異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味

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ベアルダウン王国編

182話 主人公、暗黒大陸を冒険するー4

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 砂のガーディアンは、撃破される度に動きが変わる。こちらの攻撃パターンを解析して、バージョンアップしているようだ。

 何度も挑むワケにはいかない。
 一撃で決めないと!

 僕はドラゴンの瞳の能力をフルに使う。ガーディアン9体と相対する全員の動きを確認。同時に撃破できるタイミングを探る。

 ガルシアも少し離れた所でスナイパーライフルを構えている。ユーリが相手をしている2体の片方を狙っているようだ。ユーリもそれを理解して、ガルシアが狙いやすいように動いている。

 全員がタイミングを見計らっている。

「今だ!みんな、核を砕くんだ!」

 僕の指示で皆がそれぞれのガーディアンの核を砕く。僕も鋭く尖らせたドラゴンの爪で、目の前のガーディアンの中心部をえぐる。核を砕く手応えを感じた。

 ガルシアも一撃でガーディアンを粉砕している。

 なに、アレ?
 すごい威力なんだけど…。

 ガルシアが狙ったガーディアンは跡形もなく崩れ去っている。

 周りを見ると、皆それぞれ撃破できたようだ。

 僕はドラゴンの瞳で観察する。
 もう光るなよ。ひとつでも光ると全部再生してしまう。

 しばらく見ていたが、砂が風に吹かれて舞い上がる。再生しない。

「みんな、成功だよ!」

 こうして、砂のガーディアンを撃破した僕達は目の前に見えている神殿へと向かったのだった。




 神殿の入り口に立った僕は、その荘厳さに圧倒されていた。ドラゴンの瞳を発動させているからだろうか。尋常ではない空気を全身で感じる。

 僕は危険が無いかを確認しながら、白亜の城のような神殿の扉を開く。

 危険は無いようだ。
 が、扉を開けた僕は驚く。

 ここは!精霊がいる!
 どうなってるんだ?暗黒大陸には精霊はほとんどいないはずなのに。

 国外活動装置があるから、精霊の異変には僕しか気付いてないようだ。精霊は空気のようなものだが、無くても活動はできる。だから、誰も分からないんだな。

 扉を開けてすぐの場所はホールのようになっていた。何もない空間だ。

 だが、皆、興奮している。

 建物の内部は細部まで装飾が施され、まるで一個の美術品のようだ。

「スゴイ豪華だね…。それに、ずいぶんと広いけど、手分けして探索する?」
 リオンの提案にライルが反対する。
「いえ、先ほどのような仕掛けあるかもしれません。全員同じ場所にいた方がいいと思います。全員で進みましょう。」

 僕達は全員で奥へと進む。すると、奥の壁面に見たことのある紋様が刻まれていた。

 流浪の民の紋様!!!

「この紋様は…。やはりこの建物が精霊王の神殿?」
 ライルが興奮して、紋様を食い入るように調べ始める。

 みんなもその周りをキョロキョロと見回している。

「へぇ、これが流浪の民の紋様ねぇ。」
 ガルシアがそう言いながら、壁の紋様を触った時だった。壁が一瞬光って、紋様の前に1人の女性が現れた。

「ようこそ、※※※※様の居城へ。」
 かなり高齢の女性だ。姿が透けている。立体映像?

 女性はガルシアを見ながら、こう言う。
「世界を救うお役目ご苦労様です。貴方がいるから、この世界が存続できる。」

「あっ、どうも…。何のことか分からないが…。」
 ガルシアは戸惑っている。

「皆様。ようこそおいで下さいました。歓迎します。姫さまから言われております。ここを訪ねてくる者がいたら、全てを話すようにと。」

 姫さま?

「あっ、あの。僕達は流浪の民の紋様を調べていて、この座標に辿りつきました。精霊王と大いなる呪いのことについて書いてある古文書を解読したのです。」
 ライルが興奮気味に説明する。

「元気な方ですね。そうですか、あの本が見つかりましたか。疑問にお答えします。ですが、ここでは何ですから、少し落ち着く場所へ行きましょう。こちらです。」

 皆が戸惑いの表情をして、僕を見てくる。ドラゴンの瞳を発動させている僕は、女性に危険が無いことを確認すると、皆の顔を見て頷く。

「大丈夫。ついていこう。」

 僕達は女性の案内で階段を登る。案内された部屋は大きなテーブルがある部屋だった。

「どうぞ、お好きな所にお座りください。いま飲み物をお持ちしますから。」

 各自、好きな場所に座る。
 正面の壁にはキレイな若い女性の絵が飾ってある。

 んっ?誰かに似ているような…。

「お待たせしました。こちらをどうぞ。」

 女性は僕達の前に違う種類の飲み物を置く。

 僕の前にはダグザ茶。ユーリの前にはスーレ山の発泡水。そして、他のみんなの前にも、それぞれの好きな飲み物が。

「あんたにもドラゴンの能力が…?」
 ユーリが驚いている。

「ドラゴンほどの能力はございませんが、これくらいはできます。では、皆さまの疑問にお答えしますが、その前にわたくしの自己紹介をさせていただきます。」

 女性は肖像画がある壁の前に立ち、頭を下げる。

「わたくしの名前はトゥーラ。この城の主人、※※※※様に仕えておりました。そして、こちらの肖像画は※※※※様の御子、この城の姫さまでございます。」

「ここは、精霊王の神殿では無いということなのですか?それに…、もしかして…。」

「あぁ、あなた達の言語では発音できないですわね。その通りですよ。あなた達が精霊王と呼んでいるのは、※※※※様のことです。」

 じゃあ、ここは精霊王を祀る神殿では無く、精霊王の居城ってこと?!
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