異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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イリステラ王国編

147話 主人公、恋を知るー2

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「タクミ、久しぶり!来てくれただな!」
 タムが嬉しそうに、抱きついてくる。

 それを見たティアは、「お友達来た?良かったね。じゃ、タクミ。ティアはもう行くね。またね。」と言うと、その場からサッといなくなる。

「可愛い子だべ。いつの間に知り合いに?オラにも紹介して欲しかったべ。」

 名残惜しそうにティアを見送るタムの後ろから、謎の声が聞こえる。
「タム~。語尾に『ベ』が付いてるよ~。気をつけてって言ったよね~。早く直した方がいいよ~。」
 聞いてるこちらが脱力するような、のんびりとした声だ。

 よく見ると、タムの右肩辺りに何かが浮いている。

 んっ?アレは…。

「タクミは初めてだったな。オラの相棒のあおだべ。」

「ほら~。また『べ』が付いてる~。兄ちゃんに言われたでしょ~。そんなんじゃモテないって~。」

 タムのパートナー精霊は、小型の龍だった。ミライは西洋の竜、ドラゴンの幼体に近い姿をしているが、碧は東洋の龍の姿だ。

「仲良しなんだね…って!タム!病気は?もう大丈夫なの?緊急連絡って、何かあったの?」

 僕は立て続けに、タムに質問する。

「あっ、そうだった。オラ、浮かれてて詳しいことを説明するの忘れてただよ。とりあえず、オラの部屋に行くだ。そこで詳しく説明するだよ。」

 タムの後について行く。
 この宿泊施設は、他国から来た人専用で、空いてる部屋を選んで泊まるのが普通だと言う。
 タムが宿泊しているのは、25階だ。なかなか眺めがいい。
 部屋の中は畳に囲炉裏と、完全に和風だった。
 これは…。旅館か?

「オラが暮らしていた地域ではコレが普通だったから、落ち着くだよ。タクミは、はじめて見るだか?」

「そんなことないよ。この雰囲気は、僕も好きだよ。」

「おぉ!分かってくれるだか!」

「うん。ところで、詳しい話を教えてくれるかな?」

 タムは話が長くなるからと言うと、碧に頼んでお茶を出す。そして僕の前に置くと、このイリステラ王国に来た理由を話し出す。

「オラ、タクミに会ったらお礼を言おうと思ってただ。」

「お礼?特に感謝されることはしてないよ?」

「ジルをスカラに運んでくれたのは、タクミだと聞いただ。オラはジルのおかげで病気が治っただよ。」

「病気が治った?そうなの?良かったぁ!心配してたんだよ!でもジルのおかげって?」

「オラはジルと同じ病気だったんだ。ジルが昔スカラで治療した時のデータから、オラに効きそうな治療法を探してたんだが、なかなか上手くいかなった。そこにジル本人がスカラに来てくれたから、新たにデータが取れて、治療法を変えたら効果が出ただよ。しかも、オラには効果が無かった治療法が、ジルには効いたみたいだ。ジルももうすぐスカラから出れると思うだよ。」

 ジルも良くなってるなんて…。
 良かった…。

「じゃあ、タムはもう元気なんだね?」

「んだよ。だからタクミをこの国に呼んだんだ。」

「はぁ、良かったぁ。緊急連絡って言われたから、何かあったのかと思って、慌てて来たんだ。」

「それは悪かったべ。んだけど、緊急なのには理由があるんだ。オラは今回も運良く治療が効いたけど、いつまた病気になるか分からない。だから、急いでこの国に来る必要があったんだ。」

 スカラで出会った時に、タムは言っていた。次から次へと病気になるのだと。 

「オラとジルは同じ病気仲間として、仲良くなったべ。だから、オラとタクミが友達になったことをジルに言ったら、ある事を頼まれただよ。」

「ある事?」

「ジルからタクミの事情は聞いたべ。タクミはドラゴンの先祖返りで、異世界から来たと。」

 ジル!この事は秘密のはずだよ!
 王宮に仕えていないタムに話すなんて…。

「心配しなくても大丈夫だべ。ジルと守秘の約束をしただよ。それに、ジルがオラにその事を話したのは、オラにドラゴンの血が入っているからだべ。」

「えっ?タムにもドラゴンの血が?」

「んだよ。碧がその証拠だ。ジルは、碧のこの姿は、エレメンテ最強のドラゴンの中でもより強い個体の姿だって言ってたべ。」

 ジルはドラゴンが好きで研究してたって言ってたから、タムのパートナーの碧を見て驚いたんだな。
 パートナー精霊は使用者の分身だ。その人の本質が出ることがあるって言ってたから、タムの場合はそれなんだろう。

「タクミはエレメンテのことを良く知らないから、助けてやってほしいってジルに言われたべ。そして、色々なことを体験させてほしいって。」

 そうか。ジルは、僕が異世界から来たことは話したけど、ミライが人工精霊だって事は話してないみたいだな。
 この世界には、異世界から来る人や先祖返りは、少ないけど存在する。でも人工精霊は初めての存在だ。僕よりミライの方が希少なんだ。守ってあげないとな。

「それで、ここでは何をするつもり?」

「オラ…。お嫁さんを探しに来ただよ!」

 ヨメ?
 この世界には、もう婚姻って制度はないはず…。
 どういうこと?
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