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第5章 勇気
第9話 説得中の来客
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◆◇◆◇◆ ◆◇
「あたしが……勇気の剣、に……?」
フィオの形の良い眉が八の字になる。
その表情を見て、ノウェムは昨日クィントゥムが話していた「勇気の剣の迷信」を思い出していた。
宿屋ノヴァンヴルの食堂は、ちょうど昼過ぎの混雑が終わったところらしい。
ノウェムとコーヒーミルは、フィオの案内で食堂のテーブル席に座っていた。
ちょうど、フィオの席から宿屋の入口が見える席なので、隣り合って座るノウェムとコーヒーミルには入口は見えない。
宿の主人であるラモーは、庭の手入れに忙しいらしく、ここにはいなかった。
つい先ほどまでに起こった出来事……
そこに繋がる一連の流れや事情を、ノウェムとコーヒーミルは競い合うようにしてフィオに説明した。
クリスタン神話、伝説の剣、選ばれた4人、そして勇気の剣……
もちろんフィオは、クリスタン教徒だけあって話の飲み込みが早かった。
それはつまり……勇気の剣についても、詳しい事情を知っている、ということである。
「……」
フィオの表情は冴えない。
せっかくノウェムが「フィオ姉さんも、オレたちの仲間なんだよ!」と張り切って声をかけても、反応はイマイチだった。
自慢の呼び名である「フィオ姉さん」にも気づいてもらえていないらしい。
「……伝説の剣に選ばれたことは、名誉なことだとは思います。でも、よりによって勇気の剣だなんて……ああ、どうしよう。あたしも、戦いの前日に逃げ出してしまうかもしれません……!」
選ばれし者は、必ずミール・ミゲルと同じ運命を辿る可能性があるといわれている、勇気の剣……
俯いてしまったフィオに、コーヒーミルは優しく声をかけた。
「そんなに深刻に考えなくたっていいんじゃない? 自分も逃げ出してしまうかもしれないなんて、だれにもわからないんだから」
「でも、もし本当にそうなってしまったらって考えると、あたし怖くて……」
そこまで言うと、フィオはますます俯いて縮こまってしまった。
今にもテーブルの下にめり込んでしまいそうだ。
「……」
ノウェムとコーヒーミルは顔を見合せた。
お互いの顔には、もちろん「どうしよう」と書かれている。
大丈夫、何があったって平気、一緒に行こう、仲間なんだから……
ノウェムの頭の中では、励ましと応援の言葉がグルグルと渦を巻いていた。
しかし、それらを口にすることはできなかった。
口に出した瞬間、すべてが薄っぺらい無責任な言葉に聞こえてしまう気がしたからだ。
この先、何が起こるかはわからない。
事態が良いほうに転がるのか、悪いほうに転がるのか……
だれにも、わからないのだ。
ああ、こんなときターメリックなら、フィオ姉さんに何て声かけるんだろう。
あいつが言えば、どんなに根拠のない自信でも、前向きに受け止められるんだけどなぁ。
ターメリック、クィン兄さん、レードル姫様……
みんな、今頃どこで何してるんだろ。
……あ、クランのこと忘れてた。
ノウェムが頭の中でムスッとしているクランに謝ろうとした、そのとき。
宿屋ノヴァンヴルの玄関で鈴が鳴り、人が入ってくる気配がした。
ノウェムは振り向いてみたが、ちょうど観葉植物の鉢植えが重なって、玄関にいる人の姿は見えなかった。
しかし、様子を見ていたフィオが「いらっしゃいませ!」と元気に近づいていったので、来客だということがわかった。
なんだよぉ、こんなときに……
と、渋い顔になったノウェムだったが、ここが宿屋だということを思い出し、背筋を伸ばして椅子に座り直した。
静かだった食堂に、フィオの「お泊まりですね、こちらに記帳お願いします」という明るい声が響く。
つい先ほど、テーブルにめり込んでしまいそうだった人と同一人物とは思えない。
フィオ姉さん、すげぇな。
オレも商売人として、見習わないとな。
ノウェムは椅子に座ったまま、フィオと客人の会話に耳を傾けていた。
フィオの声のトーンから、客人はフィオと同年代くらいの女性らしい。
「お客様、良かったですね! 今日は、海の見える良いお部屋が、ちょうど一室だけ空室だったんですよ! 運が良くていらっしゃる!」
「ふふっ、ありがとう。海が見えるなんて嬉しいわ。今は離れているけど、あたしの住んでいたところからでは、森と山と城下町しか見えなかったから、ちょっとワクワクしちゃう」
客人は、女性にしては芯の通った低い声だった。
それでも、今から案内される部屋への期待を込めた楽しげな様子は、姿を見なくてもよくわかった。
何の不思議もないただの客人のようだが、ノウェムは「ん?」と腕を組んでいた。
あの人、住んでいたところから見えるものが「城下町」って言ってたよな……
それって、城下町が一望できる場所ってことなんだろうけど……
そんな場所、あるか?
「……あるのよ、ノウェム君。そんな場所が、ヌフ=ブラゾン王国と、パン王国にひとつずつ」
そのとき、今まで黙っていたコーヒーミルが、じっと前を見据えたまま口を開いた。
心を読まれたようになったノウェムは、思わず「え!?」と大きな声が出てしまったが、フィオと客人は気にせず部屋の話で盛り上がっている。
ふたりの会話を聞きながら、コーヒーミルは「でもね」と口を開き、
「ヌフ=ブラゾン王国にある『そんな場所』からは、海が見えるのよね」
と言って、ニヤリと笑った。
その表情はまるで、客人のすべてを知っているかのようだった。
……海が見えない「そんな場所」があるのは、パン王国ってことか?
確かにパン王国は山と森に囲まれてるけど、一緒に城下町が一望できる場所なんて……
あ……
えっ!?
ノウェムは立ち上がり、勢いよく振り向いた。
先ほどとは目線の高さが違うので、客人の後ろ姿がよく見えた。
赤銅色のショートヘアは、何も言わずとも彼女の出身地を語っている。
接客中のフィオも「ステキですね」と声をかけた。
「お客様、パン王国からいらっしゃったんですね。その髪の色ですぐにわかりましたよ」
「ふふっ、そうでしょう? この髪の色は、あたしにとっても特別な色なの。これはね……」
客人が自慢げに話し出そうとした、そのとき。
コーヒーミルが、まっすぐ前を見据えたまま、客人の話を遮った。
「ご自慢の髪色なのでございましたね。あなたが尊敬していた、亡くなった叔母様と同じ色だからでございましょう?」
「……」
客人の息を呑む気配が伝わってくる。
そこでコーヒーミルはようやく立ち上がり、客人へ向かって微笑んだ。
「やっと、お会いできましたね。パソワ姫様」
その微笑みは、探し人との再会を心から喜んでいるようにも、なにやら不穏な空気をまとっているようにも見えた。
コーヒーミルの笑顔にノウェムはゾクッと身体を震わせていたが、もちろん客人も驚愕のあまり一歩後ろに下がっていた。
「こ、コーヒーミル!? どうして、あなたがこんなところに……!?」
コーヒーミルがパソワ姫と呼んだ客人は、これでもかと眉間にシワを寄せて、澄んだ紫色の瞳でコーヒーミルを睨みつけている。
パソワ姫……!
コーヒーミルさんが探してた、家出姫様!
確かに、この怒った顔なんてレードル姫様そっくりだもんなぁ。
ノウェムがもっとよく見ようと目を凝らした、そのとき。
ごっ。
という鈍い音とともに、ノウェムの後頭部を強い衝撃が襲った。
「いっ……」
痛ってぇっ!
とすら口に出せないまま、ノウェムは床に倒れてしまった。
パソワ姫の慌てふためく声が、だんだんと遠のいていく……
「えっ!? なんなの!? びっくりした! このお皿みたいなのが、突然その子の頭に落ちてきて……」
つづく
「あたしが……勇気の剣、に……?」
フィオの形の良い眉が八の字になる。
その表情を見て、ノウェムは昨日クィントゥムが話していた「勇気の剣の迷信」を思い出していた。
宿屋ノヴァンヴルの食堂は、ちょうど昼過ぎの混雑が終わったところらしい。
ノウェムとコーヒーミルは、フィオの案内で食堂のテーブル席に座っていた。
ちょうど、フィオの席から宿屋の入口が見える席なので、隣り合って座るノウェムとコーヒーミルには入口は見えない。
宿の主人であるラモーは、庭の手入れに忙しいらしく、ここにはいなかった。
つい先ほどまでに起こった出来事……
そこに繋がる一連の流れや事情を、ノウェムとコーヒーミルは競い合うようにしてフィオに説明した。
クリスタン神話、伝説の剣、選ばれた4人、そして勇気の剣……
もちろんフィオは、クリスタン教徒だけあって話の飲み込みが早かった。
それはつまり……勇気の剣についても、詳しい事情を知っている、ということである。
「……」
フィオの表情は冴えない。
せっかくノウェムが「フィオ姉さんも、オレたちの仲間なんだよ!」と張り切って声をかけても、反応はイマイチだった。
自慢の呼び名である「フィオ姉さん」にも気づいてもらえていないらしい。
「……伝説の剣に選ばれたことは、名誉なことだとは思います。でも、よりによって勇気の剣だなんて……ああ、どうしよう。あたしも、戦いの前日に逃げ出してしまうかもしれません……!」
選ばれし者は、必ずミール・ミゲルと同じ運命を辿る可能性があるといわれている、勇気の剣……
俯いてしまったフィオに、コーヒーミルは優しく声をかけた。
「そんなに深刻に考えなくたっていいんじゃない? 自分も逃げ出してしまうかもしれないなんて、だれにもわからないんだから」
「でも、もし本当にそうなってしまったらって考えると、あたし怖くて……」
そこまで言うと、フィオはますます俯いて縮こまってしまった。
今にもテーブルの下にめり込んでしまいそうだ。
「……」
ノウェムとコーヒーミルは顔を見合せた。
お互いの顔には、もちろん「どうしよう」と書かれている。
大丈夫、何があったって平気、一緒に行こう、仲間なんだから……
ノウェムの頭の中では、励ましと応援の言葉がグルグルと渦を巻いていた。
しかし、それらを口にすることはできなかった。
口に出した瞬間、すべてが薄っぺらい無責任な言葉に聞こえてしまう気がしたからだ。
この先、何が起こるかはわからない。
事態が良いほうに転がるのか、悪いほうに転がるのか……
だれにも、わからないのだ。
ああ、こんなときターメリックなら、フィオ姉さんに何て声かけるんだろう。
あいつが言えば、どんなに根拠のない自信でも、前向きに受け止められるんだけどなぁ。
ターメリック、クィン兄さん、レードル姫様……
みんな、今頃どこで何してるんだろ。
……あ、クランのこと忘れてた。
ノウェムが頭の中でムスッとしているクランに謝ろうとした、そのとき。
宿屋ノヴァンヴルの玄関で鈴が鳴り、人が入ってくる気配がした。
ノウェムは振り向いてみたが、ちょうど観葉植物の鉢植えが重なって、玄関にいる人の姿は見えなかった。
しかし、様子を見ていたフィオが「いらっしゃいませ!」と元気に近づいていったので、来客だということがわかった。
なんだよぉ、こんなときに……
と、渋い顔になったノウェムだったが、ここが宿屋だということを思い出し、背筋を伸ばして椅子に座り直した。
静かだった食堂に、フィオの「お泊まりですね、こちらに記帳お願いします」という明るい声が響く。
つい先ほど、テーブルにめり込んでしまいそうだった人と同一人物とは思えない。
フィオ姉さん、すげぇな。
オレも商売人として、見習わないとな。
ノウェムは椅子に座ったまま、フィオと客人の会話に耳を傾けていた。
フィオの声のトーンから、客人はフィオと同年代くらいの女性らしい。
「お客様、良かったですね! 今日は、海の見える良いお部屋が、ちょうど一室だけ空室だったんですよ! 運が良くていらっしゃる!」
「ふふっ、ありがとう。海が見えるなんて嬉しいわ。今は離れているけど、あたしの住んでいたところからでは、森と山と城下町しか見えなかったから、ちょっとワクワクしちゃう」
客人は、女性にしては芯の通った低い声だった。
それでも、今から案内される部屋への期待を込めた楽しげな様子は、姿を見なくてもよくわかった。
何の不思議もないただの客人のようだが、ノウェムは「ん?」と腕を組んでいた。
あの人、住んでいたところから見えるものが「城下町」って言ってたよな……
それって、城下町が一望できる場所ってことなんだろうけど……
そんな場所、あるか?
「……あるのよ、ノウェム君。そんな場所が、ヌフ=ブラゾン王国と、パン王国にひとつずつ」
そのとき、今まで黙っていたコーヒーミルが、じっと前を見据えたまま口を開いた。
心を読まれたようになったノウェムは、思わず「え!?」と大きな声が出てしまったが、フィオと客人は気にせず部屋の話で盛り上がっている。
ふたりの会話を聞きながら、コーヒーミルは「でもね」と口を開き、
「ヌフ=ブラゾン王国にある『そんな場所』からは、海が見えるのよね」
と言って、ニヤリと笑った。
その表情はまるで、客人のすべてを知っているかのようだった。
……海が見えない「そんな場所」があるのは、パン王国ってことか?
確かにパン王国は山と森に囲まれてるけど、一緒に城下町が一望できる場所なんて……
あ……
えっ!?
ノウェムは立ち上がり、勢いよく振り向いた。
先ほどとは目線の高さが違うので、客人の後ろ姿がよく見えた。
赤銅色のショートヘアは、何も言わずとも彼女の出身地を語っている。
接客中のフィオも「ステキですね」と声をかけた。
「お客様、パン王国からいらっしゃったんですね。その髪の色ですぐにわかりましたよ」
「ふふっ、そうでしょう? この髪の色は、あたしにとっても特別な色なの。これはね……」
客人が自慢げに話し出そうとした、そのとき。
コーヒーミルが、まっすぐ前を見据えたまま、客人の話を遮った。
「ご自慢の髪色なのでございましたね。あなたが尊敬していた、亡くなった叔母様と同じ色だからでございましょう?」
「……」
客人の息を呑む気配が伝わってくる。
そこでコーヒーミルはようやく立ち上がり、客人へ向かって微笑んだ。
「やっと、お会いできましたね。パソワ姫様」
その微笑みは、探し人との再会を心から喜んでいるようにも、なにやら不穏な空気をまとっているようにも見えた。
コーヒーミルの笑顔にノウェムはゾクッと身体を震わせていたが、もちろん客人も驚愕のあまり一歩後ろに下がっていた。
「こ、コーヒーミル!? どうして、あなたがこんなところに……!?」
コーヒーミルがパソワ姫と呼んだ客人は、これでもかと眉間にシワを寄せて、澄んだ紫色の瞳でコーヒーミルを睨みつけている。
パソワ姫……!
コーヒーミルさんが探してた、家出姫様!
確かに、この怒った顔なんてレードル姫様そっくりだもんなぁ。
ノウェムがもっとよく見ようと目を凝らした、そのとき。
ごっ。
という鈍い音とともに、ノウェムの後頭部を強い衝撃が襲った。
「いっ……」
痛ってぇっ!
とすら口に出せないまま、ノウェムは床に倒れてしまった。
パソワ姫の慌てふためく声が、だんだんと遠のいていく……
「えっ!? なんなの!? びっくりした! このお皿みたいなのが、突然その子の頭に落ちてきて……」
つづく
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