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シアワセ
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暖かい外、私は友達の家でお茶会をしていた。屋根の下、ナチュラルな感じの机といすで優雅にお茶会…
あぁ、落ち着かない。
髪形や服装は怪しまれないために変えなかったし、みんなペチャクチャ喋ってる感じではない。
…私も入れて四人のこのグループは、令嬢の中でもレベルが高い令嬢を集めている。王子の婚約者になれそうな子とか…ね。ほら、クラスの中の目立つ子たち居るでしょ?それなんだよね。うちのグループは。
でさぁ、そのグループが女子グループだったりするといるでしょ、気が強い、わがままそうな子。…リーダーだから逆らえないんだよね。
それが目の前のこの子…ソフィー。
金髪の縦ロール。典型的な悪役令嬢。まぁ君恋の悪役令嬢じゃないんだけど。
そして私はここでも仕事をしなければならない。それは、「皆に嫌われること」皆に嫌われたら、虐められていたのにそれでも友達だったという可哀想な少女が出来上がる。しかも自分だけ生き残って罪悪感を感じてるっていう設定。いいね、これでいこっと。
「聞いてくださいソフィー様!」
「何かしら?」
あえて忠実で格下な相手を演じる。
「わたし、ペットを飼ったんです!」
ニコニコと子供っぽい笑みを浮かべる。
そう。その無邪気な笑顔が狂気に見えるように。
子供は単純だ。子供だった私だからわかる。純粋で無邪気で、まだ世間の闇を知らない。…だからこそ。
大人より騙しやすい。
ソフィーは興味なさそうに私に聞く。
「何を飼ったのよ?」
それが死への道とも知らずに。
私は無邪気な子供の笑顔を浮かべながら答える。
「犬を飼いました!ほら」
私は架空の犬(仮)を抱えたポーズをとる。ソフィーは私の手を覗き込む。
「何も居ないじゃない!!何言ってるの!?」
私はソフィーにすごい剣幕で叫ばれた。
まぁでも私はニコニコ笑っとかなくてはいけない
恐怖を、植え付けろ。
「ソフィー様、何を言ってるんですか?ほら…ここに居るでしょう?」
ソフィーは不安になったようで、あとの二人と話す。
「居ないわよね?」
「はい。」
「居ませんわ。」
それがわかったソフィーはニヤリと笑う。
…これでソフィーにとって「私」はいらなくなった。さぁ、存分にどうぞ。
「何言ってるのよ貴方!何も居ないわよ!!」
「そうですわファンシー様!」
「そうですよ!!」
私は笑顔を崩し狼狽える。
「え、でも、ここに…」
バチィッ!!
ソフィーは私に平手打ちをする。そして私の髪を引っ張って噴水に打ち付ける。
…いった…
ソフィーは私を見下ろす。
「というか貴方。可愛くもないのに位だけ高いから私のグループに入れてあげたのに、調子乗ってんじゃないわよ!!」
私が可愛くない?ソフィーの目は節穴だったのか。私が言うのもなんだけど、ファンシー・フェリーチェの顔は整っている。少なくともソフィーよりは。
「大体アンタなんてね!誰も必要としてないのよ!!私のグループにも要らない!消えて!!」
取り巻きの二人もうなずく。
…さすが四歳児は単純だね。好都合だよ。
私は俯き立ち上がる。
「何よアンタ?」
ソフィーは私を睨む。
私は呟いた。
「私が要らない…?消えろ?…フフ。」
そして顔を上げて無表情でソフィーを見つめる。
「私は、この世に存在価値がある人間なんていないと思うけれどね。」
右手に炎を出す。
「…勿論、貴方たちも。」
大きく、大きく。絶対に皆殺すために。
関係ある人も、関係ない人も、全員、全員、死ね。死んじゃえ。
私が幸せになるために。
ドォン
炎の弾をソフィー達ごと屋敷にぶつける。木造の屋敷はどんどん燃える。
シールドを開いても油断はしない。絶対に幸せになってやる。私が何をしようと誰も知らない。
私は俯き、呟いた。
「死人に口無し」
たぶん第三者側から見たら俯いてよく見えない私の顔は、不気味に笑っていることだろう。
第一個目の悲劇完了。
あとは煙で泣いとくだけ。大人が来たらシールドを解いてこう言おう。
「犬のライが、守ってくれたの」
…って。
あぁ、落ち着かない。
髪形や服装は怪しまれないために変えなかったし、みんなペチャクチャ喋ってる感じではない。
…私も入れて四人のこのグループは、令嬢の中でもレベルが高い令嬢を集めている。王子の婚約者になれそうな子とか…ね。ほら、クラスの中の目立つ子たち居るでしょ?それなんだよね。うちのグループは。
でさぁ、そのグループが女子グループだったりするといるでしょ、気が強い、わがままそうな子。…リーダーだから逆らえないんだよね。
それが目の前のこの子…ソフィー。
金髪の縦ロール。典型的な悪役令嬢。まぁ君恋の悪役令嬢じゃないんだけど。
そして私はここでも仕事をしなければならない。それは、「皆に嫌われること」皆に嫌われたら、虐められていたのにそれでも友達だったという可哀想な少女が出来上がる。しかも自分だけ生き残って罪悪感を感じてるっていう設定。いいね、これでいこっと。
「聞いてくださいソフィー様!」
「何かしら?」
あえて忠実で格下な相手を演じる。
「わたし、ペットを飼ったんです!」
ニコニコと子供っぽい笑みを浮かべる。
そう。その無邪気な笑顔が狂気に見えるように。
子供は単純だ。子供だった私だからわかる。純粋で無邪気で、まだ世間の闇を知らない。…だからこそ。
大人より騙しやすい。
ソフィーは興味なさそうに私に聞く。
「何を飼ったのよ?」
それが死への道とも知らずに。
私は無邪気な子供の笑顔を浮かべながら答える。
「犬を飼いました!ほら」
私は架空の犬(仮)を抱えたポーズをとる。ソフィーは私の手を覗き込む。
「何も居ないじゃない!!何言ってるの!?」
私はソフィーにすごい剣幕で叫ばれた。
まぁでも私はニコニコ笑っとかなくてはいけない
恐怖を、植え付けろ。
「ソフィー様、何を言ってるんですか?ほら…ここに居るでしょう?」
ソフィーは不安になったようで、あとの二人と話す。
「居ないわよね?」
「はい。」
「居ませんわ。」
それがわかったソフィーはニヤリと笑う。
…これでソフィーにとって「私」はいらなくなった。さぁ、存分にどうぞ。
「何言ってるのよ貴方!何も居ないわよ!!」
「そうですわファンシー様!」
「そうですよ!!」
私は笑顔を崩し狼狽える。
「え、でも、ここに…」
バチィッ!!
ソフィーは私に平手打ちをする。そして私の髪を引っ張って噴水に打ち付ける。
…いった…
ソフィーは私を見下ろす。
「というか貴方。可愛くもないのに位だけ高いから私のグループに入れてあげたのに、調子乗ってんじゃないわよ!!」
私が可愛くない?ソフィーの目は節穴だったのか。私が言うのもなんだけど、ファンシー・フェリーチェの顔は整っている。少なくともソフィーよりは。
「大体アンタなんてね!誰も必要としてないのよ!!私のグループにも要らない!消えて!!」
取り巻きの二人もうなずく。
…さすが四歳児は単純だね。好都合だよ。
私は俯き立ち上がる。
「何よアンタ?」
ソフィーは私を睨む。
私は呟いた。
「私が要らない…?消えろ?…フフ。」
そして顔を上げて無表情でソフィーを見つめる。
「私は、この世に存在価値がある人間なんていないと思うけれどね。」
右手に炎を出す。
「…勿論、貴方たちも。」
大きく、大きく。絶対に皆殺すために。
関係ある人も、関係ない人も、全員、全員、死ね。死んじゃえ。
私が幸せになるために。
ドォン
炎の弾をソフィー達ごと屋敷にぶつける。木造の屋敷はどんどん燃える。
シールドを開いても油断はしない。絶対に幸せになってやる。私が何をしようと誰も知らない。
私は俯き、呟いた。
「死人に口無し」
たぶん第三者側から見たら俯いてよく見えない私の顔は、不気味に笑っていることだろう。
第一個目の悲劇完了。
あとは煙で泣いとくだけ。大人が来たらシールドを解いてこう言おう。
「犬のライが、守ってくれたの」
…って。
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