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2.変わり始めた日常

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学校が終わり、放課後。

夕焼けで真っ赤に染まった空の下をとぼとぼと歩く。
寂しそうに聞こえるが、そんな事はことない。
むしろウキウキだ。
何てったって今夜は私の好きなテレビ番組『イケメン天国』がやるんだからねー♪

ヒャッホー。
早く帰ってイケメンに癒されよーと!

夕日(正確には家)に向かって駆けだした瞬間…

ドッカーーーン!

突然鳴り響いた爆発音。

しばらくして遠くから警察のサイレンが聞こえてきた。

えっ…。
何今の音。

あまりに突然で驚いた私は腰を抜かしてしまった。

そして再び爆発音が鳴る。

さすがに背筋がピンと立ち、私は大急ぎでその場を離れる。

私の耳に、人々の悲鳴がこだました。

          *

家に着き靴を放り出すと、急いでリビングにあるテレビをつけた。 
もちろんニュースを見るためだ。

画面には私の家の近くにあるコンビニが映されている。
よく使うコンビニだ。
でもそのコンビニは、炎をあげて燃えている。

『ちょうど3分前、東京都桜町のとあるコンビニエンスストアで二度にわたる大きな爆発がありました』

テレビのキャスターが淡々と事件の現状を告げる。

『爆発した原因は不明ですが、目撃証言がありました。特徴は、体長約3メートルほどの毛むくじゃらの男だということです』

体長3メートルで毛むくじゃら?
怪物みたい。
変なの。

テレビを眺めてると、携帯の着信音が鳴る。
画面には『マリ』と表示される。

受話器のマークを押して応答した。

「もしも…」
『もしもし、四葉!生きてる!?』
「大丈夫。生きてるから」
『…うわー。良かったー…!てっきり爆発に巻き込まれちゃったのかと思って。ほら、四葉ってドジだから…』
一言余計です。
「全然何もなかったよ。わざわざ電話してくれてありがと」
『うん!あー、とにかく良かった。
…あっ、目撃情報あったでしょ?本当に気をつけてねー。じゃ、また明日ね』

マリとの電話が終わる。

あー、恐かった。
早く毛むくじゃらの男捕まるといいな。

お風呂とご飯を済ませた私は、ベッドですぐに寝てしまった。

          *

気が付けば朝になっていた。
大きな背伸びをして、ふと窓を見る。

だが私のいつもの最初に言う「おはよう、鳥さん」の言葉は、悲鳴に変わった。

何と窓に恐ろしい毛むくじゃらの怪物が貼り付いていたのだ。

「ぎゃああああーーー!!」

驚きと恐ろしさで、私は布団をガバッと被った。

恐い恐い恐い…!!
な、何じゃあの怪物はーー!?

しばらくすると、ドタドタと階段をかけ上がる音が聞こえてきて、私の部屋のドアがやぶられる。

「大丈夫か四葉ぁぁーーー!!」

私の悲鳴を聞いた両親が心配して来たのだ。
それぞれの手には、凶器?のほうきやフライパンが握られている。

「どうした四葉!隕石が落ちてきたのか!?
それとも宇宙人!?」

いや、どっちでもないけど…。

「いや、何でもない…」

平然を装い、部屋から両親を追い出す。

…何だったんだろう。あの怪物?
私の見間違いかな…?
学校行ったらマリに話してみるとするか。

          *

「ふーん。そんなことが…」

マリに今朝のことを話すと、私の話を信じないどころか真剣に受け止めてくれた。

「これってどう思う?やっぱり見間違いかなー?」
「うーん…。でもはっきり見えたんでしょ?」
「そうだけど…」
「それにその毛むくじゃらの怪物ってさ、昨日の爆発事件の目撃証言の特徴と同じじゃない?」

あっ…、確かに…。
体長は分からなかったけど、でかかった気がするし、何より毛むくじゃらだったし。

「とにかく、ちょっと気を付けた方がいいと思うよ。爆発事件の現場の近くなんだし」
「うん…」

何だか嫌な予感がする…。
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