異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ベアルダウン王国編

180話 主人公、暗黒大陸を冒険するー2

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 翌朝、ハドリー岬から9人全員で暗黒大陸に転移する。

 今日は目的の座標に到着する予定だ。
 何が起こるか分からないので、万が一、国外活動装置が使えなくなった時のために各自最低限の荷物を持って行くことにした。

 一番怖いのは油断だと、ユーリは言った。紋章システムが使えると思って気を抜いていると、使えなくなった時にパニックになることもあるという。

 たしかに便利な道具ほど、使えなくなった時は困るよな。僕も仕事中、外出先でスマホを水没させた時はパニックになったな。営業先の電話番号が分からなくなり、検索も出来ず、頭が真っ白になったよ。

 特別仕様のホバーは7台。後から参加することになったガルシアとカシムの分はない。だから、病み上がりのジルと防御能力最弱のガルシアを後ろに乗せることにした。ライルの後ろにジル、カシムの後ろにガルシアを乗せて、ホバーは進む。



「そろそろ目的の座標なんだけど…。おかしいね。見渡す限り砂漠だ。」
 座標の確認をしていたユーリが困惑している。

「精霊王を祀る神殿があると推測していたのですが…。何も見つけられないなんて…。」
 ライルもショックを隠せない。

 各自、ホバーを降りて、周りを探索し始める。

 僕も何か見えるかもしれないと思い、ドラゴンの瞳を発動する。

 すると、目の前の景色がユラリと揺れたような気がした。そして、ガルシアが歩いていく先に異変を感じる。

 ガルシア様の前方の何もない空間がカーテンみたいに揺れている?おかしいな…。

 そう思っていると、ガルシアがその揺らぎに触れた。

 その瞬間、それは起きた。

 ガルシアの足元の砂の中から鋭く尖った棘が出現して、ガルシアを貫いたのだ。

「ガルシア様!!!」
 カシムがとっさに紋章システムからムチのような武器を出し、ガルシアを手繰り寄せる。

 ガルシアの腹部から血が流れ出す。

「コレはヤバイです!治癒の術を!」
 カシムがガルシアの傷口を押さえながら、叫ぶ。
「カシム!僕が治癒しますから、あなたは周りの警戒を!」
 ライルがガルシアに駆け寄る。

 僕達も辺りを警戒しながら、ガルシアの周りを囲むように集まる。

 そんな僕達の目の前の砂が舞い上がり、巨大な何かを形成していく。

 砂の怪物?
 その怪物がハッキリと見えるようになったのと同時に、奥には見たこともないくらい綺麗な神殿が現れた。

「もしかして、あれが目的の神殿?ということは、これは遮蔽の術!ガルシア様が発動させてしまったようだね。」
 冒険者としての経験が長いユーリが叫ぶ。

「遮蔽の術?」

「あい!この世界の古い遺跡や神殿でたまに見つかることがあるんだよ。何かを隠すために見えなくなる術がかけられてて、その領域に入ってしまうと発動する。発動すると、宝箱とかを護る最強のガーディアンが現れるのが多いんだよ。」

「じゃあ、いまこの目の前にいる怪物は…。神殿を護る最強のガーディアン?」

「あい!そうなるね!」

 ミライは明るく話すが、目の前の怪物には油断できない気配を感じる。
 ガルシアに容赦のない一撃をくらわせたことを考えると、この怪物に感情など無い。ただ自動的に侵入者を撃退するのみだ。

「ガルシア様は大丈夫なの?」

「この世界の治癒は、再生が基本なんだよ。本人の自己回復能力を高めて、欠損部分を再生させる。健康で若い人なら、心臓でも脳でも、すぐに再生できるよ!」

 心臓はまだ分かるけど、脳も再生できるの?それはヤバイ。考えたくないけど、頭を吹き飛ばされても、大丈夫ってこと?

「あい!再生できるよ!でも元々、再生能力が弱ってる人や時間が経ち過ぎている時は再生できないこともある。だから普通は、パートナー精霊が防御結界を発動せるよ。ただ、ガルシア様にはパートナー精霊がいないし、ここはガンガルシアじゃないから王の力も使えないし。」

 ガルシアじゃなくても、危険はある。ここは暗黒大陸だ。国外活動装置があるとは言え、正常に防御結界が発動するとは限らない。

「これがガーディアンだとすると、こいつを倒さないと神殿には入れない!アタイ達で、こいつをなんとかするよ!」

 ユーリが皆に指示をする。

「ライルはそのまま、治癒を続けて!2人の護衛はリオンとシオンに任せて、残りの全員であいつを倒すよ!」

 全員がユーリの指示に頷く。

「ジル!あんたは病み上がりだ。攻撃は控えて、観察を頼む。これだけ大きなガーディアンは初めてだ。アタイ達の攻撃なんか効かないかもしれない。よく観察して弱点を探ってほしい!」

「おぅ!任せとけ!お前達も気を付けろ。見たところ、そのガーディアンは砂の怪物だ。こちらの攻撃は効かないだろう。ガーディアンの身体に核があるはずだ。それを見つけて、破壊しろ。いいな!」

 さすがジル!ひと目見ただけで、そこまで分析してるなんて!

「砂の怪物だべか。じゃ、これを試してみるべ。」
 タムが取り出したのは、氷の剣だ。
「これで固めてから、核ごと砕くだよ。」

 タムが氷の剣を構えて、砂のガーディアンに向かっていく。
 斬りつけた箇所が凍りついて動かなくなる。それを見たカシムは、紋章システムから弓を出し、遠距離から凍りついた箇所を狙う。

「タムはすごいデス。ガーディアンの核が有りそうな箇所を狙って、凍らせていマス。」

 そう言うカシムもスゴイ。
 一発で凍った箇所を撃ち砕く。

 攻撃が効いてるのか砂のガーディアンは、動きが鈍くなる。

 このまま倒せるのか?
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