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【4話】
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「王子、今日は風呂に入るか?傷もふさがったし湯に浸かっても問題ないだろう」
「良いのか!?」
「薬湯風呂だ。打ち身や捻挫にも良く効く」
「その、魔術師も一緒に入るのか………?」
「何だ、私の裸が見たいのか?酔狂な、私の容貌を見るのは恐ろしくないのか?」
「私は、魔術師の容貌に興味はない…恐ろしい姿でも、きっと怖がりなんかしない………私は魔術師の事が、その…好意的に思っているから………」
魔術師が固まる。
予想外の言葉だった。
口移しの食事が大丈夫なのだから嫌悪されていないのは分かっていたが、これは予想以上に王子の魔術師への好意の感情が大きい。
大き過ぎる。
とてもじゃないが10歳の幼女が受け止めきれる熱量ではない。
魔術師は生まれてから先代魔術師以外の人間と接したことが無い。
魔物や精霊とは仲良くやっているが。
だが同種の存在に感情を向けられるのは初めてだった。
それもLIKEではなくLOVEのベクトルだ。
硬直したも仕方ないだろう。
「私も王子の事は好意的に思っているよ」
そう言って王子の頭を撫でるのが精いっぱいだった。
ちゃんと年上らしい態度だったはず。
自信は無いが多分大丈夫!
魔術師は自分に言い聞かせた。
王子の方を見ると顔を真っ赤にしていた。
耳まで赤い。
コレは、何と言うか可愛らしい。
7歳も年下の魔術師が言うのもなんだが、思わず抱きしめたくなる可愛い反応だ。
だがソレをすれば、何かの一線を越えてしまう。
魔術師は頭を撫でるだけで我慢した。
「………エヴァ」
「?」
「魔術師には名前で呼んで欲しい、私はエヴァ・ヴォール・ドラマツルギーだ」
「王子、名前を簡単に術が使える者に名乗るのは良くない。魂まで握られるぞ?」
「其方なら、魂を握られて良い」
「………エヴァ、お前の名は私が握ろう。それで他の者に名前を握られることは無いだろう。だがあくまで私の気紛れだと言う事を忘れるな。私がその気になれば名前を握られたお前は私に逆らう事は出来なくなるのだからな」
「うん、魔術師は優しいな…私の名前、ちゃんと握っておいてくれ」
そう言ってエヴァは満面の笑顔を浮かべた。
何1つ疑う事を知らない無垢な笑顔。
それを向けられてどう握った名前を悪用しろと言うのか。
小悪魔と言うのはこう言う存在を言うのかもしれない、そう魔術師は思った。
「…………アンヘル」
「え?」
「私の名前だ。アンヘル、お前が握っておけエヴァ」
「うん、うん!わかった、お前の名前は私が握るよ、アンヘル」
まるで甘い飴を舌の上で転がすように、魔術師ーアンヘルの名を嬉しそうに呼ぶ。
「さぁ風呂に行くぞ」
「アンヘルは一緒に入らないのに一緒に行くのか?」
「体を洗う手伝いだ。今さら見られて恥ずかしい所もあるまい?私はお前の身体で知らないところは無いよエヴァ、何ならお前よりお前の身体を知っている。腰に3つ並んだ黒子がある事もな」
クツクツとアンヘルが笑う。
そんなアンヘルにエヴァは顔を真っ赤にしてプルプル震えていた。
「わ、私だけ見られて損だ!アンヘルも全部見せるべきだ!」
少し涙目になってエヴァが言う。
悲しい訳じゃなく羞恥から来る生理的な涙だろう。
「ククク、魔術師が素顔を晒す訳が無いだろう?見たければ私を引ん剝くだけの実力を身に着けるんだなエヴァ」
「う~~~~いつか見てやる」
「その時を楽しみに待っていよう」
そんな会話をしながらアンヘルとエヴァは浴室へと向かった。
浴室は意外に広く、ハーブの良い香りが満ちている。
アンヘルが1番好んでるらしいラベンダーの香りが浴室には満ちていた。
「さぁ、それじゃぁ洗っていくぞ」
そう言って、アンヘルはローブの袖と裾を捲ってベルトで固定した。
しなやかな若木のような腕と足が露出される。
魔術師と言う稼業のわりにはしなやかに筋肉が付いていて健康的な足と腕だ。
肌が肌理細やかで白く真珠のようだ。
足が小さく、足の指の色も桜色をしている。
ソレを見て、エヴァは鼻血を吹いて気を失った。
結局、意識がないまま風呂に入れられ身を清められたエヴァは「また自分だけが体を好きにされた」と顔を真っ赤にして拗ねるのだった。
「良いのか!?」
「薬湯風呂だ。打ち身や捻挫にも良く効く」
「その、魔術師も一緒に入るのか………?」
「何だ、私の裸が見たいのか?酔狂な、私の容貌を見るのは恐ろしくないのか?」
「私は、魔術師の容貌に興味はない…恐ろしい姿でも、きっと怖がりなんかしない………私は魔術師の事が、その…好意的に思っているから………」
魔術師が固まる。
予想外の言葉だった。
口移しの食事が大丈夫なのだから嫌悪されていないのは分かっていたが、これは予想以上に王子の魔術師への好意の感情が大きい。
大き過ぎる。
とてもじゃないが10歳の幼女が受け止めきれる熱量ではない。
魔術師は生まれてから先代魔術師以外の人間と接したことが無い。
魔物や精霊とは仲良くやっているが。
だが同種の存在に感情を向けられるのは初めてだった。
それもLIKEではなくLOVEのベクトルだ。
硬直したも仕方ないだろう。
「私も王子の事は好意的に思っているよ」
そう言って王子の頭を撫でるのが精いっぱいだった。
ちゃんと年上らしい態度だったはず。
自信は無いが多分大丈夫!
魔術師は自分に言い聞かせた。
王子の方を見ると顔を真っ赤にしていた。
耳まで赤い。
コレは、何と言うか可愛らしい。
7歳も年下の魔術師が言うのもなんだが、思わず抱きしめたくなる可愛い反応だ。
だがソレをすれば、何かの一線を越えてしまう。
魔術師は頭を撫でるだけで我慢した。
「………エヴァ」
「?」
「魔術師には名前で呼んで欲しい、私はエヴァ・ヴォール・ドラマツルギーだ」
「王子、名前を簡単に術が使える者に名乗るのは良くない。魂まで握られるぞ?」
「其方なら、魂を握られて良い」
「………エヴァ、お前の名は私が握ろう。それで他の者に名前を握られることは無いだろう。だがあくまで私の気紛れだと言う事を忘れるな。私がその気になれば名前を握られたお前は私に逆らう事は出来なくなるのだからな」
「うん、魔術師は優しいな…私の名前、ちゃんと握っておいてくれ」
そう言ってエヴァは満面の笑顔を浮かべた。
何1つ疑う事を知らない無垢な笑顔。
それを向けられてどう握った名前を悪用しろと言うのか。
小悪魔と言うのはこう言う存在を言うのかもしれない、そう魔術師は思った。
「…………アンヘル」
「え?」
「私の名前だ。アンヘル、お前が握っておけエヴァ」
「うん、うん!わかった、お前の名前は私が握るよ、アンヘル」
まるで甘い飴を舌の上で転がすように、魔術師ーアンヘルの名を嬉しそうに呼ぶ。
「さぁ風呂に行くぞ」
「アンヘルは一緒に入らないのに一緒に行くのか?」
「体を洗う手伝いだ。今さら見られて恥ずかしい所もあるまい?私はお前の身体で知らないところは無いよエヴァ、何ならお前よりお前の身体を知っている。腰に3つ並んだ黒子がある事もな」
クツクツとアンヘルが笑う。
そんなアンヘルにエヴァは顔を真っ赤にしてプルプル震えていた。
「わ、私だけ見られて損だ!アンヘルも全部見せるべきだ!」
少し涙目になってエヴァが言う。
悲しい訳じゃなく羞恥から来る生理的な涙だろう。
「ククク、魔術師が素顔を晒す訳が無いだろう?見たければ私を引ん剝くだけの実力を身に着けるんだなエヴァ」
「う~~~~いつか見てやる」
「その時を楽しみに待っていよう」
そんな会話をしながらアンヘルとエヴァは浴室へと向かった。
浴室は意外に広く、ハーブの良い香りが満ちている。
アンヘルが1番好んでるらしいラベンダーの香りが浴室には満ちていた。
「さぁ、それじゃぁ洗っていくぞ」
そう言って、アンヘルはローブの袖と裾を捲ってベルトで固定した。
しなやかな若木のような腕と足が露出される。
魔術師と言う稼業のわりにはしなやかに筋肉が付いていて健康的な足と腕だ。
肌が肌理細やかで白く真珠のようだ。
足が小さく、足の指の色も桜色をしている。
ソレを見て、エヴァは鼻血を吹いて気を失った。
結局、意識がないまま風呂に入れられ身を清められたエヴァは「また自分だけが体を好きにされた」と顔を真っ赤にして拗ねるのだった。
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