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塩飽杷畝
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ザワザワとうるさい学園。この辺は前世から変わっていないようだ。前世の記憶を取り戻し、下準備をしてきてもう十年。やっと君恋の舞台、メモリー学園に入学だ。ここで私は、男装してヒロインと仲良くなり、幸せになる。絶対に失敗はしてやらない。失敗も成功にする。それが人間というものだ。
うるさい校門を私は無表情で通り過ぎる。私のキャラ設定は過去の悲劇からもう誰も近づかないように自分を欺くどこか冷たい敬語少年…ってとこかな。
女子生徒が近寄ってきたので、私は嘘くさい笑顔を浮かべた。
「こんにちは!!あの…私と友達になってくれませんか!?」
私は困った顔をする。
「ごめんね、僕は友達作らないんです。貴方は可愛らしいので、ほかに相応しい方がいらっしゃると思いますよ。」
女子生徒は赤面してどこかへと歩いて行った。私が来ている黒色のコートが揺れる。
そう、これでいい。
遠くでヒロインと王子が何かやっている。心優しいヒロインは、王子を助け、心を開かせるだろう。私はヒロインに直接接触しない。誰も友達を作らないで、助けに来るのをじっと待つ。
ヒロインが本当に心優しい天使のような子だったとしたら、私を助けてくれるだろう。それまでに、色々戦略を立てなければ。
放課後、図書室で私は本を読んでいた。正確には、本を読むふりをしていただけだが。君恋の攻略対象は全部で四人。
勉強熱心なガリ勉、エテュード・ステューディオ、優しくて温厚な、ツァールト・オルディネール、ノリがよく激しい、バーン・エタンセル、そして最後…ザ・王道な腹黒王子、ルミエール・ダークネス。私とはキャラがかぶっていない。
乙女ゲームで簡単に恋心を持たせるためには、悩み事を解決して励ますのが手っ取り早いから、きちんとそれぞれ悩みもちゃんと設定してある。こんな私の条件なら、間違いなく攻略対象になることができるだろう。
図書館、此処を私の定位置とする。
ヒロインはまじめで、よく図書館に来る。遭遇イベントが起きるから、私は間違いなく攻略対象になれるだろう。…ヒロインの性格がよければだが。
表面だけ善人面するのは誰でもできる。実質この乙女ゲームのことを知って転生してきたヒロインが凡人なら、ゲーム通り攻略対象だけ悩みを解決して、モブなんかほっぽりだして恋愛に明け暮れるだろう。
私のこの計画はすべてヒロインの性格にかかっているのだ。
まぁ、思い通りにいかなければラストリゾート…。最終手段を使って、すべてを操るしかない。
だが、それでゲーム側に攻略対象と認められるかはわからない。だから、できれば自然の流れに身を任せたい。さぁ、準備はすべて整った。あとは自分を信じて祈るだけ。
うるさい校門を私は無表情で通り過ぎる。私のキャラ設定は過去の悲劇からもう誰も近づかないように自分を欺くどこか冷たい敬語少年…ってとこかな。
女子生徒が近寄ってきたので、私は嘘くさい笑顔を浮かべた。
「こんにちは!!あの…私と友達になってくれませんか!?」
私は困った顔をする。
「ごめんね、僕は友達作らないんです。貴方は可愛らしいので、ほかに相応しい方がいらっしゃると思いますよ。」
女子生徒は赤面してどこかへと歩いて行った。私が来ている黒色のコートが揺れる。
そう、これでいい。
遠くでヒロインと王子が何かやっている。心優しいヒロインは、王子を助け、心を開かせるだろう。私はヒロインに直接接触しない。誰も友達を作らないで、助けに来るのをじっと待つ。
ヒロインが本当に心優しい天使のような子だったとしたら、私を助けてくれるだろう。それまでに、色々戦略を立てなければ。
放課後、図書室で私は本を読んでいた。正確には、本を読むふりをしていただけだが。君恋の攻略対象は全部で四人。
勉強熱心なガリ勉、エテュード・ステューディオ、優しくて温厚な、ツァールト・オルディネール、ノリがよく激しい、バーン・エタンセル、そして最後…ザ・王道な腹黒王子、ルミエール・ダークネス。私とはキャラがかぶっていない。
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ヒロインはまじめで、よく図書館に来る。遭遇イベントが起きるから、私は間違いなく攻略対象になれるだろう。…ヒロインの性格がよければだが。
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