妹に手を出したというカルマを背負って転生する羽目になったけど、スキルを持ってるの俺だけなんで割と余裕な世界でした

みかん畑

文字の大きさ
20 / 40

20.来客

しおりを挟む
 仲間外れにするのは良くないという理屈で、俺はリーナをベッドに連れて行って押し倒した。

「あの、本当にするんですか?」
「殿下じゃなくて俺を選んでくれるんだろ? これはそれを確認する為の儀式だ」
「わ、分かりました。とはいえ、私は初めてなので優しくしてくださいね?」

 俺は大事な女性になったリーナを当然のように抱くことにした。

 エレナは初めての思い出を大切にしてほしいと言って、部屋を出ていってしまった。リーナは何となく息が荒くなっている気がする。もしかして興奮してるんだろうか。場所は俺の屋敷に移したから、気兼ねなく乱れてほしい。

「じゃあ、するか」
「本当にアシル様のモノになるんですね」
「実感はないか?」
「はい。でも、この身体に刻んでほしいと思います。私はアシル様のモノだと」

 俺は高貴なお嬢様であるリーナを抱いた。黒髪にキスを落としながら何度も腰を振り、彼女の中で果てた。初めてだというのに口とケツまで使わせて、まあやりたい放題だったと言える。無知だったリーナはそういう作法もあると言えば何でもしてくれたが、後から合流したエレナに「えぐくない?」と言われて俺の嘘に気づいたようだった。

 いや、別に嘘でもないか。そういう作法があるのは事実だし、それを初回からさせたのは酷かったと思うが。

 初回でフルコースをさせられて不機嫌になったリーナだったが、「愛してる」と伝えると可哀想なくらい弱かった。今まで婚約者に愛されてなかった反動で、恋愛面においてはクソ雑魚に成り果てていたのである。

「もう、リーナを騙さないでよ。これからは私が守るんだからね」
「2人共仲良くしよう。愛してるからな」
「うう~~~」
「リーナ、一緒に慣れよう?」
「そういうエレナさんも耳が赤いですからね」

 可愛い2人だ。異世界ってやっぱりいいわって思った。

 家族になることを決めたリーナは、週末になると俺の家に入り浸るようになった。
 一緒に生活して知ったことだが、外見を嫌われていたリーナは、殿下相手には女としての武器を封印していたらしい。

 しかし、俺に対しては完全に武器を開放していた。一緒にお風呂に入っておっぱいでお掃除とか、それくらいのことは平気でしてきた。

 性的な知識に疎いリーナだが、地頭がいい分、発想がすばらしかった。誰にも教わらずに裸エプロンを始めた時は、やはり天才かと感嘆したものだ。

 天使のような外見と献身的な部分で惚れたエレナと、ぶっちゃけ外見がかなり好みで賢くエッチの才能もあるリーナ。別の意味で最強の2人と男女の仲になれて、異世界バンザイである。

「女神様、素晴らしい人生をありがとうございます」

 最近は朝に欠かさずお祈りもするようにしている。
 お供え物もする為に神棚を作ったんだが、効果は未知数だ。
 まあ、気休め程度だから効果はなくてもいい。
 ただ、感謝の気持ちを示すことが大事だと思ったんだ。

  日課のお祈りを終えて、愛する2人と食事をする。その後、今日の方針を話し合う。これが毎朝のルーティンだ。

 携帯電話で気軽に情報交換できる世界でもないので、情報の共有は毎朝欠かさず行っている。まあ、雑談混じりに今日は何をするとか話し合うだけなので、リラックスした雰囲気ではある。お堅い空気は俺も好きじゃないしな。

「そういえば、お父様から返事が来ました。来週こちらの屋敷に来るそうです。殿下との婚約を破棄してアシル様に嫁ぎたいと伝えたところ、挨拶をしたいと」
「まあ、当然だろうな」
「父は大変礼儀に厳しい人です。言葉遣いなどについても厳しく見ると思います」
「分かった。当日は心得ておこう」

 この世界では平民並みの知識しか持たない俺だ。前世で培ったビジネスマナーで対応するしかない。

「申し訳ありません。いきなりこんなことになってしまって」

 まあ、リーナを娶ると決めたのは俺だし、どうにか嫁にもらえるよう説得するしかないな。

 しかし、かなり揉めるだろうな。王家との婚約を破棄するなんて、前代未聞じゃないか?

「納得してもらえないなら、私は実家と縁を切ります。何もない私でも受け入れてくれますか?」
「当たり前だ。俺の為に覚悟を決めてくれてありがとう」
「はい。あなたの為だったら、私は何でも捧げることができます」

 実際に捧げて貰ってるし、リーナのことは信頼できる。

 正直、面会については不安要素しかなかった。リーナの父親であるサミュエル・サヴァールは、翌週、予定通りの時刻に到着した。

 屋敷の前に家紋付きの馬車が泊まり、3人の従者を引き連れて公爵は来訪した。

「迷宮に近いな。探索者向けの家だ」

 現れたのは、落ち着いた雰囲気の壮年の男だ。40代くらいに見えるが、若々しい。
 従者は3人とも帯剣しており、騎士らしい出で立ちをしている。

「娘が世話になっていると聞いた。私はサミュエル・サヴァール。普段は宰相の肩書で職務に当たっているが、今日は私人として訪ねたつもりだ。フランクに話してくれると嬉しい」
「ありがとうございます。私はアシル・カバネルです」

 応接間に4人を通そうとしたが、騎士の3人は扉の前で待機した。

「聞かれたくない話もあるだろうしな。彼らは同席させない」

 父親が現れてから、リーナは俯いて一言も話さない。今のところ感じのいい対応しかされてないが、実の娘が塞ぎこむほど恐れるってどんな親なんだ。

 警戒しつつも、リーナを交えて3人で席につく。
 使用人の代わりにエレナがお茶を運んでくれて、彼女が退席した後に話し合いは始まった。

「リーナ、殿下の婚約者に戻りなさい。これは命令だ」

 そう来るだろうなとは思ってたが、いきなりの先制攻撃だな。

「お前は殿下を支える為に妃教育を受けてきた。妻として王家に尽くすことが使命なのだ」

 一方的な決めつけに対し、リーナは懸命に抗おうとしている。ギュっと拳を握り、父親を正面から見返した。

「お父様、私は殿下から必要とされておりません。そんな私が嫁いだとしても、後宮に入れられて政治の駒にされるだけです」
「殿下はお若い。今は分からずとも、いずれリーナのことを必要とするはずだ。分かってあげなさい」

 リーナの手は震えていた。俺はその手を握り、公爵を見据えた。

「閣下、お言葉ですがリーナの幸福は殿下の元にはありません」
「アシル君、娘を誑かすのは止めてもらえないだろうか。娘は未来の王妃になることこそ幸福と考え努力してきたんだ。それを邪魔するなら、君は王家だけではなく、公爵家まで敵に回すことになる」

 リーナの幸福を勘違いしてる。俺は疑問に思い尋ねた。

「リーナの幸せについて、一度でも本人と向き合って話したことがあるんですか?」
「なくとも分かるさ。私とリーナは家族だ。考えていることくらい分かる」
「……なるほど。公爵家では言葉は不要ということですね。閣下にとってリーナの言葉は聞く価値がないものなのだと、よく分かりました。」
「なんだと無礼な! 私は娘の言葉を軽んじたことなど一度もない!」
「でしたら、なぜ娘さんが殿下を見限ったのか、当ててみてください」

 公爵はムッとしながらと答えた。

「それは、殿下がミーシャという他の女に気があるからだろう。ローレンからも報告は受けていた」
「違います、お父様。殿下は私の髪色を忌まわしいと吐き捨てました。嫁ぐなら金髪に染めろと。敬愛する祖母を……私を全て否定されたようで……」

 涙で視界が滲んだ娘を見て、サミュエルは溜息をついた。

「王家がクーランの血筋を不吉に思うのは仕方のないことだ。誤解は相手を知らないからこそ起こりうる。殿下には私から注意しておこう」
「私は、あの方に嫁ぐことなど考えられません!」
「時間か解決することもある。しばらく学校を休んで療養しなさい。お前は疲れているんだ」

 取り付く島もない。前世でいい年したオッサンだった俺は、サミュエルの考えも理解できた。子供が言うことだから、という考えもあるのだろう。真面目に取り合う気がないことは態度から分かった。

「お父様は私の気持ちを分かってくださらないのですね」
「しっかりと言うべきことは言うつもりだ。リーナのことは私が守る。だから、安心して殿下に嫁ぎなさい」
「無理に決まっているでしょう! 後宮に入れとまで言われてるのに……! もういいです! 私のことは勘当してください!」

 怒ったリーナは一人で退室してしまった。

「…………」
「…………」

 結果、取り残されたのは俺とサミュエル氏だ。
 気まずいお茶会が始まろうとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。 ※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。 『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。 ※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)

クラスの陰キャボッチは現代最強の陰陽師!?~長らく継承者のいなかった神器を継承出来た僕はお姉ちゃんを治すために陰陽師界の頂点を目指していたら

リヒト
ファンタジー
 現代日本。人々が平和な日常を享受するその世界の裏側では、常に陰陽師と人類の敵である妖魔による激しい戦いが繰り広げられていた。  そんな世界において、クラスで友達のいない冴えない陰キャの少年である有馬優斗は、その陰陽師としての絶大な才能を持っていた。陰陽師としてのセンスはもちろん。特別な神具を振るう適性まであり、彼は現代最強の陰陽師に成れるだけの才能を有していた。  その少年が願うのはただ一つ。病気で寝たきりのお姉ちゃんを回復させること。  お姉ちゃんを病気から救うのに必要なのは陰陽師の中でも本当にトップにならなくては扱えない特別な道具を使うこと。    ならば、有馬優斗は望む。己が最強になることを。    お姉ちゃんの為に最強を目指す有馬優斗の周りには気づけば、何故か各名門の陰陽師家のご令嬢の姿があって……っ!?

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

湖畔の賢者

そらまめ
ファンタジー
 秋山透はソロキャンプに向かう途中で突然目の前に現れた次元の裂け目に呑まれ、歪んでゆく視界、そして自分の体までもが波打つように歪み、彼は自然と目を閉じた。目蓋に明るさを感じ、ゆっくりと目を開けると大樹の横で車はエンジンを止めて停まっていた。  ゆっくりと彼は車から降りて側にある大樹に触れた。そのまま上着のポケット中からスマホ取り出し確認すると圏外表示。縋るようにマップアプリで場所を確認するも……位置情報取得出来ずに不明と。  彼は大きく落胆し、大樹にもたれ掛かるように背を預け、そのまま力なく崩れ落ちた。 「あははは、まいったな。どこなんだ、ここは」  そう力なく呟き苦笑いしながら、不安から両手で顔を覆った。  楽しみにしていたキャンプから一転し、ほぼ絶望に近い状況に見舞われた。  目にしたことも聞いたこともない。空間の裂け目に呑まれ、知らない場所へ。  そんな突然の不幸に見舞われた秋山透の物語。

ダンジョン作成から始まる最強クラン

山椒
ファンタジー
ダンジョンが出現して数十年が経ち、ダンジョンがあることが日常となっていた。 そんな世界で五年前に起きた大規模魔物侵攻により心に傷を受けた青年がいた。 極力誰とも関わりを持たずにいた彼の住んでいる部屋に寝ている間にダンジョンが出現し、彼はそこに落ちた。 そのダンジョンは他に確認されていない自作するダンジョンであった。 ダンジョンとモンスターにトラウマを抱えつつもダンジョン作成を始めていく。 ただそのダンジョンは特別性であった。 ダンジョンが彼を、彼の大事な人を強くするダンジョンであった。

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

処理中です...