234 / 297
2章
【206話】
しおりを挟む
「我々は何をすれば良いのでしょうか御使い様?」
ラーシュが恐る恐る尋ねる。
周りの全員がリリィの答えを待っている。
誰もが何をするべきか、判断を答えだすのをあぐねていた。
リリィは己が魔界に行き魔王と対峙すると言った。
つまりは人類の守護者として人間を守る役割は別のモノが行うと言う事だ。
そして今回集められた面子。
全能神に選ばれるだけの権力と実力を伴った人材。
防波堤となれ。
そう言う事なのだろうと誰もが思った。
「貴公たちにして貰いたいのは設立の指揮だ」
「「「「「「「「設立?」」」」」」」」
意外な言葉がリリィから出た。
悪魔が襲ってくるこの時に、何を設立するというのだろうか?
「国を護る聖結界を再び設立しようと思う」
「つまり再び聖女制度を復活させると言う事ですか?」
フォクウンの女法王であるウイルドが訪ねた。
己が聖女であったため、すぐにその結論に行きついたのだろう。
「いや、1人の少女を結界のために人生を捧げさせる気はない」
「ではどう結界を?」
「カカンとスティルグマにある大規模破邪結界を皆の国に設立して頂きたい」
成程、と皆が納得の顔をしていた。
カカン発祥の『大規模破邪結界』は千年前の大聖女が編み出した結界だ。
まだ聖女の存在が生み出されていなかった頃、異界から召喚された聖女が国を護るために結界を造り出した。
ソレを全ての国に作るのだとう言う。
「ですが千年も前の結界の記述が今も残っているのでしょうか?」
「ウイルド法王、ソレに関しては問題はありません。我が国カカンは千年前からの文献を全て管理してあります。特に大聖女の手記は厳重に保管しているので仕組みはすぐに解読出来ます」
心配そうなウイルド法王にローズ国王が答えた。
カカンには大聖女の残した手記が多数ある。
大聖女は結界のほかにも大陸を巡り、歴史を色々と塗り替えた人物である。
今の快適な生活が出来るのは大聖女のお陰と言っても過言ではない。
それほど大聖女が現れる前の千年前の大陸は文明が発達していなかったのだ。
なのでカカンは大国の中では小さい方だが、権力は帝国に勝るとも劣らない。
それだけの発言権がカカンの王族にはある。
今回カカンの結界のレシピを使う事で、カカンはさらに同盟国内での力を増すだろう。
それはリリィにはあまり望ましい結果ではないのではあるが、この際文句は言っていられない。
悪魔と戦争をする上でそれだけの代償なら安いものだ。
カカンがどれ程発言権を持っても、全能神から直接加護を受けた『雷帝』が居る限りガフティラベル帝国の頂点は揺るがない。
その意思を継ぐ息子には大義が重いだろうが。
「ローズ国王、アンドュアイス皇帝と共に結界の建設の指揮をとって頂きたい。良いだろうか?」
「勿論です。カカン大聖女の名のもとに全能神様の意思に従います」
「破邪の雷の加護を受けし使徒アンドュアイス、全能神様のご指示に従います」
ローズとアンドュアイスが首を垂れる。
ソレを見てリリィは満足げに頷いた。
ラーシュが恐る恐る尋ねる。
周りの全員がリリィの答えを待っている。
誰もが何をするべきか、判断を答えだすのをあぐねていた。
リリィは己が魔界に行き魔王と対峙すると言った。
つまりは人類の守護者として人間を守る役割は別のモノが行うと言う事だ。
そして今回集められた面子。
全能神に選ばれるだけの権力と実力を伴った人材。
防波堤となれ。
そう言う事なのだろうと誰もが思った。
「貴公たちにして貰いたいのは設立の指揮だ」
「「「「「「「「設立?」」」」」」」」
意外な言葉がリリィから出た。
悪魔が襲ってくるこの時に、何を設立するというのだろうか?
「国を護る聖結界を再び設立しようと思う」
「つまり再び聖女制度を復活させると言う事ですか?」
フォクウンの女法王であるウイルドが訪ねた。
己が聖女であったため、すぐにその結論に行きついたのだろう。
「いや、1人の少女を結界のために人生を捧げさせる気はない」
「ではどう結界を?」
「カカンとスティルグマにある大規模破邪結界を皆の国に設立して頂きたい」
成程、と皆が納得の顔をしていた。
カカン発祥の『大規模破邪結界』は千年前の大聖女が編み出した結界だ。
まだ聖女の存在が生み出されていなかった頃、異界から召喚された聖女が国を護るために結界を造り出した。
ソレを全ての国に作るのだとう言う。
「ですが千年も前の結界の記述が今も残っているのでしょうか?」
「ウイルド法王、ソレに関しては問題はありません。我が国カカンは千年前からの文献を全て管理してあります。特に大聖女の手記は厳重に保管しているので仕組みはすぐに解読出来ます」
心配そうなウイルド法王にローズ国王が答えた。
カカンには大聖女の残した手記が多数ある。
大聖女は結界のほかにも大陸を巡り、歴史を色々と塗り替えた人物である。
今の快適な生活が出来るのは大聖女のお陰と言っても過言ではない。
それほど大聖女が現れる前の千年前の大陸は文明が発達していなかったのだ。
なのでカカンは大国の中では小さい方だが、権力は帝国に勝るとも劣らない。
それだけの発言権がカカンの王族にはある。
今回カカンの結界のレシピを使う事で、カカンはさらに同盟国内での力を増すだろう。
それはリリィにはあまり望ましい結果ではないのではあるが、この際文句は言っていられない。
悪魔と戦争をする上でそれだけの代償なら安いものだ。
カカンがどれ程発言権を持っても、全能神から直接加護を受けた『雷帝』が居る限りガフティラベル帝国の頂点は揺るがない。
その意思を継ぐ息子には大義が重いだろうが。
「ローズ国王、アンドュアイス皇帝と共に結界の建設の指揮をとって頂きたい。良いだろうか?」
「勿論です。カカン大聖女の名のもとに全能神様の意思に従います」
「破邪の雷の加護を受けし使徒アンドュアイス、全能神様のご指示に従います」
ローズとアンドュアイスが首を垂れる。
ソレを見てリリィは満足げに頷いた。
2
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺あおい@1/23先視の王女の謀発売
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる