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追記
雲の上
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高い高い白い雲を見上げる。真っ青な空に浮かぶそれは、綺麗に積み上がり何処まで続いているのだろう。
「まーた見てる、ホント好きだな」
頭をポンと叩いたのは、丸められたルーズリーフの束。
「ついね。見ちゃうんだよ」
「授業中に居眠りして、珍しく起きたと思ったらボーッとして、いい加減さぁ自分でノート取れよ」
「とか言いつつ何時も写させてくれるよね。ありがと」
手を差し出せば、その束を渡してくれた。
受け取ろうとした瞬間に風が強く吹いて、それはルーズリーフを空に舞い上げる。
「あああっ!!」
必死に舞う紙を追いかけて集める様子を横目に、僕はまた空を見上げる。
「……いい加減にしろ……ってか?」
もう居ない自分によく似た兄を思い出して呟いた。
「ん?なんか言ったか?」
「ううん。何も。早く、集めるよ!」
「いや、誰のせいだと思ってるんだよ……!」
笑いながらルーズリーフを拾い上げている僕らを空は見ている。
雲の上は何時も青空で色付いているんだ。
「まーた見てる、ホント好きだな」
頭をポンと叩いたのは、丸められたルーズリーフの束。
「ついね。見ちゃうんだよ」
「授業中に居眠りして、珍しく起きたと思ったらボーッとして、いい加減さぁ自分でノート取れよ」
「とか言いつつ何時も写させてくれるよね。ありがと」
手を差し出せば、その束を渡してくれた。
受け取ろうとした瞬間に風が強く吹いて、それはルーズリーフを空に舞い上げる。
「あああっ!!」
必死に舞う紙を追いかけて集める様子を横目に、僕はまた空を見上げる。
「……いい加減にしろ……ってか?」
もう居ない自分によく似た兄を思い出して呟いた。
「ん?なんか言ったか?」
「ううん。何も。早く、集めるよ!」
「いや、誰のせいだと思ってるんだよ……!」
笑いながらルーズリーフを拾い上げている僕らを空は見ている。
雲の上は何時も青空で色付いているんだ。
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