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第4章 愛
第15話 見えない黒幕
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★◇◆◇◆◇◆◇
しばらく眺めていると、ふと振り向いたクィントゥムに手招きされた。
「ターメリック! こっちに来てくれ!」
近寄ると、クィントゥムは「彼らを真実の剣で斬ってくれないか」と、3人組を指さした。
事情を知らないキィオークたちにとっては、かなり物騒な話だったことだろう。
あたりは少しどよめいた。
もちろんクィントゥムは、物理的に物騒な話をしているわけではない。
ターメリックも、それはわかっている。
わかってはいるが……
「え? クィントゥム君、どういうこと?」
「彼らには、何者かによって口封じの魔法がかけられているみたいなんだ。その魔法を解かなければ、彼らは何も喋ってはくれないらしい。やってく」
「わかった任せて!」
なんかよくわかんないけど……
出番キターっ!!
ターメリックは少々食い気味に返事をして、真実の剣を抜いた。
魔法を無効化する真実の剣は、魔法のほかには何も斬ることができない。
剣を構えたターメリックの後ろから、コーヒーミルがキィオークたちに説明する声が聞こえてきた。
そこから広がる安堵のため息とともに、ターメリックは3人組に向かって真実の剣を振り下ろした。
む……手応えあり!
ターメリックは、魔法の効果を斬った感触に、自然と口角が上がるのを感じていた。
もちろん目の前の3人組に変わった様子はなく、見守っていたキィオークたちの間からは困惑のざわめきも生まれている。
しかし、ターメリックの表情を確認したクィントゥムは、小さく「ありがとう」と囁くと、見守っていたコーヒーミルに微笑んでみせた。
「もう大丈夫です、こちらの質問にも答えてもらえると思います」
「まあ、素晴らしい。ターメリック君、ありがとう。それじゃあ早速……クィントゥム君に進めてもらおうかしら」
コーヒーミルのその言葉にクィントゥムは少し驚いたものの、自信ありげに頷いてみせた。
それは紛れもなく、あの日と同じ表情のクィントゥムであった。
「さて……この事件の実行犯はお前たちのようだが、私には別に首謀者がいるように思えてならないんだ。たかが地方の盗人が、このような大層なことをやってのける知恵を持っているとは、到底考えられなくてね」
「……」
「いったいだれに頼まれて、こんなことをしたのか、そろそろ教えてもらってもいいだろうか」
「……」
クィントゥムは3人組を見下ろして答えを待っていたが、待てど暮らせど、だれも口を開かない。
ありゃ……
魔法は斬ったから、もう話せるはずなんだけど……
もしかして、喋らないつもりかな。
どうしよう……
ターメリックが困っているのはいつものことだが、どうやらクィントゥムもお手上げらしく、腕を組んだまま黙り込んでいる。
と、そのとき。
「レードル姫様」
見かねたコーヒーミルが、様子を窺っていたレードル姫に声をかけた。
「まだまだ魔法を使い足りないご様子とお見受けしましたので……お好きにどうぞ」
「あら、いいの?」
駆け寄ってきたレードル姫が嬉々として杖を構えると、それを見ていた3人組のひとり、背の高い男トックリが「わかった喋るっ! 喋るからっ!」と暴れだした。
……よほど、レードル姫の魔法が恐ろしかったのだろう。
「おれたちだって、あの後すごく反省して、城下町ではちゃんと働いてたんだ。で、城下町の公園をせっせとキレイにしていたとき、どこかのお偉いさんみたいなのがやってきて『ここから逃がしてやるから協力しろ』とか言って、王族誘拐の計画を話し出したんだ」
「なるほど……その作戦に、まんまと引っかかったというわけか」
「引っかかったって、どういう意味だよ。これは正式な取り引きだったんだぞ」
凄むトックリに構うことなく、クィントゥムは何か思案しているらしく「ふむ」と目を閉じていた。
そして、3人組に哀れむような視線を向けた。
「残念ながら……口約束だけの取り引きは、正式な取り引きとは言えないんだ。おそらくは『どこかのお偉いさん』も知っていたことだろう。その『どこかのお偉いさん』というのは、いったいだれなんだ?」
「……」
「おや、残念。教えてはもらえないのか……」
クィントゥムは、そう言いながら振り向き、レードル姫に手を差し伸べた。
レードル姫は目をキラキラさせて杖を構えたが、トックリはまたしても「わかったわかった!」と暴れだし、ペラペラと喋り始めた。
「そいつの名前は、クレソン! スパイス帝国の外交官兼ヌフ=ブラゾン王国の宰相、クレソンだ!」
「クレソン……?」
クィントゥムは首を捻ったが、ターメリックにはもちろん心当たりがあった。
クレソン……!
許さない、あいつだけは、絶対に……!
ターメリックの脳裏に映るのは、濃緑の髪を撫でつけた無表情な男の姿……
その昔、スパイス帝国兵士団長だったクレソンは、できる男として当時外交官だったサフランに目をかけられていた。
しかし、その一方で……
クレソンは、クリスタン教の研究者であったノワールを処刑するよう仕向けた張本人だった。
ノワールの弟子として、ターメリックはクレソンの名前を忘れたことはない。
「おれたちは、クレソンから頼まれたんだ……『パン王国を無血占領するためには、君たちの協力が必要不可欠なんだ』って……『いざというときは助けてやる』って言われて」
「いや、違うよ。もう、あいつは……クレソンは、君たちを助けには来ない」
思わず口を挟んだターメリックを、その場にいる全員が見つめていた。
それでも、ターメリックは喋り続けた。
「自分の手は汚さずに、いちばん言うことを聞きそうな人間を使って、手柄は横取りするものの、失敗したときは知らん顔……って、これはぼくの上司の言葉だけど、クレソンはそういう奴なんだ」
ターメリックの上司とは、ペパー剣士団長のことである。
ふたりとも城下町では仲の良いライバルとして有名だったが、城内では犬猿の仲であり、それを知らない人間はいなかった。
ターメリックが目を伏せると、トックリは目を見開き、そのまま項垂れてしまった。
ああ、なんか、ごめんね……
君たちのやったことも酷いけれど、信じている人間を裏切るほうが、もっと酷いよね。
大丈夫。
君たちの仇は、ぼくたちが取るから。
拳を握りしめると、手のひらに爪がくい込んで、ヒリヒリと痛かった。
黙って話を聞いていたクィントゥムが、そこでようやくターメリックに声をかけた。
「彼らの言っているクレソンという男については、君のほうが詳しいみたいだね」
「あ、そうだね。クィントゥム君がスパイス帝国にいた頃は、まだいなかったんじゃないかな」
「なるほど……カイエンが現れたのと同時期の人間ということか」
クィントゥムは腕を組んで「ふむふむ」と納得しているようだった。
そこでふと、ターメリックはクランに視線を走らせた。
もしかして、知ってるかな……
と思ったのだが、クランは真顔でターメリックの視線を追うように後ろを向いていた。
いやクラン君だよ!
……そうツッコもうとしたが、知らないのなら教えないほうがいいだろうと、ターメリックは「なんでもないよ」と手を振っておいた。
ターメリックが先生と呼んでいたノワールは、クランの先生でもある。
ターメリックにとって、クランは兄弟子なのだ。
そのノワール先生を死に追いやったのがクレソンだということを、クランは知らないらしい。
まあ、今は知らなくてもいいか。
きっと嫌でも知るときがくるんだから。
ミルクパン城の屋上に目を向けると、銀髪のシノワ姫と黒髪のケトルが並んで手を振っていた。
つづく
しばらく眺めていると、ふと振り向いたクィントゥムに手招きされた。
「ターメリック! こっちに来てくれ!」
近寄ると、クィントゥムは「彼らを真実の剣で斬ってくれないか」と、3人組を指さした。
事情を知らないキィオークたちにとっては、かなり物騒な話だったことだろう。
あたりは少しどよめいた。
もちろんクィントゥムは、物理的に物騒な話をしているわけではない。
ターメリックも、それはわかっている。
わかってはいるが……
「え? クィントゥム君、どういうこと?」
「彼らには、何者かによって口封じの魔法がかけられているみたいなんだ。その魔法を解かなければ、彼らは何も喋ってはくれないらしい。やってく」
「わかった任せて!」
なんかよくわかんないけど……
出番キターっ!!
ターメリックは少々食い気味に返事をして、真実の剣を抜いた。
魔法を無効化する真実の剣は、魔法のほかには何も斬ることができない。
剣を構えたターメリックの後ろから、コーヒーミルがキィオークたちに説明する声が聞こえてきた。
そこから広がる安堵のため息とともに、ターメリックは3人組に向かって真実の剣を振り下ろした。
む……手応えあり!
ターメリックは、魔法の効果を斬った感触に、自然と口角が上がるのを感じていた。
もちろん目の前の3人組に変わった様子はなく、見守っていたキィオークたちの間からは困惑のざわめきも生まれている。
しかし、ターメリックの表情を確認したクィントゥムは、小さく「ありがとう」と囁くと、見守っていたコーヒーミルに微笑んでみせた。
「もう大丈夫です、こちらの質問にも答えてもらえると思います」
「まあ、素晴らしい。ターメリック君、ありがとう。それじゃあ早速……クィントゥム君に進めてもらおうかしら」
コーヒーミルのその言葉にクィントゥムは少し驚いたものの、自信ありげに頷いてみせた。
それは紛れもなく、あの日と同じ表情のクィントゥムであった。
「さて……この事件の実行犯はお前たちのようだが、私には別に首謀者がいるように思えてならないんだ。たかが地方の盗人が、このような大層なことをやってのける知恵を持っているとは、到底考えられなくてね」
「……」
「いったいだれに頼まれて、こんなことをしたのか、そろそろ教えてもらってもいいだろうか」
「……」
クィントゥムは3人組を見下ろして答えを待っていたが、待てど暮らせど、だれも口を開かない。
ありゃ……
魔法は斬ったから、もう話せるはずなんだけど……
もしかして、喋らないつもりかな。
どうしよう……
ターメリックが困っているのはいつものことだが、どうやらクィントゥムもお手上げらしく、腕を組んだまま黙り込んでいる。
と、そのとき。
「レードル姫様」
見かねたコーヒーミルが、様子を窺っていたレードル姫に声をかけた。
「まだまだ魔法を使い足りないご様子とお見受けしましたので……お好きにどうぞ」
「あら、いいの?」
駆け寄ってきたレードル姫が嬉々として杖を構えると、それを見ていた3人組のひとり、背の高い男トックリが「わかった喋るっ! 喋るからっ!」と暴れだした。
……よほど、レードル姫の魔法が恐ろしかったのだろう。
「おれたちだって、あの後すごく反省して、城下町ではちゃんと働いてたんだ。で、城下町の公園をせっせとキレイにしていたとき、どこかのお偉いさんみたいなのがやってきて『ここから逃がしてやるから協力しろ』とか言って、王族誘拐の計画を話し出したんだ」
「なるほど……その作戦に、まんまと引っかかったというわけか」
「引っかかったって、どういう意味だよ。これは正式な取り引きだったんだぞ」
凄むトックリに構うことなく、クィントゥムは何か思案しているらしく「ふむ」と目を閉じていた。
そして、3人組に哀れむような視線を向けた。
「残念ながら……口約束だけの取り引きは、正式な取り引きとは言えないんだ。おそらくは『どこかのお偉いさん』も知っていたことだろう。その『どこかのお偉いさん』というのは、いったいだれなんだ?」
「……」
「おや、残念。教えてはもらえないのか……」
クィントゥムは、そう言いながら振り向き、レードル姫に手を差し伸べた。
レードル姫は目をキラキラさせて杖を構えたが、トックリはまたしても「わかったわかった!」と暴れだし、ペラペラと喋り始めた。
「そいつの名前は、クレソン! スパイス帝国の外交官兼ヌフ=ブラゾン王国の宰相、クレソンだ!」
「クレソン……?」
クィントゥムは首を捻ったが、ターメリックにはもちろん心当たりがあった。
クレソン……!
許さない、あいつだけは、絶対に……!
ターメリックの脳裏に映るのは、濃緑の髪を撫でつけた無表情な男の姿……
その昔、スパイス帝国兵士団長だったクレソンは、できる男として当時外交官だったサフランに目をかけられていた。
しかし、その一方で……
クレソンは、クリスタン教の研究者であったノワールを処刑するよう仕向けた張本人だった。
ノワールの弟子として、ターメリックはクレソンの名前を忘れたことはない。
「おれたちは、クレソンから頼まれたんだ……『パン王国を無血占領するためには、君たちの協力が必要不可欠なんだ』って……『いざというときは助けてやる』って言われて」
「いや、違うよ。もう、あいつは……クレソンは、君たちを助けには来ない」
思わず口を挟んだターメリックを、その場にいる全員が見つめていた。
それでも、ターメリックは喋り続けた。
「自分の手は汚さずに、いちばん言うことを聞きそうな人間を使って、手柄は横取りするものの、失敗したときは知らん顔……って、これはぼくの上司の言葉だけど、クレソンはそういう奴なんだ」
ターメリックの上司とは、ペパー剣士団長のことである。
ふたりとも城下町では仲の良いライバルとして有名だったが、城内では犬猿の仲であり、それを知らない人間はいなかった。
ターメリックが目を伏せると、トックリは目を見開き、そのまま項垂れてしまった。
ああ、なんか、ごめんね……
君たちのやったことも酷いけれど、信じている人間を裏切るほうが、もっと酷いよね。
大丈夫。
君たちの仇は、ぼくたちが取るから。
拳を握りしめると、手のひらに爪がくい込んで、ヒリヒリと痛かった。
黙って話を聞いていたクィントゥムが、そこでようやくターメリックに声をかけた。
「彼らの言っているクレソンという男については、君のほうが詳しいみたいだね」
「あ、そうだね。クィントゥム君がスパイス帝国にいた頃は、まだいなかったんじゃないかな」
「なるほど……カイエンが現れたのと同時期の人間ということか」
クィントゥムは腕を組んで「ふむふむ」と納得しているようだった。
そこでふと、ターメリックはクランに視線を走らせた。
もしかして、知ってるかな……
と思ったのだが、クランは真顔でターメリックの視線を追うように後ろを向いていた。
いやクラン君だよ!
……そうツッコもうとしたが、知らないのなら教えないほうがいいだろうと、ターメリックは「なんでもないよ」と手を振っておいた。
ターメリックが先生と呼んでいたノワールは、クランの先生でもある。
ターメリックにとって、クランは兄弟子なのだ。
そのノワール先生を死に追いやったのがクレソンだということを、クランは知らないらしい。
まあ、今は知らなくてもいいか。
きっと嫌でも知るときがくるんだから。
ミルクパン城の屋上に目を向けると、銀髪のシノワ姫と黒髪のケトルが並んで手を振っていた。
つづく
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