聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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2章

【202話】

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※モブ女悪魔×魔王があります。
 受けない方は飛ばして下さいね(*- -)(*_ _)ペコリ


 魔界のハレム。
 魔王専用のものだ。
 ここには魔界の中でも特に美しく、性技に長けた者だけが住むことを許される。
 女ばかりの大奥では争いは絶えない。
 だが今日は違った。

 魔王がハレムに来たのである。

 女悪魔たちは歓喜の声を上げた。
 もしも魔王の寵愛を受けることが出来たなら、己は王配になれるかもしれない。
 ならば確実に子を宿さなくてはならない。
 ソレは問題無かった。
 ハレムの女たちは常に排卵するように薬を所持している。

 そして多くの女悪魔がその薬を飲み干した。

 :::

 王の座で座る魔王は想像以上の美しさだった。
 雄々しさは無いが、中性的なその姿は女悪魔魔たちの心を打ちぬいた。
 我先にと魔王に枝垂れかかり、魔王の杯に酒を注ぐ。
 酔わせて前後不覚にするためだ。
 少し酔っているくらいの方が男は色ごとにのめり込む。
 魔王も例外では無いだろう。
 
 だが酒を幾ら飲ませても魔王は変わることが無い。
 
 そのエメラルドの目に光が差さない。
 欲望の光がその瞳には無いのだ。

 こうなったら体だけで勝負だと女悪魔たちは体を魔王に押し付ける。

 柔らかい塊が魔王の背や胸にあたる。
 それは本来なら甘美な感触であろう。
 だが魔王は反応しない。

 1人の女悪魔が魔王の唇に己の唇を重ねようとした。

 パァンッ!

「「「「「「「ヒィッ!!!」」」」」」

 女たちが恐怖の声を上げた。
 唇を重ねようとした女の顔が破裂したのだ。

「我は口づけを許した覚えはない」

 氷の様に冷たい相貌と声であった。
 その恐怖に失禁すらする女悪魔もいる。
 だが、口づけなどしなくても子種は宿せる。
 
 1人の女悪魔が魔王の陰茎に触れた。
 そしてソレを咥えこむ。
 吸いながらストロークして、舌で裏筋まで舐め上げる。
 
 だが魔王の陰茎に反応は無かった。
 どんなに奉仕しても魔王の陰茎は反応しない。

 口淫をしている女悪魔以外も魔王の性感であるであろう箇所を唇で愛撫する。
 だが魔王はピクリとも動かない。
 まるで銅像を相手にしている気分である。

 はぁ、と魔王の口から吐息が漏れる。
 それが情事の興奮から来ている訳では無い事は誰もが理解した。

「下がれ」

「もう少し!頑張らせて下さい!!」

 陰茎を咥えていた女悪魔ら魔王に直談判した。

 パァンッ!!

 そして頭が弾けた。

「反抗する輩は皆消す」

 ゾクリ、と肌が泡立つ。
 絶対零度でもまだ温かいだろうと思わせる冷たい声。
 そして感情の籠っていないその声は、周囲の悪魔たちの身を震わせた。

「魔王様、ココのハレムは得上の女を集めました。お気に召しませんでしたか?」

「興味ないな」

「では魔王様の好みの女を用意しましょう。魔王様は魔界に君臨する者として、子を作る必要があります。魔王様の血脈を途絶えさせるわけにはいけません。
どういった女なら、魔王様の気に召すのでしょうか?」

 ハレムを少し遠くから見守っていた宰相が魔王に問う。
 ハレムの責任者は王配が居ない今、宰相が取り仕切っている。
 何としてもここが必要な場所だと、己の能力は劣ってないのだと魔王に認識してもらう必要がある。
 そのため宰相は頭を弾かれる可能性に恐怖しながらも、魔王に問うたのだ。

 宰相の言葉に魔王は思考する。

 興味を抱ける女。
 傍に置きたい女。
 己の子を孕ませたい女。

「中性的な、空色の髪に翡翠の瞳の女を用意しろ」

「………承知しました」

 宰相は魔王に言いたい「否」の言葉を飲み込んだ。
 その特徴は現在、魔界で最も問題になっている少年の特徴そのものではないか。
 だが魔王がソレにしか反応しないのなら仕方ない。
 姿を変える能力を持つ女に、あの少年の外見に化けて貰えば済む話だ。

「次回は期待に応えます」

「そうか」

 そう言い、魔王はハレムを後にした。

 ハレムに残ったのは苦い顔をした宰相と、恐怖のあまり意識を朦朧とさせている女悪魔たちだけだであった。
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