異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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イリステラ王国編

154話 主人公、愛を知るー2

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「ラシード、そんなに泣いてどうしたの?何かあったの?」

「アリアが死んだよ…。」

「えっ……。何が?」

「子供を産むのは命がけだ。それでも産むって言うアリアを止められなかった…。オレには子供よりアリアの方が大事だったのに…。子供よりアリアが大事なんて、オレはヒドイ父親だよな…。」

「そんなことない!ラシードがアリアを大好きなのは、ティアが一番知ってる。だからラシードは、アリアが命がけで産んだ子供のことも大好きなはずだよ!」

「おぅ…。頭ではわかってんだけどな…。しばらく子供の顔は見れそうにない。あの子はアリアにそっくりだ…。」

「ラシード…。」

「タイジュが親を失った子供達を育てる場所を作ったって言ってた。悪いが、子供はそこに預けることにするよ…。」

「そんな…。ティアが!ティアが育てるよ!」

「いいんだよ、ティア。ティアは…。ティアだけはオレの側にいてくれ。オレの側に…。オレにはまだやるべきことが残ってるから…。」

 ラシード。
 大好きなラシード。
 ティアは、ラシードのためなら何でもするよ。たとえ、ラシードが運命の人じゃなくても…。


  ※※※※※※※※※※※※※※※


「ラシード!ラシード!死んじゃイヤだよぉ!」

「ティア。ありがとな。この国から戦争がなくなったのは、ティアのおかげだ。ティア、泣くなよ。オレはもう寿命なんだよ。」

「イヤ!嫌だよぉ。ティアを置いていかないで…。」

「ティア。オレの幸運の宝石。あの頃から変わらない姿。ティアがいてくれて、オレの人生はとても楽しかったよ。」

「イヤだよ、ラシード。ラシードが居なかったら、ティアは生きていけないよぉ。」

「泣くなよ、ティア。笑ってくれよ。オレはティアの笑顔が好きなんだよ。なぁ、ティア。」

「イヤ!ラシードが死ぬなら、ティアも死ぬよ!ラシードより好きになれる人なんていなかった!ティアにとっては、ラシードが運命の人なの!」

(ティア、そんなにオレのことを…)

「なぁ、ティア。精霊種は長生きなんだろ?オレはこの国が心配だ。オレが死んだ後も、この国が平和な国なのかって。だから、ティア。オレの代わりにこの国を見守ってくれないか?生きていれば、きっとティアの運命の人と出会うよ。それがオレの望みなんだよ。」

「ラシードの望み?」

 ラシードの役に立ちたい。そのためにティアは生まれた。

「頼むよ、ティア。生きて、この国を…。そしてお前だけの運命の人を見つけるんだ…。」

「ラシード!ラシード!イヤだよ!置いていかないでよぉ!」


  ※※※※※※※※※※※※※※※


 ラシードの最後の望みだから…。

 この国を見守る。そして、ティアだけの運命の人を見つける。

 それを守るために、ティアは生きるわ。ずっとね。ラシードのために。

 大好きだよ、ラシード…。


  ※※※※※※※※※※※※※※※


「じゃあ、ティアはそのラシードの最後の言葉を守ってるの?」

「そんな…。500年もの間、ずっとそうしてるだなんて…。オラには信じられないだよ…。」

「ラシードは、きっとティアに生きていてほしいから、そう言ったんだと思うわぁ。でも、その言葉がティアを縛っている。」

「僕には、運命の人がどういう人なのか分からないけど。そんなに好きになれるなんて、やっぱりラシードがティアの運命の人なんじゃないかな?」

「ティアにとっての運命の人とは、愛した相手に同じくらい愛してもらうことなのよ。」

「でも、ラシード以上に好きになれる人はいなかったんだよね?」

「そうよ。だからティアは常に運命の人を探してるの。」

「んだども。それではティアが可哀想だべ。もう運命の人とか、関係ないべ!ティアはラシードが好き!それでいいだよ。」

「うん、僕もそう思う。ラシードより好きになれないから運命の人じゃないって、ティアが思い込んでるだけじゃないかな?人を好きになるって誰かと比べること?」

「んだんだ。オラにはおっ母が5人いるだが、おっ父は全員好きだと言ってるべ。昔、おっ父に聞いたことがある。おっ母の中で一番好きなのは誰なんだべ?って。」

「そんなこと聞いたの?」

「んだ!オラが小さい頃、嫁が5人もいるなんて変だよって、ホームの家族に言われただよ。おっ父は笑ってこう言っただ。
『5人それぞれ魅力が違う。尊敬の好き、守ってあげたいの好き、共に生きたいの好き、好きには種類があるけど、それは全部同じ好きってことだ。誰かを選ぶなんてできない』って。」

「ふふっ、素晴らしいお父様ねぇ。ぜひお知り合いになりたいわぁ。」

「それはダメだべ!イリス様をおっ母とは呼びたくないべ!」

「あらぁ、フラれちゃったわねぇ。」

 好きに違いはない、好きって気持ちは同じ…。

 家族を好きだと思うのは、親愛?
 友達を好きだと思うのは、友愛?
 子供を好きだと思うのは、慈愛?

 何が違うんだろう?

「イリス様は、恋愛経験も豊富なんだよね?友達に対する好きって気持ちと恋人に対する好きって気持ちの違いは何?」

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