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第2章英雄編
第16話:父親
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旅の許可をもらいにルチアちゃんの家に来た俺たちは厩舎にユニと馬車を預け家に入った。
「お嬢!?お嬢じゃないですか!帰って来たんですね!しかも男の人まで連れて!すぐに親方を呼んできますので応接室で待っていてください!」
家に入ると女性のドワーフと思しき人が結構なハイテンションで話しかけてきた。まぁ家出をしていた族長の娘が帰ってきたとなれば無理もないか。何か誤解を受けているような気がするが・・・。
「待って、それもいいけど厩舎に馬と馬車を置いてあるから世話をお願い。」
「かしこまりました!」
ルチアちゃんの指示に元気よく返事した女性は走り去っていった。
「お兄ちゃん、応接室はこっちだよついてきて。」
ルチアちゃんについていくと大きな両開きの扉が現れた。部屋の中は俺が8人は余裕で座れそうな大きなソファが大きな机を挟んで向かい合わせに設置してあった。
ルチアちゃんと並んで座って部屋で待っていると突然扉が開いた。
「おうおうおう、帰ってきやがったかバカ娘。自分がどれだけ甘かったか身に染みたか?」
入ってきたのはずんぐりむっくりで髭もじゃのおじさんだった。俺の想像してたテンプレドワーフそのままだ。発言からしてこの人がルチアちゃんのお父さんだろう。しかもドワーフ族長。
「あたしの想像通りだったよ。あたしの考えは全然甘くなかった。」
「嘘つくんじゃねぇ!どうせその男に会うまではぼろぞうきんみたいな姿でうろうろしてたくせによ。”鑑定眼”でその男の素性を知って脅したんだろ?自分を世話しなきゃ周りにバラすとか言ってよ」
「そんなことしてないよ!ちゃんと弟子兼店員としてお店で働いてたんだから!」
「何が弟子兼店員だ。その男の作る物と比べたらしょーもない品質の物しか作れない上にまだ計算も簡単な物しかできねぇじゃねぇか。できることと言ったら商品並べるか商品説明くらいだろ?そんなもん誰でもできるじゃねぇか。」
「最初は誰だってそうでしょ!少しづつ教えてもらって立派な戦力になる予定なんだから!」
「はん!その立派な戦力になるまで一体何年かかることやら。」
「まぁまぁまぁ一旦落ち着きましょうよ。」
ほっとくと止まら無さそうだったので仲裁に入った。本題に入らないと困るし。というかちょいちょい俺の情報が漏れているかのような発言が聞こえたが・・・”鑑定眼”で見ているのだろうか。ルチアちゃんが持ってるってことはそのお父さんであるこの人も持っててもおかしくない。
「すまねぇな兄ちゃん、うちのバカ娘が随分と世話になったようだ。」
「いえいえ、こちらもいろいろ教えていただいているので持ちつ持たれつと言ったところですよ。」
ルチアちゃんが居なければ店が忙しすぎて他のことに手が着かなかっただろうし、勇者についてのことも知ることはなかっただろうからね。
「それにしてもあの馬車だが、とんでもねぇ代物だな。”創造”とやらで作ったのか?それに馬もまともじゃねぇ。それにお前さんもだ。」
やはり”鑑定眼”か。しかもルチアちゃんよりも視えてるっぽい。
「馬車のことがわかるんですか?ルチアちゃんは視えないって・・・」
「それは”鑑定眼”が使いこなせていないだけだ。まだまだガキンチョだからな。」
また噛みつきそうになったルチアちゃんを抑える俺。スキルにも熟練度的なものがあるのかな。
「本題に入る前に・・・おいルチア、お前は席外せ。」
「なんでよ!あたし自身が関係する話なのに!」
「うるせぇ!ここからは大人の話だ!とっとと自分の部屋に戻れ。」
「何よもう・・・わかったわよ!」
しぶしぶと言った感じで部屋からルチアちゃんが出ていく。聞かれたくないことでもあるのだろうか。
「さて、俺としてはやはり旅について行かせるのは反対だ。ルチアから聞いているかもしれねぇがドワーフは成人するまでは基本的にこの街から出ることは無い。厳密に法律として決まっているわけではないが昔からの風習として先祖から代々引き継がれてきたものだ。それを族長の娘が破るわけにはいかねぇ・・・というのが建前で、”親”としては娘に危ないことはさせたくねぇ。」
そりゃそうだろうな。何だかんだきつい事を言っていたが娘は娘だ、可愛くないわけがない。
「ただ、ルチアにとっていい経験になるだろうとも思ってる。お前さんという存在もいることだしな。だから条件付きで許可することにした。その条件なんだが・・・」
条件は二つ。まず一つ目は定期的に顔を見せること。そしてもう一つは・・・俺の強さを証明すること。
「旅に危険は付き物だ。だからお前さんがその危険から娘を守れると証明してくれ。この二つの条件を満たせるなら許可を出そう。」
強さの証明か・・・どうやって示そうか。
「お嬢!?お嬢じゃないですか!帰って来たんですね!しかも男の人まで連れて!すぐに親方を呼んできますので応接室で待っていてください!」
家に入ると女性のドワーフと思しき人が結構なハイテンションで話しかけてきた。まぁ家出をしていた族長の娘が帰ってきたとなれば無理もないか。何か誤解を受けているような気がするが・・・。
「待って、それもいいけど厩舎に馬と馬車を置いてあるから世話をお願い。」
「かしこまりました!」
ルチアちゃんの指示に元気よく返事した女性は走り去っていった。
「お兄ちゃん、応接室はこっちだよついてきて。」
ルチアちゃんについていくと大きな両開きの扉が現れた。部屋の中は俺が8人は余裕で座れそうな大きなソファが大きな机を挟んで向かい合わせに設置してあった。
ルチアちゃんと並んで座って部屋で待っていると突然扉が開いた。
「おうおうおう、帰ってきやがったかバカ娘。自分がどれだけ甘かったか身に染みたか?」
入ってきたのはずんぐりむっくりで髭もじゃのおじさんだった。俺の想像してたテンプレドワーフそのままだ。発言からしてこの人がルチアちゃんのお父さんだろう。しかもドワーフ族長。
「あたしの想像通りだったよ。あたしの考えは全然甘くなかった。」
「嘘つくんじゃねぇ!どうせその男に会うまではぼろぞうきんみたいな姿でうろうろしてたくせによ。”鑑定眼”でその男の素性を知って脅したんだろ?自分を世話しなきゃ周りにバラすとか言ってよ」
「そんなことしてないよ!ちゃんと弟子兼店員としてお店で働いてたんだから!」
「何が弟子兼店員だ。その男の作る物と比べたらしょーもない品質の物しか作れない上にまだ計算も簡単な物しかできねぇじゃねぇか。できることと言ったら商品並べるか商品説明くらいだろ?そんなもん誰でもできるじゃねぇか。」
「最初は誰だってそうでしょ!少しづつ教えてもらって立派な戦力になる予定なんだから!」
「はん!その立派な戦力になるまで一体何年かかることやら。」
「まぁまぁまぁ一旦落ち着きましょうよ。」
ほっとくと止まら無さそうだったので仲裁に入った。本題に入らないと困るし。というかちょいちょい俺の情報が漏れているかのような発言が聞こえたが・・・”鑑定眼”で見ているのだろうか。ルチアちゃんが持ってるってことはそのお父さんであるこの人も持っててもおかしくない。
「すまねぇな兄ちゃん、うちのバカ娘が随分と世話になったようだ。」
「いえいえ、こちらもいろいろ教えていただいているので持ちつ持たれつと言ったところですよ。」
ルチアちゃんが居なければ店が忙しすぎて他のことに手が着かなかっただろうし、勇者についてのことも知ることはなかっただろうからね。
「それにしてもあの馬車だが、とんでもねぇ代物だな。”創造”とやらで作ったのか?それに馬もまともじゃねぇ。それにお前さんもだ。」
やはり”鑑定眼”か。しかもルチアちゃんよりも視えてるっぽい。
「馬車のことがわかるんですか?ルチアちゃんは視えないって・・・」
「それは”鑑定眼”が使いこなせていないだけだ。まだまだガキンチョだからな。」
また噛みつきそうになったルチアちゃんを抑える俺。スキルにも熟練度的なものがあるのかな。
「本題に入る前に・・・おいルチア、お前は席外せ。」
「なんでよ!あたし自身が関係する話なのに!」
「うるせぇ!ここからは大人の話だ!とっとと自分の部屋に戻れ。」
「何よもう・・・わかったわよ!」
しぶしぶと言った感じで部屋からルチアちゃんが出ていく。聞かれたくないことでもあるのだろうか。
「さて、俺としてはやはり旅について行かせるのは反対だ。ルチアから聞いているかもしれねぇがドワーフは成人するまでは基本的にこの街から出ることは無い。厳密に法律として決まっているわけではないが昔からの風習として先祖から代々引き継がれてきたものだ。それを族長の娘が破るわけにはいかねぇ・・・というのが建前で、”親”としては娘に危ないことはさせたくねぇ。」
そりゃそうだろうな。何だかんだきつい事を言っていたが娘は娘だ、可愛くないわけがない。
「ただ、ルチアにとっていい経験になるだろうとも思ってる。お前さんという存在もいることだしな。だから条件付きで許可することにした。その条件なんだが・・・」
条件は二つ。まず一つ目は定期的に顔を見せること。そしてもう一つは・・・俺の強さを証明すること。
「旅に危険は付き物だ。だからお前さんがその危険から娘を守れると証明してくれ。この二つの条件を満たせるなら許可を出そう。」
強さの証明か・・・どうやって示そうか。
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