異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ベアルダウン王国編

166話 主人公、スローライフを満喫するー2

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 僕達が向かっている牧場では、タブルーという家畜を育てているという。タブルーはアースの牛に似た動物で、紋章システムができる前から、家畜として飼われていた。タムはこのタブルーを広い牧場で放し飼いにしているのだ。

「ここがオラの牧場だべ。」

 ホバーに乗ること数十分。やっと目的の場所に着く。

「見渡すばかり牧草地だけど。タブルーっていう動物はどこに?」

「んだな。あお、位置の特定はできるだか?」

 タムが碧を呼び出して聞いている。

「んとね~。ここから数キロ先にいるよ~。」
 あいかわらず、のんびりしたしゃべりだ。

「それにしてもこの世界は便利な道具がいっぱいだね。」

「んだよ。これが無かったら、とてもオラ一人で世話はできないべ。」

 この世界には、精霊球と呼ばれる便利な道具がある。精霊球は、ピンポン玉くらいの大きさで、あらかじめプログラムした通りに動いてくれる。

「この西の牧場で使用している精霊球は、タブルーたちを監視する用と獰猛な動物を撃退する用の2つだべ。監視用の精霊球は碧が管理してるから、何かあったら、オラに教えてくれるだよ。」

「獰猛な動物って、たくさんいるの?」

「んだ。ここは山の中の平地だ。オラはそこを使わせてもらってるだけで、山は元々、彼等の領域だべ。」

「でも、これだけ広いと精霊球もたくさん必要じゃない?」

「大丈夫だべ。タブルーたちは群れで動くから。監視用と撃退用の精霊球はペアで、タブルーたちについていくべ。」

 精霊球は、精霊で動いている。アースで例えると、空気を動力としているようなものなのだという。
 空気が動力なら、無限に活動できるよな。開発した人すごいな。

「タム、タム!タブルー見たい!近くまで行ってもいい?」
 ソラが無邪気に、お願いしている。

「んだな。映像で確認はしているだども、自分の目で見るのも必要だ。ホバーで近付くと驚くからな。ここからは歩くべ。ソラは歩くの大丈夫だべか?」

「うん!大丈夫だよ!タムって優しいね!」

 たしかに!
 タムって、さり気ない気遣いができるんだよなぁ。絶対モテるタイプだと思うのに。

 はっ!もしかして…。
 タムは成人するまで、病弱だったと言ってたな。そして、成人後は様々な病気になってスカラで治療していた。ということは、ただ単に女性と出会う機会があまりなかっただけで、タムと何日か過ごした女性はタムのこと好きになるんじゃないかな?

「タクミ、ダメだよ。ボクの運命の相手なんだから…。」
 僕の思考を読んだソラが、そのことをタムに告げないようにと、ヒソヒソ声で釘をさしてくる。

 そっ、そうだよね。
 ライバルが増えたら困るよね。大丈夫、言わないよ。僕はソラの味方だから!

「もうすぐ見えてくるよ~。今日はこの辺りの牧草を食べてる~。」

 ホントだ!牛に似た動物が草を食べている。んっ?でも待てよ。なんだか、遠近感がおかしいぞ。

 至近距離まで近づいたところで、その謎が解ける。タブルーは僕が知っている牛の2倍以上はあるくらい、大きかったのだ。

「こんなに大きいなんて…。」

「わーい!タブルーだ。久しぶりに間近でみたぞ。」
 ソラは大喜びだ。
「このタブルーは500年前から、ほとんど姿形が変わってないんだ。可愛いよね。」

 このバカでかい動物を可愛いと言うソラの感覚がよくわからない…。が、いまのソラは10代後半くらいの女の子の姿だ。その姿で素直に喜んでいるのは、率直に言って、可愛く見える。

 小学生くらいの男の子の姿しか知らなかったから、いまだに複雑な心境だ。ドラゴンには性別がないから、どちらも本当の姿だと言われてもなぁ。

「んだな。うちのタブルーたちは、よく食べてよく動くから、料理人から譲ってくれって連絡がくるだよ。」

 料理人?

「そういえば、この国はこの世界の食料庫なんだよね。この世界の食糧事情ってどうなってるの?前にガルシア様に聞いた時は、大きな食糧生産場があるって言ってたけど。」

「んだよ。この国は暗黒大陸くらい広いんだ。この国の王宮に仕えている人達が、それぞれの作物に適した土地で、精霊球を使って育ててるべ。それを紋章システムに保管するって仕組みだ。それ以外にも、オラ達みたいなファーマーが育てた作物は、採れ過ぎると紋章システムで引き取ってくれるだよ。」

 たしかに、たくさん採れ過ぎても食べきれない。誰かが食べてくれた方が嬉しいよな。

「タム達は、自分達で食べる用に作物を作ってるの?」

「それは人それぞれだべ。オラはこのタブルーを守るために、このファームをもらったんだべ。」

「もらった?誰に?」

「ここは以前は、ガッツっていう老人が一人で世話をしてただ。オラは成人してすぐにこのガッツに弟子入りしただよ。ガッツは身体の衰えを感じていた。だから、このファームの後継者を探していただ。この地域には、おっ父と兄ちゃんが住んでるだ。オラもこの辺りに住んでみたかったから、ちょうど良かっただよ。」

「じゃあ、お父さんやお兄さんに紹介してもらったんだ?」

「違うだ。ファームの後継者は、紋章システムで募集するのが普通だべ。自分の希望と相手の希望が上手く一致すると、弟子入りすることができるだよ。オラはガッツから、いろいろな事を教わっただ。」

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