異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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イリステラ王国編

153話 主人公、愛を知るー1

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 誰かがラシードの話をしている…。
 ラシード。
 ティアが愛した人。ラシードもティアのことを好きだと言ってくれたのに…。
 ティアは眠りながら、昔のことを思い出していた。


   ※※※※※※※※※※※※※※


「ラシード、こんな廃墟に本当にあるのかよ?」

「おぅ、間違いないって!ここは昔、熱心な信者がいることで有名な神殿だったが、アホな神官が神殿の金を使い込んで豪遊ばかりしてたんだとよ。それで信者がいなくなって、こんな廃墟になったってウワサだ。」

「おいおい、ウワサかよ?しかもそんな神官がいたのなら、例の宝石なんか、とっくに売っぱらってるって!」

「大丈夫だ。これは確かな筋からの情報だ。」

「なんだよ、確かな筋って…。」

「オレのばあちゃんが昔、この神殿で神官見習いしてたんだよ。そこで見たって言ってた。あの宝石は持ち主を次々に不幸にする。最後の持ち主だった神官は、それを持って逃げようとしてたところを信者達に見つかって殺された。」

「マジかよ。信者が神官を殺すのかよ?敬虔な信者ってのはヤバいな。」

「それだけ信じてたんだ。だから裏切られたと分かって、怒りが爆発したんだよ。それを見たある神官見習いが、その宝石を神殿の中に隠した。これ以上不幸な人が増えないようにってな。」

「あっ?まさか?その神官見習いってのは?」

「そうだよ!オレのばあちゃん!」

「でかした!ラシード!馬鹿な貴族たちを釣り上げるのに、すっげぇエサがいるんだよ。その宝石、使わせてもらうぞ!」

「おぅ!あの貴族たちが居なくなれば、少しはここも暮らしやすくなるからよ。協力するぜ、タイジュ!」

 こうして、ティアはラシードのものになった…。
 ラシードが見つけてくれて、とても嬉しかったの。


   ※※※※※※※※※※※※※※※


「ラシード。お前のところはどうだ?上手く言ってるか?」

「タイジュ!人手が全然足りないよ!オレのチームは少数精鋭だからな。」

「お前が肌身離さず持ってるその宝石を売れよ。その金で人を雇えばいいだろ?」

「バカ言うなよ!これはオレのお守りだ!この宝石を手に入れてから、オレの人生は変わった。幸せ続きなんだぜ?手放せるかよ。」

『不幸を呼ぶ宝石って言われてたティアの事を大事にしてくれるラシード。そんなラシードが困ってる。ティアにも何か出来たらいいのに。ティアはラシードの力になりたい。ティアはラシードが好きなの。』

「おい、ちょっとその宝石、見せてみろ。」

「なんだよ、タイジュ?オレのだから、お前にはやらないぜ?」

「分かってるよ。この宝石から、ちょっと気になる波動が出てるんだよ。まさか?これは…。」

 タイジュはティアをある場所に連れて行った。もちろん、ラシードも一緒。そこで、ティアは精霊種として誕生した。ラシードはとても驚いていたけど、ティアのことを受け入れてくれた。

 大好きなラシード。
 ラシードの役に立ちたい。
 ティアは、ただその思いだけで生まれたの。


   ※※※※※※※※※※※※※※※


「ティア、ありがとな!お前のおかげで作戦が上手くいったよ!」

「ラシードの役に立てたなら、ティアは嬉しいよ!」

「ティアはやっぱり、オレにとって幸運を呼ぶ宝石だよ!それで、良い報告がもうひとつあるんだ!オレ、結婚することになった!祝福してくれよな!」

「結婚?祝福…。」

 ティアはラシードが好きなの。
 ラシードを見るとドキドキして、話をするだけでワクワクして。
 ラシードのことを考えただけで、夜も眠れないの。

 でも、ラシードはティアとは結婚してくれない。ティアの事は、大事に思っているし、特別だ。もちろん大好きだよって言ってくれるのに。
 ラシードの結婚相手とティアはどう違うの?ラシードは、ティアにも好きって言ってくれるのに。
 好きに違いはあるの?
 ティアには分からないよ。誰か教えて!


   ※※※※※※※※※※※※※※※


「ねぇねぇ。アリアはどうして、ラシードと結婚したの?」

「ふふっ、ティアどうしたの?そんなこと聞いてくるなんて。」

「ティアには人を好きになるって分からないから、教えてほしいの。」

『ティアの好きは本当の好きじゃないよ。生まれてすぐに見たものを親だと思って慕ってくるヒナみたいなものだ。オレが最初にティアを見つけたから、オレのことを好きだと思ってるだけだよ。きっとオレ以外に大好きなヤツが現れるさ。それにオレにはアリアがいるからな。』

 ラシードはそう言ってた。
 ティアの好きは、本当の好きじゃないってどういうことなの?

「そうねぇ。ラシードに会った時に思ったの。私きっとこの人と結婚するんだって。会った瞬間からドキドキが止まらなかった。そしたら、ラシードもそうだったの。愛した人から愛される。ラシードが私の運命の人なんだって思ったの。」

「そう…なんだ…。」

 ティアはラシードが大好き。
 でもラシードはアリアが大好き。

 大好きな人から愛してもらえないのは、ラシードがティアの運命の人じゃないからなんだ…。

 でも、こんなに好きなのに!
 ラシード以上に好きになれる人なんていないのに!


   ※※※※※※※※※※※※※※※

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