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9話「正月は太りやすい」
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正月になった。
タフィーとれあが薬品店に訪れ、店の中に入る。
「おはよー」「おはよー」ひだまりたちが朝、あいさつする。
「もう、一月だねー」とひだまりが言うと「ねー」とすふれ。
「ちょっと前までクリスマスだったのにー」とひだまり。
薬品店の休憩室では暖炉が暖められていて、タフィーたちは暖炉の近くの椅子に座って温まり始めた。
「はー、あったかーい」とれあ。
「雪も結構積もってくるかなー」とひだまりは窓を見ながら言う。外では雪がしんしんと降っている。
「この町って床に温水流れてるから雪積もらないんじゃない?」とれあ。「えー!」と残念そうなひだまりとタフィーとすふれ。
れあはすふれを見て「いや、あなたは知ってるでしょ」と言う。
ひだまりたちが店の休憩室で雑談をしていたら、薬品店の奥の居住スペースの風呂場あたりから「ぎゃあああああ!」とショコラの絶叫が聞こえた。
「どうしたんだろ?」とひだまり。「ゴキブリでもいたんじゃない?」とすふれが言うと、「え? 最近見かけたっけ?」とひだまり。「掃除してるからいないはずだけど」すふれが返す。
「ゴキブリくらいで驚かないよショコラちゃんは」とひだまり。「そうよねむしろ踏みつぶしそうよね」とすふれ。
ショコラが服を着て風呂場から出てきた。
「どうしたのー?ショコラちゃんゴキブリでも踏みつぶした?」すふれがショコラに尋ねる。「なんでゴキブリ確定なのよ」とれあ。
「二キロ増えてた」とショコラが落ち込んだまま言う。「ゴキブリが?」すふれ。「ゴキブリってなに?」ショコラが訪ねる。「なんだゴキブリじゃないんだ」とひだまり。「ゴキブリから離れなさいよ」とれあ。
「た、体重が二キロも増えてたんだよー!」とショコラは嘆いた。「えー!」とひだまりとすふれ。
「昨日たくさん食べたからよね、きっと」とれあ。「運動すれば大丈夫でござるよ、オススメはハーフマラソンでござる」とタフィー。「ハーフマラソンってあなた……」とれあはタフィーを見る。
「やーいショコラちゃんのでぶー」とひだまりが言うと「やるかコラァ!」とショコラ。ひだまりとショコラが取っ組み合いになる。
すふれが風呂場に向かっていくのを見たれあが「どうしたの?」とたずねる。「ちょっと、体重計を……」とすふれが青ざめている顔をしていた。
今年も街の公園の湖で花火大会が開催されている。
この町にはじめて来たひだまりもいるので、花火大会に行くことになった。
夕方ごろ、公園に向かうひだまりとすふれとれあとタフィーとショコラが歩きながら雑談している。
「そういえば、二駅となりでオペラがやってるらしいけど」とひだまり。「へーオペラに興味があったの?」とれあが聞くと、「いやあんまり」とひだまり。「そうよね……」とれあ。「れあちゃんはオペラに良くいくの?」とすふれが聞く。「最近は行かないけど、プライマリースクールの時はお父様に連れていかれたかなー」とれあ。「面白い?」とひだまりが言うと、「勉強にはなるわ」と棒読み気味にれあは答えた。「そっかー」とひだまり。
「最近出たあのロックバンドのCDと写真集を集めているでござるよ」とタフィー。「あなたちょっとなにを言い出すのよ!?」とれあはタフィーに詰め寄る。
「やっぱりそうなるわよねー」とすふれ。
「ヨヤミノクニではそういうのあったの? オペラ的なの」とひだまりがタフィーに聞くと、「いや、ヨヤミノクニは戦場(いくさば)なので文化的なものはないでござるよ。サムライは敵でござったし。ヨヤミノクニに向かう前に立ち寄ったオオミヤコではカブキという演芸をやっていたでござるなー」タフィーは答える。「面白かった? そのカブキってやつ」とひだまり。「迫力はあったでござるよー。でも伝統的なものはどこの国でもわかりづらいでござるな」「そうなんだー」とひだまり。
*[注釈]プライマリースクールは小学校あたりのことです。
花火大会会場の公園に到着し、5人は近くの出店で食べ物を買った。
出店では主にホットドッグやハンバーガー、ポテトが売っている。
「寒い日の外で食べるホットドッグは格別でござるなー」とタフィーは食べながら言う。
「うぅー、それにしても冷えるなぁ」ショコラは震えながら言う。
「そうかしら?」とれあ。「拙者はもっと寒い場所で一週間寝泊まりを余儀なくされたことがあるので、このくらいなら慣れてるでござるが、少し寒いかもしれぬな」とタフィーが言うと「あなたどんな生き方してたらそんな目にあうのよ」とれあがツッコんだ。
「でも普段よりやっぱり冷えるわねー」とすふれ。「そ、そうだな。やっぱり寒いよな」とショコラ。
はっと、すふれがなにかに感づいたようにれあのコートを見た。「……まさか! その服高いやつ!」すふれはれあの服のロゴを探し始めると、れあは「ちょ、ちょっとなにしてるの」と慌てる。すふれが「あー! 冬山に使うやつー! まさか下も!」「ちょっとやめてよー!」とれあがすふれを引っぺがそうとする。
「ずーるーいー、自分だけ寒さから逃げようなんて」とすふれ。「あ、あの、これ私が買ったわけじゃないから値段なんて知らないの」とれあ。「誰が買ったの?」とすふれが聞くと「お父様」とれあが答える。「まーたお父様でござるよー」とタフィー。「タフィーあなた少し黙ってて」とれあ。
「そういえば師匠は花火見に来なかったねー」とひだまりが言うと「こむぎちゃんは寒いの嫌いだから」とすふれ。「えー」とひだまり。
「そういえばひまちゃん寒くない? ……あれ、そのコートって秋用じゃない……?」すふれはひだまりのコートの生地の厚さを確認して言う「大丈夫なの? 氷点下よ?」「ぽかぽかしてるから大丈夫だよー」とひだまり。
「まさかまた変なもの飲んだでござるな」とタフィー。「変じゃないよー!」とひだまり。「どこの会社の薬か言ってみろ」とショコラが言うと「自作」とひだまり。「やっぱり変な薬じゃないか!」とショコラ。「変じゃないよー!」とひだまり。
夜空に新年を祝う花火が撃ちあがった。周囲から歓声が湧き上がる。
この町には、花火大会の後、湖へ水溶性の紙に願い事を書いて流す行事がある。
5人は出店で願い事用の紙を買って、紙に願い事を書いて湖に流すことにした。
ひだまりは「すふれちゃんは何を書いたのー?」とたずねながら紙に願い事を書いている。
「店の売り上げが上がりますようにって書いてるのよー」とすふれは答える。
「あれ? 店長だっけ?」ひだまりが首をかしげる。
「店長はこむぎちゃんよー私は大家―」
「えー! そうだったの!?」
「の代理。大家は親ねー」
「あ、そうなんだ」
「こむぎちゃんの店が儲からないと家賃回収できないからこれは大事なお願いなのよ」
「あー、そっかー。私と同じで実家から出てるんだー」
「そうよー、ここの学校に通うついでで、建物の管理を押し付けられたのねー」
「……あれ? なんかうらやましくないような」とひだまり。
ひだまりは願い事を書こうとしているショコラに近寄り、「ショコラちゃんはなにを書いたの?」とたずねる。
「別になんでもいいだろ」とショコラが言うと「身長」とすふれが口をはさむ。
「違う!」とショコラは否定するとひだまりが「じゃあ見せてよ」と言う。
「やだ」とショコラ。
「あー、もう絶対身長だよ。絶対身長」とひだまり。
「はいはい、見せればいいんだろ。ほら」とショコラは願い事を書く紙をひだまりに見せた。
「あれ?まだ書いてないや」ショコラの持つ用紙を見たひだまりは言う。
「そういうこと」と言いショコラは書き始めた。
背後の死角からすふれが覗き込んでいた。
「はい、身長」
翌日、れあとタフィーがまた薬品店にやってきた。その後雑談をしていると、
「そういえばこむぎ殿はまだ起きないのでござろうか」とタフィーが言い、「そろそろ起きてくるんじゃない?」とすふれが言っていると、風呂場から「ぎゃあああああ!」とこむぎの悲鳴が聞こえる。
こむぎがリビングにやってきた。開口一番に言ったのは「お前らのせいだ。お前らがクリスマスパーティーなんて余計なことするからだ……」と念仏を唱えている。
「もしかして、体重が……」とすふれ。「あんなものを食べたら太るに決まってる」とこむぎ。
ひだまりが「でも新年祝いのトーストとかステーキとかも食べてたじゃないですか」と言うと、こむぎはテーブルをドン、と叩き付けながら、「なんで炭水化物中心なんだよ! おかげで年明けたばっかだってのにさぁ!」とこむぎは怒り心頭だ。
「いや、でも食べ過ぎたのは師匠なわけですし、炭水化物だらけなのは反省してますけどぉー、食べた量に関してはちょっと、わたくしどもの責任は言えないのではないで……しょうか?」と都合悪そうにひだまりは顔を逸らしながら言った。
こむぎは真顔になり、玄関に向かって歩き出した。ひだまりが「あれ……、し、師匠~?」と呼び止めるとこむぎは「走ってくる」と言って外に出ていった。「あ、はい」とだけ言うひだまりであった。
タフィーとれあが薬品店に訪れ、店の中に入る。
「おはよー」「おはよー」ひだまりたちが朝、あいさつする。
「もう、一月だねー」とひだまりが言うと「ねー」とすふれ。
「ちょっと前までクリスマスだったのにー」とひだまり。
薬品店の休憩室では暖炉が暖められていて、タフィーたちは暖炉の近くの椅子に座って温まり始めた。
「はー、あったかーい」とれあ。
「雪も結構積もってくるかなー」とひだまりは窓を見ながら言う。外では雪がしんしんと降っている。
「この町って床に温水流れてるから雪積もらないんじゃない?」とれあ。「えー!」と残念そうなひだまりとタフィーとすふれ。
れあはすふれを見て「いや、あなたは知ってるでしょ」と言う。
ひだまりたちが店の休憩室で雑談をしていたら、薬品店の奥の居住スペースの風呂場あたりから「ぎゃあああああ!」とショコラの絶叫が聞こえた。
「どうしたんだろ?」とひだまり。「ゴキブリでもいたんじゃない?」とすふれが言うと、「え? 最近見かけたっけ?」とひだまり。「掃除してるからいないはずだけど」すふれが返す。
「ゴキブリくらいで驚かないよショコラちゃんは」とひだまり。「そうよねむしろ踏みつぶしそうよね」とすふれ。
ショコラが服を着て風呂場から出てきた。
「どうしたのー?ショコラちゃんゴキブリでも踏みつぶした?」すふれがショコラに尋ねる。「なんでゴキブリ確定なのよ」とれあ。
「二キロ増えてた」とショコラが落ち込んだまま言う。「ゴキブリが?」すふれ。「ゴキブリってなに?」ショコラが訪ねる。「なんだゴキブリじゃないんだ」とひだまり。「ゴキブリから離れなさいよ」とれあ。
「た、体重が二キロも増えてたんだよー!」とショコラは嘆いた。「えー!」とひだまりとすふれ。
「昨日たくさん食べたからよね、きっと」とれあ。「運動すれば大丈夫でござるよ、オススメはハーフマラソンでござる」とタフィー。「ハーフマラソンってあなた……」とれあはタフィーを見る。
「やーいショコラちゃんのでぶー」とひだまりが言うと「やるかコラァ!」とショコラ。ひだまりとショコラが取っ組み合いになる。
すふれが風呂場に向かっていくのを見たれあが「どうしたの?」とたずねる。「ちょっと、体重計を……」とすふれが青ざめている顔をしていた。
今年も街の公園の湖で花火大会が開催されている。
この町にはじめて来たひだまりもいるので、花火大会に行くことになった。
夕方ごろ、公園に向かうひだまりとすふれとれあとタフィーとショコラが歩きながら雑談している。
「そういえば、二駅となりでオペラがやってるらしいけど」とひだまり。「へーオペラに興味があったの?」とれあが聞くと、「いやあんまり」とひだまり。「そうよね……」とれあ。「れあちゃんはオペラに良くいくの?」とすふれが聞く。「最近は行かないけど、プライマリースクールの時はお父様に連れていかれたかなー」とれあ。「面白い?」とひだまりが言うと、「勉強にはなるわ」と棒読み気味にれあは答えた。「そっかー」とひだまり。
「最近出たあのロックバンドのCDと写真集を集めているでござるよ」とタフィー。「あなたちょっとなにを言い出すのよ!?」とれあはタフィーに詰め寄る。
「やっぱりそうなるわよねー」とすふれ。
「ヨヤミノクニではそういうのあったの? オペラ的なの」とひだまりがタフィーに聞くと、「いや、ヨヤミノクニは戦場(いくさば)なので文化的なものはないでござるよ。サムライは敵でござったし。ヨヤミノクニに向かう前に立ち寄ったオオミヤコではカブキという演芸をやっていたでござるなー」タフィーは答える。「面白かった? そのカブキってやつ」とひだまり。「迫力はあったでござるよー。でも伝統的なものはどこの国でもわかりづらいでござるな」「そうなんだー」とひだまり。
*[注釈]プライマリースクールは小学校あたりのことです。
花火大会会場の公園に到着し、5人は近くの出店で食べ物を買った。
出店では主にホットドッグやハンバーガー、ポテトが売っている。
「寒い日の外で食べるホットドッグは格別でござるなー」とタフィーは食べながら言う。
「うぅー、それにしても冷えるなぁ」ショコラは震えながら言う。
「そうかしら?」とれあ。「拙者はもっと寒い場所で一週間寝泊まりを余儀なくされたことがあるので、このくらいなら慣れてるでござるが、少し寒いかもしれぬな」とタフィーが言うと「あなたどんな生き方してたらそんな目にあうのよ」とれあがツッコんだ。
「でも普段よりやっぱり冷えるわねー」とすふれ。「そ、そうだな。やっぱり寒いよな」とショコラ。
はっと、すふれがなにかに感づいたようにれあのコートを見た。「……まさか! その服高いやつ!」すふれはれあの服のロゴを探し始めると、れあは「ちょ、ちょっとなにしてるの」と慌てる。すふれが「あー! 冬山に使うやつー! まさか下も!」「ちょっとやめてよー!」とれあがすふれを引っぺがそうとする。
「ずーるーいー、自分だけ寒さから逃げようなんて」とすふれ。「あ、あの、これ私が買ったわけじゃないから値段なんて知らないの」とれあ。「誰が買ったの?」とすふれが聞くと「お父様」とれあが答える。「まーたお父様でござるよー」とタフィー。「タフィーあなた少し黙ってて」とれあ。
「そういえば師匠は花火見に来なかったねー」とひだまりが言うと「こむぎちゃんは寒いの嫌いだから」とすふれ。「えー」とひだまり。
「そういえばひまちゃん寒くない? ……あれ、そのコートって秋用じゃない……?」すふれはひだまりのコートの生地の厚さを確認して言う「大丈夫なの? 氷点下よ?」「ぽかぽかしてるから大丈夫だよー」とひだまり。
「まさかまた変なもの飲んだでござるな」とタフィー。「変じゃないよー!」とひだまり。「どこの会社の薬か言ってみろ」とショコラが言うと「自作」とひだまり。「やっぱり変な薬じゃないか!」とショコラ。「変じゃないよー!」とひだまり。
夜空に新年を祝う花火が撃ちあがった。周囲から歓声が湧き上がる。
この町には、花火大会の後、湖へ水溶性の紙に願い事を書いて流す行事がある。
5人は出店で願い事用の紙を買って、紙に願い事を書いて湖に流すことにした。
ひだまりは「すふれちゃんは何を書いたのー?」とたずねながら紙に願い事を書いている。
「店の売り上げが上がりますようにって書いてるのよー」とすふれは答える。
「あれ? 店長だっけ?」ひだまりが首をかしげる。
「店長はこむぎちゃんよー私は大家―」
「えー! そうだったの!?」
「の代理。大家は親ねー」
「あ、そうなんだ」
「こむぎちゃんの店が儲からないと家賃回収できないからこれは大事なお願いなのよ」
「あー、そっかー。私と同じで実家から出てるんだー」
「そうよー、ここの学校に通うついでで、建物の管理を押し付けられたのねー」
「……あれ? なんかうらやましくないような」とひだまり。
ひだまりは願い事を書こうとしているショコラに近寄り、「ショコラちゃんはなにを書いたの?」とたずねる。
「別になんでもいいだろ」とショコラが言うと「身長」とすふれが口をはさむ。
「違う!」とショコラは否定するとひだまりが「じゃあ見せてよ」と言う。
「やだ」とショコラ。
「あー、もう絶対身長だよ。絶対身長」とひだまり。
「はいはい、見せればいいんだろ。ほら」とショコラは願い事を書く紙をひだまりに見せた。
「あれ?まだ書いてないや」ショコラの持つ用紙を見たひだまりは言う。
「そういうこと」と言いショコラは書き始めた。
背後の死角からすふれが覗き込んでいた。
「はい、身長」
翌日、れあとタフィーがまた薬品店にやってきた。その後雑談をしていると、
「そういえばこむぎ殿はまだ起きないのでござろうか」とタフィーが言い、「そろそろ起きてくるんじゃない?」とすふれが言っていると、風呂場から「ぎゃあああああ!」とこむぎの悲鳴が聞こえる。
こむぎがリビングにやってきた。開口一番に言ったのは「お前らのせいだ。お前らがクリスマスパーティーなんて余計なことするからだ……」と念仏を唱えている。
「もしかして、体重が……」とすふれ。「あんなものを食べたら太るに決まってる」とこむぎ。
ひだまりが「でも新年祝いのトーストとかステーキとかも食べてたじゃないですか」と言うと、こむぎはテーブルをドン、と叩き付けながら、「なんで炭水化物中心なんだよ! おかげで年明けたばっかだってのにさぁ!」とこむぎは怒り心頭だ。
「いや、でも食べ過ぎたのは師匠なわけですし、炭水化物だらけなのは反省してますけどぉー、食べた量に関してはちょっと、わたくしどもの責任は言えないのではないで……しょうか?」と都合悪そうにひだまりは顔を逸らしながら言った。
こむぎは真顔になり、玄関に向かって歩き出した。ひだまりが「あれ……、し、師匠~?」と呼び止めるとこむぎは「走ってくる」と言って外に出ていった。「あ、はい」とだけ言うひだまりであった。
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