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第4章 愛
第16話 空を飛ぶ勇気
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◆◇◆◇◆◇◆◇
ミルクパン城の屋上に、ふたりの男が立っている。
ひとりは、スパイス帝国のペパー大臣。
そしてもうひとりは、深緑色の髪を撫でつけた、無表情の男。
ふたりは気配を消して、中庭を見下ろしていた。
「……あれが、元外交官サフランさんの一人息子ですか」
無表情の男が口を開いた。
中庭の人々の声は聞こえないが、彼らの動作や表情はよく見える。
「彼のスパイス帝国での暮らしぶりから判断するに……ご立派なお父上から受け継いだのは、ご立派な髪の色だけだったようにお見受けしますね」
「侮っていると怪我をするのはお前だぞ、クレソン」
ペパーの言葉に、スパイス帝国外交官兼ヌフ=ブラゾン王国宰相クレソンは、ペパーを一瞥して中庭に視線を戻した。
「私は、真実の剣に斬られるような愚かな人間ではありませんよ」
その言葉に合わせるようにして、中庭ではターメリック・ジュストが3人組にかけられた魔法を斬っていた。
ペパーは、クレソンを横目に顔をしかめた。
真実の剣に斬られるような愚かな人間を選んだのは、お前じゃないか。
「ところで……剣を新調したそうですね」
クレソンは、何を考えているのかわからない表情でペパーを見つめていた。
まさか……
もう気づいているのか……?
ペパーは、思わず腰に差した剣に手を触れた。
そして、動いてしまってから気がついた。
おっと、逆に怪しまれたか……
こいつにだけは、知られてはいけないのに。
……どうして?
それは、俺にもわからない。
だが……知られてはいけないんだ。
絶対に。
ペパーが最近手に入れた剣は、鞘が茨と王冠の美しい銀細工で、柄の部分では黄緑色の宝石が輝いている。
これは、紛れもなく伝説の剣であった。
そして、目の前にいるクレソンの仕事は、伝説の剣に選ばれし者を集め、監禁しておくこと……
もちろんペパーは上司であるカイエンを裏切るつもりは毛頭ない。
そのため、ここで伝説の剣に選ばれたことを教えてしまっても、何の問題もない……はずなのだ。
それなのに……
俺は、いったい何を考えている……?
「……」
何も答えずにいると、クレソンはそのまま城内へと戻っていった。
そのまま後を追う。
ペパーには、スパイス帝国へ帰国できないクレソンに代わって、カイエンにすべてを報告する義務がある。
ふと気になったことを尋ねてみた。
「本当は、第3王女のレードルを誘拐するつもりだったらしいな……なぜだ? 誘拐するだけなら、最初から声の出せないシノワでよかったんじゃないのか?」
「簡単なことですよ」
クレソンは立ち止まり、ペパーを振り向いた。
無表情な視線が、機械的に言葉を紡ぐ。
「この誘拐事件に乗じて、剣に選ばれし者を監禁することができれば一石二鳥だと考えたからです。しかし実際のところは、二兎を追う者は一兎をも得ず、でしたがね」
そう言うとクレソンは、またペパーに背を向けて歩き出した。
ほんの少し口角が上がっていたように見えたが、おそらく気のせいだろう。
しばらく歩いていくと、前方からキィオークの制服を着た男と銀髪の少女が現れた。
近衛兵団の団長と、第1王女のシノワだろう。
すれ違いざまに、ペパーはクレソンとともに軽く会釈した。
ふたりは、誘拐事件の黒幕については知らないらしい。
シノワ姫の紫色の瞳が懐かしさを帯びて輝いたように見えたが、これもまた気のせいだったかもしれない。
★◇◆◇◆◇◆◇
あの激動の日から数日後の、気持ちの良い早朝である。
パン王国の王都タジン、その西端グラス地方との境である門前。
そこに、ターメリックをはじめとする旅立つ者と、国王陛下やキィオークたち見送る者が勢揃いしていた。
ターメリックは、クィントゥムが難しい話を担当してくれるのをいいことに、少し離れた場所で朝日を浴びていた。
なんだか、クリスタニアを旅立ったときと似ているなぁ。
でもあのときは、ぼくとクラン君とノウェム君の3人だけだった。
今は、そこにクィントゥム君とレードル姫様が加わって、仲間は5人になったね。
あとふたり、か……
ターメリックがしみじみとしていると、ミルクパン城の方角からミトンが走って来るのが見えた。
ミトンはキョロキョロとあたりを見回し、コーヒーミルのもとへと駆け寄った。
「副団長! たった今、確認が終わりました。マリアというフィリアを持つパン民族は、パン王国にはいないということです」
「ありがとう、ミトン。これで、広大なグラス地方を捜索する手間が省けたわ。私も、二度手間にならずにすんで、良かったぁ」
コーヒーミルは、ミトンの報告を受けて大きく伸びをした。
そう、コーヒーミルは、また旅に出るのである。
しかも、ターメリックたちと一緒に。
レードル姫の護衛として、コーヒーミルが伝説の剣に選ばれし者たちとともに旅立つ……
その知らせは、ターメリックたちが城内の客室で休んでいる頃にやってきた。
『国王陛下から直々に命令が下されたので、私もあなたたちの旅に同行するわ。でもね……私の本当の目的は、レードル姫様の護衛ではないのよ』
その日の晩、ターメリックたち4人の客室にやってきたコーヒーミルは、声を潜めて告げた。
声を失った姉との接し方に悩んで家を出て行方不明となっている、パン王国第2王女パソワ姫様捜索のための国外遠征……
それが、コーヒーミルの真の目的であった。
それまでは出張ということで、グラス地方やカトラリー地方、さらにはクリスタニアへ足を伸ばしたものの、残念ながら収穫はなかった。
そのため、ついに国外へと捜索の手を広げることになったのである。
コーヒーミルが去った客室には、クランの控えめな「やった」とノウェムの歓声が重なって、クィントゥムも小さく拳を握っていた。
みんなも嬉しそうで良かったと、ターメリックも笑顔であった。
そして現在……
コーヒーミルとミトンの会話を聞いていたクランが「はい」と手を挙げて質問した。
「ここからまっすぐヌフ=ブラゾン王国へ向かうんですよね。どれくらいかかりますか」
「うーん、そうねぇ……」
コーヒーミルは少し考えてから「これくらいかしら」と、指を3本立ててみせた。
ノウェムが「3日とかパン王国広すぎ」と口を尖らせると、コーヒーミルは「ちっちっち」と立てた指を1本にして左右に振った。
「これは、3回分ってこと。瞬間移動、3回分ね」
「え、瞬間移動?」
「私の得意魔法なの。魔力を回復させるために、時々は歩かないといけないけれど、かなり便利よ」
コーヒーミルの子どものような微笑みに、ノウェムとクランの瞳がキラキラと輝き出した。
そうか、なるほど……
ぼくがカトラリー地方で見たコーヒーミルさんは、魔力を回復させるために、少し歩いていたところだったんだね。
あの朝靄の中での謎が解けてスッキリしたターメリックもまた、コーヒーミルの魔法が楽しみになってきた。
「それじゃあ……そろそろ行きましょうか」
コーヒーミルが、右手の小指にしていた銀の指輪を外した。
指輪はキラリと瞬いたかと思うと、コーヒーミルの手の中でシンプルなデザインの杖に変わった。
「きゃー! ステキステキ! 早く振ってみせて! コーヒーミル!」
「レードル姫様。そのような態度は」
「あ、ごめんなさい。気をつけるわ」
少しはしゃいでしまったものの、咳払いで誤魔化すレードル姫を、ターメリックたちは微笑ましく見守っていた。
そして、頷いたコーヒーミルが杖を大きく振るうと……
ひゅん、という風を切る音がしたかと思うと、ターメリックたちは景色の中を飛んでいたのだった。
第4章おわり
ミルクパン城の屋上に、ふたりの男が立っている。
ひとりは、スパイス帝国のペパー大臣。
そしてもうひとりは、深緑色の髪を撫でつけた、無表情の男。
ふたりは気配を消して、中庭を見下ろしていた。
「……あれが、元外交官サフランさんの一人息子ですか」
無表情の男が口を開いた。
中庭の人々の声は聞こえないが、彼らの動作や表情はよく見える。
「彼のスパイス帝国での暮らしぶりから判断するに……ご立派なお父上から受け継いだのは、ご立派な髪の色だけだったようにお見受けしますね」
「侮っていると怪我をするのはお前だぞ、クレソン」
ペパーの言葉に、スパイス帝国外交官兼ヌフ=ブラゾン王国宰相クレソンは、ペパーを一瞥して中庭に視線を戻した。
「私は、真実の剣に斬られるような愚かな人間ではありませんよ」
その言葉に合わせるようにして、中庭ではターメリック・ジュストが3人組にかけられた魔法を斬っていた。
ペパーは、クレソンを横目に顔をしかめた。
真実の剣に斬られるような愚かな人間を選んだのは、お前じゃないか。
「ところで……剣を新調したそうですね」
クレソンは、何を考えているのかわからない表情でペパーを見つめていた。
まさか……
もう気づいているのか……?
ペパーは、思わず腰に差した剣に手を触れた。
そして、動いてしまってから気がついた。
おっと、逆に怪しまれたか……
こいつにだけは、知られてはいけないのに。
……どうして?
それは、俺にもわからない。
だが……知られてはいけないんだ。
絶対に。
ペパーが最近手に入れた剣は、鞘が茨と王冠の美しい銀細工で、柄の部分では黄緑色の宝石が輝いている。
これは、紛れもなく伝説の剣であった。
そして、目の前にいるクレソンの仕事は、伝説の剣に選ばれし者を集め、監禁しておくこと……
もちろんペパーは上司であるカイエンを裏切るつもりは毛頭ない。
そのため、ここで伝説の剣に選ばれたことを教えてしまっても、何の問題もない……はずなのだ。
それなのに……
俺は、いったい何を考えている……?
「……」
何も答えずにいると、クレソンはそのまま城内へと戻っていった。
そのまま後を追う。
ペパーには、スパイス帝国へ帰国できないクレソンに代わって、カイエンにすべてを報告する義務がある。
ふと気になったことを尋ねてみた。
「本当は、第3王女のレードルを誘拐するつもりだったらしいな……なぜだ? 誘拐するだけなら、最初から声の出せないシノワでよかったんじゃないのか?」
「簡単なことですよ」
クレソンは立ち止まり、ペパーを振り向いた。
無表情な視線が、機械的に言葉を紡ぐ。
「この誘拐事件に乗じて、剣に選ばれし者を監禁することができれば一石二鳥だと考えたからです。しかし実際のところは、二兎を追う者は一兎をも得ず、でしたがね」
そう言うとクレソンは、またペパーに背を向けて歩き出した。
ほんの少し口角が上がっていたように見えたが、おそらく気のせいだろう。
しばらく歩いていくと、前方からキィオークの制服を着た男と銀髪の少女が現れた。
近衛兵団の団長と、第1王女のシノワだろう。
すれ違いざまに、ペパーはクレソンとともに軽く会釈した。
ふたりは、誘拐事件の黒幕については知らないらしい。
シノワ姫の紫色の瞳が懐かしさを帯びて輝いたように見えたが、これもまた気のせいだったかもしれない。
★◇◆◇◆◇◆◇
あの激動の日から数日後の、気持ちの良い早朝である。
パン王国の王都タジン、その西端グラス地方との境である門前。
そこに、ターメリックをはじめとする旅立つ者と、国王陛下やキィオークたち見送る者が勢揃いしていた。
ターメリックは、クィントゥムが難しい話を担当してくれるのをいいことに、少し離れた場所で朝日を浴びていた。
なんだか、クリスタニアを旅立ったときと似ているなぁ。
でもあのときは、ぼくとクラン君とノウェム君の3人だけだった。
今は、そこにクィントゥム君とレードル姫様が加わって、仲間は5人になったね。
あとふたり、か……
ターメリックがしみじみとしていると、ミルクパン城の方角からミトンが走って来るのが見えた。
ミトンはキョロキョロとあたりを見回し、コーヒーミルのもとへと駆け寄った。
「副団長! たった今、確認が終わりました。マリアというフィリアを持つパン民族は、パン王国にはいないということです」
「ありがとう、ミトン。これで、広大なグラス地方を捜索する手間が省けたわ。私も、二度手間にならずにすんで、良かったぁ」
コーヒーミルは、ミトンの報告を受けて大きく伸びをした。
そう、コーヒーミルは、また旅に出るのである。
しかも、ターメリックたちと一緒に。
レードル姫の護衛として、コーヒーミルが伝説の剣に選ばれし者たちとともに旅立つ……
その知らせは、ターメリックたちが城内の客室で休んでいる頃にやってきた。
『国王陛下から直々に命令が下されたので、私もあなたたちの旅に同行するわ。でもね……私の本当の目的は、レードル姫様の護衛ではないのよ』
その日の晩、ターメリックたち4人の客室にやってきたコーヒーミルは、声を潜めて告げた。
声を失った姉との接し方に悩んで家を出て行方不明となっている、パン王国第2王女パソワ姫様捜索のための国外遠征……
それが、コーヒーミルの真の目的であった。
それまでは出張ということで、グラス地方やカトラリー地方、さらにはクリスタニアへ足を伸ばしたものの、残念ながら収穫はなかった。
そのため、ついに国外へと捜索の手を広げることになったのである。
コーヒーミルが去った客室には、クランの控えめな「やった」とノウェムの歓声が重なって、クィントゥムも小さく拳を握っていた。
みんなも嬉しそうで良かったと、ターメリックも笑顔であった。
そして現在……
コーヒーミルとミトンの会話を聞いていたクランが「はい」と手を挙げて質問した。
「ここからまっすぐヌフ=ブラゾン王国へ向かうんですよね。どれくらいかかりますか」
「うーん、そうねぇ……」
コーヒーミルは少し考えてから「これくらいかしら」と、指を3本立ててみせた。
ノウェムが「3日とかパン王国広すぎ」と口を尖らせると、コーヒーミルは「ちっちっち」と立てた指を1本にして左右に振った。
「これは、3回分ってこと。瞬間移動、3回分ね」
「え、瞬間移動?」
「私の得意魔法なの。魔力を回復させるために、時々は歩かないといけないけれど、かなり便利よ」
コーヒーミルの子どものような微笑みに、ノウェムとクランの瞳がキラキラと輝き出した。
そうか、なるほど……
ぼくがカトラリー地方で見たコーヒーミルさんは、魔力を回復させるために、少し歩いていたところだったんだね。
あの朝靄の中での謎が解けてスッキリしたターメリックもまた、コーヒーミルの魔法が楽しみになってきた。
「それじゃあ……そろそろ行きましょうか」
コーヒーミルが、右手の小指にしていた銀の指輪を外した。
指輪はキラリと瞬いたかと思うと、コーヒーミルの手の中でシンプルなデザインの杖に変わった。
「きゃー! ステキステキ! 早く振ってみせて! コーヒーミル!」
「レードル姫様。そのような態度は」
「あ、ごめんなさい。気をつけるわ」
少しはしゃいでしまったものの、咳払いで誤魔化すレードル姫を、ターメリックたちは微笑ましく見守っていた。
そして、頷いたコーヒーミルが杖を大きく振るうと……
ひゅん、という風を切る音がしたかと思うと、ターメリックたちは景色の中を飛んでいたのだった。
第4章おわり
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