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第5章 勇気
第2話 初代国王陛下
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★◇◆◇◆◇◆◇
麗らかな午後の昼下がり……
城下町のはずれに、突如として6人の人影と大きな荷台が出現した。
幸い目撃者はいなかったが、自分なら目を回していたに違いない。
と、ターメリックは着地した砂利道を踏みしめていた。
「はい、無事に到着! お疲れ様でした!」
細身の杖を指輪の形に戻し、コーヒーミルは大きく伸びをした。
本日3度目の瞬間移動を終え、ターメリックたちは隣国ヌフ=ブラゾン王国の城下町へと到着した。
パン王国を出発してから、たった半日しか経っていない。
今までと同じように徒歩でパン王国グラス地方を横断しようとすると、5日以上の月日がかかる……
って、クィントゥム君が言っていた気がする。
コーヒーミルさんの魔法には、感謝してもしきれないね。
ターメリックが「ありがとうございました」と頭を下げると、クランやノウェム、そしてクィントゥムも揃って頭を下げた。
コーヒーミルは、嬉しそうに「どういたしまして」と微笑んでいた。
耳を澄ますと、遠くから潮騒が聞こえてきた。
深呼吸をすると、海の匂いが胸に染み込んだ。
さすがは漁業の国、ヌフ=ブラゾン王国。
海がとても近い。
荷台に手を突っ込んでいたノウェムが、取り出した羅針盤に手をかざした。
放たれた7色の光のうち、赤色、黄色、緑色、水色、紫色は剣の持ち主を指していた。
そして橙色の光は、城下町のさらに郊外、下町の奥を指していた。
ヌフ=ブラゾン王国の王族が住むリーブル城とは、まるっきり反対の方角である。
「とりあえず、この光を辿って行こう」
クィントゥムの言葉に、ターメリックたちは頷いて、石畳の道を歩き始めた。
ノウェムが荷台を引きながら「よかったぁ」と声を漏らした。
「また姫様みたいな人だったらどうしようかと思ったけど、今回は大丈夫そうだな」
その一言に、隣を歩いていたレードル姫が呆れたように口を開いた。
「ノウェムったら何を言っているの? この国には王女様はいないのよ?」
「……へ? そ、そうなんですか?」
「ノウェム、なんで知らないの。本当に世界を旅する商人なの」
「え、なんかすみません……ってクランかよ。荷台に座ってるくせに、ここぞとばかりに出てくるのやめろよ」
いつもの調子でやり合うノウェムとクランの様子に、レードル姫が口元を隠して微笑んでいた。
そして、荷台の後ろに座っていたクランの隣に、こっそり腰かけた。
荷台は少し重たくなったはずだが、ノウェムは気づいていないらしく、そのまま歩いていく。
そして、レードル姫の「この国には王女様はいない」という言葉について、コーヒーミルが補足説明をしてくれた。
「ヌフ=ブラゾン王国の王都はノモーユクといって、ここには王族が暮らすリーヴル城が建っているの。ヌフ=ブラゾン王国の王族は、リヴィエール家……でも、王族といっても国王であるグリシーヌ様と、一人息子のウルス殿下のおふたりしかいらっしゃらないのだけれどね」
「へぇ……国王陛下は、グリシーヌ・リヴィエール様っておっしゃるんですね」
「ええ、そうよ。ヌフ=ブラゾン王国初代国王、グリシーヌ・リヴィエール様よ」
「……初代?」
この国って、そんな最近できた国だったっけ?
ターメリックが首を傾げていると、クィントゥムが割って入ってきた。
「この国は以前、ピエ王国と呼ばれていましたよね」
その一言に、コーヒーミルは「さすがはクィントゥム君ね」と目を見張った。
「今から数十年前……ピエ王国では、16代目以降の王位継承者が決まらず内乱が続いていた。そこに彗星の如く現れたのが、平民として下町で暮らしていたグリシーヌ・リヴィエール……現在の国王陛下ね。彼が新たな国王として立ち、国名も新しく『ヌフ=ブラゾン王国』としたのよ」
「え? 平民が国王に……?」
そんなこと、できるのかな。
ターメリックの素朴な疑問に、コーヒーミルは「待ってました」と言わんばかりに瞳を光らせた。
「実はグリシーヌ国王は、ピエ王国第11代国王ボーの子孫だったのよ。ボーは不思議な力を持つ一族の生まれで、彼の血を継ぐ者は、その証として左腕に太陽の形の痣を持つといわれているわ」
「ええっ、な、なんかすごいですね……」
と、ターメリックは「よくわからないけど」と言いそうになったところをぐっと堪えた。
コーヒーミルは気づいているのかいないのか、そのまま話を続けた。
「グリシーヌ国王は、自分の出自を疑う者に左腕の痣を見せて、身分を証明してみせたとか……まあ、不思議な力のほうは謎のままだけれどね。平民として暮らしていたのは、内乱中に命を狙われないようにするためだったそうよ」
「なるほど……」
ターメリックがなんとなく納得して頷いていると、荷台で話を聞いていたレードル姫が「グリシーヌおじさま、お元気かしら」と微笑んだ。
コーヒーミルが「そうですね」と頷き、説明してくれた。
「パン王国のユキヒラ国王様と、ヌフ=ブラゾン王国のグリシーヌ国王は、古くからの親友でいらっしゃるの。だから、レードル姫様も幼い頃に一度だけこの国を訪れたことがあるのよ」
「へぇ、そうなんですね」
「ええ。でも、その日のことはあまり覚えていないの」
「10年以上も昔のことですから、仕方のないことでしょう。ああ、懐かしい。姫様はあの頃からお転婆でしたから、私もケトルも目が離せず、それはもう大変で大変で」
コーヒーミルが情感たっぷりに語るので、ターメリックは思わず吹き出した。
隣ではクィントゥムも笑いを堪えているらしく、なんともむず痒そうな顔をしている。
そんなふたりの様子に、レードル姫は頬を膨らませていた。
そういえば、ヌフ=ブラゾン王国はスパイス帝国の目と鼻の先だ。
それに、国王陛下がいらっしゃるリーヴル城には、スパイス帝国の外交官であるクレソンもいるに違いない。
ターメリックは、珍しく難しい顔をして考え込んでいた。
ぼくがクリスタニアへ飛ばされてから、スパイス帝国がどうなったのかはわからない。
でも、ぼくが仲間を4人も見つけている間に、カイエンたちが何もしていないわけがない。
きっと……いや、確実に世界征服のための準備を始めているはずだ。
父さん、大丈夫かな。
あのまま捕まったままだとしても、カイエンたちにこき使われていたとしても……
生きていてくれれば、会えるよね。
父さん……
「……」
ターメリックの表情に、ほんの少しだが影が差し込んだ。
そのことに気がついたらしいクィントゥムは、ターメリックの顔を覗き込んだものの、何も話しかけることなく、前を向いて歩いていった。
羅針盤から放たれた橙色の光を辿って、下町を歩くこと数分……
「……お、ここみたいだぜ」
先頭を歩いていたノウェムが、荷台を止めて振り返った。
クランとレードル姫が揃って荷台から飛び降り、羅針盤を覗き込む。
橙色の光は、確かに前方の建物を指していた。
そこは、下町の風情には似合わない、少し変わった宿屋だった。
前庭には色とりどりの花が咲き乱れ、外観もかなりお洒落である。
そして、城門と間違えそうな立派な門には、大きな看板が取り付けられていた。
「へぇ……『宿屋ノヴァンヴル』っていうんだね。クィントゥム君、なんていう意味かわかる?」
「ああ、ピエ王国の古い言葉で『霜の降る寒い季節』という意味だよ。しかし……不思議な名前だな」
「そうだね。こんなに暖かな雰囲気の宿屋なのに」
ターメリックとクィントゥムは首を傾げていたが、コーヒーミルに手招きされるまま、一緒に宿屋ノヴァンヴルの門をくぐった。
つづく
麗らかな午後の昼下がり……
城下町のはずれに、突如として6人の人影と大きな荷台が出現した。
幸い目撃者はいなかったが、自分なら目を回していたに違いない。
と、ターメリックは着地した砂利道を踏みしめていた。
「はい、無事に到着! お疲れ様でした!」
細身の杖を指輪の形に戻し、コーヒーミルは大きく伸びをした。
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って、クィントゥム君が言っていた気がする。
コーヒーミルさんの魔法には、感謝してもしきれないね。
ターメリックが「ありがとうございました」と頭を下げると、クランやノウェム、そしてクィントゥムも揃って頭を下げた。
コーヒーミルは、嬉しそうに「どういたしまして」と微笑んでいた。
耳を澄ますと、遠くから潮騒が聞こえてきた。
深呼吸をすると、海の匂いが胸に染み込んだ。
さすがは漁業の国、ヌフ=ブラゾン王国。
海がとても近い。
荷台に手を突っ込んでいたノウェムが、取り出した羅針盤に手をかざした。
放たれた7色の光のうち、赤色、黄色、緑色、水色、紫色は剣の持ち主を指していた。
そして橙色の光は、城下町のさらに郊外、下町の奥を指していた。
ヌフ=ブラゾン王国の王族が住むリーブル城とは、まるっきり反対の方角である。
「とりあえず、この光を辿って行こう」
クィントゥムの言葉に、ターメリックたちは頷いて、石畳の道を歩き始めた。
ノウェムが荷台を引きながら「よかったぁ」と声を漏らした。
「また姫様みたいな人だったらどうしようかと思ったけど、今回は大丈夫そうだな」
その一言に、隣を歩いていたレードル姫が呆れたように口を開いた。
「ノウェムったら何を言っているの? この国には王女様はいないのよ?」
「……へ? そ、そうなんですか?」
「ノウェム、なんで知らないの。本当に世界を旅する商人なの」
「え、なんかすみません……ってクランかよ。荷台に座ってるくせに、ここぞとばかりに出てくるのやめろよ」
いつもの調子でやり合うノウェムとクランの様子に、レードル姫が口元を隠して微笑んでいた。
そして、荷台の後ろに座っていたクランの隣に、こっそり腰かけた。
荷台は少し重たくなったはずだが、ノウェムは気づいていないらしく、そのまま歩いていく。
そして、レードル姫の「この国には王女様はいない」という言葉について、コーヒーミルが補足説明をしてくれた。
「ヌフ=ブラゾン王国の王都はノモーユクといって、ここには王族が暮らすリーヴル城が建っているの。ヌフ=ブラゾン王国の王族は、リヴィエール家……でも、王族といっても国王であるグリシーヌ様と、一人息子のウルス殿下のおふたりしかいらっしゃらないのだけれどね」
「へぇ……国王陛下は、グリシーヌ・リヴィエール様っておっしゃるんですね」
「ええ、そうよ。ヌフ=ブラゾン王国初代国王、グリシーヌ・リヴィエール様よ」
「……初代?」
この国って、そんな最近できた国だったっけ?
ターメリックが首を傾げていると、クィントゥムが割って入ってきた。
「この国は以前、ピエ王国と呼ばれていましたよね」
その一言に、コーヒーミルは「さすがはクィントゥム君ね」と目を見張った。
「今から数十年前……ピエ王国では、16代目以降の王位継承者が決まらず内乱が続いていた。そこに彗星の如く現れたのが、平民として下町で暮らしていたグリシーヌ・リヴィエール……現在の国王陛下ね。彼が新たな国王として立ち、国名も新しく『ヌフ=ブラゾン王国』としたのよ」
「え? 平民が国王に……?」
そんなこと、できるのかな。
ターメリックの素朴な疑問に、コーヒーミルは「待ってました」と言わんばかりに瞳を光らせた。
「実はグリシーヌ国王は、ピエ王国第11代国王ボーの子孫だったのよ。ボーは不思議な力を持つ一族の生まれで、彼の血を継ぐ者は、その証として左腕に太陽の形の痣を持つといわれているわ」
「ええっ、な、なんかすごいですね……」
と、ターメリックは「よくわからないけど」と言いそうになったところをぐっと堪えた。
コーヒーミルは気づいているのかいないのか、そのまま話を続けた。
「グリシーヌ国王は、自分の出自を疑う者に左腕の痣を見せて、身分を証明してみせたとか……まあ、不思議な力のほうは謎のままだけれどね。平民として暮らしていたのは、内乱中に命を狙われないようにするためだったそうよ」
「なるほど……」
ターメリックがなんとなく納得して頷いていると、荷台で話を聞いていたレードル姫が「グリシーヌおじさま、お元気かしら」と微笑んだ。
コーヒーミルが「そうですね」と頷き、説明してくれた。
「パン王国のユキヒラ国王様と、ヌフ=ブラゾン王国のグリシーヌ国王は、古くからの親友でいらっしゃるの。だから、レードル姫様も幼い頃に一度だけこの国を訪れたことがあるのよ」
「へぇ、そうなんですね」
「ええ。でも、その日のことはあまり覚えていないの」
「10年以上も昔のことですから、仕方のないことでしょう。ああ、懐かしい。姫様はあの頃からお転婆でしたから、私もケトルも目が離せず、それはもう大変で大変で」
コーヒーミルが情感たっぷりに語るので、ターメリックは思わず吹き出した。
隣ではクィントゥムも笑いを堪えているらしく、なんともむず痒そうな顔をしている。
そんなふたりの様子に、レードル姫は頬を膨らませていた。
そういえば、ヌフ=ブラゾン王国はスパイス帝国の目と鼻の先だ。
それに、国王陛下がいらっしゃるリーヴル城には、スパイス帝国の外交官であるクレソンもいるに違いない。
ターメリックは、珍しく難しい顔をして考え込んでいた。
ぼくがクリスタニアへ飛ばされてから、スパイス帝国がどうなったのかはわからない。
でも、ぼくが仲間を4人も見つけている間に、カイエンたちが何もしていないわけがない。
きっと……いや、確実に世界征服のための準備を始めているはずだ。
父さん、大丈夫かな。
あのまま捕まったままだとしても、カイエンたちにこき使われていたとしても……
生きていてくれれば、会えるよね。
父さん……
「……」
ターメリックの表情に、ほんの少しだが影が差し込んだ。
そのことに気がついたらしいクィントゥムは、ターメリックの顔を覗き込んだものの、何も話しかけることなく、前を向いて歩いていった。
羅針盤から放たれた橙色の光を辿って、下町を歩くこと数分……
「……お、ここみたいだぜ」
先頭を歩いていたノウェムが、荷台を止めて振り返った。
クランとレードル姫が揃って荷台から飛び降り、羅針盤を覗き込む。
橙色の光は、確かに前方の建物を指していた。
そこは、下町の風情には似合わない、少し変わった宿屋だった。
前庭には色とりどりの花が咲き乱れ、外観もかなりお洒落である。
そして、城門と間違えそうな立派な門には、大きな看板が取り付けられていた。
「へぇ……『宿屋ノヴァンヴル』っていうんだね。クィントゥム君、なんていう意味かわかる?」
「ああ、ピエ王国の古い言葉で『霜の降る寒い季節』という意味だよ。しかし……不思議な名前だな」
「そうだね。こんなに暖かな雰囲気の宿屋なのに」
ターメリックとクィントゥムは首を傾げていたが、コーヒーミルに手招きされるまま、一緒に宿屋ノヴァンヴルの門をくぐった。
つづく
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