聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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そして全能神は愉快犯となった

【110話】

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「何だこの魔物になった司教の討伐と言うのは?」

 執務室。
 己のデスクに座ったサイヒが神印を書類に押しながら、1枚の報告書を見て手が止まった。
 サイヒとて何時も遊び歩いている訳では無い。
 ちゃんと仕事をこなしてから遊びに行っているのだ。
 有能過ぎて仕事が数時間で終わるので遊んでる時間が長くなるのは必然である。

「何でもディノートの司教が面倒臭いタイプの魔物になったそうで。しかも悪魔と契約しています。人間では討伐は無理でしょう」

 クオンが内容をサイヒに伝える。
 仕事の時のクオンはサイヒに敬語である。
 ちゃんと公私混同しない出来た男なのである。

 それに仕事中のサイヒは大変真面目なのでクオンが胃を痛める必要性はない。
 仕事が終わった後に痛められるが…。

「悪魔が係わっているなら私が行こうか?」

 ルークが斜め向かいの席に座るサイヒに問うた。
 確かに悪魔が絡んでいるなら魔王であるルークが担当するのが1番だろう。

「いや、私が直接行く。ルークは仕事が終わってから来てくれ。ディノートでデートと言うのも悪くない」

「サイヒ、私はちゃんと倒せるぞ?」

「いや、ルークの実力を疑っている訳じゃない。この魔物の性質をあまりルークに見せたくないだけだ」

「?」

「何時までも純真でいてくれルーク」

「よく分からないがサイヒが私の事を大切にしてくれている事は伝わった。では仕事の後に合流する」

 何せ相手は性欲の化身だ。
 己の肛門に己の性器を突き刺している、生粋の変態だ。
 さらに陰茎の数を増やして他者迄犯すと言う。
 こんな危ない奴を相手にルークをあてがうことなど出来るはずがない。
 サイヒはルークには何時までも綺麗でいて欲しいのだ。

「さて、どう始末をするかな?」

 顎に指をあてサイヒが考え込む。
 遠くを見る視線がやたらと色っぽい。
 相変わらず仕事中でも色気の垂れ流しである。
 クオンは文句を付けたいのだがサイヒに悪気がある訳では無いから、流石にこれには文句を付けられない。

 なのでこの色気のバケモノを作った前全能神を頭の中でぶち殺すことにした。
 殺されてもまだ頭の中で殺される前全能神。
 全くもって業の深い事である。

「ふむ、サラはディノートに居ないのか、顔位見ておこうと思ったが。まぁ面白い方向に転がって行ってるから良しとしよう」

 神眼を使って地上の状態を把握するなどサイヒには造作もない。
 ぜひ盗撮などは出来るだけして欲しく無いものだ。

「クオン、明日その司教の討伐に行く。事務の方のフォローは任せた。ルークが中心となって動いてくれ」

「了解だサイヒ」

「承知いたしました」

 2人の返事を聞いてサイヒは明日、何処でルークを連れまわそうか妄想の中だ。
 同時に他の事務仕事をこなしているからバケモノである。
 マルチタスクが得意なサイヒは1度に5つくらいの事柄を片付けることなど片手間でしかない。
 全能神とした全くもって有能なのである。
 これで愉快犯で無ければパーフェクトなのだが。

 サイヒは明日のことを考えながら、最後の書類に神印を押した。


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 バケモノ司教については【婚約者の王子に聖女など国に必要ないと言われました~】にて登場します。
 良ければ読んでみて下さいね。
 色んな意味で酷いお話です:(;゙゚''ω゚''):
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