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予知の内容
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バルト・フォックスの調書に目を通した国王は、深いため息をついた。
「こやつは王族に害をなした罪で罰せねばならん…が、確かにリュウの王位継承については考え直す必要があるな」
先に調書に目を通していた宰相も同じ気持ちだった。
簡単に暗示にかかるような者が国王になっては、あっという間に国が傾くだろう。
さらに秘書官がいなければ婚約者への贈り物一つできないときている。
秘書官のルーイ・スワンが誠実な人間であったから良いものの、そうでなければあっという間に悪事に利用されていただろう。
「国法では陛下の第一子が王位継承権第一位となりますが――健康的な理由や政治的な理由により継承権の放棄や剥奪などはございますので、必ず第一子が国王となる必要はありません。
幸い第一王女殿下も第二王子殿下も健やかにお育ちでございます。
決めるのならば早い方がよいでしょう」
法務大臣の言葉に、国王は頷く。
「剥奪する方向で動く。だが、まずは巫女の予知を確認せねばならん。――ダイヤ殿をお招きせよ」
巫女の予知の内容を知るときは、国王と教会の最高責任者の同席が必須であった。
予知の改ざんを防ぐためである。
ダイヤとは教会の最高責任者の役職名だ。
10年前からダイヤの職に就いている老齢の男は、一見すると好好爺である。
しかし、教会という一筋縄ではいかない組織をまとめ上げるだけあって、頭の回転は速く狡猾さや腹黒さも持ち合わせていた。
優しいだけの人物であるはずがない。
この国において唯一、国王の命令に面と向かって異を唱えることが出来る人物だ。
会議室に国王とダイヤを含む関係者が全員集まると、宰相が録音機を再生した。
録音機から今代の巫女の声が流れる。
『女性――若い女性。藍色の、長い髪をハーフアップにしている。薄紫のレースがあしらわれたドレスを身につけている。
とても綺麗な人。私は会ったことはない人。
花を咥えた鷲の…絵?…暖炉の上に飾られてる…。家紋…。
女の子――15歳くらい? 縄で縛られて、横になってる。…怯えた顔をしている。
若い女性は手に小瓶を持ってる。緑色の液体。女の子に無理矢理飲ませた。
女の子は飲んでしばらくして血を吐いた。動かなくなった…。
女性は笑った。『これで邪魔者は消えた』と言った。
場所が変って…。
ラビ…リンス…?という文字。川の畔にある古い感じのお屋敷。喪服の人。…エマが死んだ、葬儀?
権力争いの…力関係が変った…?』
(15歳の少女――エマ・ラビリンスがその少女なのだとしたら、事件の発生は5年ほど先か…。バルト・フォックスが言っていたのはこのことだな)
予知を聞いた国王が真っ先に思ったのはそれだった。
「ふむ…これが漏洩した予知ですか」
「えぇ…」
ダイヤにはあらかじめ、事の一部始終を国王自らが手紙にしたためて渡してある。
隠蔽することも出来たが、発覚すれば教会との関係がより悪化することは免れない。
宴の場にいた者達には箝口令を敷いたとはいえ、人の口に戸は立てられないのだ。どこからか漏れる可能性はある。
漏洩したことにダイヤがどのような反応をするか――王家を非難することはもちろん、何らかの見返りを求められることも危惧していたが、会議室に現れた彼は常と変らぬ様子だった。
かえって不気味である。
「毒殺されたであろう少女を割り出すことが出来れば、時期の割り出しはできそうですな。――そういえば被害者とされる少女については、既に目星がついているのでしたか?
その者で間違いなさそうですか?」
「――いいや。被害者候補とされている者はおりますが、この予知内容では断定はできませんな。
毒を飲んで血を吐いた娘と、死んだエマという者が同一人物ならば、その名を元に探し出すことは出来るやもしれないが…。エマはありふれた名であり、後世の事象であれば、なおのこと特定など出来ないでしょう」
「それもそうですなぁ」
宴の場での出来事により余計な先入観がある国王達には、予知の内容をアイシャ・イーグルとエマ・ラビリンスに紐付けようとしてしまう。
ここはやはり巫女から聞き取りを行い、予知の内容に肉付けを行うしかないだろう。
日数が経っているため彼女の記憶が薄れている可能性が高いが、聞かずにいるよりはましだろう。
国王が口を開くより早く、ダイヤがのんびりした口調で言った。
「まあ、この予知に関しては未発生の事象として記録して終わりにしてもよろしいのではないですかな」
「――何ですと?」
予想外の言葉に、国王は驚く。
宰相も、記録を取っていた機密情報管理責任者も驚き動きを止めた。
前回巫女の予知を聞いたときは、この老人はすぐに巫女を呼び出して、予知の詳細を確認することを求めた。
自然災害という国家全体に関わる問題だったこともあるだろうが、それにしても今回は見切りを付けるのが早い。早すぎる。
巫女の最後の言葉『権力争いの力関係が変る』ことに、少しは興味を示してもよさそうだが、教会には一切関係が無いことだと知っているとでもいうのか。
(この爺、何を隠しておる…)
国王は警戒した。
顔には出していないが、ダイヤにはお見通しのようだ。
「ふっ。そのように警戒なさる必要はありません。耄碌爺の戯れ言ととって貰っても構いませんが、捨て置いても構わないという根拠があるのです」
「――ほう…?」
警戒を解くことのない国王に、ダイヤこれ以上もったい付けても仕方が無いため、さっさと種明かしをすることとした。
「初代巫女様の予知で、不可解なものが一つありましたなぁ…。確か――『愚かなる竜王』、でしたかな?」
「それは…」
「――はい、ございます。初代先読みの巫女――オパール王女の予知の中に、詳細な記録がないものが1つ存在しております」
国王に代わって機密情報管理責任者が答えた。
彼の手元には過去の巫女達が予知した記録の束がある。
「何と書いてあるのだ」
「はい。オパール王女の9つめの予知は『愚かなる竜王』この一言のみです。補足として『王女はこの予知は外してはならない。外すことで国の存続が危ぶまれると言ったため、予知の詳細は記録に残さない』と記載されております」
「外してはならない予知――まさか、ダイヤ殿は此度の騒動がこの予知によるものだと言うのですかな?」
ダイヤは微笑して首肯したが、国王は納得できなかった。
「教会のダイヤの職に就いた者のみに引き継がれる事がありましてね。その中には初代巫女様のお言葉がございます。
――回避してはいけない予知についてのね」
「…」
王家にて厳重管理されている正式な記録には残されていないが、教会にのみこの予知の詳細が残されているのだと。
「こちらは初代先読みの巫女が、当時ダイヤの職に就いていた者に宛てた手紙の写しです。――ああ、この写しは差し上げますので、一生懸命書き取らなくて良いですよ。少し省略してお教えしますが、それなりに長いですからね」
ダイヤは懐から紙を取り出すと、それを読み上げた。
『親愛なるシリウス殿。
私はまた一つ、この国の未来の一部を視ることができました。
今までは災害や戦といった回避せねばならない未来ばかりでしたが、今回は違います。
この国の未来のためには、この予知を回避してはなりません。
ここで予知を回避しても、きっと違った形で同じ事が起きてしまう。私はそれを防ぎたいのです。
数百年後の未来において先読みの力を持つ者の扱いを誤り、国が滅ぶ切っ掛けを与えたくはない。
リュウという王子が巫女に懸想をして、巫女の予知を元に婚約者を断罪する未来を視ました。
巫女により大災害の危機を幾度も回避してきた結果、この王子は巫女に傾倒します。
定められた婚約者を大事にすることなく、1人の女性として巫女を慕うようになるのです。
いずれ国の頂点に立つ者として、相応しくない振る舞いです。
この者が王となれば、我が国は滅びるでしょう。
私はこの予知を『愚かなる竜王』と呼ぶことにいたしました。
この出来事は王族と巫女の関係を見直す良い切っ掛けとなるはずです。
シリウス殿、勝手なお願いですがこの予知を貴方に預かって欲しいのです。
しかるべき時が来るまで予知の内容を教会で引き継ぎ、王家に秘匿し続けてください。
この時巫女が視た予知はこの騒動により回避されるようですので、心配はありません。
オパールより』
ダイヤが王女の手紙を一部抜粋して読みあげると、国王は唸った。
「…そういうことですか…」
「はい。ですので今回の巫女の予知については、巫女に詳細な説明を求めるつもりはありません。
――この後の処遇については、国王陛下にお任せいたします。王位継承は教会が関与することではありませんからな」
ダイヤは国王に手紙の写しを渡すと、もう用はないと言わんばかりに部屋を出て行った。
彼は廊下で待機していたコランダム――教会においてダイヤの次に高い役職――を連れて帰って行った。
「こやつは王族に害をなした罪で罰せねばならん…が、確かにリュウの王位継承については考え直す必要があるな」
先に調書に目を通していた宰相も同じ気持ちだった。
簡単に暗示にかかるような者が国王になっては、あっという間に国が傾くだろう。
さらに秘書官がいなければ婚約者への贈り物一つできないときている。
秘書官のルーイ・スワンが誠実な人間であったから良いものの、そうでなければあっという間に悪事に利用されていただろう。
「国法では陛下の第一子が王位継承権第一位となりますが――健康的な理由や政治的な理由により継承権の放棄や剥奪などはございますので、必ず第一子が国王となる必要はありません。
幸い第一王女殿下も第二王子殿下も健やかにお育ちでございます。
決めるのならば早い方がよいでしょう」
法務大臣の言葉に、国王は頷く。
「剥奪する方向で動く。だが、まずは巫女の予知を確認せねばならん。――ダイヤ殿をお招きせよ」
巫女の予知の内容を知るときは、国王と教会の最高責任者の同席が必須であった。
予知の改ざんを防ぐためである。
ダイヤとは教会の最高責任者の役職名だ。
10年前からダイヤの職に就いている老齢の男は、一見すると好好爺である。
しかし、教会という一筋縄ではいかない組織をまとめ上げるだけあって、頭の回転は速く狡猾さや腹黒さも持ち合わせていた。
優しいだけの人物であるはずがない。
この国において唯一、国王の命令に面と向かって異を唱えることが出来る人物だ。
会議室に国王とダイヤを含む関係者が全員集まると、宰相が録音機を再生した。
録音機から今代の巫女の声が流れる。
『女性――若い女性。藍色の、長い髪をハーフアップにしている。薄紫のレースがあしらわれたドレスを身につけている。
とても綺麗な人。私は会ったことはない人。
花を咥えた鷲の…絵?…暖炉の上に飾られてる…。家紋…。
女の子――15歳くらい? 縄で縛られて、横になってる。…怯えた顔をしている。
若い女性は手に小瓶を持ってる。緑色の液体。女の子に無理矢理飲ませた。
女の子は飲んでしばらくして血を吐いた。動かなくなった…。
女性は笑った。『これで邪魔者は消えた』と言った。
場所が変って…。
ラビ…リンス…?という文字。川の畔にある古い感じのお屋敷。喪服の人。…エマが死んだ、葬儀?
権力争いの…力関係が変った…?』
(15歳の少女――エマ・ラビリンスがその少女なのだとしたら、事件の発生は5年ほど先か…。バルト・フォックスが言っていたのはこのことだな)
予知を聞いた国王が真っ先に思ったのはそれだった。
「ふむ…これが漏洩した予知ですか」
「えぇ…」
ダイヤにはあらかじめ、事の一部始終を国王自らが手紙にしたためて渡してある。
隠蔽することも出来たが、発覚すれば教会との関係がより悪化することは免れない。
宴の場にいた者達には箝口令を敷いたとはいえ、人の口に戸は立てられないのだ。どこからか漏れる可能性はある。
漏洩したことにダイヤがどのような反応をするか――王家を非難することはもちろん、何らかの見返りを求められることも危惧していたが、会議室に現れた彼は常と変らぬ様子だった。
かえって不気味である。
「毒殺されたであろう少女を割り出すことが出来れば、時期の割り出しはできそうですな。――そういえば被害者とされる少女については、既に目星がついているのでしたか?
その者で間違いなさそうですか?」
「――いいや。被害者候補とされている者はおりますが、この予知内容では断定はできませんな。
毒を飲んで血を吐いた娘と、死んだエマという者が同一人物ならば、その名を元に探し出すことは出来るやもしれないが…。エマはありふれた名であり、後世の事象であれば、なおのこと特定など出来ないでしょう」
「それもそうですなぁ」
宴の場での出来事により余計な先入観がある国王達には、予知の内容をアイシャ・イーグルとエマ・ラビリンスに紐付けようとしてしまう。
ここはやはり巫女から聞き取りを行い、予知の内容に肉付けを行うしかないだろう。
日数が経っているため彼女の記憶が薄れている可能性が高いが、聞かずにいるよりはましだろう。
国王が口を開くより早く、ダイヤがのんびりした口調で言った。
「まあ、この予知に関しては未発生の事象として記録して終わりにしてもよろしいのではないですかな」
「――何ですと?」
予想外の言葉に、国王は驚く。
宰相も、記録を取っていた機密情報管理責任者も驚き動きを止めた。
前回巫女の予知を聞いたときは、この老人はすぐに巫女を呼び出して、予知の詳細を確認することを求めた。
自然災害という国家全体に関わる問題だったこともあるだろうが、それにしても今回は見切りを付けるのが早い。早すぎる。
巫女の最後の言葉『権力争いの力関係が変る』ことに、少しは興味を示してもよさそうだが、教会には一切関係が無いことだと知っているとでもいうのか。
(この爺、何を隠しておる…)
国王は警戒した。
顔には出していないが、ダイヤにはお見通しのようだ。
「ふっ。そのように警戒なさる必要はありません。耄碌爺の戯れ言ととって貰っても構いませんが、捨て置いても構わないという根拠があるのです」
「――ほう…?」
警戒を解くことのない国王に、ダイヤこれ以上もったい付けても仕方が無いため、さっさと種明かしをすることとした。
「初代巫女様の予知で、不可解なものが一つありましたなぁ…。確か――『愚かなる竜王』、でしたかな?」
「それは…」
「――はい、ございます。初代先読みの巫女――オパール王女の予知の中に、詳細な記録がないものが1つ存在しております」
国王に代わって機密情報管理責任者が答えた。
彼の手元には過去の巫女達が予知した記録の束がある。
「何と書いてあるのだ」
「はい。オパール王女の9つめの予知は『愚かなる竜王』この一言のみです。補足として『王女はこの予知は外してはならない。外すことで国の存続が危ぶまれると言ったため、予知の詳細は記録に残さない』と記載されております」
「外してはならない予知――まさか、ダイヤ殿は此度の騒動がこの予知によるものだと言うのですかな?」
ダイヤは微笑して首肯したが、国王は納得できなかった。
「教会のダイヤの職に就いた者のみに引き継がれる事がありましてね。その中には初代巫女様のお言葉がございます。
――回避してはいけない予知についてのね」
「…」
王家にて厳重管理されている正式な記録には残されていないが、教会にのみこの予知の詳細が残されているのだと。
「こちらは初代先読みの巫女が、当時ダイヤの職に就いていた者に宛てた手紙の写しです。――ああ、この写しは差し上げますので、一生懸命書き取らなくて良いですよ。少し省略してお教えしますが、それなりに長いですからね」
ダイヤは懐から紙を取り出すと、それを読み上げた。
『親愛なるシリウス殿。
私はまた一つ、この国の未来の一部を視ることができました。
今までは災害や戦といった回避せねばならない未来ばかりでしたが、今回は違います。
この国の未来のためには、この予知を回避してはなりません。
ここで予知を回避しても、きっと違った形で同じ事が起きてしまう。私はそれを防ぎたいのです。
数百年後の未来において先読みの力を持つ者の扱いを誤り、国が滅ぶ切っ掛けを与えたくはない。
リュウという王子が巫女に懸想をして、巫女の予知を元に婚約者を断罪する未来を視ました。
巫女により大災害の危機を幾度も回避してきた結果、この王子は巫女に傾倒します。
定められた婚約者を大事にすることなく、1人の女性として巫女を慕うようになるのです。
いずれ国の頂点に立つ者として、相応しくない振る舞いです。
この者が王となれば、我が国は滅びるでしょう。
私はこの予知を『愚かなる竜王』と呼ぶことにいたしました。
この出来事は王族と巫女の関係を見直す良い切っ掛けとなるはずです。
シリウス殿、勝手なお願いですがこの予知を貴方に預かって欲しいのです。
しかるべき時が来るまで予知の内容を教会で引き継ぎ、王家に秘匿し続けてください。
この時巫女が視た予知はこの騒動により回避されるようですので、心配はありません。
オパールより』
ダイヤが王女の手紙を一部抜粋して読みあげると、国王は唸った。
「…そういうことですか…」
「はい。ですので今回の巫女の予知については、巫女に詳細な説明を求めるつもりはありません。
――この後の処遇については、国王陛下にお任せいたします。王位継承は教会が関与することではありませんからな」
ダイヤは国王に手紙の写しを渡すと、もう用はないと言わんばかりに部屋を出て行った。
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