偽典尼子軍記

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第38話 1547年(天文十六年)7月 出雲領内

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 晴久は美作に出陣している。高田城は制圧出来るだろう。三浦家は直臣だ。これで美作中央、西部を支配することになる。今後は美作東部と南に位置する備前侵攻をどうするかだな。その前に神辺城救援がある。

 隠岐から帰って亀井と交易の打ち合わせを行い、宇龍に入った唐船(ジャンク、私船)に村上景宗を乗せることに成功した。それとは別の船でアユタヤに向かいそこで船を発注する。朱印船だ。(朱印はないが朱印船!)いずれ出雲でも同じ程度の船を作る。鍛冶職人に必殺手書きの絵図を見せて、方位磁針を作らせた。江戸時代に使われた物と同じ物ができたと思う。後は西洋航海術を知っている南蛮人をスカウトすれば世界の海に乗り出せる。村上に期待だ。

 強訴を鎮圧してから出雲領内の国衆が一気に靡いてきた。現時点で尼子に従わない国衆は出雲そして伯耆にはいない。それどころか神西、宍道が領地返上して臣従を申し出てきた。即直臣に取り立てる。白鹿城の松田も考えているらしい。松田、三刀屋、小笠原など主だった国衆は尼子を主家と仰ぐこと、検地を受け入れ行うこと、関所を撤廃することを明記した起請文を連名で提出し、より明確に尼子の権力下に入り被官化している。

 この間、塩冶神社と一部の諏訪神社で神主が流行り病で亡くなった。冥福を祈ろう。他の寺や神社は特になにもない。『座』はまだ残っているが、杵築の楽市が評判がいいので商人たちは寺社の座には行かなくなっている。このまま楽市を発展させて寺社の座は閉店?に追い込んでしまおう。

 神西元通に任せてある山陰道整備と斐伊川東流部の埋め立てが好調だ。3食飯を食わせ拘束9時間、休憩1時間15分、実勤7時間45分の賦役がとても人気が高い。我も我もと賦役に参加したいと領民と流民がやってくる。流民が特に多い。伯耆と遠く因幡からもやってくるようになった。石見は少ない。安芸からは無いな。おかげで富田、宍道、塩冶間の街道はあと一月ほどで完成する。今は斐伊川にかける 木の橋を作っている最中だ。埋立地も順調に増えている。平田の南に広がる埋立地では木綿を栽培する。領内の衣服を木綿製に変えていく。
 稲作りも塩水選、干鰯の供給、正条植え3点セットをどんどん広げているので収穫増が期待できる。今度堺の漁師を連れてきて、新しい漁のやり方を学び漁業でも改革を行う予定だ。温泉津の銀山町も手をつけないといけない。ここは米原を中心に小笠原を動員してやっていこうと計画してる。
 領内開発は順調だ。数年先に起こるであろう大寧寺の変までは開発を中心にしたいなと思っている。どうなるかわからんが。

 為清は塩冶の代官に就任した。姉の沙耶と祝言を上げたので新婚ホヤホヤ、やる気に満ちている。今は領内開発全般を勉強中だ。今後常備軍を創設し率いてもらう。政も軍事もできる代官が必要だ。為清ならやってくれるだろう。晴久が連れてくる三浦家の惣領もまだ幼いので俺のもとで育てることにする。

 九月になると豊後の大友から晴久の継室がやってくる。亡くなった母は可哀想だが新宮党のことを考えると、ああするしか無かったと思う。母としては自分の親族を殺した夫と添い遂げる気にはなれなかったということだ。戦国時代か…
 俺はこれを機に家族、一族のあり方を変えようと思う。新しい母がきたら家族全員が顔を合わせる時間をたくさん増やそうと思う。晴久にはその旨を伝えた。子供を育てるにしても母親から取り上げるようなことはせず、乳母たちと一緒に育てる。乳も乳母だけでなく母も与える。兄弟は一緒に過ごしてもっと楽しく遊ぶ。食卓を家族で囲む。こんな感じで家族として一つになる生活をしたいと晴久に告げた。そうして家族を実感し、一体感を増やして一族同士で争う確率を低くする。晴久も同意してくれた。これからは家族を作っていこうと切に思っている。
 為清にも教えておこう。

 なんてやってたら休みがない!!!!
俺はブラック企業に就職するために転生したんじゃない!なんのために生きているんだ。
腹が立ったので休むことにした。そうだ尼子の嫡男は決してブラック職業ではない!
 転生前、気分転換で山登りというか山歩き(トレッキングていうんだな)をしようと思った。山の紹介本を買いこの本に乗っている全部の山に登ろうと意気込んだ。息子を連れて山歩きに行った。面白かった。楽しい記憶の一つだ。でもそれ1回しか行けなかったな…
 なので明日は山歩きだ。菊も連れて行く。よーし、北山縦走だ。そのまま杵築で一泊するぞ!!!


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