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第5章 勇気
第1話 お団子頭の少女
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◆◇◆◇★◇◆◇
ヌフ=ブラゾン王国の賑やかな下町に、宿屋ノヴァンヴルは建っていた。
下町には似合わないお洒落な外観、前庭に咲き乱れる色とりどりの花々……
宿屋ノヴァンヴルは良い意味で目立っていたが、宿屋の看板娘は複雑な気持ちでいっぱいだった。
もう少しくらい、地味でもいいと思うんだけど。
だって、宿屋のノヴァンヴルって「霜の降る寒い季節」って意味なんだし。
名前に合わない外観のせいで、宿屋の名前を覚えてもらえないのは仕方ないとして……
いつも決まって「あの派手な宿屋の娘さん」で通ってしまうのはいかがなものか。
あたしには、フィオって名前があるのに。
それならまだ「背の高いお団子ヘアの女の子」って呼ばれるほうがましだわ。
そんな文句を、宿屋の主人である父に言っても、もちろん聞いてもらえない。
それどころか、いつも「名前といえばだな……」と、話をはぐらかされてしまうのだ。
「いいか、フィオ。そのフィリアを大切にするんだぞ。フィリアはクリスタン教徒の証だ。俺は両親との関係で棄教してしまったからな。そのせいで、もう自分のフィリアは思い出せないんだ。どうやら、棄教するとフィリアの記憶を消されてしまうらしい」
「……」
は?
なにそれ怖っ。
夜更け過ぎの台所で、いつものように洗い物をしていると、これまたいつものように父が一杯やりながら話しかけてきた。
ただ、話の内容だけはいつもと違った。
棄教すると記憶消されちゃうなんて、初耳!
いや、あたしは棄教するつもりなんて毛頭ないけど、そんなの聞かされたら怖すぎる!
娘の顔が強ばっていることに気がついた父は、なぜだか楽しげに、冗談めかして尋ねた。
「フィオ、お前さん自分のフィリアは言えるか?」
「あ、当たり前でしょ。マリアよ。あたしの名前は、フィオ・マリア!」
「ははは。大丈夫、大丈夫。お前さんが忘れても、俺が覚えてるよ」
「あたしは忘れないと思うけど……父さん、自分のフィリアは忘れても、ほかの人のフィリアは覚えてるってこと?」
フィオの問いかけに、父は「まあな」と寂しげに笑った。
「俺には、唯一無二の友人がいた。俺よりもうんと敬虔なクリスタン教徒だよ。だから、俺が棄教してからは絶縁状態だけどな。フィリアは、ダリオ。あいつの名前は、サフラン・ダリオ」
「へぇ……」
今までの話も初耳なので、父に友人がいたこともまた、フィオにとっては初耳だった。
サフランってことは、スパイス帝国の人だよね。
あの国って、今ちょっと大変なことになってるんじゃなかったっけ?
そんなフィオの疑問も露知らず、父は飲んでいた一杯がなくなったらしく、ほろ酔い気分で自室へと引き上げていった。
フィオは洗い物を続けながら、今日の不思議な出来事を思い出していた。
ヌフ=ブラゾン王国は、歴史の浅い国である。
そのため王族が暮らすリーブル城は、まだまだ使用人不足であった。
フィオも時間があるときは、下町の居酒屋で働く先輩と一緒に、リーブル城の清掃係として城内に赴くことがある。
今日もまた先輩と城内の廊下掃除に精を出していたフィオは、居酒屋勤めでよく声が通る先輩の一言に、手にしていた箒を取り落としそうになった。
「フィオ! 早くそこを避けて! 国王様がお通りになるわ!」
え、えええっ!?
こんな時間に、こんな場所を、国王様が!?
フィオが驚くのも無理はない。
今は早朝、太陽がようやく山際から顔を出し始めた頃である。
そして、フィオたちが掃除しているこの廊下はとても狭くて、窓も小さいため日当たりも悪かった。
いったい何のために掃除しているんだろう……
フィオがそう思いながら、絨毯の縫い目に沿って箒をかけていたところへ、この「国王様来訪」の知らせである。
ほ、本当ですか? 先輩……
半信半疑のフィオが廊下の奥を覗き込むと、確かに人影がゾロゾロと近づいて来るのが見えた。
先頭を、がっしりした体格の男性が歩いている。
歳の頃は、10代後半であるフィオを娘に持つ父と同じくらい。
白いものが混じったクセのある豊かな黒髪に、糸のように細い目をさらに細めて、上品な微笑を浮かべている。
なるほど……
この方が、ヌフ=ブラゾン王国初代国王グリシーヌ・リヴィエール様なんだ。
初めてお目にかかれたけれど、思ってた以上に優しそうな方……
と、フィオが国王陛下に見惚れていると、駆け寄ってきた先輩に肩を小突かれた。
「フィオ! 何してるの! 早く壁際に避けなさい!」
「あ、はい!」
フィオは慌てて仕事の手を止め、すでに壁際に寄っていた先輩の隣に並んだ。
国王陛下は、もうすぐそこまで来ていた。
ちらっと覗いた先、国王陛下の斜め後ろに、濃い緑色の髪の男が控えていた。
うーんと……
あれ、だれだっけ。
偉い人だっていうのはわかるんだけど。
……ま、いっか。
自分のちょっとした疑問にフタをして、フィオは先輩と一緒に揃ってお辞儀をした。
フィオの視線の先には、絨毯に残った僅かな埃……
ああ、キレイにしたいなぁ。
そんなことをぼんやり考えていると、
「フィオ……フィオ・マリアというのは、君かな」
頭上から、優しく暖かな声が聞こえてきた。
気がつけば、美しく磨き上げられた黒の革靴が、目の前に揃っている。
え……
今、あたしに話しかけたのって……
え?
「……」
驚きのあまり、返事もせずに顔を上げると、フィオの斜め上でグリシーヌ国王が目を細めていた。
や、やっぱり……!
でも、どうして??
フィオの頭の中に、先ほどとは違ってフタのできない疑問が湧いて出てきた。
どうして、あたしのことご存知なんだろう。
しかも、普段は使わないフィリアまで。
フィオは、ぽかんと口を開けたまま、目の前の国王陛下を眺めていた。
国王陛下って、なんというか面影が父さんに似てるかも……
って、下町の宿屋の主人と一緒にして、あたしったらなんて失礼なの!
頭の中が騒がしくなってきたところで、フィオの隣にいた先輩が肩を小突いてきた。
おかげで我に返ったものの、
「は、はい! そうです! フィオ・マリアです!」
元気よく飛び出た声は、元気が良すぎて裏返ってしまった。
フィオには、自分の返事が球体になって弾んだものの、すぐそこに転がって止まってしまったように見えた。
しかしグリシーヌ国王陛下は、そんなことは気にも止めず「そうか」と呟くと、すっと目を伏せた。
そして、小さな声でこう言ったのである。
「すまないな、こんなことをさせてしまって」
「……」
それはまさしく、謝罪の言葉だった。
フィオは顔を上げたまま固まっていた。
いったい何を謝られているのか、見当もつかなかった。
はて……
あたし、何かやらかした?
昨日は宿の仕事が忙しかったから、ここへは来ていないし、一昨日も特に変わったことはなかったはずだし……
フィオの頭の中がバタバタと忙しくなってきたところで、グリシーヌ国王陛下はそのまま濃い緑色の髪の男とともに立ち去ってしまったのだった。
「……」
宿屋の流し台には、ひと仕事終えたものの、浮かない顔の自分が映っている。
父に相談しようにも、もう寝てしまっている頃だろう。
こういうとき母親がいたら、話を聞いてくれたりするのかな。
フィオには、母親の記憶がおぼろげにしかない。
物心ついたときにはもう、父から母は亡くなったことを聞かされていた。
寂しいと思ったことは、あまりないけれど……
たまにお喋りしたくなったりは、するのよね。
フィオは、お団子にしている髪に挿している簪に手を触れた。
母の形見である簪には、大きくて美しい橙色のカーネリアンが輝いていた。
つづく
ヌフ=ブラゾン王国の賑やかな下町に、宿屋ノヴァンヴルは建っていた。
下町には似合わないお洒落な外観、前庭に咲き乱れる色とりどりの花々……
宿屋ノヴァンヴルは良い意味で目立っていたが、宿屋の看板娘は複雑な気持ちでいっぱいだった。
もう少しくらい、地味でもいいと思うんだけど。
だって、宿屋のノヴァンヴルって「霜の降る寒い季節」って意味なんだし。
名前に合わない外観のせいで、宿屋の名前を覚えてもらえないのは仕方ないとして……
いつも決まって「あの派手な宿屋の娘さん」で通ってしまうのはいかがなものか。
あたしには、フィオって名前があるのに。
それならまだ「背の高いお団子ヘアの女の子」って呼ばれるほうがましだわ。
そんな文句を、宿屋の主人である父に言っても、もちろん聞いてもらえない。
それどころか、いつも「名前といえばだな……」と、話をはぐらかされてしまうのだ。
「いいか、フィオ。そのフィリアを大切にするんだぞ。フィリアはクリスタン教徒の証だ。俺は両親との関係で棄教してしまったからな。そのせいで、もう自分のフィリアは思い出せないんだ。どうやら、棄教するとフィリアの記憶を消されてしまうらしい」
「……」
は?
なにそれ怖っ。
夜更け過ぎの台所で、いつものように洗い物をしていると、これまたいつものように父が一杯やりながら話しかけてきた。
ただ、話の内容だけはいつもと違った。
棄教すると記憶消されちゃうなんて、初耳!
いや、あたしは棄教するつもりなんて毛頭ないけど、そんなの聞かされたら怖すぎる!
娘の顔が強ばっていることに気がついた父は、なぜだか楽しげに、冗談めかして尋ねた。
「フィオ、お前さん自分のフィリアは言えるか?」
「あ、当たり前でしょ。マリアよ。あたしの名前は、フィオ・マリア!」
「ははは。大丈夫、大丈夫。お前さんが忘れても、俺が覚えてるよ」
「あたしは忘れないと思うけど……父さん、自分のフィリアは忘れても、ほかの人のフィリアは覚えてるってこと?」
フィオの問いかけに、父は「まあな」と寂しげに笑った。
「俺には、唯一無二の友人がいた。俺よりもうんと敬虔なクリスタン教徒だよ。だから、俺が棄教してからは絶縁状態だけどな。フィリアは、ダリオ。あいつの名前は、サフラン・ダリオ」
「へぇ……」
今までの話も初耳なので、父に友人がいたこともまた、フィオにとっては初耳だった。
サフランってことは、スパイス帝国の人だよね。
あの国って、今ちょっと大変なことになってるんじゃなかったっけ?
そんなフィオの疑問も露知らず、父は飲んでいた一杯がなくなったらしく、ほろ酔い気分で自室へと引き上げていった。
フィオは洗い物を続けながら、今日の不思議な出来事を思い出していた。
ヌフ=ブラゾン王国は、歴史の浅い国である。
そのため王族が暮らすリーブル城は、まだまだ使用人不足であった。
フィオも時間があるときは、下町の居酒屋で働く先輩と一緒に、リーブル城の清掃係として城内に赴くことがある。
今日もまた先輩と城内の廊下掃除に精を出していたフィオは、居酒屋勤めでよく声が通る先輩の一言に、手にしていた箒を取り落としそうになった。
「フィオ! 早くそこを避けて! 国王様がお通りになるわ!」
え、えええっ!?
こんな時間に、こんな場所を、国王様が!?
フィオが驚くのも無理はない。
今は早朝、太陽がようやく山際から顔を出し始めた頃である。
そして、フィオたちが掃除しているこの廊下はとても狭くて、窓も小さいため日当たりも悪かった。
いったい何のために掃除しているんだろう……
フィオがそう思いながら、絨毯の縫い目に沿って箒をかけていたところへ、この「国王様来訪」の知らせである。
ほ、本当ですか? 先輩……
半信半疑のフィオが廊下の奥を覗き込むと、確かに人影がゾロゾロと近づいて来るのが見えた。
先頭を、がっしりした体格の男性が歩いている。
歳の頃は、10代後半であるフィオを娘に持つ父と同じくらい。
白いものが混じったクセのある豊かな黒髪に、糸のように細い目をさらに細めて、上品な微笑を浮かべている。
なるほど……
この方が、ヌフ=ブラゾン王国初代国王グリシーヌ・リヴィエール様なんだ。
初めてお目にかかれたけれど、思ってた以上に優しそうな方……
と、フィオが国王陛下に見惚れていると、駆け寄ってきた先輩に肩を小突かれた。
「フィオ! 何してるの! 早く壁際に避けなさい!」
「あ、はい!」
フィオは慌てて仕事の手を止め、すでに壁際に寄っていた先輩の隣に並んだ。
国王陛下は、もうすぐそこまで来ていた。
ちらっと覗いた先、国王陛下の斜め後ろに、濃い緑色の髪の男が控えていた。
うーんと……
あれ、だれだっけ。
偉い人だっていうのはわかるんだけど。
……ま、いっか。
自分のちょっとした疑問にフタをして、フィオは先輩と一緒に揃ってお辞儀をした。
フィオの視線の先には、絨毯に残った僅かな埃……
ああ、キレイにしたいなぁ。
そんなことをぼんやり考えていると、
「フィオ……フィオ・マリアというのは、君かな」
頭上から、優しく暖かな声が聞こえてきた。
気がつけば、美しく磨き上げられた黒の革靴が、目の前に揃っている。
え……
今、あたしに話しかけたのって……
え?
「……」
驚きのあまり、返事もせずに顔を上げると、フィオの斜め上でグリシーヌ国王が目を細めていた。
や、やっぱり……!
でも、どうして??
フィオの頭の中に、先ほどとは違ってフタのできない疑問が湧いて出てきた。
どうして、あたしのことご存知なんだろう。
しかも、普段は使わないフィリアまで。
フィオは、ぽかんと口を開けたまま、目の前の国王陛下を眺めていた。
国王陛下って、なんというか面影が父さんに似てるかも……
って、下町の宿屋の主人と一緒にして、あたしったらなんて失礼なの!
頭の中が騒がしくなってきたところで、フィオの隣にいた先輩が肩を小突いてきた。
おかげで我に返ったものの、
「は、はい! そうです! フィオ・マリアです!」
元気よく飛び出た声は、元気が良すぎて裏返ってしまった。
フィオには、自分の返事が球体になって弾んだものの、すぐそこに転がって止まってしまったように見えた。
しかしグリシーヌ国王陛下は、そんなことは気にも止めず「そうか」と呟くと、すっと目を伏せた。
そして、小さな声でこう言ったのである。
「すまないな、こんなことをさせてしまって」
「……」
それはまさしく、謝罪の言葉だった。
フィオは顔を上げたまま固まっていた。
いったい何を謝られているのか、見当もつかなかった。
はて……
あたし、何かやらかした?
昨日は宿の仕事が忙しかったから、ここへは来ていないし、一昨日も特に変わったことはなかったはずだし……
フィオの頭の中がバタバタと忙しくなってきたところで、グリシーヌ国王陛下はそのまま濃い緑色の髪の男とともに立ち去ってしまったのだった。
「……」
宿屋の流し台には、ひと仕事終えたものの、浮かない顔の自分が映っている。
父に相談しようにも、もう寝てしまっている頃だろう。
こういうとき母親がいたら、話を聞いてくれたりするのかな。
フィオには、母親の記憶がおぼろげにしかない。
物心ついたときにはもう、父から母は亡くなったことを聞かされていた。
寂しいと思ったことは、あまりないけれど……
たまにお喋りしたくなったりは、するのよね。
フィオは、お団子にしている髪に挿している簪に手を触れた。
母の形見である簪には、大きくて美しい橙色のカーネリアンが輝いていた。
つづく
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