽かったが、ターメリックは、そういうものかと納得していた。
光の剣に選ばれたクランはというと、我関せずの顔で紅茶をおかわりしている。
そんな甥っ子の隣で、カメリアは楽しそうに喋り続けていた。
「私はこれでも、神の使いとしてクリスタン教信者のフィリアは大体把握していてね……それで「レオ」というフィリアが珍しいのも知っていたから、もしかしたら……と思っていたんだ」
「なるほど……」
「実は、クリスタン教信者の証であるフィリアは、クリスタン神様のおっしゃるとおりに、私が代わりに授けているだけのもので、多い種類もあれば少ない種類もある」
「えっ、そうなんですか」
ターメリックはカメリアの言葉に、自分のフィリアである「ジュスト」は父が神の使いから名付けるようにと言われたフィリアであることを思い出した。
カメリアさん、ぼくのフィリアのことも覚えててくれたのかな……
そんな感じは、全然しないけど……
「私のジョアンというフィリアは、かなりの人数がいるんだよ。だから、この7色の光の中にも名前があるかもしれないね……っていやいや、そんなことよりクラン! まさか、本当に君が選ばれたとはねぇ」
「……」
カメリアに笑いかけられても、クランは一言も口を利かずに紅茶を飲んでいる。
……いやもう不安しかないっ!
ターメリックは、心の中で頭を抱えた。
カメリアは、無口なクランと顔をこわばらせたターメリックを気にすることなく喋り続けている。
「良かった良かったねぇ、ターメリック君! これからふたりで仲間探しというのも、楽しそうでなによりだ。さて、そうと決まれば……」
「僕は協力なんてしないよ」
……え?
ターメリックには、それが一瞬だれの声かわからなかった。
それほどまでに、クランの声は刃物よりも鋭く、氷よりも冷たかった。
「僕は、この世界が大嫌いなんだ。竜の王イゾリータが復活して、世界が大変なことになってくれるなら、僕は迷うことなく光の剣を捨てるよ」
「そ、そんな、クラン君、ぼくたちは……」
これから、同じ使命を背負う仲間じゃないか!
ターメリックが、そう言おうとしたとき、
「友情とか仲間とか、そんなもの僕は信じない。必要ないんだよ!」
クランは珍しく声を張り上げると、そのまま勢いよく部屋を出て行ってしまった。
「……」
ターメリックは、なすすべもなく固まったまま、カメリアへと視線を移した。
カメリアは、いつもの笑顔もなく項垂れている。
何か心当たりがあるようだが、ターメリックにはわからなかった。
その日……
クランは2階の自室に閉じこもったまま、ふたりの前には現れなかった。
第1章おわり
宝石から発している光は、赤・橙・黄・黄緑・緑・水・紫の7色……
すべて、北から東にかけてを指している。
クリスタニアの西から南は大海原なので、これはターメリックを含む伝説の剣に選ばれた7人全員がモンド大陸にいる、という意味である。
それにしても、キレイだなぁ……
ターメリックが羅針盤からの光に見惚れていた、そのときだった。
突然、黄色の光がユラユラと動き出した。
「えっ……?」
ターメリックが見つめる中、黄色い光は他の光をまたぐように北から東へ行ったり来たりを繰り返し、また同じ位置を指し始めた。
しかも、他の光よりも色が濃い。
……ターメリックを指す赤い光と同じくらいに。
何事……?
そのとき、ふと気配を感じて顔を上げると、テーブルについたクランが自分の紅茶を注いでいるところだった。
「ふたりが飲んでいるの見ていたら、僕も飲みたくなって、ちょっと台所に行ってきた。焼きたてクッキー、食べてもいいよ」
クランは、かなり凝った模様の手作りクッキーを、テーブルに無造作に押しやった。
そんな仏頂面のクランを、羅針盤から伸びた黄色い光が一直線に指している。
ま……
まさか……!
ターメリックは、黄色い光を覗き込んだ。
光の中に浮かび上がった文字は、
『光 レオ』
である。
い、いやいやいや!
ちょっと待ってよ!
この子が、仲間ってこと……!?
「おお! やはり私の睨んだとおりだったか!」
動揺するターメリックとは対照的に、カメリアは椅子から飛び上がると、
「ちょっと地下倉庫に行ってくるよー!」
子どものような軽い身のこなしで、そのまま部屋から出て行ってしまった。
その間にも、黄色い光はぶれることなく、正面に座る童顔の少年を指している。
ターメリックは、まじまじと羅針盤を見つめた。
……ほんとに?
ほんとの、ほんとに??
もう関わることもないと思っていたのに、まさか同じ使命を託された仲間だったなんて……!
「き、君が光の剣に選ばれし者だったんだね!」
「……」
「これから、よ、よろしくね!」
「……」
何を話したらいいのかわからないターメリックが話しかけても、クランはその努力を無下にするかのように黙ったまま紅茶を飲んでいた。
虚無感を具現化したかのような、生気のない瑠璃色の瞳。
しかし……
その不満げな表情には、なぜか一抹の寂しさが感じられた。
クラン、君……?
君は、いったい……?
ターメリックが疑問に思った、そのとき。
地下のほうから、何かがひっくり返る凄まじい音と、盛大に咳き込む声が聞こえてきた。
今度は、カメリアが探し物をしているらしい。
「て、手伝ってこようかな……」
ターメリックが腰を浮かせると、今まで黙っていたクランが口を開いた。
「やめたほうがいいよ。素人が入ると死ぬから」
「……」
その淡々とした物言いに、ターメリックは「あ、う、うん……」とモゴモゴ言いながら座りなおした。
入ったら死ぬって……
そんなにヒドイ部屋なの!?
ターメリックの心の疑問を知る由もなく、クランはまるで小動物のように、クッキーを両手で持って食べていた。
静寂の中、クッキーの咀嚼音を聞いていると、
「おおーい! ふたりともー!」
ワタボコリまみれになったカメリアが、意気揚々と戻ってきた。
腕には、一振りの剣を抱えている。
「見つけたよ! まさか、伝説の剣が扉の下に転がっていたなんてねぇ……知らずに思いっきり蹴飛ばして、古い寝台に挟まって取れなくなってしまってね。それで少し時間がかかってしまった」
「……え?」
「やっとのことで引き抜いてきたが……神殿に行ったら、クリスタン神様に謝らなければなぁ」
カメリアは苦笑いを浮かべて、テーブルに抱えていた剣を置いた。
ターメリックは、またしても理解が追いつかず、若干混乱気味である。
伝説の剣……?
今カメリアさん、確かに「伝説の剣」って言ったよね……?
テーブルの上に置かれているのは、ターメリックの「真実の剣」よりも一回りほど小振りな剣である。
鞘には茨と王冠の銀細工。
柄には輝く黄色の宝石。
確かに……
これは「光の剣」だ……!
ターメリックは息をのみ、同時に先ほどのカメリアの言葉を思い出して仰天した。
「伝説の剣が地下倉庫の扉の下に転がっていたなんて……しかも、それを思いっきり蹴飛ばすなんて、そんなんで大丈夫なんですか!?」
ターメリックは、今まで何も知らなかった自分を棚に上げて、椅子から立ち上がりそうな勢いで言い立てた。
しかし、カメリアは「大丈夫、大丈夫」と笑って、
「それほど気にすることでもないよ。君の真実の剣だって、砂浜に埋もれていただろう? 伝説の剣は、意外な場所から出てくるようになっているらしいんだよ」
「……」
「まぁ……光の剣を蹴飛ばしてしまったのは、私だけれどもね」
傷は無さそうで良かったよと、カメリアは安堵のため息をついた。
神の使いの言葉は綿毛のように軽かったが、ターメリックは、そういうものかと納得していた。
光の剣に選ばれたクランはというと、我関せずの顔で紅茶をおかわりしている。
そんな甥っ子の隣で、カメリアは楽しそうに喋り続けていた。
「私はこれでも、神の使いとしてクリスタン教信者のフィリアは大体把握していてね……それで「レオ」というフィリアが珍しいのも知っていたから、もしかしたら……と思っていたんだ」
「なるほど……」
「実は、クリスタン教信者の証であるフィリアは、クリスタン神様のおっしゃるとおりに、私が代わりに授けているだけのもので、多い種類もあれば少ない種類もある」
「えっ、そうなんですか」
ターメリックはカメリアの言葉に、自分のフィリアである「ジュスト」は父が神の使いから名付けるようにと言われたフィリアであることを思い出した。
カメリアさん、ぼくのフィリアのことも覚えててくれたのかな……
そんな感じは、全然しないけど……
「私のジョアンというフィリアは、かなりの人数がいるんだよ。だから、この7色の光の中にも名前があるかもしれないね……っていやいや、そんなことよりクラン! まさか、本当に君が選ばれたとはねぇ」
「……」
カメリアに笑いかけられても、クランは一言も口を利かずに紅茶を飲んでいる。
……いやもう不安しかないっ!
ターメリックは、心の中で頭を抱えた。
カメリアは、無口なクランと顔をこわばらせたターメリックを気にすることなく喋り続けている。
「良かった良かったねぇ、ターメリック君! これからふたりで仲間探しというのも、楽しそうでなによりだ。さて、そうと決まれば……」
「僕は協力なんてしないよ」
……え?
ターメリックには、それが一瞬だれの声かわからなかった。
それほどまでに、クランの声は刃物よりも鋭く、氷よりも冷たかった。
「僕は、この世界が大嫌いなんだ。竜の王イゾリータが復活して、世界が大変なことになってくれるなら、僕は迷うことなく光の剣を捨てるよ」
「そ、そんな、クラン君、ぼくたちは……」
これから、同じ使命を背負う仲間じゃないか!
ターメリックが、そう言おうとしたとき、
「友情とか仲間とか、そんなもの僕は信じない。必要ないんだよ!」
クランは珍しく声を張り上げると、そのまま勢いよく部屋を出て行ってしまった。
「……」
ターメリックは、なすすべもなく固まったまま、カメリアへと視線を移した。
カメリアは、いつもの笑顔もなく項垂れている。
何か心当たりがあるようだが、ターメリックにはわからなかった。
その日……
クランは2階の自室に閉じこもったまま、ふたりの前には現れなかった。
第1章おわり
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