武器屋がない世界で主人公が仲間を探して錬成だけで成り上がる

仲間一人目、由緒ある勇者を生む町

「あれが町かな？」
《勇者の町、サーナウド》
「仲間がいそうな町だな」
　すると、声が聞こえてきた。

「なんでいけないのよ！」
「勇者は代々男と決まっている。でも、お前は女だ。勇者にはなれん」
「女勇者だっているじゃない」
「ぐぬぬ。確かにそうだが、旅に出すわけには」
「もういい。出ていくわ！」
「おい、リアン」

　向かいの家から、女の子が出てきた。着替えていたのか、服が乱れている。良く見るとかわいい。

「あら、あなたは？」
「俺はマルファン。錬成師だ。仲間を求めてこの町に来たんだが、その格好を何とかしてくれ」
「着替えてるのを忘れてた。少し後ろ向いてて」
　マルファンは後ろを向く。

「もう、良いわよ」
　リアンは服を着ていた。
「勇者なのか？」
「正確には目指している、ね。まだ、なれた訳じゃないのよ」
「魔法とかは使えるのか？」
「まだ、覚えてないわね。力は少しはあると思うけど」

《リアンのステータスを取得しました》
・力：５
・守り：３
・魔力：３
・ランク：１
・装備ランク：２【装備できる武器などのグレード】
***
《現在の装備》
石の剣 力＋1
皮の盾 守り＋1
鉄兜 守り＋1
旅人の服 守り＋1
祈りの指輪 体力回復
***

「ランクが低いな」
「仕方ないのよ。お金がないから買えなくて」
「俺が錬成してやるよ」
「本当ですか？」
「ああ」

《自動錬成します》
銅の剣 強度は３ 力＋２
うろこの盾 強度は２ 守り＋２
鎖かたびら 強度は３ 守り＋３
「装備してみろ」
　リアンは装備した。
力５→７
守り３→８
「これなら大丈夫だろう」

「ありがとうございます」
「礼は良い」
「私の恥ずかしいところを見たのは無かったことにしますね」
「気にしてたのか？」
「女の子よ！」
「すまん」

「許してあげる。行きましょう」
　マルファンはリアンと町を出た。