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第1章雑貨屋編
第3話: 把握
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翌日、朝から元気なステラに起こされた俺は寝惚け眼を擦りながら朝食を摂っていた。
「昨日は眠れなかったのか?」
ステラが聞いてきた。ちなみに昨日のことは覚えているようで、酒を飲んだ時は大体あんな感じだそうだ。
「ちょっと考え事をしてて、寝るのが遅れただけだよ。」
「そうか。それで今日はどうする?仕事を探すって話だったよな?」
「それならちょっと試したいことがあってさ、誰もいない広い場所とかって知らない?」
スキルでいろいろ試してみたいから周りに誰も居ない方が好ましい。何が起こるかわからないし。
「そうだな・・・あるにはあるが、そんなところで何をするつもりだ?」
「えっと、今はまだ秘密。どうなるかわからないし。」
俺の持っているスキルについては一旦秘密にすることにした。もしこの世界であの3つのスキルが超希少な物だったとしたら面倒なことになりかねない。ステラは命の恩人だしすごくお世話になっているからいずれは教えようとは思ってるけどね。
「ほう・・・なら期待しておこう。門番には話を通しておく。」
ステラはニヤリと笑ってそういった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
朝食の後、俺は一人で町に繰り出していた。出かける前にステラにこの町について説明してもらった内容によると、
ここはドラゴニカ王国の南東にある町ロット。通称始まりの町。なぜそう言われているかというと、この世界には勇者伝説という昔話があり、そこで勇者が一番初めにいる場所がこの町なんだとか。その勇者が当時この辺り一帯を縄張りとしていた魔物のボスを倒したことにより、付近には魔物がほとんどいないらしい。そして実はその影響でこの町には冒険者ギルドは存在しない。どういうことかというと魔物がいないせいで主な依頼である魔物討伐が張り出されない。その結果依頼が少なくなり冒険者も少なくなり採算が取れなくなりこの町から撤退した、ということなんだとか。じゃあもし俺がアイテムボックスを使えても冒険者になれなかったんじゃないか!と思ったりもしたがそこはステラ、冒険者ギルドがある別の町に連れて行ってくれるつもりだったらしい。どこまで世話を焼いてくれるのか・・・このペースだと一生かかっても恩を返せるかどうかわからなくなってくるぞ。
さて、目的の場所はこの町の南門をでた先をまっすぐ行くとあるとのことなので南門に向かいながら町の様子を見ていこう。
まず目に付くのは亜人と呼ばれる人たちの多さ。人に他の生物の特徴が表れているタイプや他の生物がそのまま2足歩行しているかのようなタイプの2種類がいて、大体4:1くらいの比率だ。身体的特徴からの予想だが、犬、猫、馬、鳥、トカゲ、鼠、リス、蛙等々・・・多種多様に渡る面々となっている。もちろん亜人じゃないただの人もいる。前者のタイプの亜人の半分くらいだろうか。これだけいろんな人たちがいざこざを起こすこともなく暮らしている。
次に目に付くのは店の多さだろうか。飲食店に食料品店、雑貨屋、アクセサリーショップ等々、店舗、露天問わず開かれている。いろいろ見て回りたいが今はスキルを試すのが先だ。
そんなこんなで南門が見えてきた。門に着くと警備に当たっている兵士の一人に声をかけられた。
「ソウタ様でございますね?ステラ様からお話は伺っております。どうぞお通りください。」
すげーなステラ、ほとんど顔パス状態じゃないか。いや俺の場合は髪色パスか。町を見て回りながら気づいたことだが黒髪はめずらしいみたいだ。ここまで一人も見かけなかった。
「そうです。ありがとうございます。」
お礼を言ってそのまま通り過ぎる。
大体30分ほどで途中何事もなくステラに聞いた場所に到着した。そこは平原でところどころに大きな岩が転がっている。うん、確かに広いし誰もいない。これで心置きなく実験できそうだ。
よし、まずは一度スキルを確認しよう。えーっと、"過程省略:鑑定"。
そう頭の中で唱えると情報が流れ込んできた。
創造:魔力を媒介として魔法の創造及び物質、物体の生成をすることができる。ただし、物質辞書に記録されていない物質は生成できず、記録されていない物質を用いた物体も生成できない。
物質辞書:物質の詳細な情報を記録することができる。
過程省略:創造によって作られた魔法・物体を記録し、過程を省略して結果だけを呼び出すことができる。なお、必要な魔力は省略されず消費される。
魔法リスト:鑑定
物体リスト:未記録
うん、それじゃあまずは創造で魔法を作ってみようか。どんな魔法を作ろうか・・・そうだ、今日はステラに起こしてもらったけどこっちには目覚まし時計が無いからな。時計とアラームを作ろう。まずはイメージを練って・・・1日が24時間で1時間が60分で1分が60秒で・・・"創造:時計"。その瞬間、あの体中をうっすらと渦巻く感覚がした。やはり魔力の動きのようだな。お、今の時間が分かる、成功したみたいだ。ちなみに現在は午前9時半だ。
続いて・・・決めた時間に音が鳴って、他にも条件を決めて音が鳴るように設定可能に・・・"創造:警告"。よし、早速試そう。条件はどうしようかな・・・昼食までには帰りたいから11時になったら鳴るようにしようか。1時間もあれば余裕を持って帰れるだろう。
次は物質、物体の生成のほうを試そう。そのためには物質辞書に何か記録しないといけないんだけど・・・どうやって記録するんだろう。あっ、鑑定したら記録されたりしないかな。早速何かに鑑定を・・・この草でいいや、"過程省略:鑑定"。
ーーーーーーーーーーーーー
名前 :薬草
希少度:D
品質 :C
ポーション等の回復薬の材料になる草。
煎じることで薬効成分が染み出す。
濃度が濃ければ濃いほど薬効が高くなり、
効果の高い回復薬になる。
薬草が保有する薬効成分は
品質が高ければ高いほど濃くなる。
・・・
・・・
・・・
ーーーーーーーーーーーーー
え、これ薬草なんだ。っていうか説明長いよ!自分を鑑定した時もすごい説明長かったけどなんなんだこれ。スキルはあんなにシンプルなのに・・・。まぁいいや別に全部把握しないといけないわけじゃないし。さて、他にも使えそうな物あるかな。でもこの広さで一つ一つ鑑定していくのもな・・・そうだ、一度に広範囲に何があるか調べられる魔法を作ろう。えっと・・・広範囲を調べられてなお且つ一度鑑定したことのあるものとないもので区別できて、希少度や品質も一緒にわかるような・・・"創造:探索"。
「なんだこれ!?」
思わず声を上げた俺の頭に流れ込んできたものは信じられないほどの量の情報だった。俺を中心として探索にかかった物の座標とそれまでの距離とそれが何に類するものなのか、希少度、品質がどれほどなのかが半径10km分の範囲で展開されていた。確かに広範囲でとは思ったけどいくら何でもやりすぎだ!町も全部わかるじゃないか!これは慣れるのに時間がかかりそうだ・・・ん?近くに人の反応がある?でも周囲には見当たらないな・・・まぁ大丈夫だろう。今日はもう適当にそこら辺の物を鑑定しとこう。
その結果がこちら
物質リスト:薬草 石 木 毒草
少ないけどとりあえずこんなものでいいだろう。詳細はまた後で確認しよう。いつでも生成できるわけだし。それじゃあ早速物体を生成しようか。薬草からポーションができることはわかってるからポーションを作ろう。
"創造:ポーション"
その瞬間目の前に緑色の液体がビシャッと撒かれた。もしかして入れ物が無いからか?そこまで考えてなかったな・・・まぁ鑑定はできるだろうし今はいいだろう。
"過程省略:鑑定"
ーーーーーーーーー
名前 :ポーション
希少度:D
品質 :S
HPを回復する薬。
身体の欠損は回復できない。
品質が高いほど回復効果が高い。
・・・
・・・
ーーーーーーーーー
おお、ポーションだ、しかも品質がすごい高い。これなら売れるだろう。
実は今日の実験の一番の目的はこれだった。売れるものが作れるかどうかである。そう、俺は店を開こうとしていた。商人であれば仕入れでいろんな地域を回ってもおかしくないし、客から情報を収集することもできるからだ。そしてこのスキルがあれば鑑定した情報があるだけで物を作って売れる。しかも俺は異世界から来ている。こちらには無いものを作ることも可能だろう。
これでなんとか自立する目途は立った。最後に攻撃魔法でも作ってみようかな。魔物が存在するこの世界で自衛手段が無いのは危険だ。
それじゃあ定番の・・・火を球体状に集めて前方に飛ばす・・・"創造:火球"。
その瞬間俺の前に直径5mほどの火球が現れ、高速で前方に飛んでいき、大きな岩に衝突して大爆発を起こした。
もちろん俺がその場から逃走したことは言うまでもない。
「昨日は眠れなかったのか?」
ステラが聞いてきた。ちなみに昨日のことは覚えているようで、酒を飲んだ時は大体あんな感じだそうだ。
「ちょっと考え事をしてて、寝るのが遅れただけだよ。」
「そうか。それで今日はどうする?仕事を探すって話だったよな?」
「それならちょっと試したいことがあってさ、誰もいない広い場所とかって知らない?」
スキルでいろいろ試してみたいから周りに誰も居ない方が好ましい。何が起こるかわからないし。
「そうだな・・・あるにはあるが、そんなところで何をするつもりだ?」
「えっと、今はまだ秘密。どうなるかわからないし。」
俺の持っているスキルについては一旦秘密にすることにした。もしこの世界であの3つのスキルが超希少な物だったとしたら面倒なことになりかねない。ステラは命の恩人だしすごくお世話になっているからいずれは教えようとは思ってるけどね。
「ほう・・・なら期待しておこう。門番には話を通しておく。」
ステラはニヤリと笑ってそういった。
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朝食の後、俺は一人で町に繰り出していた。出かける前にステラにこの町について説明してもらった内容によると、
ここはドラゴニカ王国の南東にある町ロット。通称始まりの町。なぜそう言われているかというと、この世界には勇者伝説という昔話があり、そこで勇者が一番初めにいる場所がこの町なんだとか。その勇者が当時この辺り一帯を縄張りとしていた魔物のボスを倒したことにより、付近には魔物がほとんどいないらしい。そして実はその影響でこの町には冒険者ギルドは存在しない。どういうことかというと魔物がいないせいで主な依頼である魔物討伐が張り出されない。その結果依頼が少なくなり冒険者も少なくなり採算が取れなくなりこの町から撤退した、ということなんだとか。じゃあもし俺がアイテムボックスを使えても冒険者になれなかったんじゃないか!と思ったりもしたがそこはステラ、冒険者ギルドがある別の町に連れて行ってくれるつもりだったらしい。どこまで世話を焼いてくれるのか・・・このペースだと一生かかっても恩を返せるかどうかわからなくなってくるぞ。
さて、目的の場所はこの町の南門をでた先をまっすぐ行くとあるとのことなので南門に向かいながら町の様子を見ていこう。
まず目に付くのは亜人と呼ばれる人たちの多さ。人に他の生物の特徴が表れているタイプや他の生物がそのまま2足歩行しているかのようなタイプの2種類がいて、大体4:1くらいの比率だ。身体的特徴からの予想だが、犬、猫、馬、鳥、トカゲ、鼠、リス、蛙等々・・・多種多様に渡る面々となっている。もちろん亜人じゃないただの人もいる。前者のタイプの亜人の半分くらいだろうか。これだけいろんな人たちがいざこざを起こすこともなく暮らしている。
次に目に付くのは店の多さだろうか。飲食店に食料品店、雑貨屋、アクセサリーショップ等々、店舗、露天問わず開かれている。いろいろ見て回りたいが今はスキルを試すのが先だ。
そんなこんなで南門が見えてきた。門に着くと警備に当たっている兵士の一人に声をかけられた。
「ソウタ様でございますね?ステラ様からお話は伺っております。どうぞお通りください。」
すげーなステラ、ほとんど顔パス状態じゃないか。いや俺の場合は髪色パスか。町を見て回りながら気づいたことだが黒髪はめずらしいみたいだ。ここまで一人も見かけなかった。
「そうです。ありがとうございます。」
お礼を言ってそのまま通り過ぎる。
大体30分ほどで途中何事もなくステラに聞いた場所に到着した。そこは平原でところどころに大きな岩が転がっている。うん、確かに広いし誰もいない。これで心置きなく実験できそうだ。
よし、まずは一度スキルを確認しよう。えーっと、"過程省略:鑑定"。
そう頭の中で唱えると情報が流れ込んできた。
創造:魔力を媒介として魔法の創造及び物質、物体の生成をすることができる。ただし、物質辞書に記録されていない物質は生成できず、記録されていない物質を用いた物体も生成できない。
物質辞書:物質の詳細な情報を記録することができる。
過程省略:創造によって作られた魔法・物体を記録し、過程を省略して結果だけを呼び出すことができる。なお、必要な魔力は省略されず消費される。
魔法リスト:鑑定
物体リスト:未記録
うん、それじゃあまずは創造で魔法を作ってみようか。どんな魔法を作ろうか・・・そうだ、今日はステラに起こしてもらったけどこっちには目覚まし時計が無いからな。時計とアラームを作ろう。まずはイメージを練って・・・1日が24時間で1時間が60分で1分が60秒で・・・"創造:時計"。その瞬間、あの体中をうっすらと渦巻く感覚がした。やはり魔力の動きのようだな。お、今の時間が分かる、成功したみたいだ。ちなみに現在は午前9時半だ。
続いて・・・決めた時間に音が鳴って、他にも条件を決めて音が鳴るように設定可能に・・・"創造:警告"。よし、早速試そう。条件はどうしようかな・・・昼食までには帰りたいから11時になったら鳴るようにしようか。1時間もあれば余裕を持って帰れるだろう。
次は物質、物体の生成のほうを試そう。そのためには物質辞書に何か記録しないといけないんだけど・・・どうやって記録するんだろう。あっ、鑑定したら記録されたりしないかな。早速何かに鑑定を・・・この草でいいや、"過程省略:鑑定"。
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名前 :薬草
希少度:D
品質 :C
ポーション等の回復薬の材料になる草。
煎じることで薬効成分が染み出す。
濃度が濃ければ濃いほど薬効が高くなり、
効果の高い回復薬になる。
薬草が保有する薬効成分は
品質が高ければ高いほど濃くなる。
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え、これ薬草なんだ。っていうか説明長いよ!自分を鑑定した時もすごい説明長かったけどなんなんだこれ。スキルはあんなにシンプルなのに・・・。まぁいいや別に全部把握しないといけないわけじゃないし。さて、他にも使えそうな物あるかな。でもこの広さで一つ一つ鑑定していくのもな・・・そうだ、一度に広範囲に何があるか調べられる魔法を作ろう。えっと・・・広範囲を調べられてなお且つ一度鑑定したことのあるものとないもので区別できて、希少度や品質も一緒にわかるような・・・"創造:探索"。
「なんだこれ!?」
思わず声を上げた俺の頭に流れ込んできたものは信じられないほどの量の情報だった。俺を中心として探索にかかった物の座標とそれまでの距離とそれが何に類するものなのか、希少度、品質がどれほどなのかが半径10km分の範囲で展開されていた。確かに広範囲でとは思ったけどいくら何でもやりすぎだ!町も全部わかるじゃないか!これは慣れるのに時間がかかりそうだ・・・ん?近くに人の反応がある?でも周囲には見当たらないな・・・まぁ大丈夫だろう。今日はもう適当にそこら辺の物を鑑定しとこう。
その結果がこちら
物質リスト:薬草 石 木 毒草
少ないけどとりあえずこんなものでいいだろう。詳細はまた後で確認しよう。いつでも生成できるわけだし。それじゃあ早速物体を生成しようか。薬草からポーションができることはわかってるからポーションを作ろう。
"創造:ポーション"
その瞬間目の前に緑色の液体がビシャッと撒かれた。もしかして入れ物が無いからか?そこまで考えてなかったな・・・まぁ鑑定はできるだろうし今はいいだろう。
"過程省略:鑑定"
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名前 :ポーション
希少度:D
品質 :S
HPを回復する薬。
身体の欠損は回復できない。
品質が高いほど回復効果が高い。
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おお、ポーションだ、しかも品質がすごい高い。これなら売れるだろう。
実は今日の実験の一番の目的はこれだった。売れるものが作れるかどうかである。そう、俺は店を開こうとしていた。商人であれば仕入れでいろんな地域を回ってもおかしくないし、客から情報を収集することもできるからだ。そしてこのスキルがあれば鑑定した情報があるだけで物を作って売れる。しかも俺は異世界から来ている。こちらには無いものを作ることも可能だろう。
これでなんとか自立する目途は立った。最後に攻撃魔法でも作ってみようかな。魔物が存在するこの世界で自衛手段が無いのは危険だ。
それじゃあ定番の・・・火を球体状に集めて前方に飛ばす・・・"創造:火球"。
その瞬間俺の前に直径5mほどの火球が現れ、高速で前方に飛んでいき、大きな岩に衝突して大爆発を起こした。
もちろん俺がその場から逃走したことは言うまでもない。
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