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うまくいくのかな?(リアム視点)
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先生の説明が終わった後で合宿メンバーの打ち合わせの時間になった。
お互いが簡単に自己紹介をした後で役割分担について話し合う。
「耐久力に自信のあるやつが護衛役、身軽なやつが偵察役でどうかな?」
「いいと思う」
俺の提案にミラが言う。ミラは大人しくて小柄な女の子だ。見た目からすると4、5歳年下に見える。雷魔法が得意で小さな体を生かした素早い動きが得意だ。
「そうするとミラが偵察役、体の頑丈なジョセフが護衛役が適任だと思うんだけど、どう思う、エマ?」
先ほどから珍しく発言の少ないエマに話題を振る。こういう話し合いの時、エマはいつも率先して発言するのに今日はえらく静かだ。
「エマ?」
問いかけに返事がないので再度声を掛ける。エマははっとした様子で返事をした。
「あ、ああごめんなさい、えっとなんだったかしら?」
「だから、偵察役と護衛役についてだよ」
「そ、そうだったわね、ごめんなさい」
エマが授業中にこんな風にぼんやりしているなんて珍しい。なにか考え事だろうか。
「ミラは偵察役に適任だと思う。ジョセフも護衛で問題なさそうね。もう一人くらい護衛が必要だと思うけれど」
「それなら僕がやろう」
そう言ってオズワルドが手を上げた。オズワルドは回復・補助魔法が得意な理論派だ。逆に体術や剣術などの接近性は苦手らしい。
「たしかにオズワルドがいれば万が一護衛対象者が負傷した場合にも対応できそうね」
エマが言う。
「私とリアムは状況を見て臨機応変に動くようにしましょう。基本は護衛対象者を守り、必要があれば動く」
魔力の強さでいったらこのグループではエマがダントツだ。自然とエマを頼りにする雰囲気がグループ内に生まれている。俺はまあ二番手、リーダー補佐ってとこかな。まあ大抵の場合俺っていつもそういう立ち位置。
まあこれはこれでおいしいことも多いから二番手って嫌いじゃないけどね。
「森に入ったら身を隠す場所を探さなければならないわよね?」
ミラが言った。
「噂の洋館ってことになるのかな?」
オズワルドが言う。
「たしかにその噂は私も聞いているわ。だけどその噂からしてすでに罠かもしれない」
エマが言う。
「罠?」
ミラが問い返す。
「ええ。先生方がわざと意図的に流している噂かもしれないってこと」
「どうしてそんなことを?」
「もちろん洋館に誘い込むためよ。洋館にたくさんの刺客が待機しているのかもしれないし、状態異常の魔術が施されているのかもしれない」
「たしかにそうだな」
オズワルドがつぶやく。
「とりあえず洋館内の食糧には絶対に手をつけないようにしましょう。毒や薬が混ぜられている可能性は十分にあるわ」
……そこまで用心しなきゃならないのか。なんだかきなくさいなぁ。
「任務の間中は自分で確実に安全だと思える食べ物しか口にするべきではないと思うわ」
「各自かさばらない携帯用食料は用意しておくべきね」
エマの言葉にミラが言う。
「……3日間の間は温かい食事にはありつけないってわけか」
ジョセフがため息をつく。人一倍体が大きくてたくさん食べるジョセフには人一倍つらいかもしれない。
「だけど洋館をつかわないとしたら一体どこで夜を明かす? 雨なんか降ってきたら濡れた体では生存できないぞ」
俺はそう発言する。魔獣や刺客ももちろん恐ろしいが、低体温や負傷、空腹もあなどれない。特に衣服が水に濡れると体力の消耗はすさまじい。冬が近づている今頃では雨に降られなくとも夜を外で過ごすのは体力的に不安が大きい。
「そうね。身を隠せる洞窟を探すか、罠の可能性を覚悟しつつ最新の注意を払って洋館に侵入するか」
エマも考えこんでいる様子だった。
そこで授業終了のチャイムが鳴った。続きは次回の授業で話し合うことになった。合宿は1週間後。うまくいくだろうか。
・
・
・
今日最後の授業だったから俺はエマと一緒に食堂までの廊下を歩いた。
「ねえリアム、男の人って好きでもなんでもない子と結婚なんて平気でできるもの?」
エマから唐突にそう尋ねられて俺はびっくりする。
「ど、どうしてそんなこと俺に聞くのかな?」
「だってリアムって女性経験が豊富そうでしょう?」
女性経験が豊富……ってエマの表情から察するに深い意味はなさそうだけど、他の人間が聞いたら誤解されてしまう。
「いや別に俺は豊富ってわけじゃ……」
「で、どうなの?」
「どうなのって言われても……」
これって恋愛相談だよな? エマから恋愛相談を受けるだなんて正直びっくりだ。そういうことに全く興味のない子だとばかり思っていたけれど。
「ま、まああり得るんじゃないかな。男って結構ストライクゾーンが広いからね。来るものは拒まずな男は多いよね、そりゃ」
エマが俺の返答を聞いて難しい表情を浮かべる。……回答ミスったかな? これって求められてる答えじゃなかったのかも。
「拒まずってことは嫌いじゃないってこと?」
「……まあさすがに嫌いな相手とは結婚はしたくないよな」
「そう、ありがとう」
そう言ってエマは中庭の方へと姿を消していった。
……一体なんなんだ?
お互いが簡単に自己紹介をした後で役割分担について話し合う。
「耐久力に自信のあるやつが護衛役、身軽なやつが偵察役でどうかな?」
「いいと思う」
俺の提案にミラが言う。ミラは大人しくて小柄な女の子だ。見た目からすると4、5歳年下に見える。雷魔法が得意で小さな体を生かした素早い動きが得意だ。
「そうするとミラが偵察役、体の頑丈なジョセフが護衛役が適任だと思うんだけど、どう思う、エマ?」
先ほどから珍しく発言の少ないエマに話題を振る。こういう話し合いの時、エマはいつも率先して発言するのに今日はえらく静かだ。
「エマ?」
問いかけに返事がないので再度声を掛ける。エマははっとした様子で返事をした。
「あ、ああごめんなさい、えっとなんだったかしら?」
「だから、偵察役と護衛役についてだよ」
「そ、そうだったわね、ごめんなさい」
エマが授業中にこんな風にぼんやりしているなんて珍しい。なにか考え事だろうか。
「ミラは偵察役に適任だと思う。ジョセフも護衛で問題なさそうね。もう一人くらい護衛が必要だと思うけれど」
「それなら僕がやろう」
そう言ってオズワルドが手を上げた。オズワルドは回復・補助魔法が得意な理論派だ。逆に体術や剣術などの接近性は苦手らしい。
「たしかにオズワルドがいれば万が一護衛対象者が負傷した場合にも対応できそうね」
エマが言う。
「私とリアムは状況を見て臨機応変に動くようにしましょう。基本は護衛対象者を守り、必要があれば動く」
魔力の強さでいったらこのグループではエマがダントツだ。自然とエマを頼りにする雰囲気がグループ内に生まれている。俺はまあ二番手、リーダー補佐ってとこかな。まあ大抵の場合俺っていつもそういう立ち位置。
まあこれはこれでおいしいことも多いから二番手って嫌いじゃないけどね。
「森に入ったら身を隠す場所を探さなければならないわよね?」
ミラが言った。
「噂の洋館ってことになるのかな?」
オズワルドが言う。
「たしかにその噂は私も聞いているわ。だけどその噂からしてすでに罠かもしれない」
エマが言う。
「罠?」
ミラが問い返す。
「ええ。先生方がわざと意図的に流している噂かもしれないってこと」
「どうしてそんなことを?」
「もちろん洋館に誘い込むためよ。洋館にたくさんの刺客が待機しているのかもしれないし、状態異常の魔術が施されているのかもしれない」
「たしかにそうだな」
オズワルドがつぶやく。
「とりあえず洋館内の食糧には絶対に手をつけないようにしましょう。毒や薬が混ぜられている可能性は十分にあるわ」
……そこまで用心しなきゃならないのか。なんだかきなくさいなぁ。
「任務の間中は自分で確実に安全だと思える食べ物しか口にするべきではないと思うわ」
「各自かさばらない携帯用食料は用意しておくべきね」
エマの言葉にミラが言う。
「……3日間の間は温かい食事にはありつけないってわけか」
ジョセフがため息をつく。人一倍体が大きくてたくさん食べるジョセフには人一倍つらいかもしれない。
「だけど洋館をつかわないとしたら一体どこで夜を明かす? 雨なんか降ってきたら濡れた体では生存できないぞ」
俺はそう発言する。魔獣や刺客ももちろん恐ろしいが、低体温や負傷、空腹もあなどれない。特に衣服が水に濡れると体力の消耗はすさまじい。冬が近づている今頃では雨に降られなくとも夜を外で過ごすのは体力的に不安が大きい。
「そうね。身を隠せる洞窟を探すか、罠の可能性を覚悟しつつ最新の注意を払って洋館に侵入するか」
エマも考えこんでいる様子だった。
そこで授業終了のチャイムが鳴った。続きは次回の授業で話し合うことになった。合宿は1週間後。うまくいくだろうか。
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今日最後の授業だったから俺はエマと一緒に食堂までの廊下を歩いた。
「ねえリアム、男の人って好きでもなんでもない子と結婚なんて平気でできるもの?」
エマから唐突にそう尋ねられて俺はびっくりする。
「ど、どうしてそんなこと俺に聞くのかな?」
「だってリアムって女性経験が豊富そうでしょう?」
女性経験が豊富……ってエマの表情から察するに深い意味はなさそうだけど、他の人間が聞いたら誤解されてしまう。
「いや別に俺は豊富ってわけじゃ……」
「で、どうなの?」
「どうなのって言われても……」
これって恋愛相談だよな? エマから恋愛相談を受けるだなんて正直びっくりだ。そういうことに全く興味のない子だとばかり思っていたけれど。
「ま、まああり得るんじゃないかな。男って結構ストライクゾーンが広いからね。来るものは拒まずな男は多いよね、そりゃ」
エマが俺の返答を聞いて難しい表情を浮かべる。……回答ミスったかな? これって求められてる答えじゃなかったのかも。
「拒まずってことは嫌いじゃないってこと?」
「……まあさすがに嫌いな相手とは結婚はしたくないよな」
「そう、ありがとう」
そう言ってエマは中庭の方へと姿を消していった。
……一体なんなんだ?
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