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英雄は村娘になりました
6話
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どうやらマーギュリットは本気らしい。
ミュゲの嘘探知にも引っかからない。
本気でマーギュリットはミュゲに恋心を抱いている。
分かってしまうから質が悪い。
そしてマーギュリットの顔はミュゲの好みど真ん中である。
まぁ男だけど。
可愛いし?泣き顔とかそそるし?
今の自分は女だから別にマーギュリットの顔に好意を抱いたとて、お腐れ様の養分とはならないだろう。
そんな考えがミュゲの脳裏に渦巻いていた。
気分的には宇宙猫である。
涙で揺れる新緑の瞳がうっとりとミュゲを見つめる。
白い肌はバラ色に染まり、正直マーギュリットが女でミュゲが前世の通り男だったら美味しく頂いていたことは間違いない。
この6回の世界を救った英雄は意外と普通に人並みの煩悩を持った普通の男だったのである。
何回も言うが、今のミュゲは村娘だが。
「ミュゲ、駄目かい?僕は君の作るスープを毎日飲みたい」
コテリ、と小首を傾げる仕草がまた可愛い。
さてどうしようか?
いくら好みでも男に抱かれのはミュゲ的に生理的に受け付けない。
6度の人生、男として生きて来たのだ。
ほぼ2000年ミュゲは男であぅた。
大魔導士の時代なんてあまりの魔力量に年すら取らず、青年として数百年も生きた。
それはお盛んで堕落した下半身の欲望に従った人生を送ったものだ。
だが男は抱いた事はない。
ミュゲはノーマルである。
2000年生きたが、その道を踏み外したことは1度も無い。
お腐れ様の養分になる生き方をした事はないのだ。
なのでミュゲは村娘らしい対応を心がけてマーギュリットにNOをつきつけることにした。
「マーギュリット皇子、私はファミリーネームも無い身分低い村娘で、さらにはまだ12歳です。いきなり結婚と言うのはおかしいんじゃないでしょうか?」
「でも私が君の作るスープを毎日食べたいんだ」
「メイドとして雇えば話はすむのでは………?」
「メイド?そんなの考えもしなかった…でも、僕は君と同じベッドで寝て、毎日朝の最初の挨拶を君と交わしたいと思ったんだ。だから結婚しか思いつかなかった………」
「だったら今からでもメイドとして雇えば…?」
「やだ、私はミュゲを生涯の伴侶にしたい!」
ぷくっ、と頬を膨らます。
子供じみたその仕草にミュゲは父性本能すら抱きつつある。
なんにせよ、本気だから質が悪い。
だが父性は芽生えとて、ミュゲの心は男性だ。2000年男として生きた。流石に好みの顔でも男に盛るのは本能が許さない。
(せめて女が相手だったら話は違ったんだがな)
「ミュゲ、私のことは嫌いかい……?」
新緑の瞳が揺れる。
目頭が既に泣き過ぎで赤く染まっているのに、これ以上泣いたら大きな目が溶けてしまうのではないだろうか?
どうも自分はこの顔に弱いらしいとミュゲは結論付けた。
だが結婚は生理的に受け付けない。
多分、今の幼女のミュゲにマーギュリットは手を出さないだろうが、ミュゲが大人になったら間違いなく体の関係も持つことになるだろう。
マーギュリットの眼の奥の微かな欲望をミュゲは感じとってしまっている。
だから、メイドなら良いが花嫁は御免こうむりたい。
「マーギュリット皇子…」
「マーギュリットだ。マーギュリットと呼んでくれ」
「マーギュリット様、私はまだ12歳です。貴族とは違い、村娘は12歳で結婚したりしないんですよ。だから、私は結婚は承諾しかねます。メイドなら良いですよ?」
ニッコリと微笑んだ。
この笑みを浮かべれば大抵の相手は口を噤むことをミュゲは知っている。
マーギュリットは可愛い顔をしてるが、ミュゲだって負けていない。
7度の人生、絶世の美貌を貫き通しているのだ。
濃すぎて漆黒にすら見える紅の髪と瞳。美男にも美女にも見える中性的なシンメトリーの顔。神様が特別に気合を入れて作ったとしか思えない整った容姿。あまりの美貌に男も女も狂わせるため、ミュゲは常に【認識阻害】の魔術を使用している。それはこの村娘の人生においても一緒だった。
だが背に腹は変えられない。ミュゲは【認識阻害】を解いてマーギュリットに微笑んだのだった。
この顔に微笑まれてミュゲに「否」を返した者はいない。
「ヤダ」
「え”っ?」
「花嫁でないと嫌だ。私は君に心奪われたんだ!メイドではなく結婚相手としてミュゲが欲しいんだ!」
(あ”~このタイプは初めてだ…私の微笑が効かないとか、ちょっと面白い。正直怖いもの見たさで近くに居るとこの男がどうなるのか見てみたいとさえ思えるな。
魅了の術を使用していないのに、本気で私に惚れているぞこの男。ロリでもペドでもない様なのに、「村娘ミュゲ」に心底惚れている…出会った瞬間には【認識阻害】をかけていたから外見で魅了されたりしたわけではないみたいだ。脳の中を見てみたいな。
一緒のベッドに入ったら脳を弄る機会もあるか?どうする?いっそ結婚してしまうか?肉欲がこの男に生まれる前に逃げ出せば良いし………)
「ミュゲ!大丈夫かぁぁぁぁぁぁっぁあああっぁぁぁあっ!!!」
バキッ!!
大声と共に、屈強な男がドアを蹴破って入ってきた。
ミュゲの父親である。
それはちょうどマーギュリットがミュゲにプロポーズをして2分後の出来事であった。
ミュゲの嘘探知にも引っかからない。
本気でマーギュリットはミュゲに恋心を抱いている。
分かってしまうから質が悪い。
そしてマーギュリットの顔はミュゲの好みど真ん中である。
まぁ男だけど。
可愛いし?泣き顔とかそそるし?
今の自分は女だから別にマーギュリットの顔に好意を抱いたとて、お腐れ様の養分とはならないだろう。
そんな考えがミュゲの脳裏に渦巻いていた。
気分的には宇宙猫である。
涙で揺れる新緑の瞳がうっとりとミュゲを見つめる。
白い肌はバラ色に染まり、正直マーギュリットが女でミュゲが前世の通り男だったら美味しく頂いていたことは間違いない。
この6回の世界を救った英雄は意外と普通に人並みの煩悩を持った普通の男だったのである。
何回も言うが、今のミュゲは村娘だが。
「ミュゲ、駄目かい?僕は君の作るスープを毎日飲みたい」
コテリ、と小首を傾げる仕草がまた可愛い。
さてどうしようか?
いくら好みでも男に抱かれのはミュゲ的に生理的に受け付けない。
6度の人生、男として生きて来たのだ。
ほぼ2000年ミュゲは男であぅた。
大魔導士の時代なんてあまりの魔力量に年すら取らず、青年として数百年も生きた。
それはお盛んで堕落した下半身の欲望に従った人生を送ったものだ。
だが男は抱いた事はない。
ミュゲはノーマルである。
2000年生きたが、その道を踏み外したことは1度も無い。
お腐れ様の養分になる生き方をした事はないのだ。
なのでミュゲは村娘らしい対応を心がけてマーギュリットにNOをつきつけることにした。
「マーギュリット皇子、私はファミリーネームも無い身分低い村娘で、さらにはまだ12歳です。いきなり結婚と言うのはおかしいんじゃないでしょうか?」
「でも私が君の作るスープを毎日食べたいんだ」
「メイドとして雇えば話はすむのでは………?」
「メイド?そんなの考えもしなかった…でも、僕は君と同じベッドで寝て、毎日朝の最初の挨拶を君と交わしたいと思ったんだ。だから結婚しか思いつかなかった………」
「だったら今からでもメイドとして雇えば…?」
「やだ、私はミュゲを生涯の伴侶にしたい!」
ぷくっ、と頬を膨らます。
子供じみたその仕草にミュゲは父性本能すら抱きつつある。
なんにせよ、本気だから質が悪い。
だが父性は芽生えとて、ミュゲの心は男性だ。2000年男として生きた。流石に好みの顔でも男に盛るのは本能が許さない。
(せめて女が相手だったら話は違ったんだがな)
「ミュゲ、私のことは嫌いかい……?」
新緑の瞳が揺れる。
目頭が既に泣き過ぎで赤く染まっているのに、これ以上泣いたら大きな目が溶けてしまうのではないだろうか?
どうも自分はこの顔に弱いらしいとミュゲは結論付けた。
だが結婚は生理的に受け付けない。
多分、今の幼女のミュゲにマーギュリットは手を出さないだろうが、ミュゲが大人になったら間違いなく体の関係も持つことになるだろう。
マーギュリットの眼の奥の微かな欲望をミュゲは感じとってしまっている。
だから、メイドなら良いが花嫁は御免こうむりたい。
「マーギュリット皇子…」
「マーギュリットだ。マーギュリットと呼んでくれ」
「マーギュリット様、私はまだ12歳です。貴族とは違い、村娘は12歳で結婚したりしないんですよ。だから、私は結婚は承諾しかねます。メイドなら良いですよ?」
ニッコリと微笑んだ。
この笑みを浮かべれば大抵の相手は口を噤むことをミュゲは知っている。
マーギュリットは可愛い顔をしてるが、ミュゲだって負けていない。
7度の人生、絶世の美貌を貫き通しているのだ。
濃すぎて漆黒にすら見える紅の髪と瞳。美男にも美女にも見える中性的なシンメトリーの顔。神様が特別に気合を入れて作ったとしか思えない整った容姿。あまりの美貌に男も女も狂わせるため、ミュゲは常に【認識阻害】の魔術を使用している。それはこの村娘の人生においても一緒だった。
だが背に腹は変えられない。ミュゲは【認識阻害】を解いてマーギュリットに微笑んだのだった。
この顔に微笑まれてミュゲに「否」を返した者はいない。
「ヤダ」
「え”っ?」
「花嫁でないと嫌だ。私は君に心奪われたんだ!メイドではなく結婚相手としてミュゲが欲しいんだ!」
(あ”~このタイプは初めてだ…私の微笑が効かないとか、ちょっと面白い。正直怖いもの見たさで近くに居るとこの男がどうなるのか見てみたいとさえ思えるな。
魅了の術を使用していないのに、本気で私に惚れているぞこの男。ロリでもペドでもない様なのに、「村娘ミュゲ」に心底惚れている…出会った瞬間には【認識阻害】をかけていたから外見で魅了されたりしたわけではないみたいだ。脳の中を見てみたいな。
一緒のベッドに入ったら脳を弄る機会もあるか?どうする?いっそ結婚してしまうか?肉欲がこの男に生まれる前に逃げ出せば良いし………)
「ミュゲ!大丈夫かぁぁぁぁぁぁっぁあああっぁぁぁあっ!!!」
バキッ!!
大声と共に、屈強な男がドアを蹴破って入ってきた。
ミュゲの父親である。
それはちょうどマーギュリットがミュゲにプロポーズをして2分後の出来事であった。
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