16 / 40
16.迷宮へ
しおりを挟む
リーナの依頼を受けるかはエレナに決めてもらった。
「お家買ったから貯めないとね?」という理由で、彼女は了承してくれた。
結局は報酬の大きさに釣られた形だ。
俺はリーナに返事の手紙を書いた。
一週間の猶予をもらい、護衛を引き受けることを選んだ。
さて、護衛依頼を受けるとなると、エレナを鍛えることは必須条件になる。
安全に狩りができるラインまで、レベルは引き上げておきたい。
そういえば、聖剣の能力である『転移』魔法を使ったところ、それが切っ掛けとなり芋づる式にジョブが取得できた。魔法を使ったことで魔術師のジョブが手に入り、剣士と魔術師のジョブを得たことで魔剣士のジョブまで手に入った。そして、魔剣士と剣士で2つ剣と名のついたジョブを得たことによって、剣聖の取得条件まで満たしたようだった。
更には、魔術師と魔剣士で2つ魔に関するジョブを得たことから、魔人というジョブの取得条件を満たしてしまい、剣聖と魔人という上位のジョブを手に入れたことが、超越者というジョブを得ることに繋がったようだった。
全ては俺の憶測にすぎないが、そんなに外してもないと思う。そうでないと、ここにきて一気にスキルを取得できた理由が分からないからな。
アシル・カバネル(ミト):レベル28
【冒険者】……自動地図
【商人】……鑑定
【不死者】……痛覚遮断
【剣士】……剣術(中級)
【殺人鬼】……急所攻撃
【賞金稼ぎ】……危険感知
【奴隷使い】……強化
【性豪】……体力向上
【勇者】……聖剣解放
【魔術師】……魔力向上
【魔剣士】……魔力回復
【剣聖】……剣術(上級)
【魔人】……闇魔法
【超越者】……オーラ
毎回のことだが、スキルが増える度に俺は凄まじい恩恵に預かることができる。検証したところ、魔力向上、魔力回復、オーラは、列記するとこんな効果だった。
『魔力が10倍に増える』
『消費した魔力が常に全回復する』
『オーラを発生させ、自分のレベル以下の敵の攻撃を無効化』
手に入ったのは、どれも一級品、強力なスキルばかりだ。
俺はエレナと迷宮に転移し、さっそくスキルの効果を検証した。
エレナも俺の変化を感じ取ったらしく、オーラで敵の攻撃を防いだ時には、「それは何の魔法なの!?」と聞かれてしまった。残念ながら魔法じゃなくてスキルだ。誰にも真似はできない。
「まるで堅牢な城壁だわ」
「便利は便利なんだけどな。あんまりオーラに頼りすぎると、今度は回避が下手になりそうだ。いつかオーラが通じない敵が現れた時の為にも、避けることになれるべきだな」
「あなたって本当に慎重ね」
エレナと話してると、魔素が集まり魔物が実体化した。現れたのは、シルバーウルフという中型の魔物だ。レベルは20で、2層で活動してる探索者パーティーにとっては強敵とされている。銀狼は知性を感じさせる眼で俺達を見ると、体当たりをかましてきた。
(向こうが物理なら、こちらも剣で対応するか)
中級剣術と上級剣術の違いは、神速の動きを体現できるか否かである。中級剣術が達人クラスとするなら、上級剣術は最早人外の領域だ。
シルバーウルフの瞬きに合わせて動いた俺は、敵が再度瞼を開く前に、移動と抜刀と振り抜くこと、そして納刀を同時に行った。全ての工程を一瞬で終えたことで、傍目から見ると瞬間移動+居合斬りのように見えただろう。銀狼は為す術もなく魔素へ還った。
「うーん。凄すぎて逆に凄さが分からないわね」
理解が追いつかない。そう言いたげだな。
「どこでそんな技を身につけたの?」
「自然にな。俺、天才なんだ」
「ふうん」
シルバーウルフを突破してしばらく他の魔物を狩った後、俺は探索を中断した。
エレナの息が上がってきてる。
「……私ならまだ平気。ちゃんと戦えるもの」
「本当か?」
「たぶん……」
「無理をするな。何かあってからじゃ遅いんだ」
サラサラの美しい金髪も、サファイアのように透明で澄んだ碧眼も、やや小ぶりで敏感な胸も、抱きしめた時にすっぽり収まる華奢な体躯も、全てが一級品なんだ。慢心や油断でエレナを失うようなことがあれば、俺は一生後悔するだろう。
「ごめんなさい。本当は少し辛くなってたの。でも、あなたは全然平気そうだし、私だけが先に諦めたらいけないって思ったから」
「俺とは比較しない方がいいぞ」
「うん。今さらながら後悔してるわ」
体力系のスキルが一つあるだけでも息切れは一切しなくなる。
この世界じゃスキル持ちは俺しかいないし、物差しにならないと思う。
「じゃあ、一度帰るか」
帰りも転移魔法で一瞬だ。聖剣って切れ味も最高だし転移魔法も使えるしで最強だな。ちなみに、敵の位置を強制的に入れ替えたりもできるので、剣を振った直後に転移させて攻撃を必中させるとかいう使い方もできる。何でもありだ。
「お家買ったから貯めないとね?」という理由で、彼女は了承してくれた。
結局は報酬の大きさに釣られた形だ。
俺はリーナに返事の手紙を書いた。
一週間の猶予をもらい、護衛を引き受けることを選んだ。
さて、護衛依頼を受けるとなると、エレナを鍛えることは必須条件になる。
安全に狩りができるラインまで、レベルは引き上げておきたい。
そういえば、聖剣の能力である『転移』魔法を使ったところ、それが切っ掛けとなり芋づる式にジョブが取得できた。魔法を使ったことで魔術師のジョブが手に入り、剣士と魔術師のジョブを得たことで魔剣士のジョブまで手に入った。そして、魔剣士と剣士で2つ剣と名のついたジョブを得たことによって、剣聖の取得条件まで満たしたようだった。
更には、魔術師と魔剣士で2つ魔に関するジョブを得たことから、魔人というジョブの取得条件を満たしてしまい、剣聖と魔人という上位のジョブを手に入れたことが、超越者というジョブを得ることに繋がったようだった。
全ては俺の憶測にすぎないが、そんなに外してもないと思う。そうでないと、ここにきて一気にスキルを取得できた理由が分からないからな。
アシル・カバネル(ミト):レベル28
【冒険者】……自動地図
【商人】……鑑定
【不死者】……痛覚遮断
【剣士】……剣術(中級)
【殺人鬼】……急所攻撃
【賞金稼ぎ】……危険感知
【奴隷使い】……強化
【性豪】……体力向上
【勇者】……聖剣解放
【魔術師】……魔力向上
【魔剣士】……魔力回復
【剣聖】……剣術(上級)
【魔人】……闇魔法
【超越者】……オーラ
毎回のことだが、スキルが増える度に俺は凄まじい恩恵に預かることができる。検証したところ、魔力向上、魔力回復、オーラは、列記するとこんな効果だった。
『魔力が10倍に増える』
『消費した魔力が常に全回復する』
『オーラを発生させ、自分のレベル以下の敵の攻撃を無効化』
手に入ったのは、どれも一級品、強力なスキルばかりだ。
俺はエレナと迷宮に転移し、さっそくスキルの効果を検証した。
エレナも俺の変化を感じ取ったらしく、オーラで敵の攻撃を防いだ時には、「それは何の魔法なの!?」と聞かれてしまった。残念ながら魔法じゃなくてスキルだ。誰にも真似はできない。
「まるで堅牢な城壁だわ」
「便利は便利なんだけどな。あんまりオーラに頼りすぎると、今度は回避が下手になりそうだ。いつかオーラが通じない敵が現れた時の為にも、避けることになれるべきだな」
「あなたって本当に慎重ね」
エレナと話してると、魔素が集まり魔物が実体化した。現れたのは、シルバーウルフという中型の魔物だ。レベルは20で、2層で活動してる探索者パーティーにとっては強敵とされている。銀狼は知性を感じさせる眼で俺達を見ると、体当たりをかましてきた。
(向こうが物理なら、こちらも剣で対応するか)
中級剣術と上級剣術の違いは、神速の動きを体現できるか否かである。中級剣術が達人クラスとするなら、上級剣術は最早人外の領域だ。
シルバーウルフの瞬きに合わせて動いた俺は、敵が再度瞼を開く前に、移動と抜刀と振り抜くこと、そして納刀を同時に行った。全ての工程を一瞬で終えたことで、傍目から見ると瞬間移動+居合斬りのように見えただろう。銀狼は為す術もなく魔素へ還った。
「うーん。凄すぎて逆に凄さが分からないわね」
理解が追いつかない。そう言いたげだな。
「どこでそんな技を身につけたの?」
「自然にな。俺、天才なんだ」
「ふうん」
シルバーウルフを突破してしばらく他の魔物を狩った後、俺は探索を中断した。
エレナの息が上がってきてる。
「……私ならまだ平気。ちゃんと戦えるもの」
「本当か?」
「たぶん……」
「無理をするな。何かあってからじゃ遅いんだ」
サラサラの美しい金髪も、サファイアのように透明で澄んだ碧眼も、やや小ぶりで敏感な胸も、抱きしめた時にすっぽり収まる華奢な体躯も、全てが一級品なんだ。慢心や油断でエレナを失うようなことがあれば、俺は一生後悔するだろう。
「ごめんなさい。本当は少し辛くなってたの。でも、あなたは全然平気そうだし、私だけが先に諦めたらいけないって思ったから」
「俺とは比較しない方がいいぞ」
「うん。今さらながら後悔してるわ」
体力系のスキルが一つあるだけでも息切れは一切しなくなる。
この世界じゃスキル持ちは俺しかいないし、物差しにならないと思う。
「じゃあ、一度帰るか」
帰りも転移魔法で一瞬だ。聖剣って切れ味も最高だし転移魔法も使えるしで最強だな。ちなみに、敵の位置を強制的に入れ替えたりもできるので、剣を振った直後に転移させて攻撃を必中させるとかいう使い方もできる。何でもありだ。
11
あなたにおすすめの小説
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら
リヒト
ファンタジー
現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。
そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。
その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。
お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。
ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。
お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
湖畔の賢者
そらまめ
ファンタジー
秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。
ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。
彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。
「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」
そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。
楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。
目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。
そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。
ダンジョン作成から始まる最強クラン
山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。
そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。
極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。
そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。
ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。
ただそのダンジョンは特別性であった。
ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる