9 / 109
8
しおりを挟む
白ヤギさんからお手紙着いた♫
黒ヤギさんたら読まずに食べた♪
なんて事は魔道具なので起こることは無い。
ルーシュは己の持つ魔道具(メモ帳型)に届いた文を見て頭を抱えたくなった。
つい最近来た文で嫌な予感はしていたのだ。
”大型犬を拾ってしまった”
この時点で何かに巻き込まれる予感はしていた。
昔から友人の誑しフェロモンのせいでルーシュは迷惑しか被った事しかない。
”家出するからしばらく泊めて貰う”
この文が止めだった。
友人はすぐにルーシュの元に来るだろう。
そう今この瞬間に。
「久しいなルーシュ!頭抱え込んでどうしたんだ?地面が恋しくなったか?何なら背が低くなる魔術でも開発してやろうか?」
何故神はこの人物に大陸中を【空間転移】で移動するような人外な能力を与えたもうたのか…。
「サイヒ、頼むから避難先は別の人物にしてくれ」
「仕方ないだろう?私の伝手などカカンか他国の聖女くらいしかない。カカンは自分から出て来た訳だし、他国の聖女は私を崇拝しているからな。正直言って面倒臭い。お前の所が不自由なくて1番都合が良いんだ」
「せめてコチラの都合を調べてから来てくれ」
「ちゃんと調べたぞ?だから屋敷でも聖騎士用の宿舎でもなくコチラに来たのではないか。それにしても変わるものだな、メイド服が意外と似合っている」
「お前にだけはメイド服見られたくなかったよ畜生!!」
「人生とは苦難の連続だ。悔しさをバネに頑張れルーシュ」
「お前が出て行ってくれたら苦難の1つは去るんだけどな!」
「若い頃の苦労は買ってでもしろと言うだろ?私はその点、お買い得だぞ」
「自分からセールスしてくる奴にろくな奴は居ねーよ!!」
「あまり怒るな、血圧が上がるぞ。私の2人しかいない親友の1人が齢15で脳梗塞を起こして亡くなるのは勘弁して欲しいな。流石に私も涙の1粒位は流すかも知れんぞ?」
「何で疑問文なんだよ!そして私の血圧を上げているのはお前だサイヒ!そのノウコーソクとやらは良く分からないが若くしてなる病気じゃないことぐらいは分かるぞ!」
「流石親友。理解力が高くて助かるな」
「褒められてるのに嬉しくない!!」
「年長者からの好意は遠慮せずに受け取っておけ。遠慮せんで良いぞ」
「受け取る行為以上にデメリットが大きすぎて受け入れられないんだろうが!大体他国の聖女が居る神殿に入ってきて大丈夫なのか?」
「案ずるな、この国の結界のセキュリティなど私には無いに等しい」
「今すっごい嫌な情報を与えられた!」
「フレイムアーチャは聖女が交代してまだ半年もしていないだろう。私の存在を知らないから動きやすい。【認識阻害】もかけて私は神官か何かの仕事をするから寝る場所だけ提供してくれればよい。相部屋に1人で暮らしているんだ、ベッドは1つ余っているだろう?」
「何で知ってるかなぁ!?」
「事情を調べて来いと言ったのはお前だろうが。大丈夫だ、がっつり事情を調べて来た。後はルーシュが受け入れるだけだ」
「ちなみに拒否権は?」
「最近、性別を操る呪術師の存在を知ってだな、この国の第1王女に報告するか悩んでいる所だ」
「どうぞ好きなだけ止まって行ってくれ!」
何故か家出してきたサイヒに、転げ込まれたルーシュが土下座をすると言う謎の光景が展開されていた。
きっとルーシュは、サイヒのガフティラベル帝国の胃痛持ちの友人とも仲良くなれる事だろう。
お人好しで苦労性な人間同士気が合うに違いない。
「それは有難いな。泊まらせて貰っている間は幾らでも手合わせに付き合うぞ?」
「え、マジ!?」
とたんルーシュの目が輝いた。
ルーシュは中々のバトルジャンキーなのである。
そこに恐らく大陸1の力を持つサイヒの登場だ。
目を輝かせるのも無理もない。
こうしてルーシュの部屋に人外(本人は否定している)がしばらく居候することになったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この話は【聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~】とリンクしていますのでソチラを読んだ方が意味が分かりやすいです。
どちらかと言うとあちらの話がメインでこちらがサブなので(;^ω^)
その内、キャラがごちゃ混ぜになって話の垣根なく交流を深めていく事になります。
黒ヤギさんたら読まずに食べた♪
なんて事は魔道具なので起こることは無い。
ルーシュは己の持つ魔道具(メモ帳型)に届いた文を見て頭を抱えたくなった。
つい最近来た文で嫌な予感はしていたのだ。
”大型犬を拾ってしまった”
この時点で何かに巻き込まれる予感はしていた。
昔から友人の誑しフェロモンのせいでルーシュは迷惑しか被った事しかない。
”家出するからしばらく泊めて貰う”
この文が止めだった。
友人はすぐにルーシュの元に来るだろう。
そう今この瞬間に。
「久しいなルーシュ!頭抱え込んでどうしたんだ?地面が恋しくなったか?何なら背が低くなる魔術でも開発してやろうか?」
何故神はこの人物に大陸中を【空間転移】で移動するような人外な能力を与えたもうたのか…。
「サイヒ、頼むから避難先は別の人物にしてくれ」
「仕方ないだろう?私の伝手などカカンか他国の聖女くらいしかない。カカンは自分から出て来た訳だし、他国の聖女は私を崇拝しているからな。正直言って面倒臭い。お前の所が不自由なくて1番都合が良いんだ」
「せめてコチラの都合を調べてから来てくれ」
「ちゃんと調べたぞ?だから屋敷でも聖騎士用の宿舎でもなくコチラに来たのではないか。それにしても変わるものだな、メイド服が意外と似合っている」
「お前にだけはメイド服見られたくなかったよ畜生!!」
「人生とは苦難の連続だ。悔しさをバネに頑張れルーシュ」
「お前が出て行ってくれたら苦難の1つは去るんだけどな!」
「若い頃の苦労は買ってでもしろと言うだろ?私はその点、お買い得だぞ」
「自分からセールスしてくる奴にろくな奴は居ねーよ!!」
「あまり怒るな、血圧が上がるぞ。私の2人しかいない親友の1人が齢15で脳梗塞を起こして亡くなるのは勘弁して欲しいな。流石に私も涙の1粒位は流すかも知れんぞ?」
「何で疑問文なんだよ!そして私の血圧を上げているのはお前だサイヒ!そのノウコーソクとやらは良く分からないが若くしてなる病気じゃないことぐらいは分かるぞ!」
「流石親友。理解力が高くて助かるな」
「褒められてるのに嬉しくない!!」
「年長者からの好意は遠慮せずに受け取っておけ。遠慮せんで良いぞ」
「受け取る行為以上にデメリットが大きすぎて受け入れられないんだろうが!大体他国の聖女が居る神殿に入ってきて大丈夫なのか?」
「案ずるな、この国の結界のセキュリティなど私には無いに等しい」
「今すっごい嫌な情報を与えられた!」
「フレイムアーチャは聖女が交代してまだ半年もしていないだろう。私の存在を知らないから動きやすい。【認識阻害】もかけて私は神官か何かの仕事をするから寝る場所だけ提供してくれればよい。相部屋に1人で暮らしているんだ、ベッドは1つ余っているだろう?」
「何で知ってるかなぁ!?」
「事情を調べて来いと言ったのはお前だろうが。大丈夫だ、がっつり事情を調べて来た。後はルーシュが受け入れるだけだ」
「ちなみに拒否権は?」
「最近、性別を操る呪術師の存在を知ってだな、この国の第1王女に報告するか悩んでいる所だ」
「どうぞ好きなだけ止まって行ってくれ!」
何故か家出してきたサイヒに、転げ込まれたルーシュが土下座をすると言う謎の光景が展開されていた。
きっとルーシュは、サイヒのガフティラベル帝国の胃痛持ちの友人とも仲良くなれる事だろう。
お人好しで苦労性な人間同士気が合うに違いない。
「それは有難いな。泊まらせて貰っている間は幾らでも手合わせに付き合うぞ?」
「え、マジ!?」
とたんルーシュの目が輝いた。
ルーシュは中々のバトルジャンキーなのである。
そこに恐らく大陸1の力を持つサイヒの登場だ。
目を輝かせるのも無理もない。
こうしてルーシュの部屋に人外(本人は否定している)がしばらく居候することになったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この話は【聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~】とリンクしていますのでソチラを読んだ方が意味が分かりやすいです。
どちらかと言うとあちらの話がメインでこちらがサブなので(;^ω^)
その内、キャラがごちゃ混ぜになって話の垣根なく交流を深めていく事になります。
12
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
ブックマーク・評価、宜しくお願いします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる