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第4章 愛
第7話 無言の理由は
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★◇◆◇◆◇◆◇
ミルクパン城は俄然、慌ただしくなった。
パン王国近衛兵団キィオーク団長ケトルの指示により、不在の国王夫妻には知らせず、すべて解決させることになったのだ。
ケトルは、数十人いるキィオークたちを数人ずつに分けて、王都内を捜索させた。
もちろん、犯人たちに気づかれないよう、王都の見回りに見せかけた控えめな捜索である。
ターメリックたち4人は、すっかり顔見知りになったミトンと組むことになった。
王都を歩くその姿は、ターメリックの髪色も相まって、キィオークに王都を案内してもらっている旅人にしか見えない。
一緒に歩いているノウェムは、ちょこまかと動き回って路地裏という路地裏を覗き込んでいる。
その後ろをついて歩いているクランは、路地裏のゴミ箱というゴミ箱を開けては「おーい、トックリー」と、ベタなボケを繰り出していた。
「お前なぁ、それオレがツッコんでやらないと、ただの変な奴だからな?」
「ノウェムだって、僕が後ろから探してる雰囲気にしないと、ただの走り回ってる人だよ。せめて、いつもみたいな変な奴だと思われなきゃ」
「なんでオレがいつでも変な奴みたいに言われなきゃいけねぇんだよ」
ふたりとも、相変わらずだなぁ。
ね? クィントゥム君。
ターメリックは、ため息とともに隣を歩くクィントゥムの様子を窺った。
「……」
クィントゥムは、黙々と歩いていた。
腕を組んだり、顎に手を添えたりと、何やら考え込んでいるらしい。
まさに、心ここにあらずといった様子だ。
もしかしてクィントゥム君、もう何か思いついたのかな。
でも、まだ何か確信できる情報がないから、ぼくたちには話さないで、考えてるんだろうなぁ。
ターメリックは、クィントゥムに話しかけることを諦めた。
そして、ふと気になったことをミトンに尋ねてみることにした。
「あの、ミトンさん。シノワ姫様のことなんですけど……あのとき、どうして一言もお話しくださらなかったんですか?」
「え? ……ああ、コバチさんが報告してくれたときのことですね。あれは……」
ミトンは、そこで一呼吸置くと「話すと長くなるんですが」と口ごもりながら、すっと目を伏せた。
「実は……シノワ姫様は、数年前にご自身の声を失われて以来、何もお話しできない状態なのです」
声を……?
それって、喋りたくても喋れないってこと……?
大変だ……
絶句するターメリックに、ミトンは石畳に視線を落としたまま話し続けた。
「ターメリックさんは、スパイス帝国の方ですよね。それなら、ご存知かと思うのですが……きっかけは、スパイス帝国で起こった大火事なのです。あの、ガラムマサラ皇帝の弟君クローブ様が亡くなった……」
「ああ! はい! 覚えてます!」
……って言っても、あのときのぼくはまだ小さくて、覚えているのは遠巻きに眺めた炎に包まれる宮殿の離れだけ。
あとは、とっても怖かったってことだけなんだよね。
あのとき、宮殿の離れでいったい何が起こっていたのか……
ターメリックがすべてを知ったのは、それから数年後のことだった。
スパイス帝国第6代皇帝ガラムマサラ。
つい先日、カイエン大臣によって刺殺された彼には、歳の離れた弟がいた。
名前はクローブ。
彼は、未来の皇帝候補だった。
しかし、その未来は永遠に訪れはしなかった。
クローブは、宮殿の離れが全焼する大火事に巻き込まれて亡くなったのである。
死傷者は、数十人以上。
普段は離れになんて近寄らないターメリックの父サフランも、腕に軽度の火傷を負うほどだった。
それほどまでに、酷い事故だったのだ。
でも……
その大火事と、パン王国のお姫様って、何の関係があるんだろう。
そんなターメリックの疑問に答えるように、ミトンは静かに話し始めた。
「これは、あまり知られていない話なのですが……クローブ様は、パン王国第1王女シノワ姫様の婚約者様でいらっしゃいました。まあ簡単に言っちゃうと、政略結婚ってやつですね」
「へぇ……」
「それでも、シノワ姫様はお幸せそうでした。クローブ様は、帝国内のギスギスした政治的なものから離れた場所にいらっしゃるような、そんな浮世離れした人だったみたいです。それがシノワ姫様にとって、一緒にいて疲れない、良い人だったのだと思います」
「とっても仲が良かったんですね」
ターメリックの相槌に、ミトンは「それはもう、お似合いのふたりでした」と微笑んだ。
スパイス帝国の皇帝一族と、パン王国の王族が婚姻によって親戚同士になる……
しかも、本人たちの仲がすこぶる良好……
これはきっと、両国の安寧を示しているに違いない。
クローブとシノワ姫の婚約を知る数少ない両国の要人たちは、揃って頷きあっていた。
しかし……
「あれは、結婚式の前日だったんです。いまだに原因は不明ですが、宮殿の離れが全焼するほどの大火事で……シノワ姫様は、その離れにいらっしゃったんです」
「ええっ!? ってことは、炎とか煙とかで喉がやられて声が……?」
「いやいや……それだったら、もう完治していらっしゃるはずです。それよりも、もっと酷いことが起こったそうなんですよ」
「もっと、酷いこと……」
「僕は話を聞いただけなんですけど……想像するだけで具合が悪くなるほどですから、シノワ姫様が声を失われるのもわかりますよ」
その日、シノワ姫に付いていたのは、近衛兵団団長のケトルだった。
燃え盛る離れの中を、ケトルはシノワ姫を連れてクローブとともに逃げ続けていた。
煙と熱さの中を駆け抜け、もうすぐ出口という、そのときだった。
シノワ姫の目の前で、クローブが炎に巻かれ、火だるまと化したのだ。
人間の焼ける悪臭、助けを求める声、そして……
もう「人間」ではなくなってしまった、大好きだった人の顔。
シノワ姫はケトルのおかげで命からがら逃げおおせたものの、その声はすでに失われていた。
まだ声を出せていた自分が最後に何を口にしたのかさえ、シノワ姫はもう覚えていないという。
「王室専属の医師によれば『精神的なものだから、何かの弾みで突然もとに戻ったりすることもある』らしいんです。けれど、この病には確実な治療法がありません。それで、シノワ姫様は今でも声を出せずにいらっしゃるんです」
「……」
「もちろん、婚姻の話は最初から無かったことになり、シノワ姫様が声を失われたことは城勤めの限られた人間しか知りません。そして、あのときシノワ姫様に付いていながら何もできなかったケトル団長は、半年間の謹慎を言い渡されました」
「団長さん……」
ターメリックの呟きに、ミトンは切なくも優しく微笑んだ。
「本当は、団長職を解雇されるところだったんですけど、シノワ姫様が筆談と身振り手振りでもってケトル団長がいかにして自分を守り抜いてくれたかを語って、父親である国王陛下を説得なさって……それで、半年間の謹慎で済んだんですよ」
「えっ」
「それ以来、シノワ姫様とケトル団長の間には、身分を超えた友情というか愛情というか……そういうものが芽生えたみたいです。まあ、ケトル団長はシノワ姫様がお生まれになった頃からシノワ姫様大好き! ですけどね」
「へぇ……」
ターメリックは、先ほど客間で近衛兵団たちに指示を飛ばすケトルを思い出していた。
格好良かったなぁ。
ぼくも、あんなリーダーになれたらいいんだけどなぁ。
……まだまだ無理かな。
ターメリックが自分の頼りなさに小さくため息をついた、そのとき。
「あのふたり、本当にお似合いよね」
すでに聞き馴染んでしまった声が、背後から聞こえてきた。
つづく
ミルクパン城は俄然、慌ただしくなった。
パン王国近衛兵団キィオーク団長ケトルの指示により、不在の国王夫妻には知らせず、すべて解決させることになったのだ。
ケトルは、数十人いるキィオークたちを数人ずつに分けて、王都内を捜索させた。
もちろん、犯人たちに気づかれないよう、王都の見回りに見せかけた控えめな捜索である。
ターメリックたち4人は、すっかり顔見知りになったミトンと組むことになった。
王都を歩くその姿は、ターメリックの髪色も相まって、キィオークに王都を案内してもらっている旅人にしか見えない。
一緒に歩いているノウェムは、ちょこまかと動き回って路地裏という路地裏を覗き込んでいる。
その後ろをついて歩いているクランは、路地裏のゴミ箱というゴミ箱を開けては「おーい、トックリー」と、ベタなボケを繰り出していた。
「お前なぁ、それオレがツッコんでやらないと、ただの変な奴だからな?」
「ノウェムだって、僕が後ろから探してる雰囲気にしないと、ただの走り回ってる人だよ。せめて、いつもみたいな変な奴だと思われなきゃ」
「なんでオレがいつでも変な奴みたいに言われなきゃいけねぇんだよ」
ふたりとも、相変わらずだなぁ。
ね? クィントゥム君。
ターメリックは、ため息とともに隣を歩くクィントゥムの様子を窺った。
「……」
クィントゥムは、黙々と歩いていた。
腕を組んだり、顎に手を添えたりと、何やら考え込んでいるらしい。
まさに、心ここにあらずといった様子だ。
もしかしてクィントゥム君、もう何か思いついたのかな。
でも、まだ何か確信できる情報がないから、ぼくたちには話さないで、考えてるんだろうなぁ。
ターメリックは、クィントゥムに話しかけることを諦めた。
そして、ふと気になったことをミトンに尋ねてみることにした。
「あの、ミトンさん。シノワ姫様のことなんですけど……あのとき、どうして一言もお話しくださらなかったんですか?」
「え? ……ああ、コバチさんが報告してくれたときのことですね。あれは……」
ミトンは、そこで一呼吸置くと「話すと長くなるんですが」と口ごもりながら、すっと目を伏せた。
「実は……シノワ姫様は、数年前にご自身の声を失われて以来、何もお話しできない状態なのです」
声を……?
それって、喋りたくても喋れないってこと……?
大変だ……
絶句するターメリックに、ミトンは石畳に視線を落としたまま話し続けた。
「ターメリックさんは、スパイス帝国の方ですよね。それなら、ご存知かと思うのですが……きっかけは、スパイス帝国で起こった大火事なのです。あの、ガラムマサラ皇帝の弟君クローブ様が亡くなった……」
「ああ! はい! 覚えてます!」
……って言っても、あのときのぼくはまだ小さくて、覚えているのは遠巻きに眺めた炎に包まれる宮殿の離れだけ。
あとは、とっても怖かったってことだけなんだよね。
あのとき、宮殿の離れでいったい何が起こっていたのか……
ターメリックがすべてを知ったのは、それから数年後のことだった。
スパイス帝国第6代皇帝ガラムマサラ。
つい先日、カイエン大臣によって刺殺された彼には、歳の離れた弟がいた。
名前はクローブ。
彼は、未来の皇帝候補だった。
しかし、その未来は永遠に訪れはしなかった。
クローブは、宮殿の離れが全焼する大火事に巻き込まれて亡くなったのである。
死傷者は、数十人以上。
普段は離れになんて近寄らないターメリックの父サフランも、腕に軽度の火傷を負うほどだった。
それほどまでに、酷い事故だったのだ。
でも……
その大火事と、パン王国のお姫様って、何の関係があるんだろう。
そんなターメリックの疑問に答えるように、ミトンは静かに話し始めた。
「これは、あまり知られていない話なのですが……クローブ様は、パン王国第1王女シノワ姫様の婚約者様でいらっしゃいました。まあ簡単に言っちゃうと、政略結婚ってやつですね」
「へぇ……」
「それでも、シノワ姫様はお幸せそうでした。クローブ様は、帝国内のギスギスした政治的なものから離れた場所にいらっしゃるような、そんな浮世離れした人だったみたいです。それがシノワ姫様にとって、一緒にいて疲れない、良い人だったのだと思います」
「とっても仲が良かったんですね」
ターメリックの相槌に、ミトンは「それはもう、お似合いのふたりでした」と微笑んだ。
スパイス帝国の皇帝一族と、パン王国の王族が婚姻によって親戚同士になる……
しかも、本人たちの仲がすこぶる良好……
これはきっと、両国の安寧を示しているに違いない。
クローブとシノワ姫の婚約を知る数少ない両国の要人たちは、揃って頷きあっていた。
しかし……
「あれは、結婚式の前日だったんです。いまだに原因は不明ですが、宮殿の離れが全焼するほどの大火事で……シノワ姫様は、その離れにいらっしゃったんです」
「ええっ!? ってことは、炎とか煙とかで喉がやられて声が……?」
「いやいや……それだったら、もう完治していらっしゃるはずです。それよりも、もっと酷いことが起こったそうなんですよ」
「もっと、酷いこと……」
「僕は話を聞いただけなんですけど……想像するだけで具合が悪くなるほどですから、シノワ姫様が声を失われるのもわかりますよ」
その日、シノワ姫に付いていたのは、近衛兵団団長のケトルだった。
燃え盛る離れの中を、ケトルはシノワ姫を連れてクローブとともに逃げ続けていた。
煙と熱さの中を駆け抜け、もうすぐ出口という、そのときだった。
シノワ姫の目の前で、クローブが炎に巻かれ、火だるまと化したのだ。
人間の焼ける悪臭、助けを求める声、そして……
もう「人間」ではなくなってしまった、大好きだった人の顔。
シノワ姫はケトルのおかげで命からがら逃げおおせたものの、その声はすでに失われていた。
まだ声を出せていた自分が最後に何を口にしたのかさえ、シノワ姫はもう覚えていないという。
「王室専属の医師によれば『精神的なものだから、何かの弾みで突然もとに戻ったりすることもある』らしいんです。けれど、この病には確実な治療法がありません。それで、シノワ姫様は今でも声を出せずにいらっしゃるんです」
「……」
「もちろん、婚姻の話は最初から無かったことになり、シノワ姫様が声を失われたことは城勤めの限られた人間しか知りません。そして、あのときシノワ姫様に付いていながら何もできなかったケトル団長は、半年間の謹慎を言い渡されました」
「団長さん……」
ターメリックの呟きに、ミトンは切なくも優しく微笑んだ。
「本当は、団長職を解雇されるところだったんですけど、シノワ姫様が筆談と身振り手振りでもってケトル団長がいかにして自分を守り抜いてくれたかを語って、父親である国王陛下を説得なさって……それで、半年間の謹慎で済んだんですよ」
「えっ」
「それ以来、シノワ姫様とケトル団長の間には、身分を超えた友情というか愛情というか……そういうものが芽生えたみたいです。まあ、ケトル団長はシノワ姫様がお生まれになった頃からシノワ姫様大好き! ですけどね」
「へぇ……」
ターメリックは、先ほど客間で近衛兵団たちに指示を飛ばすケトルを思い出していた。
格好良かったなぁ。
ぼくも、あんなリーダーになれたらいいんだけどなぁ。
……まだまだ無理かな。
ターメリックが自分の頼りなさに小さくため息をついた、そのとき。
「あのふたり、本当にお似合いよね」
すでに聞き馴染んでしまった声が、背後から聞こえてきた。
つづく
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