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道連れ
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スクートロはひたすら前を走り続けている。怒りをぶつける様な走りかというとそうでもない。何かに怯えているようでもある。
吸血鬼達と遭遇したのは、ダンジョンに入ってグラトの行程で3日分の場所だった。これは外の明るい時間に移動し暗くなったら休むという1日の生活のリズムを崩さないように、普通の冒険者が採る探索方法での3日だ。一般の冒険者の3倍の速さで進んだグラトだから辿り着いた距離なのだが、スクートロは休みを取らず、食事や睡眠も取らずひたすら出口を目指してひた走っている。
丸一日程走った頃(ダンジョンの出口までのおよそ半分)、スクートロが脇道に入っていった。本道を離れるスクートロを怪訝に思ったグラトだったが、分岐点で様子を見ることにした。
暫くするとくぐもった声が聞こえた。何を言っているかは判らなかったが、『族長』『ネチネチ』『陰険』『猫好き』『覚えておけ』等の言葉が聞こえたので、きっとスクートロがヴァル・リトグに聞かれたら不味い暴言を穴でも掘って生き埋めにしているのだろうと思われた。
顔や手についた土を落としながらスクートロが本道に戻ってきた。待っていた俺を見てちょっと驚いた顔をしている。
「気は済んだか?」
「…聞こえたか?」
「まぁ、ところどころ。」
スクートロが殺気を放って剣を抜き打ちしようとするが、俺が一歩前へ出て、刃が鞘から抜ける前に柄を押さえた。睨み合いになる。
「…お前も大変だな…」
「…何だと?」
「族長がアレでは周りの者が大変だな、と言ったんだ。」
「お前ごときに何が解る!」
「解るさ。弟君の記憶もあるしな。」
「な、何だと!?」
「俺はヴィー・リトグの記憶を持っている。ヴァル・リトグ様は偉大だが、人格に少々難があるんだろう?」
「お前…それを知って…」
「まぁ、人間の世界にも似たようなことはあるってことさ。」
「…」
「一旦ここらで休まないか?」
「いや、できるだけ早くこのダンジョンを出たい。」
「そうか。わかった。」
「人間には休みが必要なのだろうが、一刻も早く目的を果たしたいのだ。」
「ああ。」
スクートロは再び走り出した。俺も追って走り出す。
吸血鬼は人間や動物の生き血を吸って生きているのではあるが、別に肉や野菜を食べない訳ではない。腹が減らないわけでもない。スクートロはどうか知らないが、俺は吸血鬼の記憶を持っているだけの生身の人間なので、食料を摂らなければ体力が尽きてしまう。LOOTERになってから大分飲食料を摂らなくても良くなったが、走りながら干し肉を齧った。
ダンジョンの出口が近付いてきた。冒険者の何人かとすれ違った。スクートロは重力を無視して天井を走って行く。俺は気配と足音を消して、冒険者達の頭上を飛び越えてやり過ごす。
丸一日走り抜き、ダンジョンの出口に着いた。出口を出るとスクートロはダンジョンの出入り口の脇を登り始めた。岩肌剥き出しの斜面を苦もなく登っていく。俺はダンジョン前に立ってそれを見上げている。
「くっそー!今に見ておれ!必ず…してやる!覚えておけ!」
斜面のかなり上の方で月に向かってスクートロが吠えている。あそこまで登ればダンジョン内に声は届かないだろう。
スクートロが恨みつらみの数々を月に報告し、決意表明をしているのを横目に、俺は道から少し離れた所で火を起こし食事の用意をした。おそらく月や星の位置から真夜中少し前だろう。“おくるみの葉”で一食分ずつ干し飯を包んだものを一旦解き、水をかけてまた包み火に焚べる。水蒸気が出てきたら出来上がりだ。干し肉を軽く炙りながらおかずにする。そうして食事を摂っているとスクートロが降りてきた。
「あんたも食べるか?」
「いや、いらん。」
「そうか。」
俺はゆっくり食事をして、護符の束を取り出した。
「『認識阻害』『物理結界』『遮音結界』」
俺とスクートロの周り、半径10mに結界を張った。護符が3枚消失する。スクートロは珍しそうに結界を見ている。
「中から出ていくのは自由自在だ。外からは入ってこれない。」
「か弱い人間の知恵というやつか。」
「まぁそうだ。これで何者にも邪魔されずゆっくり眠れる。」
「…グラトとやら、お主何故我が一族の宝を取りに行くなぞと言い出した?」
「ヴァル・リトグ様に勝てないと思ったからだ。」
「そもそも何故『シューレム』ダンジョンに来た?吸血鬼の隠れ里があるのは知っていたのだろう?」
「自分が強くなるために必要な武器“疾風の短剣”を手に入れるためと、隠れ里があることは忘れていた。」
「忘れていた?」
「ああ。LOOTERって知ってるか?」
「?我が一族とは似て非なるってやつか?」
「そうだ。俺がそのLOOTERだ。」
「バカを言え。伝説の化け物だぞ。人間ごときがLOOTERな訳ないだろう。」
「まあ、普通はなれないだろうな。俺はたまたまLOOTERを倒したんだ。ヴァル・リトグ様に預けたあの黒豹の仔と力を合わせてな。あれは一代前のLOOTERの仔だ。」
「…何と…」
「“シューレム”ダンジョンに70年程前から巣食っていたLOOTERが、3ヶ月前に仔を盾に取られ、代替わりするに至った。そのような卑怯な手を使った下郎にLOOTERは務まらないということだな。」
「と言うことは、ヴィー・リトグ様は黒豹ごときに敗れたというのか?」
「黒豹の姿形をしたLOOTERに、だ。ともあれ、そうしてLOOTERは相手の記憶と能力を受け継ぐのだが、受け継いだ側にとっては、幼い頃の思い出と大差ないのだ。」
「ヴィー・リトグ様の記憶を幼い頃の思い出と一緒にするな、不敬な奴め。」
「仕方ないだろう?他にも多くの人や魔物の記憶を持っているんだ。この“シューレム”ダンジョンで吸血鬼に出会って『そういえば…』って感じなんだ。」
「…」
「…だが、黒豹LOOTERはこのダンジョンから移動しなかった。ある程度その記憶に引っ張られた部分があるのではないかと思う。」
「なるほど…食べ物の好みや癖なんかが幼い頃の記憶に依るところが大きい、とかそういうことか。」
「まぁ、そんなところだ。」
「…認めたくはないが、認めざるをえんか…」
スクートロは小声で何かをブツブツ言っている。
「兎も角俺は“疾風の短剣”を手に入れ、素早さの底上げをしたが、ヴァル・リトグ様のあの強さは想定外だった。ギリギリ逃げ切れるかと思っていたのだが…」
「あのお方は人前では真の実力を絶対お見せにならないからな。ヴィー・リトグ様に付き従った者の大半が、族長の座を実力ではなく血筋で得たと思っている節もあるようだ。」
「重ね重ね大変だな…」
「ふん、知ったふうな口をきくな。…そろそろ休んだらどうだ?人の身ではきつかったのだろう?」
「…有り難く休ませてもらうよ。おやすみ。」
俺は鞄から防雨マントを取り出し、体に巻きつけて横になった。
吸血鬼達と遭遇したのは、ダンジョンに入ってグラトの行程で3日分の場所だった。これは外の明るい時間に移動し暗くなったら休むという1日の生活のリズムを崩さないように、普通の冒険者が採る探索方法での3日だ。一般の冒険者の3倍の速さで進んだグラトだから辿り着いた距離なのだが、スクートロは休みを取らず、食事や睡眠も取らずひたすら出口を目指してひた走っている。
丸一日程走った頃(ダンジョンの出口までのおよそ半分)、スクートロが脇道に入っていった。本道を離れるスクートロを怪訝に思ったグラトだったが、分岐点で様子を見ることにした。
暫くするとくぐもった声が聞こえた。何を言っているかは判らなかったが、『族長』『ネチネチ』『陰険』『猫好き』『覚えておけ』等の言葉が聞こえたので、きっとスクートロがヴァル・リトグに聞かれたら不味い暴言を穴でも掘って生き埋めにしているのだろうと思われた。
顔や手についた土を落としながらスクートロが本道に戻ってきた。待っていた俺を見てちょっと驚いた顔をしている。
「気は済んだか?」
「…聞こえたか?」
「まぁ、ところどころ。」
スクートロが殺気を放って剣を抜き打ちしようとするが、俺が一歩前へ出て、刃が鞘から抜ける前に柄を押さえた。睨み合いになる。
「…お前も大変だな…」
「…何だと?」
「族長がアレでは周りの者が大変だな、と言ったんだ。」
「お前ごときに何が解る!」
「解るさ。弟君の記憶もあるしな。」
「な、何だと!?」
「俺はヴィー・リトグの記憶を持っている。ヴァル・リトグ様は偉大だが、人格に少々難があるんだろう?」
「お前…それを知って…」
「まぁ、人間の世界にも似たようなことはあるってことさ。」
「…」
「一旦ここらで休まないか?」
「いや、できるだけ早くこのダンジョンを出たい。」
「そうか。わかった。」
「人間には休みが必要なのだろうが、一刻も早く目的を果たしたいのだ。」
「ああ。」
スクートロは再び走り出した。俺も追って走り出す。
吸血鬼は人間や動物の生き血を吸って生きているのではあるが、別に肉や野菜を食べない訳ではない。腹が減らないわけでもない。スクートロはどうか知らないが、俺は吸血鬼の記憶を持っているだけの生身の人間なので、食料を摂らなければ体力が尽きてしまう。LOOTERになってから大分飲食料を摂らなくても良くなったが、走りながら干し肉を齧った。
ダンジョンの出口が近付いてきた。冒険者の何人かとすれ違った。スクートロは重力を無視して天井を走って行く。俺は気配と足音を消して、冒険者達の頭上を飛び越えてやり過ごす。
丸一日走り抜き、ダンジョンの出口に着いた。出口を出るとスクートロはダンジョンの出入り口の脇を登り始めた。岩肌剥き出しの斜面を苦もなく登っていく。俺はダンジョン前に立ってそれを見上げている。
「くっそー!今に見ておれ!必ず…してやる!覚えておけ!」
斜面のかなり上の方で月に向かってスクートロが吠えている。あそこまで登ればダンジョン内に声は届かないだろう。
スクートロが恨みつらみの数々を月に報告し、決意表明をしているのを横目に、俺は道から少し離れた所で火を起こし食事の用意をした。おそらく月や星の位置から真夜中少し前だろう。“おくるみの葉”で一食分ずつ干し飯を包んだものを一旦解き、水をかけてまた包み火に焚べる。水蒸気が出てきたら出来上がりだ。干し肉を軽く炙りながらおかずにする。そうして食事を摂っているとスクートロが降りてきた。
「あんたも食べるか?」
「いや、いらん。」
「そうか。」
俺はゆっくり食事をして、護符の束を取り出した。
「『認識阻害』『物理結界』『遮音結界』」
俺とスクートロの周り、半径10mに結界を張った。護符が3枚消失する。スクートロは珍しそうに結界を見ている。
「中から出ていくのは自由自在だ。外からは入ってこれない。」
「か弱い人間の知恵というやつか。」
「まぁそうだ。これで何者にも邪魔されずゆっくり眠れる。」
「…グラトとやら、お主何故我が一族の宝を取りに行くなぞと言い出した?」
「ヴァル・リトグ様に勝てないと思ったからだ。」
「そもそも何故『シューレム』ダンジョンに来た?吸血鬼の隠れ里があるのは知っていたのだろう?」
「自分が強くなるために必要な武器“疾風の短剣”を手に入れるためと、隠れ里があることは忘れていた。」
「忘れていた?」
「ああ。LOOTERって知ってるか?」
「?我が一族とは似て非なるってやつか?」
「そうだ。俺がそのLOOTERだ。」
「バカを言え。伝説の化け物だぞ。人間ごときがLOOTERな訳ないだろう。」
「まあ、普通はなれないだろうな。俺はたまたまLOOTERを倒したんだ。ヴァル・リトグ様に預けたあの黒豹の仔と力を合わせてな。あれは一代前のLOOTERの仔だ。」
「…何と…」
「“シューレム”ダンジョンに70年程前から巣食っていたLOOTERが、3ヶ月前に仔を盾に取られ、代替わりするに至った。そのような卑怯な手を使った下郎にLOOTERは務まらないということだな。」
「と言うことは、ヴィー・リトグ様は黒豹ごときに敗れたというのか?」
「黒豹の姿形をしたLOOTERに、だ。ともあれ、そうしてLOOTERは相手の記憶と能力を受け継ぐのだが、受け継いだ側にとっては、幼い頃の思い出と大差ないのだ。」
「ヴィー・リトグ様の記憶を幼い頃の思い出と一緒にするな、不敬な奴め。」
「仕方ないだろう?他にも多くの人や魔物の記憶を持っているんだ。この“シューレム”ダンジョンで吸血鬼に出会って『そういえば…』って感じなんだ。」
「…」
「…だが、黒豹LOOTERはこのダンジョンから移動しなかった。ある程度その記憶に引っ張られた部分があるのではないかと思う。」
「なるほど…食べ物の好みや癖なんかが幼い頃の記憶に依るところが大きい、とかそういうことか。」
「まぁ、そんなところだ。」
「…認めたくはないが、認めざるをえんか…」
スクートロは小声で何かをブツブツ言っている。
「兎も角俺は“疾風の短剣”を手に入れ、素早さの底上げをしたが、ヴァル・リトグ様のあの強さは想定外だった。ギリギリ逃げ切れるかと思っていたのだが…」
「あのお方は人前では真の実力を絶対お見せにならないからな。ヴィー・リトグ様に付き従った者の大半が、族長の座を実力ではなく血筋で得たと思っている節もあるようだ。」
「重ね重ね大変だな…」
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