異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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イリステラ王国編

150話 主人公、恋を知るー5

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「なに盛り上がってるだ?」
 タムが飲み物を持って、戻ってきた。

「うふふっ。はじめまして、タクミのお友達。私はティアだよ。」

「おっ、おっ、オラはタムだ。よろしく……。」

 タムがティアの顔を見たまま固まっている。もしかして、タムって女の人と話せないヒト?

「タム~。落ち着いて~。ちゃんと話をしてよ~。」
 碧がこっそりタムにアドバイスしている。

「あっ、あの。ティアは移住希望だか?」

「うん、そうだよ。ここに運命の人を探しに来てるの。」

「運命の人?オラも!オラもそうだべ!気が合うだ!」

「うふふっ。タムって面白いね。」

「んっ?でもティアって、この国に住んでるって言ってたよね?」

「そうだよ、タクミ。でも運命の人に出会えたら、その人の住んでるところに行って、一緒に暮らすのもいいかなぁって思って。だからこの集まりに参加したんだよ。」

「そういえば、さっきは何を盛り上がってただ?楽しそうだったべ。」

「そっ、それは…。」

「ぷぷっ。さっきね。タクミは男の人に声を掛けられて、不思議そうな顔をしてたんだよ。意味が分からなかったみたい。」

「そうだったべか。タクミの恋愛対象は女性なんだべな。」

 いや、普通そうだよね?
 はっ!ここはエレメンテだ。もしかして、タムは男の人も対象なのかな?念のため確認してみよう。

「タムが探してるのは女の人でいいんだよね?」

「んだ。オラはできたら、子供がほしいだよ。たくさん産んでくれる人がいいだ。でも子供が出来ないことの方が多いから、それは仕方ないだよ。」

「子供がほしいんだ。じゃ、探してるのは女の人なんだね?」

「んだんだ。でも。この世界には、見た目で性別が分からない人も多いだ。ドキドキして、ワクワクして、夜も眠れないくらいその人の事を考えてしまう。そんな人がもし、男だったら…。」

「運命の人が男性だったら、恋愛はできないってこと?」

「分からないだ。オラの周りにはそういう人達はいなかったから…。」

「ティアはね。運命の人なら、性別は関係ないの。もしその人が女の人でもティアは受け入れるわ。だって、運命の人なんだから!」

 この世界は、恋愛に関しても自由なんだな。たしかに人を好きになるのに、性別は関係ない。そういえば、大学の友達に、男同士や女同士でルームシェアしてる人がいたな。とても気が合って、一緒にいることが楽しいって言ってた。

 友人への愛情と恋人への愛情は何が違うんだろう?友人と恋人の境目が分からない。僕には経験がないから。

「んだども。ティアは可愛いから、すぐ見つかりそうだべ?」

「ただの好きな人じゃ、ダメなの!ティアが探してるのは、運命の人!」

「でも今までには、ドキドキして、その人のことばかり考えちゃうって出会いもあったでしょ?」

「うん。いつもね。絶対この人が運命の人だって好きになるんだけど、しばらくすると違うなぁって思っちゃうんだよね。タクミもあるでしょ?そういうこと!」

 僕は出会いどころか、そういう感情を感じたこともない。僕はどこか変なのだろうか…。

「運命の人なんて、本当にいるのかな?」

「タクミは信じてないの?」

「僕はドキドキするような人に会ったことがないから、よく分からないよ。」

「えっ?まさかタクミって誰とも付きあったことないの?」
 ティアがとても驚いた顔をしている。
 が、すぐに「もしかして、タクミって獣人種の血が強いんじゃない?」と言う。

「ティア、それってどういうこと?」

「うん。獣人種って種族によっても差があるけど、多くがフェロモンに敏感なんだよ。自分の好みの人を見分ける能力があって、それはフェロモンを感じてるからって言われてるの。ドキドキするのは、相手のフェロモンに反応するからなんだって!もしかしたら、タクミは特殊なフェロモンにしか、反応しないんじゃない?」

「それって、好きになれる相手がとっても少ないってこと?」

「んーっと、そうなるね!」
 ティアは首を傾げながら答える。

 じゃあ、付き合うなんて無理だよ!

「でも、自分は好きじゃないけど、相手が好きになってくれるかも!そういう人と付き合えば?」

「それは…。ダメかな。僕は自分が好きになった相手と付き合いたんだよ。」

「それじゃ、そういう相手が見つかるまで探すしかないね。でも、タクミの気持ちも分かるよ。好きになってくれたことは嬉しいけど、自分から好きになりたいよね。そして、自分が好きになった人から好きって言ってもらえたら、とても幸せなことだよね。」

「ティアは良いこと言うだな!オラもそう思うだよ!」

「うふふっ。タムとは気があうね!」

 ティアに笑顔で見つめられたタムが、勇気を出してティアを誘う。
「あっ、あの。おっ、オラと少しお話ししませんか?」

「んーっ。ごめんね。タムはティアの運命の人じゃないと思うの。他の人を誘って?」

 あー、あっさりフラレた。

「あっ、うん。そうだな。分かったべ。残念だべ。」
 分かりやすく落ち込むタム。

「運命の人じゃないけど、タムとは気が合うと思うの。ティアとお友達になってくれる?」

「もっ、もちろんだべ!」

 あっ。タム、復活した。分かりやすいなぁ。

「じゃあ、タム。他の人達とも話しをしようよ!運命の人がいるかもよ!」

 ティアに誘われて、タムが他の人達のところへ近づいて行く。

 良い出会いがあるといいね。

「じゃ、ミライ。僕達はこの美味しそうな料理を食べて待ってようか!」
「あい!」

 僕は、タムとティアが戻ってくるまで、美味しい料理を堪能したのだった。
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